動画制作の全工程にかかる期間の目安は6〜12週間ほどです。 社内準備〜発注に約2、3週間、企画考案〜台本・絵コンテ作成に約1〜3週間、撮影準備〜撮影に約1、2週間、編集・オーディオに約2〜4週間、最後に納品された動画を公開して動画制作の流れは完結です。
動画制作の流れは?5ステップの手順や注意したいポイントを解説
- 動画制作の基本的な流れは?
- 動画制作の依頼前に必要な準備は?
- 動画制作をスムーズに進めたい
「動画を業務で活用したい」「動画制作の流れを知りたい」とお考えの方、必見です。動画制作の期間は、社内準備、発注、公開などを含むと約6〜12週間です。制作経験がない場合は、動画制作会社へ依頼することをおすすめします。
この記事では、広報担当者や個人の方へ向けて、動画制作の流れや具体的な手順、注意したいポイントを解説します。最後まで読むことで、動画制作に着手できるでしょう。
動画制作に関するよくある質問にも回答するため、初心者の方はぜひ参考にしてください。
もしも今現在、
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動画制作の流れ
動画制作の全工程にかかる期間の目安は6〜12週間ほどです。動画が短い・撮影が必要ないなどであれば、制作期間を短縮できます。費用の目安は、短い・複雑な編集が必要ない動画なら30万円〜50万円、テレビCMのようなクオリティの動画なら200万円〜400万円です。
以下の5つの工程から動画制作の流れを紹介します。それぞれみていきましょう。
- 社内準備〜発注
- 企画考案〜台本・絵コンテ作成
- 撮影準備〜動画撮影
- 編集・オーディオ
- 納品・公開
1. 社内準備〜発注
- 社内準備
- 問い合わせ
- 打ち合わせ・ヒアリング
- 提案・発注
社内で動画制作の準備をして制作会社に発注することが1つ目のステップです。質の悪い業者を避けクオリティの高い動画を作るために、制作会社を選ぶポイントを紹介します。
社内準備
まずは動画制作に関する社内準備を行います。
- 動画を作る目的
- 動画制作にかけられる予算
- 動画の制作納期
目的・予算・納期によって、作るべき動画の企画・構成や選ぶべき制作会社が変わります。上記を決めてから制作会社を探すことで、「予算50万円の採用PR動画を、予算300万円の商品PRテレビCMが得意な制作会社に依頼してしまう」などのミスマッチを避けられるでしょう。
会社やサービスの資料もあわせて用意しておくと、作りたい動画のイメージを制作会社に共有しやすくなります。
問い合わせ
次に制作会社を3〜5社ほどピックアップして問い合わせします。複数の会社に問い合わせするのは、打ち合わせや提案の内容を比較したうえで自社に適した制作会社に発注できるようにするためです。
制作会社のホームページで実績を確認し、動画の内容や完成イメージ、予算感が社内での決定と合致しているかチェックしてください。
打ち合わせ・ヒアリング
このフェーズでもっとも重要なのは、動画の目的や出来上がりのイメージを具体的に伝えることです。動画制作会社と最終的なイメージを共有できなければ、適正な見積もりも映像作品のクオリティを高めるための提案も得られません。
すべての動画制作会社に同じ内容を伝えることも肝心です。大前提となる自社ニーズにバラツキがあれば、見積もりや提案内容を比較検討できなくなってしまいます。
提案・発注
打ち合わせの後、動画制作会社の見積もりや提案内容を比較検討して最終的な依頼先を発注・決定します。
比較検討の際は下記のポイントを意識しましょう。
- 伝えたとおりの予算や納期になっているか
- よりよい動画にするための独自提案があるか
- 他社と比較して、見積もり金額は妥当か
動画制作では、発注側と受注側の意思疎通が欠かせません。提案内容以外に「担当者とスムーズなコミュニケーションができているか」も確認したいポイントです。
2. 企画考案〜台本・絵コンテ作成
- 企画考案
- 構成作成
- 台本・絵コンテ作成
発注が完了したら本格的に動画制作が始まります。ここからは制作会社の責任領域ですので、発注側がメインで作業することはほとんどありません。担当者とのコミュニケーションや進捗の確認は欠かさないようにしましょう。
企画考案
企画では、自社で準備して伝えた動画の目的をもとに「「誰に」「何を」「どこで」伝える動画を制作するのか」を決めます。動画のコンセプトと言い換えてもよいでしょう。
動画の目的と企画にズレがあると、動画は完成したけれど自社のゴールを達成できないなどの可能性が考えられます。企画考案の段階では、目的に対する認識や動画の完成イメージを細部まで共有できているか制作側と確認しながら進めてください。
プロジェクトチームの結成やスタッフの配役、動画の制作スケジュールなどもこの段階で決定されるケースが一般的です。
構成作成
構成とは「どんな動画を作るのか」という具体案です。企画をもとに動画の内容を具体的にイメージし、プロット(ストーリーの要約)を作成します。動画の構成作成にあたっては起承転結のようなフォーマットを用いるのが一般的です。複数の動画を用意してABテストを実施したいと考えている場合、テストのパターンをこの段階で用意します。
台本・絵コンテ作成
企画・構成で具体化したプランをもとに、具体的な設計図ともいえる台本(シナリオ)・絵コンテを作成するフェーズです。
参照元:CINEMA DRIVE
シナリオ・絵コンテは別々に作成される場合と、台本を兼ねた絵コンテのみが作成される場合があります。制作会社がより具体的に動画の完成イメージを共有したいと考えれば、既存の素材を活用したビデオコンテが作成されるかもしれません。
台本・絵コンテは、発注担当者と動画制作会社の間で内容の擦り合せや修正、ブラッシュアップを繰り返して作成されるものです。任せっきりにせず、密にコミュニケーションを取るようにしてください。
3. 撮影準備〜動画撮影
- 撮影準備
- ロケハン
- 動画撮影
台本や絵コンテをもとに撮影場所を選定し、動画を撮影します。実写動画では「撮影準備〜動画撮影」ですが、アニメーション動画であればこのステップは「キャラクターデザイン・アニメーション制作」です。
撮影準備
撮影準備では下記のような作業に取り掛かります。
作業 | 概要 |
---|---|
機材の確保 | カメラや三脚、マイクといった機材の確保。動きのあるシーンを撮影する場合はレール(カメラスライダー)も必要。 |
スタッフの確保 | 監督やカメラマン、音声、メイクといったスタッフの確保。 |
キャスティング | 出演者の確保。必要に応じてオーディションも実施。 |
香盤表の作成 | 撮影の順番や参加するスタッフ・キャストの動きなど、当日の撮影を効率的に進めるスケジュール表を作成。 |
ロケハン
撮影準備に並行してロケハン(ロケーションハンティング)を行い、適切な撮影場所を決定します。撮影許可の交渉や申請が必要な場合もあるでしょう。
風景だけでなく、光の当たり方や静かさなども重要なポイントです。イメージどおりの動画を撮影できるかどうかはロケハン次第な部分もあり、知識・経験が要求されます。
動画撮影
事前準備が完了したら「動画制作の流れ3」でもっとも重要な動画撮影に入ります。撮影自体は1日〜3日ほどで終わるのが一般的です。撮影当日は担当者だけでなく動画プロジェクト責任者(発注側の決済者)も必ず参加しましょう。
基本的に、実写動画は撮影完了後の撮り直しができません。どうしても撮り直したい場合には追加費用や納期の遅れが発生します。撮影時に角度や光の修正、撮り直しを依頼できるように、責任者が立ち会って撮影状況を確認してください。
4. 編集・オーディオ
- カット・トランジション
- テロップ
- 効果
- オーディオ
編集が最後まで完了してから修正すると工数がかかりすぎるため「仮編集→クライアント側とのすり合わせ→本編集」というサイクルを繰り返して進めるのが一般的です。仮編集とは、動画素材をカットしただけの状態を言います。
カット・トランジション
まず素材から必要な部分を切り出して並べる「カット」と、切り出した素材同士をつなぎ合わせる「トランジション」を行います。カットでは余白をフレーム単位で削ぎ落とすことが重要です。
素材が揃ってからどう編集するか考えるのではなく、企画や撮影の段階でどういった素材をどのように使うか決めておきましょう。スムーズにカットを進められますし、「必要な素材を撮影していなかった」となる心配もありません。
テロップ
カット・トランジションが完了したら必要な箇所に字幕やテロップを挿入します。文字の大きさや色、文字数などで見やすさを調整しましょう。
テロップにするのは強調したい内容や重要な内容です。すべてのセリフや内容をテロップにしてしまうと、情報量が多すぎて視聴者の頭に何も残せません。「商品PR動画だから商品名や値段をテロップにする」など、特に重要な要素をピックアップしましょう。
効果
効果(モーションエフェクト)とは文字や画像に動きをつける特殊効果のことです。効果は主にオープニングやエンディングといった動画の重要なポイントで用いられます。
特にオープニングは、たまたま動画を目にしたユーザーがそのまま視聴を続けるかどうかの判断基準となる箇所です。「目をひきやすい」「なんとなく興味を持てる」動画にするために、オープニングでは効果を利用して観られるための工夫を凝らします。
オーディオ
視覚的な部分の編集が完了した動画に、BGMの挿入やナレーションの追加、素材の音声とのバランス調整を行い、動画を完成させるフェーズです。
オーディオ編集は実写・アニメーションを問わず重要な工程で、動画のクオリティを左右します。どんなデバイスで再生しても聴かせたい音がしっかり聴こえるように処理するノウハウが求められるため、専門のサウンドエンジニアへ依頼するのがおすすめです。
5. 納品・公開
- 動画の納品
- 公開
動画が完成したら納品を受け取り公開します。この段階での修正が必要ないように、企画・構成の段階からコミュニケーションを欠かさないようにしてください。
動画の納品
一般的な納品方法は「mp4」形式の動画ファイルです。アニメーション動画であれば「連番TIFF」の形式の場合もあります。制作した動画をメディア化して販売する場合、DVDやBlu-rayを作成する工数・費用がかかるため注意しましょう。
公開
最後に納品された動画を公開して、動画制作の流れは完結です。動画の公開後は必ず下記のようなデータを取りましょう。データを蓄積し分析することで、どのような動画が目的を達成しやすいのかなどの傾向がわかります。
データの項目 | 概要 |
---|---|
PV数 | 動画が視聴された回数 |
コンバージョン数 | 購入や問い合わせといった動画の目的が達成された回数 |
クリック率 | 動画のサムネイルが表示された回数のうち、動画がクリックされた回数の割合 |
視聴維持率 | 動画の視聴を始めた人のうち、特定のポイントで視聴を継続している人の割合 |
動画制作で注意したい3つのポイント
最後に動画制作で注意したい3つのポイントを解説します。
動画のターゲットやメッセージをブレさせない
動画制作にあたっては、最初から最後まで一貫したターゲットやメッセージを持って進めましょう。動画は「誰に」「何を」伝えるのかというゴールから逆算して作るものです。
途中でゴールがブレてしまうと動画のメッセージ性が弱まるため、視聴者の心を動かせず動画の目的を果たせません。企画段階でコンセプトを決めたら、ずっと同じゴールを目指して動画を作り続けましょう。
1つの動画にメッセージを詰め込みすぎないことも重要です。30秒〜1分程度の動画であれば多くても2個のメッセージまでに留めましょう。
著作権・商標権・肖像権を意識する
権利関係への注意が甘いと、「せっかく完成した動画が、肖像権侵害に該当するため公開できない」といった事態に陥りかねません。修正して公開するにも追加の費用や時間がかかります。特に撮影時の背景や音声に注意し、権利侵害が発生しないように進めましょう。
修正や変更が必要ないように進める
動画は修正にかかる工数が大きく、特に素材の撮り直しにはかなりの追加費用が発生します。完成したものを観てから修正を依頼しなくて済むように、綿密なコミュニケーションを心がけてください。
どれだけ細かくコミュニケーションできるかは、制作会社側の担当者によっても異なります。打ち合わせや見積もりの段階で不親切・ていねいでないと感じたら、ほかの会社に依頼する、担当者を変えてもらうといった対応を検討しましょう。
まとめ|動画制作の流れを把握してスムーズに進めよう
この記事では動画制作の流れや注意したいポイントを解説しました。
- 動画制作の流れ1:社内準備〜発注
- 動画制作の流れ2:企画考案〜台本・絵コンテ作成
- 動画制作の流れ3:撮影準備〜映像撮影
- 動画制作の流れ4:編集・オーディオ
- 動画制作の流れ5:納品・公開
自社の目的を達成できる動画をスムーズに作るためには、発注側が動画制作の流れを把握しておくことが重要です。これから発生しうる作業を想定したうえで社内準備を進めてください。
よくある質問とその回答
埼玉県さいたま市出身。動画・グラフィック・デザイン制作、WEBマーケティングをワンストップで行う。「UNCHAINS(アンチェインズ)」を運営する株式会社クラスターワン代表取締役。ホームページ制作会社、広告代理店、IT業界での営業・人材教育を経験。その後、東京の動画・映像制作会社に入社。ディレクション・撮影・編集等を学び、静岡にて起業。動画制作はこれまで県内・県外の企業を中心に商品紹介、サービス紹介、会社紹介、リクルート、イベント・展示会、テレビCM等、実写からアニメーションに至るまで企画・撮影・編集をワンストップにて対応。クライアントのビジネスでの目的・目標達成のために動画を中心としたクリエイティブとWEBマーケティングの力で成果を出すための取り組みに注力している。趣味はサッカー、映画鑑賞。
もしも今現在、
- 実績豊富な会社に依頼したい
- 著作権やライセンス管理が不安
- 制作費用の相場がわからない
上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の動画制作会社に一括で見積もりができ、相場感や各者の特色を把握したうえで会社を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。
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映像は、さまざまな表現方法で多くの情報量を取り入れることが出来ます。そんな多くの選択肢の中から、担当者は最善の決断が求められることでもあるため、クオリティを左右する意味でも、制作した映像の価値を生み出すという意味でも映像を制作する「目的」「ターゲット」「コンセプト」を決める最初の段階が最重要と言えるでしょう。
目的やターゲットなどを決める際に、そのビジネスのマーケティングの観点から考えることも可能です。まだ認知の少ない商品・製品・サービスの紹介を多くの方に知ってもらうためなのか、企業や事業のブランディングの一環として制作するのかなどによって、制作する映像の目的やターゲットなどを明確にしていきます。
また、「せっかく映像を制作するなら少しでも多くの情報を届けたい」と考えてしまうケースも見受けられますが、どんなにクオリティが高い映像でもターゲットが見たいと思い、最後まで視聴してもらわなければ効果は最大化できません。
いかにターゲットを洞察し、理解した上で企画を進めていくのも、映像制作を成功させるための重要なポイントです。