特許申請の費用とは?内訳と申請の流れを徹底解説

最終更新日:2023年04月27日
特許申請の費用とは?内訳と申請の流れを徹底解説
この記事で解決できるお悩み
  • 特許申請にかかる費用とは?
  • 特許申請の流れとは?
  • 特許申請を安くする方法とは?

独創的・画期的な技術やサービスを特許申請するときには費用がかかります。特許を取得することで、技術やサービスを独占でき、他社が技術を利用する際に特許使用料を得られる点が大きなメリットです。

当記事では、初めて特許申請する知的財産担当者に向けて、特許申請にかかる費用と内訳を解説します。特許申請に必要な費用を安くする方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

記事を読み終わった頃には、特許申請の費用内訳ができるようになるでしょう。

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特許申請の費用

本を開いているビジネスマン

特許申請を弁護士に依頼する場合は、約100万円の費用がかかります。個人で特許申請する場合は、20万円程度の費用に抑えられますが、申請書類の作成が複雑で作成に時間がかかるデメリットがあります。

特許申請にかかる費用の内訳は、以下のとおりです。

  1. 先行技術調査料
  2. 出願料
  3. 審査請求料等
  4. 特許料・登録料

1. 先行技術調査料

先行技術調査料とは、特許申請を検討している技術やサービスがすでに特許登録されていないか、調べるための費用です。

先行技術調査をすることで、特許申請前に申請停止の判断ができ、特許申請の出願料や審査請求料が無駄になりません。外部の機関に依頼する場合は、5万円〜20万円の費用がかかります。

個人で先行技術調査をする際は、独立行政法人の工業所有権情報・研修館が提供している「J-PlatPat」を活用して調査ができます。

2. 出願料

出願料とは、特許申請する際に特許庁に支払う手数料です。

個人で出願する場合 14,000円
※書面提出(紙)の場合は追加で電子化手数料がかかる
2,400円+(書類の枚数×800円)
弁護士に依頼する場合 上記出願料に加えて、書類作成費用・弁護士報酬が20万円〜50万円

3. 審査請求料等

審査請求料等とは、出願審査請求を依頼するために必要な手数料です。出願審査請求の手続きは、出願日から3年以内に実施しなければなりません。

特許出願後に出願審査請求をすることで、初めて審査が開始されます。審査請求をすると、出願が審査の順番待ちに入ります。審査官からの通知には、約1年かかる点に注意しましょう。

個人で出願する場合 138,000円+(請求項の数×4,000円)
※書面提出(紙)の場合は追加で電子化手数料がかかる
2,400円+(書類の枚数×800円)
弁護士に依頼する場合 上記出願料に加えて、書類作成費用・弁護士報酬が1万円〜2万円

4. 特許料・登録料

特許料・登録料とは、審査請求を依頼した結果、特許査定された場合に特許庁に支払う特許料です。1回の支払いで3年間有効になります。

個人で出願する場合 第1年から第3年まで:(4,300円+請求項の数×300円)×3年分
第4年から第6年まで:(10,300円+請求項の数×800円)×3年分
第7年から第9年まで:(24,800円+請求項の数×1,900円)×3年分
第10年から第25年まで:(59,400円+請求項の数×4,600円)×年数分
弁護士に依頼する場合 上記特許料に加えて、弁護士報酬が5万円〜20万円

特許申請の流れ

チェック

特許申請の流れは以下のとおりです。

  1. 先行技術の調査
  2. 特許願の作成
  3. 特許願の提出
  4. 審査の請求

1. 先行技術の調査

特許願を作成する前に、先行技術の調査をします。これから出願しようと思っている発明や技術がすでに特許として出願・登録されていないかを確認する調査です。

新しい発明ができたと思って出願しても、他社がすでに似た技術を出願していたために拒絶されてしまうケースが数多くあります。出願にかかる時間や費用を無駄にしないために、先行技術は必ず調査しましょう。

先行技術調査は個人で行えますが、膨大な技術情報の調査には時間がかかります。先行技術調査を請け負っている外部機関への依頼が効率的でおすすめです。

2. 特許願の作成

先行技術の調査が問題なければ、特許願を作成します。特許願には、特許出願書類・特許請求の範囲・明細書・図面・要約書が必要で、個人での作成は難易度が高いです。

初めて特許願を作成する場合は、特許を得意としている弁護士に相談するといいでしょう。特許庁のサイトに書き方が説明されているため参考にしてください。

3. 特許願の提出

特許願を作成したら、特許庁に提出します。郵便局や特許庁で特許印紙14,000円を購入して貼り付ける必要があります。オンラインで申請する場合には、電子現金納付・口座振替・クレジットカードで支払いましょう。

特許庁に特許願を紙で持ち込む場合や郵送する場合は電子化手数料が別途必要です。

4. 審査の請求

特許願を提出した後は、必要な料金が支払われているか・書類に不備がないかを審査されます。手続きに不備があると「補正指令」が出されるため、指摘された箇所に対して「手続補正書」で補いましょう。

不備がなければ、審査の請求に移ります。出願審査請求は、出願日から3年以内に実施する必要があるため、早めに審査請求しましょう。

特許申請を安くする方法

ポイント_虫眼鏡

特許申請を安くする方法は、以下のとおりです。

  • 減免制度を活用する
  • 助成金に申し込む

減免制度を活用する

中小企業・個人・大学などを対象として、一定の要件を満たした場合に審査請求料と特許料の減免制度を活用できます。審査請求日によって適用される減免制度が異なるため、減免制度ページを参考にしてください。

助成金に申し込む

特許申請にはさまざまな助成金の制度があります。ものづくり補助金JAPANブランド育成支援等事業外国出願支援事業などを活用できます。

助成金を受けるためには、条件を満たしたうえで審査を通過しなければなりません。事前に条件を確認したうえで、助成金に申し込みましょう。

特許申請で注意すべきポイント

特許申請で注意すべきポイントは、以下のとおりです。

  1. 個人での特許申請は難易度が高い
  2. 申請と審査に時間がかかる
  3. 市場価値を検討してから申請する

1. 個人での特許申請は難易度が高い

特許申請は作成する書類が複雑であるため、個人ですべて対応するには難易度が高いです。個人で特許申請する場合は、特許に関する事前学習が必要になります。

初めて特許申請をする際には、費用を計算したうえで弁護士への依頼も検討しましょう。

2. 申請と審査に時間がかかる

特許申請から特許が登録されるまでには1年近く時間がかかります。特許が登録されるまでのスケジュールを頭に入れたうえで経営判断が必要です。

3. 市場価値を検討してから申請する

特許申請には時間と費用がかかります。申請する技術に市場価値があるかを検討してから申請しましょう。

まとめ

独創的な技術を特許申請するには、弁護士に依頼すると約100万円、個人で申請する場合は約20万円の費用がかかります。個人での特許申請は、書類が複雑で難易度が高い点に注意しましょう。

「比較ビズ」は、特許申請を依頼できる弁護士を簡単に探すことができ、それぞれの弁護士を比較して特許申請の相談が依頼できます。特許申請に悩むことがあれば、ぜひ利用してみてください。

監修者のコメント
弁護士法人英明法律事務所・知財セクション
弁理士 平木 健氏

関西学院大学商学部出身。2007年12月弁理士登録。1999年より大阪市内の特許事務所にて知財業務の経験を積み、2018年4月弁護士法人英明法律事務所へ合流し、所内に知的財産権を専門に扱う部門を設立した。特許・実用新案(機械等の分野など)・意匠・商標の権利化業務に従事する。クライアントとのコミュニケーションを通じて適切な権利取得を心掛ける。

特許出願から権利化までの費用については、代理人へ出願手続を依頼すると代理人費用が生じます。

代理人費用は、先行調査、出願、中間処理、登録の4つの時期にその都度生じるのが一般的です。代理人選定時には相見積を入手して比較すればよいのですが、同条件で見積もりが出てくるとは限りませんし、出願後の中間処理費用は概算でしか入手できません。よって、見積は相場感覚を掴む程度に留め、極端に安い事務所、極端に高い事務所を省き、それ以外の事務所の中から選ぶと良いでしょう。

最終目標が特許権の取得、それも効果的に独占排他権を主張しうる書面を作成できるか否かがカギとなるので、担当弁理士の実績に注目すると良いでしょう。事前相談時に自身の発明に関連する技術についての経験の有無を確認するとともに、発明者とのコミュニケーションを厭わない弁理士へ依頼することをお勧めします。

参考データ/特許の平均寿命について
< 特許庁は、2018年に消滅した合計35,261件の特許権を分析した結果、出願から消滅までの保有期間は平均11.1年であると公表しました。また、保有期間別に見ると、15年超:19.8%、11〜15年:27.4%、5年以下:18.1%であり、権利者の類型別に保有期間を見ると、外国企業:12.9年、大企業:12.8年、中小企業:9.0年、個人:8.2年でした。特許権の満了(出願から20年)を待たずに、権利を放棄している技術が多いことがわかります。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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