箔押し印刷とは？特徴や費用相場を解説

箔押し印刷とは

箔押し印刷とは印刷加工の方法の一つで、ホットスタンプと呼ばれることもあります。絵柄やロゴなどを印刷したいものにスタンプのように転写するのが特徴です。

具体的には、印刷したい絵柄やロゴに対し、箔押し印刷用の金型を作ります。この金型と印刷したい紙の間に箔を敷いて、約170℃の高熱を加えながら上から金型を押し込んで圧力をかけます。すると、箔が印刷物に転写されるという仕組みです。

箔押しの特徴・種類

箔押し印刷では、使用する用紙や箔によってさまざまな質感を出すことができます。どんな印刷方法でも用紙の種類でさまざまな表現が可能です。

たとえば、箔押し印刷と同じく立体感や光沢を表現できる疑似エンボスという印刷方法があります。しかし、疑似エンボスの場合、表面に凹凸のある印刷用紙やマット紙などでは上手に立体感が出せないのがネックです。

一方、箔押し印刷の場合、印刷できる用紙の種類が幅広く、紙だけでなく布でもプラスチックでも革製品でも可能です。これも箔を圧力によって熱転写する印刷方法が理由であり、用紙の色や種類にかかわらず鮮明な印刷が可能になります。

印刷用紙の種類を変えることで、仕上がりの質感を変えることができるのも箔押し印刷の特徴です。紙には和紙や用紙、プライク紙（プラスチックのような紙）などさまざまな種類があり、その質感もさまざまですが、箔押し印刷ではそれぞれ異なる表情を出せます。

また、転写する箔にもさまざまな種類があって、金や銀などの光沢のある箔だけでなく、白い箔、透明な箔、発色がクレヨンに近い顔料箔、さらにはホログラムの箔などがあります。さらに、箔押しのデザインも多種多様です。絵柄やロゴだけでなく、大きな文字でも小さな文字でも自由に印刷できます。

箔押しのメリット

箔押し印刷のメリットをさらに詳しくお伝えしましょう。

さまざまな表情が出せる

箔押し印刷とは、印刷面に輝きを持たせることのできる印刷方法です。金や銀の箔押しがきらびやかな輝きを表現できるように、美しさを際立たせることができるのが一つのメリットでしょう。

また、箔の種類を変えることで、光沢感だけでなくさまざまな表情が出せるのも箔押し印刷の大きなメリットです。マットな質感のツヤを抑えた箔押しも可能で、多彩な表情を演出できます。通常の印刷方法では実現できない質感の豊富さが箔押し印刷の最大の特徴であり、大きなメリットと言えるでしょう。

どんな厚さの用紙にも印刷できる

箔押し印刷なら、印刷する用紙の厚さに関係なく印刷できます。通常の印刷方法では、印刷機の都合もあってあまり分厚い用紙に印刷することはできません。機械に紙が通らないからです。

ところが、箔押し印刷の場合、上から箔に熱を加えながらプレスする方式の印刷ですから、印刷機では印刷できない分厚い用紙にもきれいに印刷できます。厚さに関係なくどんな紙にも印刷できるのが箔押し印刷のメリットですが、箔押し印刷の魅力をしっかり引き出すには厚めの紙を用いるのがよいでしょう。

薄い紙にも印刷できますが、箔押しの特徴である凹凸感があまり感じられないのがネックです。多少分厚めの紙を使った方が、箔押し印刷ならではの凹凸をしっかり楽しめます。

人の目に留まりやすい

たとえば箔押し印刷で作った名刺なら、一般的な紙でふつうに印刷した名刺よりも大きなインパクトが与えられるでしょう。通常とは異なる素材に異なる方式で印刷するのが箔押し印刷ですから、名刺を受け取る人の目を引きつけることは確実です。何かを印象づけたい時に箔押し印刷は最適な印刷方法でしょう。

愛着が湧く

他にはない特別感が出せるのが箔押し印刷のメリットです。その美しさや質感、醸し出す雰囲気はほかにありません。そのため、箔押し印刷を施したアイテムには、ずっと持っていたくなる、愛着が湧くという性質もあります。

箔押しの活用シーン

箔押し印刷はさまざまなシーンで活用されています。先ほどから述べているように、名刺にワンポイントのデザインを入れることによって、オリジナリティーの高い名刺に仕上げることが可能です。

また、名刺以外にもさまざまなものに箔押し印刷は活用可能です。企業のロゴを印刷した紙袋やパンフレット、また、オリジナルの箸袋やスマホケースなどもあります。

ホログラムを箔押し印刷することもできるため、トレーディングカードのレアカードに用いられたり、偽造しにくい特徴を生かして商品券などのデザインに用いられることもあります。

このように、身の回りをよく見渡してみると、意外と多くのものに箔押し印刷が用いられることがわかるでしょう。実際、その独特の質感や輝きゆえに、箔押し印刷は古くから親しまれています。

箔押し印刷の費用相場

通常の印刷方法とは大きく異なる箔押し印刷ですが、やはり費用もかなり変わってくるのでしょうか？まず箔押し印刷の費用の決まり方を見て、それから相場の目安を紹介しましょう。

箔押し印刷の費用の決まり方

箔押し印刷の費用は、用いる箔の種類、箔押しにかかる手間などによって決まります。箔にはさまざまな種類があり、金や銀などのメタリックな種類から、クレヨンのような色味が出せる顔料系、虹色に光って見えるホログラム系などが代表的なところです。

箔の値段もこの順で高くなっており、メタリック系は意外と安く、ホログラム系が最も高価になります。

また、箔押し印刷は技術的に高度な印刷方法です。印刷する前の準備である「ムラ取り」という作業だけでも長時間かかりますし、印刷には危険が伴ううえに熟練の技が要求されるため、印刷物ごとに費用は大きく変わります。

そのため、印刷会社によっては料金表を用意せず、1件ごとにその都度見積もりを出すスタンスを取るところもあるぐらいです。

費用相場

それでもあえて相場費用を出すとしたら、以下のように箔の面積に比例して高くなります。あくまで目安ですので、実際の費用は異なることがあると理解してください。

おすすめ箔押し印刷会社5選

参照元：株式会社新晃社

• ワンポイントで高級感を醸し出す箔押し印刷
• 個性を際立たせ差別化を図れる箔押し印刷
• メタリックで多彩な表現のできる箔押し印刷

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参照元：株式会社河内屋

• インスピレーションを形にする印刷
• 追求し続ける印刷の美
• 印刷物の個性を引き出す箔押し

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参照元：株式会社サカエマーク

• 箔押しとの組み合わせによる様々な印刷
• 多岐にわたる用途に対応する箔押し
• 小ロットからの制作にも対応

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参照元：箔押し印刷あさだ屋

• 箔押し専門の身近な印刷屋
• 全国のデザイナーから依頼を受ける高いクオリティ
• 高技術が要求される手押し加工へのこだわり

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参照元：株式会社美箔ワタナベ

• 求められるイメージ以上の仕上がり
• 豊富な実績にもとづく高い技術やノウハウ
• 高い質感やディテールをもつ箔押し印刷

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まとめ

金銀だけでなく、ホログラムやメタリックカラーなど、色鮮やかで独特の質感や輝きの表現を特徴とするのが箔押し印刷。今回紹介した箔押し印刷を手がける会社はそのメリットを最大限に出し、顧客にイメージ以上のものを提供することに努めています。中には全国各地から依頼を受けているところ、他社との差別化のための技術を追求するところ、職人の手による加工のため小ロットを専門に対応するところなどもみられます。どの会社も、高いクオリティの箔押し印刷やそのための技術を研鑽し続けているのです。

今回紹介した会社は、いずれも豊富な加工実績やスキル・ノウハウを活かすことで、顧客がもつ漠然としたイメージを具現化するための箔押しを可能にしています。また通常の印刷との組み合わせにより多彩な表現ができるという箔押しの特徴を活かし、それぞれこだわりのある箔押し印刷を行っています。

監修者のコメント

株式会社ウイングフォーム

代表取締役 伊藤友也

広告代理店勤務を経て、地元である埼玉県さいたま市地域の広告物に特化して取り組める環境をと思い、株式会社ウイングフォームを起業。主に企業や飲食店のDTP印刷、ホームページ制作および広告代理業などを行い、地元地域のみならず各地域クライアントが「根差すPR」を目指して展開。会社やお店だけでなく個人の依頼も取り扱い、数量の少ない印刷物や小回りの利くちょっとした制作物を低価格で制作できるよう努めている。

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箔押し印刷の絶対的な良さは、通常の印刷では出せない高級感やオシャレさを演出できることです。結婚式の招待状、記念アルバムの表紙、レストランのメニュー表など、高級感やオシャレさを際立たせるアイテムにはピッタリの印刷です。

さらに他の印刷をした用紙に箔押しをするなど、組み合わせた印刷でより細やかな仕上がりにしてくれます。それと箔押し印刷は加工上、印刷する用紙に厚い紙を使用することが多いので、その点でも上品な高級感を印象付けやすいです。

箔押しは言い換えれば一色での印刷とも言えますので、デザイン的にはシンプルな方が箔押しの良さを引き出しやすいです。使用用途やデザインも加味して箔押し印刷で注文するか検討してみましょう。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。