税務調査対策の費用はどのくらい?税理士に依頼できる業務を解説!
- 税務調査対策を税理士に依頼する際の費用は?
- 税務調査対策で税理士は何をしてくれるの?
- 自分に合った税理士を選ぶポイントは何?
税務調査対策は企業や個人事業主にとって非常に重要です。税理士に業務を依頼するのであれば、報酬や他の費用を把握しておくべきでしょう。
この記事では、税理士に税務調査対策を依頼する際にかかる費用について解説します。
どのような業務内容を行ってくれるのか、どんな税理士を選んだらよいのかといった疑問も解決するので、税務調査に不安を抱いている方はぜひ参考にしてください。
税務調査対策で税理士に依頼できる業務と費用相場
税務調査対策は、税理士に依頼する業務によって費用相場が変わります。税務調査対策をすべて任せることも、予算に応じて特定の業務を依頼することも可能。税理士に依頼できる業務は主に以下の3つです。
- 事前準備
- 税務調査の立会い
- 修正申告
1. 事前準備は1日3〜6万円
税理士に税務調査の事前準備を任せた場合、費用相場は1日あたり3万円〜6万円前後です。事前準備の費用に加え、税理士がオフィスまで来るための交通費が請求されることも。企業の規模が大きくなると準備に複数日かかることもあり、費用がかさみます。
2. 税務調査の立会いは1日3〜6万円
税務調査の当日、税理士に立ち会ってもらう場合の費用相場は、1日あたり3万円〜6万円前後です。税務調査は1日で終わることは少なく、2日以上かかることが多いので、それだけ費用がかかります。
3. 修正申告は5〜20万円
税務調査の結果、修正申告を税理士に依頼する場合には、5万円〜20万円前後の費用がかかります。納めるべき税金よりも少なく納税していたケースでは修正申告、多く納税したケースでは還付を求める請求書の作成が必要です。
費用にかなり幅があるのは、修正の程度によって費用が大きく変わるため。小さな修正であれば費用は安くて済みますが、複数の決算期に渡って修正が必要になると数十万円単位の費用がかかります。
年間売上高と費用相場の関係
税務調査対策の費用相場は、年間売上高によっても異なります。企業の規模が大きくなれば、税務調査対策の負担も増えるので、費用も高額になるのです。一例として、年間売上高が5,000万円の企業と1億円の企業を比較すると、税務調査対策の費用相場には以下のような違いが生まれる可能性があります。
事前準備 | 税務調査の立会い | 修正申告 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
売上高5,000万円 | 4万円 | 4万円×2日 | 10万円 | 22万円 |
売上高1億円 | 6万円×2日 | 5万円×3日 | 20万円 | 47万円 |
税務調査対策を税理士に依頼する2つのメリット
税務調査対策を税理士に依頼することにはメリットがあります。事業主だけで税務調査に対応することも可能ですが、税理士に依頼すればリスクを最小限に抑えられるのです。税務調査対策を税理士に依頼する具体的なメリットは以下の2つが考えられます。
1. 税務調査の時間を減らせる
税務調査対策を税理士に依頼すると、税務調査にかかる時間を減らせます。事前準備を税理士に依頼すれば、自分で準備する必要はありません。事前準備をしっかり行い、税務調査官の質問に適切に答えられれば、税務調査は短時間で済みます。
税務調査が長引くと、気がかりで本業に影響が及んだり、従業員に不安を与える恐れがあります。税理士に対策を依頼して、素早く税務調査を終わらせることで、影響を最小限に抑えられるでしょう。
2. 追徴課税を回避できる可能性がある
税理士に税務調査対策を依頼すると、高額な追徴課税を回避できる可能性があります。税務署は、書類や申告内容に不備がないかをチェックし、少しでも疑わしい点があれば修正申告を迫るものです。事業主が自分だけで税務調査に対応すると、言われるがまま修正を受け入れてしまう恐れがあります。
税理士に業務を依頼すれば、事前調査の時点で税務署の追及を予測し、対策を立てられるのが大きなメリット。税務のプロとして税法や過去の判例を使って事業主に有利な主張が行えます。追徴課税があったとしても、最小限のダメージで抑えられるよう助けてくれるのです。
税務調査の流れ
税務調査対策を行う上で、税務調査の流れを把握しておくことは重要です。税務調査の流れを知ることで、より効果的な対策を講じられます。税務調査の進め方は基本的に以下のとおりです。
- 事前通知
- 調査当日
- 書類のチェック
- 税務署の指摘
- 調査結果
1. 事前通知
税務調査については、税務署から電話で通知が入ります。顧問税理士がいる場合には、税理士に通知が行われるでしょう。税務署と対象となる企業の間で日程調整が行われ、税務調査の日付が決まります。
ごくまれに、事前通知なく税務調査が行われることもあるので注意が必要です。
2. 調査当日
税務調査当日、調査官は会社の始業時間に合わせて尋ねてくることがほとんどです。調査官に対応するのは税理士、もしくは事業の責任者が望ましいといえます。
責任者が事業内容や取引の流れの概要を説明し、経理担当者が細かいお金の流れについての質問に答えるのが基本的な流れ。必要に応じて税理士のサポートやアドバイスを受けながら進めていきます。
3. 書類のチェック
税務調査では、必ず書類のチェックが行われます。確定申告書だけでなく、あらゆる帳簿の内容が精査されるでしょう。チェックされるのは以下のような内容です。
- 売上:計上漏れがないか
- 経費:不自然な支出はないか
- 減価償却費:適切な耐用年数を使用しているか
- 在庫:計上漏れがないか
場合によっては社長の趣味や家族構成といった一見関係のない質問から、帳簿の矛盾や経費の不適切な仕訳を指摘されることもあります。税務調査官の質問に対しては、不用意な発言を控えることが重要です。
4. 税務署の指摘
書類のチェックが終了すると、税務調査官は矛盾や不備と思われる点を指摘します。税理士がいる場合には、必要に応じて税法に照らした説明や、指摘に対する反論で依頼主を擁護してくれるので安心です。
ただし、税務調査官の指摘が正しいケースでは、修正申告するようにとの指示を受け入れなければなりません。
5. 調査結果
税務調査官の指摘の結果、確定申告書や帳簿の内容に誤りや不備が見つかった場合、修正申告が必要となります。税理士に修正申告を依頼し、適切な納税を行えば税務調査は終了です。
税理士を選ぶ3つのポイント
税務調査対策はとても重要な業務なので、信頼できる税理士を選ぶべきです。税理士を賢く選ぶためには、以下の3つのポイントを押さえておく必要があります。
1. これまでの実績を確認する
最初に、税理士の実績を確認しなければなりません。経験豊かで税務調査に慣れている税理士であれば、税務調査官の鋭い質問にも落ち着いて対応してくれます。
税理士の実績は、Webサイトに記載されていることが多いので、必ずチェックしましょう。税理士事務所を経営している経営者としての経験がある税理士であれば、さらに細やかなサポートが期待できます。
2. 折衝力があるか確かめる
税務調査に臨む税理士に必要な別のポイントは、折衝力です。税務調査では折衝力や交渉力が物をいいます。税務解釈には幅があるので、交渉次第で依頼主に有利な状況を作り出せるのです。
ポイントとなるのは、税務調査官の顔を立てつつ交渉を有利に進めること。単に税務調査官を言い負かしてしまうと、より厳しく追及される恐れがあります。折衝力のある税理士を選ぶことで、友好的に税務調査を進められるのです。
3. 対応の素早さを見極める
税務調査対応で重要なのが対応の素早さ。税務調査の通知が来たなら、税理士にすぐに対応を始めてもらわなければなりません。領収書の扱いや必要書類について尋ねたらすぐに回答してくれる税理士は信頼できます。
以下の記事では、より詳しく税理士の選び方を解説しています。ぜひこちらも参考にしてください。
まとめ
税務調査対策を税理士に依頼した場合、事前調査、税務調査の立会い、修正申告それぞれに費用がかかります。
企業の規模や税務調査の期間、売上高によって費用が変わるので、あらかじめどの程度の費用がかかるか計算するといいでしょう。信頼できる税理士を慎重に選べば、スムーズに税務調査を乗り切れるのです。
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岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。
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