ビジネスモデル特許とはどんな特許?取得するメリットや取得に必要な費用

更新日:2020年07月28日 発注カテゴリ: 特許出願
ビジネスモデル特許とはどんな特許?取得するメリットや取得に必要な費用

「誰も考えたことのないビジネスモデルを思いついた!」なんてことになった場合、おそらく多くの方はビジネスモデル特許を取得して大儲けできると考えるのではないでしょうか。確かにビジネスモデル特許が取得できれば、他社との差別化が容易で、収益アップの可能性も高くなります。しかし、現実のビジネスモデル特許には一般的なイメージと異なる面があるため、本気で特許取得を目指すなら注意が必要です。今回は、ビジネスモデル特許について、基本知識と特許を取得するメリット・デメリット、特許取得の方法などをお伝えします。

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ビジネスモデル特許とはどんな特許か?

ビジネスモデル特許というと、新しいビジネスモデルを考えた人が、そのビジネスモデルを独占できるための特許だとお考えではないでしょうか。ところが、ビジネスモデル自体が特許と認められることはありません。そこでまず、ビジネスモデル特許とは何かをお伝えします。

特許法における発明に該当する必要がある

特許法によると、発明とは、単に独創性があるだけでなく、自然法則を利用していることが前提です。また、技術について新しい工夫が見られるものが発明とみなされます。それゆえ、ビジネスモデルについても技術的な工夫がなければ特許として認められません。

しかし、ビジネスモデルとは、基本的に人為的な約束や取り決めのことであり、自然法則とは関係ないものです。そのため、たとえ独創的なビジネスモデルを思いついたとしても、それは特許法で言うところの発明には該当しないことになります。

ビジネスモデル特許の例

では、何がビジネスモデル特許に該当するかというと、当該のビジネスモデルを行う際に必要な技術的工夫です。以下で、具体的な例を挙げて説明しましょう。

たとえば、宅配ピザ会社が、注文を受けてから30分以内に顧客のもとに商品を届けられない時に代金を無料にするというサービスを打ち出したとします。

たとえこのサービスを世界で最初に思いついたとしても、これだけではビジネスモデル特許を取得できません。なぜなら30分以内に商品を届けられない時に無料にするというのは、自然法則とは関係のない単なる人と人との取り決めだからです。

ところが、同じピザの配達でも、どの順番で届けると最も効率良く配達できるかを計算してくれるソフトウェアを開発し、それを導入してビジネスを展開する場合にはビジネスモデル特許として認められる可能性があります。ソフトウェアという技術的な発明があるからです。

実際、ビジネスモデル特許となるのは、インターネットやコンピューターを用いた情報技術における創意工夫が大半です。

ビジネスモデル特許取得のメリット

ビジネスモデル特許とは、ビジネスモデルを独占できるための特許ではなく、それを実施する際に用いる技術的工夫のことです。となると、ビジネスモデルを独占できないのに特許を取得する意味があるのかという疑問が生まれます。そこで、ビジネスモデル特許を取得することによって得られるメリットを解説しましょう。

他社より優位にビジネスを展開できる

ビジネスモデル特許が取得できれば、他社より優位にビジネスを展開できるようになります。なぜなら、ビジネスモデル自体を独占することはできないとしても、他社がそのビジネスモデルを用いて参入してきた場合、自社と同じ技術を用いてビジネスを展開することができないからです。

それによって、顧客に提供するサービスのクオリティーにも差が生まれる可能性があります。

また、同じクオリティーでも、その技術を利用できるかどうかによって、サービスを提供するスピードや効率性が大幅に違ってくる可能性もあるでしょう。

となると、やはりビジネスモデル特許を取得している方が、他社よりも優位にビジネスを進めることができ、その結果、収益面でも大きな差を付けられる可能性が高くなるのです。

収益がアップすれば、その分を広告に回すことで自社の業界内での認知度をアップさせることが可能です。また、アップした収益分を投資することによって、サービスをより良いものに改良するようなこともできます。

特許を取得することができれば、出願日から20年間、その権利を維持できます。それだけの長期間、他社より優位にビジネスが展開できると考えると、ビジネスモデル特許の取得には大きなメリットがあると言えるのではないでしょうか。

顧客へのアピールになる

企業のホームページなどで、「特許出願中」の文字を見かけたことがあるでしょう。これはまだ出願中ですから特許を取得しているわけではありませんが、特許を申請するほど独創的な商品やサービスであることを顧客にアピールするのには効果的です。

また、出願の結果、特許を取得できた場合は、「特許出願中」から「特許第〇〇号取得」との表示に変更できます。実際に取得しているとなると、顧客へのアピール効果がさらに高まりますし、投資家の興味を引くことにもつながるでしょう。

このように、他社とは異なる自社ならではの価値をアピールできることが、ビジネスモデル特許取得のもう一つのメリットです。

ビジネスモデル特許取得のデメリット

ビジネスモデル特許を取得することには、上記のようなメリットばかりではなく、デメリットにもなりうる面があります。

発明の詳細が公開されてしまう

ビジネスモデル特許を出願すると、出願日から1年半後にはその内容の詳細が公開されてしまいます。特許とは、基本的には世の中を発展させるのに役立つ発明に与えられるものです。つまり、優れた発明があった時は、「一般に公開して多くの人がその恩恵に預かれるようにしよう」という考えが基本にあります。

その際、発明した人に相応の対価を与えるために、特許法で特許取得者を保護しているわけです。ですので、ビジネスモデル特許を取得すると、いずれ他社にもその詳細が明らかになることは避けられません。その結果、他社がそれをもとにアイデアを発展させて、さらに優れたサービスを開発するなどという可能性も考えられるのです。

特許の出願にかかわらず、サービスをリリースすると、その内容は遅かれ早かれ他社にも知られてしまいます。ただ、IT技術を活用した特許の場合、たとえばサーバの処理方法などについても具体的に記載して出願するのが一般的ですから、単にサービスをリリースしただけでは他社にわからない詳細情報まで知られてしまう可能性があるわけです。

ビジネスモデル特許を取得するために必要なもの

ビジネスモデル特許のうち、特に多いのがIT技術を活用した発明です。とはいえ、既存の技術を組み合わせただけでは取得できないことはすでにお伝えしました。そこで、ビジネスモデル特許を取得するために必要な要素について詳しく考えてみましょう。

新規性があること

新規性があることが特許として認められる第一の条件です。新規性とは、言い換えれば過去に存在しなかったものとしてもよいでしょう。つまり、まだどこにも公開されていない発明のことです。

そのため、たとえ自社が初めて開発したものでも、すでにサービスとして提供を開始しており、それ自体が世間に知られてしまっている場合、新規性はすでに失われていると考えられます。ビジネスモデル特許を取得するのなら、サービスの公開前に出願する必要があるのです。

進歩性があること

新規性のみでは特許として認められるには不十分です。同時に、進歩性も有していることが認められなければなりません。進歩性とは、当業者(その発明品が帰属する技術分野に関する一般的な知識を持っている人)が簡単に思いつかないようなアイデアのことです。

ただ、進歩性の判断は非常に難しく、専門家であっても見解が分かれることもあります。

進歩性が認められないケース

ビジネスモデル特許で進歩性が認められるかどうかの判断基準の例を挙げましょう。

たとえば、これまで人が計算機を使って計算し、それを手書きで書類に記入していた作業があるとします。この作業を、コンピューターを使って自動でできるようなシステムを作ったとしましょう。この場合に進歩性はあるでしょうか。

残念ながら、手作業をコンピューターでの作業に置き換えただけでは進歩性があるとは言い難いです。

では、他業界でのシステムを自社に転用した場合はどうでしょうか。

たとえば、企業の求人採用において、応募者の属性から自動的に募集基準にマッチする人材をピックアップできるマッチングシステムがあったとします。

これを、たとえば派遣会社が応用して、派遣社員の属性を入力することによって、派遣先企業の求める基準に合う人材だけをピックアップできるシステムを開発したとしましょう。この場合は進歩性があると言えるでしょうか。

このケースでも先の例と同じく、単に既存のシステムを転用しただけですから、進歩性を認められる可能性は限りなく低いでしょう。

進歩性が認められるには?

先に進歩性が認められにくいケースを見ましたが、では、どうやれば認めてもらえるのでしょうか。

たとえば、先のマッチングシステムのケースだと、求人採用ではなく派遣会社ならではのオリジナルのプログラムや機能があれば有利です。

単にシステムを転用しただけでは進歩性が認められることはありませんが、そこにその用途だからこそ生まれる独創的な技術的工夫があれば、進歩性も新規性も認められる可能性が高くなります。

ビジネスモデル特許を取得するまでの流れ

ここまでの内容でおわかりのように、ビジネスモデル特許を取得するのはそう簡単なことではありません。新規性と進歩性をともに備えている技術的独創性のある発明でなければ、出願しても取得は難しいでしょう。

しかし、出願しないことには特許取得もあり得ませんので、ここからはビジネスモデル特許の出願から特許取得までの流れをお伝えします。

特許出願と出願審査請求

ビジネスモデル特許もそれ以外の特許も、基本的な流れは同じです。まず、特許を出願するとともに、特許庁に出願審査請求を行って審査を開始してもらう必要があります。

特許出願から3年以内に出願審査請求を行う決まりです。それを過ぎると特許を取得できなくなるので注意してください。

特許庁での審査

出願審査請求が受け付けられると、特許庁が出願内容を審査します。ただ、審査には時間がかかるの通例で、審査結果の通知まで出願審査請求から1年以上かかることが大半です。

審査結果の通知

審査の結果が出ると、特許が認められた場合は特許査定が、認められなかった場合は拒絶理由通知が送られてきます。

特許査定が届いた場合も、それで終わりではありません。特許料を納付することによって初めて特許が登録され、その後、出願した発明に特許権が発生するようになります。

拒絶理由通知が届いた場合

拒絶理由通知が届いた場合も、あきらめるのはまだ早いです。拒絶理由通知とは、文字通り特許が認められないと判断された理由が記載されていますので、それを読んで納得できないならば意見書が提出できます。

また、発明の内容を一部変更すれば特許が認められそうな場合は、手続補正書を提出します。

意見書や手続補正書を提出すると、特許庁は再審査を行います。その結果はまた書面で通知されますが、それまで2〜3か月かかるのがふつうです。

再審査の結果、先の拒絶理由が解消されたと判断されると特許査定が届きます。そうでない場合には、また拒絶理由通知か、拒絶査定が届きます。

拒絶理由通知とは先ほどと同じで、出願した内容が特許に値しない理由が記載されていますので、それについて再度、意見書や手続補正書を提出することが可能です。

一方、拒絶査定とは、特許が認められないという最終処分です。とはいえ、審査官が判断を誤っている可能性もないとは言えません。そのため、不服がある場合は拒絶査定不服審判の請求が認められています。審判を請求すると、3名の審判官が審理を行い、審査官の判断の妥当性を決します。

ビジネスモデル特許取得にかかる費用

ビジネスモデル特許を取得するまでの流れを確認したところで、それら一連の手続きに必要な費用についてもお伝えしておきましょう。

特許事務所に出願を依頼する場合

特許事務所に出願を依頼する場合の費用は、まず、特許印紙代として14,000円が必要です。

さらに、特許事務所が行う手続きに応じて手数料が必要になります。具体的な金額は特許事務所ごとに異なりますが、特許印紙代を含めた特許出願の相場は35〜45万円です。それとは別に出願審査請求を行うために16〜19万円ほどかかります。

さらに、特許料の納付に12〜18万円ほど必要ですので、スムーズにビジネスモデル特許が取得できたとしても80万円ほどは必要です。

特許事務所に依頼せず自分で手続きを行う場合

自分で手続きを行う場合、特許出願の際の特許印紙代に14,000円、出願審査請求の際の特許印紙として138,000円と請求項ごとに4,000円がかかります。

また、特許査定が届き、特許が認められた場合、3年分の特許料を納めなければならないため、1年分の特許料2,100円×3年分=6,300円と、請求項ごとに600円が必要です。つまり、最安では162,900円でビジネスモデル特許が取得できます。

まとめ

ビジネスモデル特許の概要と、取得するメリットやデメリットが理解できたでしょうか。実際にビジネスモデル特許を取得する際は、ビジネスモデル特許に精通する弁理士に依頼することをおすすめします。

ビジネスモデル特許は専門性の非常に高い分野ですので、この分野に精通する弁理士を選ぶ必要があります。その際はぜひ「比較ビズ」を活用してください。比較ビズには多数の弁理士が登録しており、一括見積もりも容易です。

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