公正証書の遺言書とは?自筆との違いや料金相場をまとめてみた

更新日:2020年08月07日 発注カテゴリ: 遺言書・遺産分割協議書作成
公正証書の遺言書とは?自筆との違いや料金相場をまとめてみた

公正証書遺言は公証人役場で作ってもらえる、裁判所の検認の要らない遺言書です。自筆証書遺言に比べて費用はかかりますが、内容や形式などが無効にならない、紛失などがないというようなメリットがあります。料金相場などを知っておけば、あらかじめ生前に自筆証書遺言を書くよりも、専門家に依頼して公正証書遺言を残しておくことができます。公証役場は、法務省(法務局)に所属する国の役所であり、全国に300カ所ほどあります。公正証書遺言は、どこの公証役場でも全国で作成が可能です。そのメリットとデメリットを確認し、有効な遺言書を作りましょう。

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公正証書遺言とは

公正証書遺言は公証人役場において作成してもらう遺言のことです。遺言は公証人役場で作ってもらえるタイプの公正証書遺言と、自分で書く自筆証書遺言に分かれます。もし前者の公証人役場で公正証書遺言を作ってもらうとなった場合には、遺言者と証人が内容を確認し、各自が公証人役場に行き(もしくは出張してもらって)遺言書に署名・押印する必要があります。

また、公証人が方式に従って作成された旨を付記して署名・押印するものです。公正証書遺言は家庭裁判所の検認も要らず、相続が発生した場合にはすぐに効力を発揮でき、保管や検索も公証人協会で行っているので遺言が見つからない、内容が無効だという事がありません。原本は公証人役場に保管されていますので全国の近くの公証人役場に行けば検索も可能です。

ここで公正証書遺言のメリット、デメリット、自筆証書遺言の場合の注意点を紹介します。

公正証書遺言のメリット

公正証書遺言のメリットとして、以下の3つが挙げられます。

偽造によって無効になるおそれがない

公正証書遺言を作成するメリットの1つ目は、偽造などによって無効になる恐れがないことです。

公正証書遺言は、法律に関する実務経験が豊富な公証人が作成に関わり、公的に証明された書類として保管されます。

また遺言者は遺言内容を公証人に口で伝え、伝言された内容を公証人が筆記する形で作成されるため、公証証書遺言は偽造や変造のおそれがないです。

紛失のおそれがない

公正証書遺言を作成するメリットの2つ目として、紛失のおそれがない点が挙げられます。

公証証書遺言が作成されると、公証役場で原本が保存され、遺言者にはコピーである謄本が交付されます。

遺言者が生存中に謄本を紛失したとしても、公正証書遺言の原本には影響せず、再発行が可能です。

また相続開始後に公正証書遺言を紛失した場合でも、相続者が謄本の交付を請求できるため、基本的に遺言書自体を紛失してしまうことはありません。

ちなみに、公正証書遺言の原本が保管される期間は原則20年間とされていますが、公証人法により、少なくとも遺言者が存命の間は保管されます。

実際に多くの公証役場では、20年を超えても公正証書遺言の原本が保管され続けており、中には50年間保管しているケースもあります。

正確に作成できる

公正証書遺言の3つ目のメリットは、正確に作成できることです。

法律の専門家である公証人と、2名以上の証人が立ち会って作成される公正証書遺言は、内容の正確性で問題になることが少なく、遺言の効力に疑いが生じにくい書類です。

また裁判において、公正証書自体が高い証拠能力を有しており、内容を確認するために調査を行う必要がありません。

公正証書遺言のデメリット

一方で公正証書遺言には、以下の3つのデメリットも存在します。

費用と手間がかかる

まず公正証書遺言のデメリットとして、手続きに要する費用と手間が発生する、という点が挙げられます。

公正証書遺言を作成するには、事前に公証役場へ作成したい旨の連絡を行い、遺言の内容と手続き日を決定しなければなりません。

また最低でも2回以上、手続きのために公証役場へ出向く手間が生じ、遺言者本人が直筆で遺言を残す場合と比べて時間がかかってしまいます。

さらに公正証書遺言の作成には手数料が発生し、公正証書に記載する財産の価格に応じて手数料の額が決定するため、相続する財産が多い場合には高額になる傾向にあります。

公証人・証人には遺言の内容が知られてしまう

つづいて公正証書遺言のデメリットは、公証人と証人に遺言の内容が知られてしまうことです。

公正証書遺言を作成する際は、2名以上の証人と公証人が必ず立ち会い、遺言の内容が確認されます。

相続に関して利害関係のない公証人とはいえ、遺言が他人の目に触れられるため、内容を身内だけの秘密にしたい方にとってはデメリットと捉えられるでしょう。

秘密証書遺言のリスクが高い

ちなみに公正証書遺言は、内容を一切明かす必要がない秘密証書遺言の形式でも作成できます。

ただ秘密証書遺言は、内容の有効性について一切の保障がされないためリスクが高いです。

また公証役場ではなく自ら保管しなくてならないため、秘密証書遺言はプライバシーが守られているにもかかわらず、国内でほとんど利用されていません。

直筆証書遺言の場合の注意点

  • 自分で作るため、無効にならないように要点に気を付けて作成する必要がある。
  • 紛失や改ざん、偽造の恐れがある。
  • 相続が起こった時に、どこにあるかが不明確な場合がある。

このようにいずれのケースでも有効になる遺言書をきちんと作ることがポイントとなります。

また遺言書が認められる書き方と、無効になる書き方をまとめた記事もありますので、参考にしてみてください。

遺言書の効力はどこまで?認められる書き方と無効になる書き方

公正証書の遺言書の専門家とそれぞれの特徴

弁護士

バランス面で考えると司法書士に依頼すると良いでしょう。民法などの法律面も弁護士に劣らない知識がありますし、報酬は弁護士よりも安いことが多いです。また係争であっても、簡裁訴訟代理権認定を受けた司法書士は、簡易裁判所事件において請求額140万円までであれば代理人になることもできます。

しかしながら、司法書士はあくまで相続登記の専門であり、デメリットとしては不動産が関係ない相続の遺言書の場合は、遺言書作成の相談ができないことが挙げられます。相続対象になる不動産があり、大きな係争も心配なく、費用もほどほどにという場合は遺言書作成を司法書士に依頼しましょう。

司法書士

費用を安くしたいという面で考えると行政書士に依頼しましょう。書類作成の専門家である行政書士は、比較的安い報酬で遺言書作成の相談を受けてくれます。

デメリットとしては係争の際は代理にはなれないことが挙げられます。係争の心配もなく、なるべく報酬を安くしたいという場合は行政書士に遺言書作成を依頼することをお勧めします。

行政書士

費用を安くしたいという面で考えると行政書士に依頼しましょう。書類作成の専門家である行政書士は、比較的安い報酬で遺言書作成の相談を受けてくれます。

デメリットとしては係争の際は代理にはなれないことが挙げられます。係争の心配もなく、なるべく報酬を安くしたいという場合は行政書士に遺言書作成を依頼することをお勧めします。

税理士

相続時に遺言書とは別に、相続税の心配がある場合は税理士になります。相続における税務はかなり複雑ですので、遺言書作成時から相続税の生前対策や事業承継まで様々相談できます。報酬も比較的安く、将来相続時に相続税の申告までスムーズに進めることもできます。

デメリットとしては係争の際は代理にはなれないこと相続税に詳しい税理士が少ないことが挙げられます。特に税務面を重視したい、相続税に詳しい税理士がいる、費用もほどほどにという場合は税理士です。

公正証書の為の事前に準備するものと作成方法

事前に準備するもの

以下が公正証書遺言を作成する際に必要な物です

  • 遺言者本人の本人確認資料(印鑑登録証明書又は運転免許証、マイナンバーなど公的機関の発行した証明書のいずれか一つ。)
  • 被相続人と相続人との続柄が分かる戸籍謄本
  • 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、遺贈される人の住民票(法人の場合には資格証明書)
  • 相続財産の中に不動産がある場合には、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書

公正証書遺言を作成する場合には、証人二人が必要です。この場合、身内以外であれば弁護士、司法書士などの専門家に承認になってもらうことも可能です。また、遺言者の方で証人を用意する場合には、証人予定者の名前、住所、生年月日及び職業をメモして持参してください。

このように公正証書遺言の作成をする場合には、必要な書類が多数ありますのであらかじめ準備してから公証人役場に出向きましょう。そのほうが打ち合わせもスムーズに進むと思います。

作成方法

作成方法は、聞き取りなどで公証人役場にて作成をしていきます。その際に、公証人から質問などがある場合がありますので、正直に答えられるようにしましょう。また、財産の状況などもきちんと把握して、必要な事項を漏れなく伝えましょう。

公正証書遺言以外の遺言書(自筆証書遺言など)を保管している者、あるいは発見した者は、遺言者の死後、開封をする前にすぐ家庭裁判所に提出し、相続人や代理人の立ち合いのもとに開封し、検認の手続きを経なければなりません。この間、時間もかかりますし、相続がストップしてしまいます。

自筆証書遺言の場合、遺言書の検認は意外と相続が発生した、あわただしい時にはもどかしい思いをすることになります。それが有効でなかった場合には相続が開始できませんので、またもや違う方法で法的に遺産分割をしなければならなくなります。

そのようなことを踏まえると、公証人役場で作成できる公正証書遺言は間違いのない内容を保持して相続を実践できるものと言えます。

公正証書遺言の作成の流れ

公正証書遺言は、以下の流れで作成されます。

  • 証人2人の立ち会いのもと、公証人が遺言者へ本人確認・質問等を行う
  • 遺言者が公証人に遺言の内容を口頭で伝える
  • 公証人が遺言者の口述を筆記し、内容を証人・遺言者に読み聞かせる
  • 遺言者及び証人が、正確な遺言内容であることを承認
  • 遺言者・証人2人が遺言書に署名し押印
  • 公証人が民法969条の方法に従い、真正に作成された旨を付記
  • 公証人が遺言書に署名し押印

一般的に公正証書遺言の作成時は、司法書士や行政書士といった代理人が遺言作成者の話を聞き、前もって公証人と打ち合わせをしているため、遺言者の手間をかけることなくスムーズに進みます。

ちなみに遺言者自身での口述が困難な場合、公証人及び証人の立ち会いのもと、通訳人の補助を介して申述または遺言内容の直筆で、口述に代える必要があります。

また遺言作成者が病気などの理由で署名ができない場合は、遺言書に公証人が理由を付記し、署名に代えることが可能です。

ただし証人の場合は、病気の理由であっても必ず自身で署名しなければなりません。

公正証書遺言の料金相場

公正証書遺言の作成費用は、手数料令という政令で決められています。日本全国同じですので、依頼する際の目安にして下さい。基本的には、目的財産の価額に応じて手数料も変わります。

手数料は次の通りです。

相続財産額手数料
100万円まで5,000円
200万円まで7,000円
500万円まで11,000円
1000万円まで17,000円
3000万円まで23,000円
5000万円まで29,000円
1億円まで43,000円
1億円を超え3億円まで5,000万円毎に1,3000円
3億円を超え10億円まで5,000万円毎に1,1000円
10億円を超える部分5,000万円毎に8,000円

このようにそれぞれ加算されます。

遺言書は原本、正本、謄本を各1部ずつ作成し、原本は法律に基づき役場で保管します。正本と謄本は遺言者に交付します。

遺言者が病気で移動できなかったり、高齢等のために公証役場に赴くことができない時には公証人が病院、自宅または老人ホーム等に出向いて公正証書を作成することもできます。その場合、上記の手数料が50%加算され、さらに公証人の日当と、現地までの交通費が必要です。

きちんとした法的な手続きにより遺言書が作成されますので、遺言公正証書の信頼性が広く認められているということになります。証人2名が遺言書の作成に立ち合いをすることで、遺言書の内容知られてしまうという心配もあるかもしれませんが、例えば身内以外で行政書士、司法書士、弁護士など専門職の証人を使えば彼らには守秘義務がありますので、心配なく公証人の前で遺言を作成できると思います。

あらかじめ遺言書において、相続手続の権限を付与する遺言執行者を指定することが普通です。この執行者も法律の専門家である弁護士や司法書士になっていることが多いです。

公正証書遺言作成の注意点

公正証書遺言を作成する際は、以下の点に注意しなければなりません。

公正証書遺言でも無効となる場合がある

公証人と証人の立ち会いのもと作成される公正証書遺言は通常、公証役場で有効な書類として認められますが、中には無効となるケースがあり、事前に把握しておく必要があります。

公証人が不在のまま作成された遺言書

遺言書が公証証書として認められるには、必ず公証人が筆記しなければなりません。

公証人ではなく、遺言者や証人が勝手に筆記した遺言書では、無効になる可能性があります。

証人に適さない人が立ち会った遺言書

公正証書遺言を作成する際に、証人2名のうち1名が、民法974上で定められている欠格者だった場合、遺言書の内容が無効になる可能性があります。

ただし証人の中に欠格者が含まれていても、証人として適格な人が2名以上いるなら、公正証書遺言は無効にはなりません。

ちなみに民法974条上の欠格社に該当しない限り、目の見えない盲人も証人として認められます。

公証人に口授せず身振り手振り等で伝えた遺言書

公正証書遺言は原則、遺言者が公証人に口で伝えて作成しなければなりません。

口がきけない人や耳が聞こえない人に関しては、通訳人の通訳による申述・筆談が認められていますが、特別な理由もなく単に身振りや手振り等で遺言内容を伝えると、無効になる可能性が高いです。

証人が席を外している間に作られた遺言書

公正証書遺言を作成する際、作業開始から終了までの間は、常に遺言者・公証人・2名以上の証人が立ち会わなければなりません。

いずれかの関係者が席を外すなど、1人でも欠けている状態で遺言を作成すると、遺言自体が無効になってしまう可能性があります。

無用な紛争を避けるためには、誰かが席を外している間は、遺言書の作成を一時中断するなどの配慮が必要です。

遺言者に遺言能力がなかった場合

公正証書遺言は、遺言者の健康状態によって無効になるケースもあります。

遺言書を作成する時点で、遺言者自身が認知症やアルツハイマーなどで判断能力がない状態だった場合、遺言能力がなかったとして公正証書遺言が無効となります。

遺留分は公正証書遺言よりも優先される

公正証書遺言を作成する際は、遺留分も考慮に入れなければなりません。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人について最低限の取り分を確保する制度のことです。

遺言が遺留分を侵害するような内容だった場合、遺言書自体は無効とはなりませんが、遺言分を侵害している部分が無効となり、遺言書よりも遺留分の権利が優先されます。

また各相続人には遺留分の割合が決められており、定められた遺留分を超える相続が行われた場合、侵害を受けた相続人による減殺請求が可能です。

ただし遺留分を受け取る権利は、遺留分を侵害された相続人が所定の期間内に請求を行わないと消滅します。

遺留分の権利はトラブルの元となりますので、遺言書を作成する際は、遺留分のことも配慮しなければなりません。

まとめ

公正証書遺言においては、公証人により作成される公文書になりますので、公文書であることによる証明力を持ちます。もちろん家庭裁判所の1カ月ほどかかる検認も不要なので相続をスムーズにスタートすることが出来ます。

公正証書遺言は、近年において利用者が増えているといわれています。多少の費用を使っても確実に相続を成功させたいという表れでしょう。検認の手続きを経ても内容が無効になることもあります。そのようなリスクがあれば先に公正証書遺言を作ってしまうほうが良いでしょう。

上手に遺言を活用してもめ事が無いように有効な遺言書を準備しておきましょう。また出来るだけ生前に準備をしておいた方がバタバタしなくて済みます。今や生きているうちに終活する時代、専門家に相談して公正証書遺言を一緒に作ってもらいましょう。

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