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所有権移転登記の費用相場|司法書士報酬を抑えるには?自分で手続きできる?

最終更新日:2022年08月05日
所有権移転登記の費用相場|司法書士報酬を抑えるには?自分で手続きできる?

所有権移転登記とは、その名の通り、土地・建物を含む不動産の「所有権」の「移転」を「登記」するための手続きです。土地を相続することになった個人の方、あるいは土地付き中古物件をオフィス・店舗にしたい法人の方であれば、手続きが必要だと聞かされているのではないでしょうか?しかし、不動産取得を何度も繰り返す方はそう多くありません。「所有権移転登記とは?」「どんな費用が必要?」「司法書士に依頼する?」など、わからないことばかりでしょう。そこで本記事では、所有権移転登記の基本を分かりやすく解説するとともに、費用の仕組み、費用相場、手続きの手順と必要書類、代行依頼する司法書士報酬を抑える方法などを紹介していきます。

所有権移転登記とは?

所有権移転登記とは、土地・建物を含む不動産の所有者に変更が生じた際に、不動産登記事項証明書の「権利部」を書き換える「不動産登記」手続きのひとつです。不動産の状況を国・政府が把握するため、すべての土地・建物は個別に特定されたうえで不動産登記され、不動産登記事項証明書に情報が記録されています。

この登記事項証明書は、不動産がどのような状態なのか?を公示する「表題部」および、不動産をだれが所有しているのか?を公示する「権利部」に分かれているのが特徴。権利部に記載される内容は以下の通りですが、このうち「権利部(甲区)」を書き換えるのが所有権移転登記というわけです。

登記事項証明書の区分 記録内容
権利部(甲区) 所有者の氏名・住所など、共有者が存在すればそれぞれの持分
権利部(乙区) 住宅ローンなどに伴う抵当権

なぜ所有権移転登記が必要なのか?

登記事項証明書に記載される「表題部」「権利部」のうち、表題部に関しては登記法によって登記が義務付けられています。一方、2021年2月現在、権利部の登記は義務化されていません。つまり、所有権移転登記の手続きをしないまま放置しても罰則・罰金などが課されることはありません。

しかし、売買契約を結んで土地・建物を取得しても、所有権移転登記の手続きをしないまま放置したらどうなるでしょう?土地・建物の所有権はもとの売主のままです。売主が悪意を持って二重譲渡した別の第三者が、あなたより先に所有権移転登記してしまえば、あなたは土地・建物の所有権を主張することが困難になってしまうでしょう。不動産取得後の速やかな所有権移転登記手続きは「必須」なのです。

所有権移転登記が必要なのはどんな場合?

それでは、不動産登記事項証明書の権利部を書き換える所有権移転登記は、具体的にどのようなケースで手続きが必要なのでしょうか?代表的な例は以下の通りです。

  • 土地・建物の売買契約が成立した場合
  • 土地・建物を相続した場合
  • 土地・建物を生前贈与などで取得した場合
  • 離婚などの財産分与で土地・建物を譲渡・名義変更する場合

それぞれのケースで手続きの手順・方法は異なりますが、相続の場合を除き、所有権移転登記は「不動産の元の所有者」「不動産の新たな所有者」双方で共同申請するのが基本です。また、不動産の所有権を移転する手続きである所有権移転登記は、すでに登記してある土地、および「中古建物」が対象。新築した建物の所有権を登記するには「所有権保存登記」の手続きが必要です。

所有権移転登記の費用例

所有権移転登記の申請・手続きには当然費用がかかりますが、金額がどのように決定されるのかは非常にわかりにくいのが現実です。まずは具体的なイメージを描きやすいように、土地・建物ともに評価額1,000万円(合計2,000万円)の不動産で、所有権移転登記した場合の費用例を概算で紹介してみましょう。

  登録免許税 司法書士報酬 合計
不動産売買 400,000円 40,000〜80,000円 440,000〜480,000円
不動産売買(全額住宅ローン) 480,000円 70,000〜100,000円 550,000〜580,000円
相続 80,000円 80,000〜120,000円 160,000〜200,000円
不動産贈与 400,000円 60,000〜90,000円 460,000〜490,000円

同じ価値の不動産であるにも関わらず、160,000〜580,000円まで、所有権移転登記の費用相場が非常に幅広いことがわかります。

所有権移転登記費用の内訳

所有権移転登記する状況が異なるだけで、なぜこれほどまでに費用が異なるのか?疑問を感じる方も多いでしょう。その答えは、所有権移転登記費用の内訳となる「登録免許税」「手数料・諸経費」「手続代行を依頼した場合の司法書士報酬」が、それぞれの状況によって変動するからです。所有権移転登記の仕組みともいえる、それぞれの内訳を簡単に解説していきましょう。

登録免許税

所有権移転登記する際に、必ず課せられる税金が「登録免許税」です。登録免許税は、土地・建物それぞれに課税されますが、不動産の評価額、および不動産の取得方法によって納税額が大きく変動するのが特徴。所有権移転登記をためらう方が少なくないのは、評価額の高い不動産を購入した際の課税負担がもっとも重くなるためだといえるでしょう。この登録免許税に関しては、だれが手続きしても金額が変わらない「必須の費用」です。

書類収集の手数料・諸経費

所有権移転登記を申請するためには、申請書をはじめとしたさまざまな書類が必要です。この必要書類の収集にかかる手数料、交通費などを含む諸経費も所有権移転登記手続きに必要な費用です。不動産の取得方法によって必要な書類が異なるため、一概にはいえませんが、相場としては数千円から20,000円程度を見ておくといいでしょう。

司法書士に手続代行を依頼した場合、書類取得の手数料を抑えられる場合もありますが、数百円程度の違いでしかありません。登録免許税同様、だれが手続きしても金額に変動のない費用だといえます。

司法書士報酬

所有権移転登記の手続き代行を司法書士に依頼した場合に必要な費用です。従来の司法書士報酬は、手続きごとの報酬額が定められていましたが、現在では完全自由化されています。このため、手続きの種類に応じて費用が変動するのはもちろん、依頼する司法書士事務所によっても費用は変動します。

所有権移転登記費用の計算方法:登録免許税

それでは、所有権移転登記に掛かる費用はどのように算出すればいいのか?計算方法を簡単に紹介しておきましょう。まずは「登録免許税」の計算方法です。費用算出に必要なのは「取得した不動産の評価額」および「不動産の取得方法に応じた税率」です。不動産の評価額を調べるには「固定資産税の納税通知書」を確認する、所轄の市区町村で「固定資産税評価証明書」を取得する方法があります。不動産の取得方法に応じた税率は以下の通りです。

土地の所有権移転登記 登録免許税率
売買の場合 評価額の2.0%
相続の場合 評価額の0.4%
贈与の場合 評価額の2.0%
中古建物の所有権移転登記 登録免許税率
売買の場合 評価額の2.0%
相続の場合 評価額の0.4%
贈与の場合 評価額の2.0%

上述した費用例を当てはめると、不動産売買のケースでの所有権移転登記費用を算出するため、以下の計算式が成り立つのがわかります。

  • 1,000万円(土地)× 2.0% + 1,000万円(土地)× 2.0% = 400,000万円

同じ売買契約でも、住宅ローンで購入する場合、借入した金融機関が物件に抵当権を設定するため「抵当権設定登記に必要な登録免許税(評価額の0.4%)」が追加で必要になります。尚、2021年2月現在、ある一定の条件を満たした不動産を期限内に取得すると、税率軽減措置が得られますが、本記事では具体的な数値の紹介は割愛しています。

所有権移転登記の費用相場:司法書士報酬

手続き代行を依頼した場合の司法書士報酬は、上述したように「手続きの内容」「司法書士事務所」に応じて変動します。司法書士報酬の費用相場を知りたい方の参考になるよう、日本司法書士会連合会が公表する不動産登記の報酬データ例を紹介しておきます。

所有権移転登記の内容 最低 全国平均 最高
不動産の売買 30,894円 51,832円 86,940円
不動産の相続 39,214円 66,604円 106,483円
不動産の贈与 28,102円 46,827円 78,895円

上述したデータを元にすれば、所有権移転登記の手続代行を司法書士に依頼した場合の費用相場は、30,000〜100,000程度だと考えられるでしょう。

司法書士報酬が変動する要因

ただし、それぞれの手続き内容に応じて費用相場が若干異なるのはもちろんですが、同じ内容の手続きでも司法書士報酬が大きく変動しているのがわかります。これは、司法書士報酬が自由化されているという事実のほかに、従来から踏襲される「不動産の評価額に応じて報酬が異なる」慣習があるからだと考えられます。つまり、同じ内容の手続きであっても、評価額の高い不動産を取得すれば、それに応じて司法書士報酬が高額になる傾向があります。

相続で所有権移転登記すると報酬は高くなる?

また、不動産の売買・贈与と比較しても、相続に伴った所有権移転登記手続きでは、司法書士報酬が高額になる傾向にあるのもわかります。これは、売買・贈与と比較しても、相続手続きに必要な書類が多くなること、相続人全員分の書類を収集する必要があること、すべての相続がすんなり進むとは限らないことなど、相続ならではの手間の多さが反映された結果だと考えられます。相続時の登録免許税は安く抑えられますが、逆に司法書士報酬は高めになると考えておけばいいでしょう。

所有権移転登記は自分で手続きできる?

ここまでの解説で、登録免許税および手数料・諸経費は、だれが手続きしてもほぼ同じであることが理解できたでしょう。つまり、所有権移転登記の申請・手続き費用を節約するには、自分自身で申請・手続きするのが一番です。確かに、所有権移転登記は司法書士の専門分野ではありますが、実際の申請・手続きに必要な資格というものはありません。なによりも費用を節約したいと考えるのであれば、申請・手続きにチャレンジしてみるのもひとつの方法です。

所有権移転登記の申請手順

所有権移転登記の申請手順は「書類の収集・申請書の作成」「申請書・書類を法務局に提出」「審査」「登記事項証明書の取得」という流れになります。申請から証明書の取得までは約1〜2週間程度かかりますが、申請書・書類に不備があれば訂正・再提出が必要です。重要になるのは「書類の収集・申請書の作成」だといえるでしょう。提出時に法務局で書類チェックしてもらうことも可能です。

土地・建物の売買・贈与で必要な書類:売主・贈与した人

不動産取得の方法を問わず、所有権移転登記を申請する際に必須の書類が「不動産登記事項証明書」です。証明書は法務局に直接出向く、もしくはオンラインでも申請できます。そのほかに揃える必要のある書類を、不動産の取得方法別に紹介しておきましょう。まずは売買・贈与で不動産を譲渡した、売主・贈与した人が揃えるべき書類です。

必要な書類 入手する機関
不動産登記申請書 法務局・法務局オンライン
売買契約書・贈与契約書・戸籍謄本(離婚日など)  
登記済権利書 不動産の所有者
印鑑証明 市区町村役所
固定資産評価証明書 市区町村役所
身分証明書  

土地・建物の売買・贈与で必要な書類:買主・贈与された人

売買・贈与で不動産を取得した、買主・贈与された人が揃えるべき書類は、以下の通りです。

必要な書類 入手する機関
不動産登記申請書 法務局・法務局オンライン
売買契約書・贈与契約書・戸籍謄本(離婚日など)  
住民票 市区町村役所
身分証明書  

土地・建物の相続で必要な書類

相続で不動産を取得する方は、揃えるべき書類が多岐に渡ります。まずは、相続人全員分、以下の書類を収集します。

必要な書類 入手する機関
戸籍謄本 市区町村役所
住民票 市区町村役所
印鑑証明 市区町村役所

さらに以下の書類も揃えます。

必要な書類 入手する機関
固定資産評価証明書 市区町村役所
遺産分割協議書 作成
相続関係説明図 作成
登記原因証明情報 市区町村役所
遺言書  

土地・建物の売買・贈与は共同申請が必要

所有権移転登記は自分自身で手続き可能ではありますが、必要書類を揃えれば、単独で申請できるというものではありません。不動産売買・贈与の場合、所有権移転登記は「売主・贈与する人」と「買主・贈与される人」での共同申請が必要なのです。司法書士報酬を節約するために自分で手続きしたいと考えても、相手方が「時間がない」「面倒だ」と考えていれば協力が得られません。双方の合意がなければ、手続きを自分自身で済ませるのは難しいでしょう。

抵当権を設定する場合は司法書士の立会が必要

売買契約で不動産を取得する際、住宅ローンなどを活用したいと考える方は少なくないでしょう。しかし、この場合は所有権移転登記を自分自身で申請・手続きするのは不可能です。なぜなら、融資する側の金融機関が、買主が取得した不動産に「抵当権」を設定するからです。もちろん、抵当権を設定するための「抵当権設定登記」も、買主自ら手続きできますが、それを容認する金融機関は皆無です。住宅ローンを活用して所有権移転登記する際は、公正な第三者である司法書士の立会が必須です。

手続代行は司法書士に依頼すべき?

こうして考えていくと、比較的自由に所有権移転登記申請できるのは、相続で不動産を取得した場合に限られます。ただし、売買・贈与に比べても、相続した場合の手続きが面倒であることは認識しておくべきです。たとえば、遺産分割協議書や相続関係説明図などは、役所や法務局で入手するのではなく、自分自身で作成しなければなりません。

司法書士に手続き代行を依頼すれば、こうした作成が必要な書類も含め、書類収集から申請までをほとんど任せられます。所有権移転登記申請に掛かる手間・時間を考慮すれば、手続き内容に関わらず、司法書士に任せるのがベストだといえるでしょう。

司法書士報酬を抑えるには?

司法書士に申請・手続きを任せる前提ならば、司法書士報酬を抑えることが、イコール所有権移転登記費用を抑えることにつながります。それでは、司法書士報酬を抑えることは可能なのか?可能ならばどのような方法があるのか?簡単に紹介していきます。

不動産仲介業者の紹介は避ける

売買契約で不動産を取得するのであれば、ほとんどの場合で不動産仲介業者が関係してくるはずです。契約がまとまりかけてきた時点で、提携する司法書士を紹介されることもあるでしょう。しかし、不動産仲介業者から紹介された司法書士は避けた方が無難です。

仮に、紹介を受けた司法書士が良心的であっても、仲介業者が不利になるような方向に話しを持っていかないはずです。所有権移転登記を詳しく知る方は多くないため、仲介会社の利益分が上乗せされているケースもあるかもしれません。本来は違法行為になることですが、実際に行われている例は少なくないといわれています。

見積もりを複数の司法書士事務所に依頼する

司法書士に限ったことではありませんが、依頼先を選定する際は複数の候補先をピックアップし、それぞれから見積もりを取るのが基本です。本文内でも紹介したように、司法書士報酬が自由化された現在では、同じ依頼内容でも事務所によって費用が変動するのは当たり前。相談時の対応を含め、いくつかの司法書士事務所を比較しながら検討するのが重要です。

まとめ

非常にわかりにくい所有権移転登記の概要、費用の算出方法、手続代行を依頼した場合の司法書士報酬の相場などが理解できたのではないでしょうか?所有権移転登記の費用をできる限り抑えるには、自分自身で申請・手続きすることが一番ですが、素早く確実に手続きしてくれる司法書士報酬は決して法外なわけではありません。重要なことは、費用面でも対応面でも納得できる良心的な司法書士事務所を見つけることです。

しかし、普段馴染みのない司法書士の見極めは簡単ではないでしょう。候補先を絞り込むことさえ難しいと感じる場合があるかもしれません。「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、優良な司法書士事務所をスピーディーに探せます。司法書士事務所の選定に迷うようなことがあれば、是非利用してみてください。

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