任意整理後に払えない場合はどうなる?3つの対処法と最適な相談先を紹介

こしだ司法書士事務所
監修者
こしだ司法書士事務所 司法書士 越田一希
最終更新日:2023年08月08日
任意整理後に払えない場合はどうなる?3つの対処法と最適な相談先を紹介
この記事で解決できるお悩み
  • 任意整理後に払えない場合はどうなる?
  • 払えない場合の対処法はある?
  • 払えない場合の相談先は?

任意整理後の返済で「返済額が払えない場合はどうなる?」とお悩みの方必見。

任意整理後に1カ月分払えない場合は、すぐに追いつけば問題ありません。任意整理後に2カ月分払えない場合は「期限の利益喪失」になり、全額返済を求められるため注意しましょう。

本記事では、任意整理後に払えない場合の3つの対処法と最適な相談先を解説します。記事を読み終わった頃には、任意整理後に払えない場合の対処法を理解して借金返済に役立てられるでしょう。

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任意整理後に2カ月分払えない場合は全額一括返済になる

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任意整理後に2カ月分払えない場合は、全額一括返済になります。任意整理を行う際の和解書に「期限の利益喪失」の期限が書かれており、2カ月分滞納で喪失することが一般的です。

和解書をしっかりと確認して適切な対応が求められますが、期限の利益を喪失すると返済額の残高を全額一括返済しなければなりません。

任意整理後に払えない場合は、厳しいペナルティが課せられるため注意が必要です。

今月だけ払えない場合はすぐに追いつけば問題なし

任意整理後に「今月だけ払えない」場合は、すぐに追いつけば問題ありません。滞納が1回の場合は、期限の利益が喪失しないためです。5月分を払えない場合、6月に5月分と6月分を払えばペナルティは受けません。

債権者もしくは、弁済代行を依頼している弁護士・司法書士から催促の連絡が届きます。遅れた理由やいつ払えるのかを明確に伝え「きちんと返す」意思を伝えましょう。

2カ月分払えない場合は「期限の利益喪失」になる

任意整理後に「2カ月分払えない」場合は、期限の利益が喪失し、その時点で全額一括返済になります。5月分が払えず、6月に5月分と6月分の両方を払えない場合に期限の利益が喪失し、ペナルティが課されるでしょう。

期限の利益とは、一定の期日が到来するまでの期間に債務を履行しなくてもよい利益です。契約した期限までは一括返済を迫られません。

2カ月分払えず期限の利益が喪失してしまっても、全額を一括返済できれば借金はすべてなくなります。返済できない場合は、再和解や個人再生・自己破産など新たな返済計画を検討せざるを得ません。

任意整理後に払えない場合の3つの対処法

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任意整理後に払えない場合の対処法は、次の3つです。

  1. 1カ月分払えない場合は「追いつく」
  2. 2カ月分払えない場合は「再和解・追加介入」
  3. 最和解・追加介入が難しい場合は「個人再生・自己破産」

任意整理後に払えない場合、払えない金額や可能な返済計画によって対処法が異なります。1カ月分払えない場合は、早急に「追いつく」ことを考えましょう。

2カ月分払えない場合は、期限の利益が喪失するため全額一括返済を求められます。分割で払えない状態で、一括返済をできるわけがないため、再和解や追加介入・個人再生・自己破産の手続きが必要になるでしょう。

1. 1カ月分払えない場合は「追いつく」

1カ月分払えない場合は、とにかく「追いつく」ことだけ考えましょう。必ず翌月に支払えば、ペナルティを課されません。債権者もしくは弁護士・司法書士に連絡し、遅れた理由や支払い計画を説明してください。

遅れた時点で連絡がないと「夜逃げをしたのではないか」と疑われる可能性があります。必ず連絡をして、翌月にきちんと支払いましょう。1回の遅れをすぐに追いつくことは、ある月だけ2回分を支払うことになります。1回遅れると負担が倍増するため注意が必要です。

2. 2カ月分払えない場合は「再和解・追加介入」

2カ月分支払えない場合は「再和解」「追加介入」の手続きを行うことになります。2カ月分滞納すると、期限の利益が喪失し一括返済を迫られるためです。

そもそも分割で返済しているため、一括返済できることは考えられません。再び分割で返済できるように改めて任意整理の手続きが必要になります。

新たな条件で再び任意整理を行う「再和解」

再和解とは、新たな条件で再び任意整理を行うことです。1度期限の利益が喪失すると、いくら翌月に2カ月分支払っても、元どおりに分割返済を継続できません。改めて任意整理を行い、返済計画を立て直す必要があります。

忘れてはいけないことは「1度約束を破っている」ことです。信用をなくした状態で、同じ返済計画を立てたり同じ弁護士・司法書士が対応してくれたりするとは限りません。前回よりも厳しい対応を受け、厳しい条件で契約する可能性があります。

任意整理の対象債権者を増やし全体の返済額を減らす「追加介入」

追加介入とは、任意整理の対象債権者を増やし全体の返済額を減らす方法です。再和解と同じように改めて任意整理を行います。任意整理では利息のカット・減額を行っているため、返済総額の減額が可能です。

追加介入は、追加できる借金がなければ選択できない制度になります。一般的には、再和解を選択するケースが多いです。家族全体の収支を考える場合は、同居家族の借金を任意整理して借金総額を減らす方法もあります。

3. 最和解・追加介入が難しい場合は「個人再生・自己破産」

再和解・追加介入が難しい場合は「個人再生」「自己破産」の手続きを進めましょう。再和解や追加介入は借金の元本は減りませんが、個人再生・自己破産は借金元本の減額・免除ができる制度です。

借金を5分の1程度に減額できる「個人再生」

個人再生とは、借金を5分の1程度に減額できる制度です。裁判所に再生計画の認可決定を受け、借金を大幅に減額できます。減額された借金を3年程度で返済することで、残りの借金を返済する必要はありません。個人再生は住宅ローン特則が認められるため、住宅ローンが残った状態で住宅を残せます。

返済残高は減るものの借金の返済義務は残るため、返済計画に基づいた返済ができる収入がないと認可がおりません。個人再生手続きを行ったことが5〜7年間信用情報に残ります。しばらくの間ブラックリストのような状態になり、クレジットカードやローンなど審査が必要な契約は難しいでしょう。

借金を全額免除できる「自己破産」

自己破産とは、借金を全額免除できる制度です。裁判所に申し立てを行うことで、一定の価値がある財産を清算して債権者に配当します。裁判所から免責決定されれば、残りの借金が免除され返済義務がなくなるでしょう。

自己破産すると、99万円以下の現金や20万円以下の預貯金以外の財産はすべて処分します。住宅や20万円以上の車・生命保険の解約払戻金などは所有できません。信用情報に5〜10年間は自己破産手続きを取った記録が残るため、クレジットカードやローン契約は難しいです。

任意整理後に払えない場合の相談先

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任意整理後に払えない状況が起きたときの相談先は「任意整理を依頼した弁護士・司法書士」「新しい弁護士・司法書士」が挙げられます。

支払えなくなった時点で、任意整理を依頼した弁護士・司法書士とつながりがある場合はそのまま相談するといいでしょう。すでに辞任されている場合は、改めて相談できる弁護士・司法書士を探しましょう。

任意整理を依頼した弁護士・司法書士

任意整理後に払えない場合は、任意整理を依頼した弁護士・司法書士に相談しましょう。弁済代行にともなって、交渉窓口になっているケースが多いためです。弁済代行とは、任意整理後に担当した弁護士・司法書士が債務者に代わり毎月の返済業務を行うことを指します。

債権者との交渉だけではなく、返済遅延の相談に乗ってもらえるでしょう。依頼時の積立金が残っている可能性もあるため、弁済代行で契約が続いている場合は必ず相談してください。

辞任している場合は新しい弁護士・司法書士

任意整理後に支払えない場合に任意整理を依頼した弁護士・司法書士が辞任しているケースでは新しい弁護士・司法書士を探しましょう。新しく依頼する際は、辞任された経緯を包み隠さず話し、借金問題を解決したい気持ちをしっかりと伝えることが大切です。

依頼費用は、1回目と2回目では異なるケースがあります。1度返済義務を怠った事実は変えられないため、すべてを正直に説明し、それでも手助けしてくれる弁護士・司法書士に依頼しましょう。

まとめ

任意整理後に「今月だけ払えない」場合は、すぐに追いつけば問題ありません。「2カ月分払えない」場合は、期限の利益を喪失するため全額一括返済を要求されます。任意整理後は、返済期日をきちんと守らなければなりません。

万が一期限の利益が喪失した場合は、再和解・追加介入の手続きが必要です。難しい場合は、個人再生・自己破産の手続きを検討する必要があります。1カ月でも払えない状況が起きたら、弁護士・司法書士に相談しましょう。

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監修者のコメント
こしだ司法書士事務所
司法書士 越田一希

1984年京都市生まれ。不動産・相続・会社の「登記」に必要な手続きを代理する専門家であり、若手ならではのフットワークの軽さと様々な職業経験で培った対応力を持つ法務大臣認定司法書士。自身が法律知識ゼロで資格学習を開始した経験から法律の適用や用語の難しさを理解しており、平易でわかりやすい説明を心がけており評価を得ている。

任意整理中に返済継続ができなくなった場合には「個人再生」や「自己破産」といった他の債務整理を検討する必要があります。 そういった時の為に知っておいていただきたいのが、「法律扶助制度」という日本司法支援センター(通称:法テラス)が実施する業務の存在です。

これは資力が乏しいと判断された方のために、無料法律相談(原則3回まで)を行うとともに、法テラスと契約している弁護士や司法書士といった専門家に対して支払うことになる報酬や手続き費用等を立て替え払いしてくれる制度です。

この立替払いに関しては、事件終了後に年単位での分割返済が可能であったり、通常よりも低価格で依頼できる傾向にあるといったメリットもあります。

もちろん無条件・無制限で法テラスでの法律扶助制度が使えるわけではありません。 ご自身や配偶者・同居の家族の収入等の条件が一定の額以下である事、勝訴の見込みがないとは言えない事、法テラスの趣旨に適する事といった条件があります。

また、法テラスでの審査期間中は専門家が依頼に着手しないというケースがあり、法テラスでの審査期間中には債権者からの督促が止まらないといった可能性もあります。 また特定の専門家に依頼したいと思っても、そもそもその専門家が法テラスとの契約をしていなかった場合法テラスの制度を使えないといった事にもなります。

実際に問題が発生した時の状況等にもよりますので、細かなところまで覚えていただく必要はないと思いますが、「法テラスでの法律扶助といった制度がある」という事実を頭の片隅に留め置いていただくだけでも、いざという時の助けになるかもしれません。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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