誹謗中傷対策〜インターネット時代の5つの方法|風評拡散を防ぐには?

更新日:2021年04月15日 発注カテゴリ: 風評被害対策
誹謗中傷対策〜インターネット時代の5つの方法|風評拡散を防ぐには?

誹謗中傷による被害が大きな社会問題となっています。インターネット時代の誹謗中傷は、対策・対処を間違えればあっという間に「拡散」し、個人・法人に甚大な被害が及んでしまうからです。ときには個人の生命を危険にさらし、法人活動に深刻なダメージを与える誹謗中傷被害に、どのような対策をとればいいのか?誹謗中傷による被害を最小限にとどめる対策はないのか?悩んでいる個人・法人の方は少なくないでしょう。そんな悩みを抱える方に向け、誹謗中傷被害を受けた場合に考えられるインターネット時代ならではの5つ対策を紹介するとともに、風評拡散を防ぎ、誹謗中傷による被害を最小限にとどめるためのポイントを解説していきます。

誹謗中傷とは?

対策・対処法を解説する前に、意味・定義・現状を含めた誹謗中傷の基本をおさらいしておきましょう。誹謗中傷とは「事実ではないことを根拠に、他人の悪口を言いふらして傷つける」という意味。

もともとは別の言葉である「誹謗」と「中傷」を組み合わせた言葉として「誹謗中傷」が使われるようになり、現代では「誹謗中傷する」といった動詞的な使われ方も一般化しました。

誹謗 他人のことを悪くいう、悪口をいう、誹り
中傷 事実ではないことをいいふらして、他人の名誉を傷つける

他者から責められるという意味では、批判・非難などの言葉も使われますが、批判・非難は「事実を根拠」にしたものであることが誹謗中傷との決定的な違い。つまり、誹謗中傷の定義は悪口をいいふらされる、名誉を傷つけられる根拠が「事実無根」であることだといえるでしょう。

誹謗中傷と風評被害の違いは?

誹謗中傷と同列で使われることの多い言葉に「風評被害」があります。どちらの言葉も近しい意味があるともいえますが、両者の違いは「原因」と「結果」の関係性にあります。

誹謗中傷 事実ではないことを根拠に、他人の悪口をいいふらして傷つける
風評被害 事実ではないことが広まることで当事者が受ける被害・実害

つまり、誹謗中傷されたことが広く一般に拡散されることによって、当事者が受ける被害・実害が「風評被害」です。そういった意味では、風評被害は「誹謗中傷による被害」と同義語であるともいえます。

インターネット時代の誹謗中傷

社会問題化している誹謗中傷被害ではありますが、誹謗中傷による被害が過去にまったくなかったというわけではありません。SNSをはじめ、だれもが自分の考えを自由に発言できるインターネット時代が訪れたことにより、深く考えずに発した誹謗中傷が、当事者に甚大な被害を及ぼすようになったのが現代の状況だと考えられます。

これはインターネット、特にSNSが持つ「拡散力」という特徴が大きく影響しているといえるでしょう。ユーザー同士がシェア・フォローなどでつながるSNSは、情報が指数関数的に拡大していくうえ、フェイクニュースほど拡散しやすい特徴を持つからです。

誤った情報がいつまでも残ってしまうインターネットの特徴も、誹謗中傷被害が深刻化する理由。「人の噂も七十五日」だった過去とは、大きく状況が異なっているのです。

法人も誹謗中傷の標的になる

ときには個人の生命を危険にさらすこともある誹謗中傷は、法人が標的になる場合も少なくありません。むしろ、個人よりも知名度の高い法人に対する誹謗中傷は、拡散されるスピードも速く、思いもかけない被害に発展する場合も多いといえるでしょう。

法人が誹謗中傷を受ける2つのパターン

法人が誹謗中傷を受ける代表的なパターンとしては、以下の2つが挙げられます。会社形態や規模は関係ありません。

法人への直接的な誹謗中傷 企業活動や品質管理などが要因
個人への誹謗中傷から法人への被害へ 従業員・個人への誹謗中傷から法人を特定されるなどが要因

コンプライアンスが重視される傾向にある近年は、マーケティング活動のなかで誤った表現をしてしまった、顧客に対する不充分なカスタマーサポートなどが原因で、法人が直接誹謗中傷されることは珍しくありません。退職した従業員から攻撃されるケースも考えられます。

また、個人を対象にしていたはずの誹謗中傷が法人に飛び火する例も。経営者や従業員への誹謗中傷が拡散されるなか、個人の特定に集中するネットユーザーが一定数存在するからです。ある意味で、個人よりも法人の方が「誹謗中傷の標的になりやすい要因」を多く抱えているといえるかもしれません。

誹謗中傷を受けた法人のリスク

インターネット時代である現在、対策しないまま誹謗中傷を放置していれば、被害拡大によって法人が受けるダメージは甚大です。

  • 企業イメージ・社会的信用の失墜
  • 顧客離れによる業績悪化
  • 株主を含むステークホルダーからの信用失墜
  • 人材の獲得が困難に
  • 業務停止

社会的信用の失墜をもたらす誹謗中傷は、最悪、法人の業務停止や解散にまで被害が及ぶ可能性があります。事実、解散までにはいたらなくても、誹謗中傷によって事業所の営業停止に追い込まれた法人の事例は後を絶ちません。

誹謗中傷の加害者に問える刑罰

もちろん、いわれのない悪口を吹聴する誹謗中傷は、れっきとした「犯罪行為」です。誹謗中傷をした加害者には、以下のような法的措置・刑罰を問える可能性があります。

名誉毀損罪 3年以下の懲役もしくは禁固、または50万円以下の罰金
侮辱罪 勾留または1,000円以上1万円未満の科料
信用毀損罪・業務妨害罪 3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
脅迫罪 2年以下の懲役、または30万円以下の罰金

特に、個人を対象にしていると思われがちな名誉毀損罪は、状況に応じては法人にも適用可能です。また、上述した刑罰の例は刑事罰に限定していますが、誹謗中傷によって受けた金銭的被害に関しては民事訴訟で賠償責任を追及することも可能です。これは個人であっても法人であっても同様です。

誹謗中傷発覚時に重要な初期対応

しかし、加害者に法的措置をとれるとはいえ、拡散してしまった誹謗中傷で失った社会的信用は、取り戻すのが容易ではないのが現実です。一瞬にして風評被害が拡大してしまうインターネット時代の誹謗中傷は、発覚時の初期対応が非常に重要だといえるでしょう。

できる限りの証拠を集める

いわれのない誹謗中傷をされると、個人・法人問わず、どうしたらいいか分からないまま、警察や弁護士に相談するなどの一足飛びの対策・対応を取ってしまいがち。しかし、まずは落ち着いて「誹謗中傷に関連する証拠」をできる限り素早く集めるのが肝心です。

書き込みのURLを記録するのはもちろん、スクリーンショットを残しておくことも重要。近年のSNSでは、時間の経過とともに投稿が削除されてしまうこともあるからです。

証拠を集めながら同時にすべきなのは、誹謗中傷された書き込みの内容を冷静に判断すること、そして法人の場合は「事実関係を素早く確認すること」です。誹謗中傷された被害者にとっては「許せないこと」であっても、第三者の視点で見れば「少し行き過ぎた批判」にしか思えない場合もあります。

また、法人への書き込みに関しては、それが誹謗中傷なのか?批判・非難なのかによって、その後の対策方法も変わってくるからです。

重要なことは、初期対応はできる限り素早く実行すること。指数関数的に情報が拡散するインターネット時代の誹謗中傷は、拡散する前に行動することがなによりも大切なのです。

誹謗中傷対策:5つの対応策

それでは、初期対応後の誹謗中傷対策には、どのような方法が考えられるのか?誹謗中傷の内容、情報が発信されているソースなど、状況によっても異なりますが、基本的な誹謗中傷対策には、以下の5つの方法が考えられます。

  • 誹謗中傷を無視
  • サイト管理者に削除依頼を要請
  • サイト管理者に情報開示を要請
  • 警察・サイバー犯罪相談窓口に相談
  • 民事訴訟

それぞれを簡単に解説していきましょう。

誹謗中傷を無視

書き込まれた誹謗中傷の内容を冷静に判断し、実害がそれほど大きくない、被害が広範囲に及ばないと考えられるのであれば、無視してしまうというのもひとつの方法です。個人間の場合などは、感情的になって反論すると余計に「炎上」してしまう可能性も。SNSのブロック機能などで相手を遮断すれば済む場合もあります。

一方、法人の場合は対策を間違わないよう慎重な判断が必要です。確固たる社会的信用のある大企業であれば、いわれのない悪口に対して反論・炎上するよりは無視した方が賢明です。ただし、誹謗中傷の要因が自社内部にある場合は、事実関係を速やかに公表する必要があるでしょう。事実関係の確認という、初期対応が重要なのはこのためです。

サイト管理者に削除依頼を要請

上述したように、インターネットに書き込まれた誹謗中傷に反応・反論するのは逆効果になる場合が少なくありません。しかし、書き込み内容を看過できないといった場合には、サイト管理者に誹謗中傷の削除依頼を要請できます。正しく運営されているサイト・SNSであれば、連絡窓口や手順・ポリシーが整っているため、自身で削除依頼を要請するのもそれほど難しくないでしょう。

自分自身で削除依頼が難しいと考えるのであれば、法務省が運営する「みんなの人権110番」あるいは、民間機関が運営する「誹謗中傷ホットライン」に相談可能。プロバイダへの削除要請を被害者に代わって行ってくれます。

https://www.jinken.go.jp

ttps://www.saferinternet.or.jp/bullying

サイト管理者に情報開示を要請

ただし、サイト・SNSのポリシーによっては、誹謗中傷の削除依頼を要請しても認められないケースもあります。加害者を特定して書き込みを取り下げさせたい、あるいは、賠償請求するために加害者を特定したいといった場合は、サイト管理者に加害者の情報開示を要請できます。

正式には「発信者情報開示請求」と呼ばれますが、なかには通信の秘密や個人情報保護法を根拠に開示要求に応じないプロバイダも。こうした場合は、後々の民事訴訟も視野に入れ、弁護士に相談するのがベストです。

警察・サイバー犯罪相談窓口に相談

誹謗中傷の内容が脅迫に近い、刑事訴訟を起こしたい、あるいは身の危険を感じるといった場合は、最寄りの警察署や、都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口に相談する方法があります。もちろん、警察に相談さえすれば、どんな誹謗中傷でも対応してくれるわけではないことも知っておくべきです。

誹謗中傷の加害者を刑事告訴したい、という明確な理由と戦略がなければ、話を聞いてもらうだけで終わってしまう可能性もあります。誹謗中傷の事実を証明する証拠がなければ、被害を客観的に判断することも困難でしょう。ここでも、初期対応が非常に重要であることがわかります。

民事訴訟

刑事告訴だけでは、誹謗中傷被害によって被った金銭的損失は補填できません。あまりにも被害が甚大になるようであれば、損害賠償を求める民事訴訟を起こす必要も出てくるでしょう。

ただし、刑事告訴の場合は「被疑者不明」でも成立しますが、民事訴訟の場合は「被告となる加害者が特定できていること」が大前提。誹謗中傷被害が社会問題化している現代では、プロバイダへの情報開示もしやすい状況が整いつつありますが、まだまだ一筋縄ではいかないのも事実。弁護士と協働しながらしっかりとした戦術で臨む覚悟が必要です。

誹謗中傷による風評拡散を防ぐには?

誹謗中傷を受けた場合の5つの対策方法を紹介してきましたが、被害を最小限にとどめるためには、誹謗中傷の風評拡散を防ぐのが一番。個人の場合であれば、誹謗中傷の標的にならないよう、SNSを含めたインターネットの活用方法を見直すなど、方法は限定されるかもしれませんが、法人であればやれることはまだまだあります。簡単に紹介しておきましょう。

SNSガイドラインの整備

まずは従業員向けに、プライベートも含んだSNS利用時のガイドラインを作成・整備し、誹謗中傷の標的にならないように周知徹底させることが重要。個人の集まりでもある法人の誹謗中傷対策としては、法人を構成する個々人が自覚を持つことが第一歩。SNS利用時のルール、公式SNSアカウントの運用規則、誹謗中傷発覚時の対応などを明確にしておくのがおすすめです。

迅速なクライシスコミュニケーション

クライシスコミュニケーションとは、誹謗中傷が拡散しはじめた場合の危機管理対応のこと。取引先・顧客・メディアなどを対象にした釈明・謝罪会見などが挙げられますが、迅速かつ正確なクライシスコミュニケーションができるように、社内体制をしっかりと整備しておくことが重要です。

なぜなら、クライシスコミュニケーションが遅れる、曖昧、といった理由で誹謗中傷という火種に油を注いでしまう結果になりかねないからです。ことが起こってから体制を整えようとしても遅いのです。

エスカレーションルールの整備

誹謗中傷による被害を最小限にとどめるには、火種が小さいうちに対策することが肝心。しかし、誹謗中傷の火種を見つけても、責任者に伝わらなければ法人としての対策方針を定められません。こうしたリスクを避けるため、どんなリスクがある場合にだれに報告すべきなのか?ルールを明確にしておくことをエスカレーションルールといいます。

重要なのは、しっかりとエスカレーションルールが機能するように、ためらわずに報告できる環境を整備しておくこと。「自分の責任になるから黙っておこう」といった事態に陥らないよう、担当者・報告者の責任を追及しないルールを盛り込んでおくのがおすすめです。

Webモニタリング

誹謗中傷が書き込まれていないか?SNSや掲示板をはじめとしたインターネットの書き込みをチェックする「Webモニタリング」を実施しておくと、被害の拡大・拡散を未然に防げます。ただし、常に最新情報が投稿されるWebの世界では、一般企業である法人自らWebモニタリングするのは現実的とはいえません。誹謗中傷対策の一部を、風評被害対策会社に任せるのもひとつの方法です。

ポジティブな情報を増やす

誹謗中傷被害や情報の拡散が収束しても、まだまだ安心はできません。なぜなら、元の書き込みを削除できたとしても、一度拡散してしまった誹謗中傷はいつまでもインターネットに残ってしまう場合がほとんどだからです。この場合の対策として有効なのは、ネガティブな情報を薄めるために、自社にとって「ポジティブな情報を増やす」ことです。

具体的には、自社ホームページ、メディアを含め、SEO対策をしっかり行う、マーケティング・PR・ブランディングを強化するなどが正攻法。場合によってはサジェスト削除や逆SEOなど、よりネガティブな情報を見えにくくする方法を取り入れる必要があるかもしれません。

誹謗中傷対策は普段からのリスクマネジメントが重要

本記事では、誹謗中傷被害を受けた場合に考えられるインターネット時代ならではの5つ対策を紹介するとともに、風評拡散を防ぎ、誹謗中傷による被害を最小限にとどめるためのポイントを解説してきました。SNSを含むインターネットは、私達にとってなくてはならないものではありますが、個人・法人に甚大な被害を及ぼす誹謗中傷の主な発信源でもあります。

誹謗中傷の標的にならないためにも、普段からのリスクマネジメントが重要。特に法人の方であれば、いざという時の初動を間違えないためにも体制整備が必要です。全般的なアドバイスを得るため、風評被害対策会社に相談してみるのもおすすめです。「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、優良な風評被害対策会社をスピーディーに探せます。複数の会社に無料で相談できるため、関心のある方は是非利用してみてください。

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