イラスト制作の費用相場は?依頼する際の注意点とおすすめ依頼先3選も紹介
- イラスト制作の費用相場は?
- イラスト制作はどこに依頼したらいい?
- イラスト制作を依頼する際の注意点は?
コンテンツの内容をわかりやすく伝えるためには、ユーザーの目を惹きつけるイラストが最適です。高品質なイラストは、自社の制作物にプラスの影響を与えてくれます。
ここでは、イラスト制作の費用相場や依頼先、依頼する際の注意点を解説しています。記事を読むことで、イラスト発注の予算を立てやすくなるでしょう。
「イラストの妥当な値段がわからない」「高品質なイラストを制作してくれる外注先が知りたい」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。
イラスト制作の相場は種類によって変わる
イラストの料金は発注者と受注者の合意によって決まり、料金を決定する明確な基準はありません。制作にかかる時間やイラストレーターのレベル、使用するツールなどによって、イラストの価値は大きく変わります。
イラストレーター支援団体である日本イラストレーター協会(JIA)は、イラストの大まかな費用相場を公表しています。一般的にはJIAが公表する範囲内に収まることがほとんどです。
ここではイラストの種類別に相場を紹介します。
小さなイラストは2,000円〜2万円
Webサイトやパンフレットなどに挿入される、サイズ10cm角ほどのイラストをカットイラストといいます。カットイラストは、構成やタッチが単純なものであれば2,000円程度で依頼が可能です。
相場の幅は、主にイラスト制作における工程の数によるものです。描写する人数や背景の有無、精密さなど、手間がかかるものでは同サイズでも2万円以上になるものもあります。著名なイラストレーターに依頼を検討する場合は、さらに費用がかさむことを見越しておきましょう。
雑誌やカタログの表紙は3万円以上
雑誌や本、カタログなどの表紙に使用する1枚絵を依頼する場合は、最低でも3万円以上を見積もっておきましょう。イラストにする内容や精密さによっては、15万円以上かかるものもあります。
費用感は、イラストの発行部数によっても変わります。大部数の依頼であればあるほどイラストの影響力が強まるため、料金は高額になります。
広告に使用するイラストは10万円以上
宣伝を目的としたポスターやWebサイトのメインビジュアル、屋外広告などに使用するイラストの料金は、10万円をオーバーすることが一般的です。
精度にもよりますが、基本的には数十万円の予算を見積もっておくべきでしょう。広告に使用するイラストは、数ある種類の中で最も高額になる傾向があります。
イラストの相場に影響を与える要素
10cm角の小さなイラストの例をひとつ取っても、かかる費用に大きな開きがあることには理由があります。イラストの費用に影響を与えているのは、主に次の4要素です。
- イラストのタッチ
- イラスト制作の作業量
- イラストレーターの知名度
- イラストを使用する期間・数
相場は、下記で説明する内容を総合して決定されます。
イラストのタッチ
イラストのタッチは、表現や技法によって以下の種類があります。
- モノクロ
- カラー
- 水彩画
- CG
- マンガ風
その他さまざまな技法がありますが、表現が精密になればなるほど手間が増え、金額が上がると覚えておけば間違いはありません。
タッチはイラストのイメージを左右する重要な要素です。求めているイラストの雰囲気にあった依頼を検討しましょう。
イラスト制作の作業量
イラスト制作に必要な作業量に比例して料金は高額になります。作業量は、描く人数や背景、解像度など描写するものの量で変わります。
たとえば、本の表紙のイラスト制作を依頼する場合を考えてみましょう。同じイラストを屋外広告でも併用したい場合、拡大したデータはボヤけてしまうため高解像度なイラストを依頼する必要が出てきます。
小さいイラストのサイズで使用する場合は、そこまで高い解像度は必要ありません。依頼する前に使用用途を定めておくことが大切です。
イラストレーターの知名度
著名なイラストレーターや漫画家に依頼する場合は、相場はあってないようなものです。制作してもらったイラストが世間に与える影響力も大きいため、ここぞというときに活用することをおすすめします。
イラストレーターの希少性も価格に影響を与えます。個性的で唯一無二なイラストや、特定の分野に秀でたイラストを描けるイラストレーターに依頼をする場合は、予算を多めに見積もっておきましょう。
イラストを使用する期間・数
イラストを使う期間に比例して、費用は高くなります。チラシやポスターなど、発行部数が多い媒体に掲載する場合も同様です。イラストの価値や価格は、影響力が大きくなればなるほど上昇します。
一般的に、定められた使用期限を超えて使用する場合は更新料が発生します。本来の用途以外に流用する場合も、別途料金が発生するため注意が必要です。
イラスト制作のおすすめ依頼先【3選】
イラスト制作を依頼する場合、これまでは広告代理店やイラスト制作会社に依頼することが一般的でした。昨今はフリーランスのイラストレーターも増加しているため、イラスト制作の依頼先は以下のように複数の選択肢があります。
- イラスト制作会社
- プロのイラストレーター
- フリーランス
それぞれの特徴やおすすめの依頼先を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
1. イラスト制作会社
イラスト制作会社は、作品の品質が安定しており費用も明確に設定されていることが特徴です。依頼内容に合わせた最適なイラストレーターをピックアップしてくれるため、求めているイメージどおりの作品を納品してもらえる可能性が高いでしょう。
イラストの制作だけではなく、ディレクションも含めてトータルで依頼できることもメリットの1つです。外注に慣れていない方は、最初の選択肢として検討することをおすすめします。
イラスト制作会社の費用はやや高めに設定されており、納期も比較的ゆっくりしています。予算と時間に余裕を持って依頼しましょう。
2. プロのイラストレーター
オリジナリティのある高品質なイラストを求めている場合は、直接プロのイラストレーターに依頼する方法もあります。過去の実績やポートフォリオも充実しており、作風からイメージにあったイラストレーターを探せるのが魅力です。
依頼する相手は個人のため、あくまでイラストを描いてもらうことが目的になります。制作進行の丸投げはできない点に注意しましょう。
プロのイラストレーターを探す場合は、JILLA 日本イラストレーション協会やillustration FILE Webがおすすめです。どちらも一流のイラストレーターのみが登録されているため、クオリティが担保されています。
3. フリーランス
クラウドワークスやココナラなどのWebサービスを使えば、簡単にフリーランスのイラストレーターを探せます。登録しているイラストレーターが多く、比較的安価で依頼できることが特徴です。
上記のクラウドソーシングやコミッションサイトは、誰でも登録できるシステムのためプロと初心者が混在しています。品質が担保される相手かどうかの見極めが必要といえるでしょう。プロのイラストレーターに依頼する場合と同様、ディレクションは自身でおこなう必要があります。
依頼先によって相場は異なる
イラストは、依頼先によっても相場が異なります。大まかな相場を、最も活用頻度の高い10cm角のカットイラストを例に紹介します。
イラスト制作会社 | 5,000円〜2万円 |
---|---|
プロのイラストレーター | 5,000円〜1万5,000円 |
フリーランス | 3,000円〜1万円 |
外注が初めての方は、イラスト制作会社に依頼することをおすすめします。費用は割高傾向ではあるものの、以下のメリットを享受できるため失敗がありません。
- 品質が安定している
- ディレクションを一任できる
- 取り決めが明確でわかりやすい
企業との取引で依頼の流れを十分に把握できたら、その後個人に依頼する際もスムーズに外注できます。
イラスト制作を依頼する際の注意点
イラスト制作を依頼する前に、あらかじめ以下の事項を取り決めておきましょう。
- 使用範囲や掲載先
- イメージやターゲット層
- カット数や構図など
- 修正対応
- 著作権や二次利用
失敗のリスクを回避するためにも、事前準備を整えておくことが大切です。
使用範囲や掲載先を明確にしておく
使用範囲や掲載先は明確に定めたうえで依頼をしましょう。たとえば、イラストを社内の企画書で使う場合と広告のポスターで使う場合では、必要となる大きさや解像度が大きく異なります。
予算を見積もりやすくするためにも、あらかじめ「何に使用するイラストなのか」を明確にしておくことが大切です。
イラストのイメージやターゲット層を共有する
イラストを届けたいターゲットの特徴やイラストで得たい効果などを、依頼先に明確に伝えましょう。見本となるイメージ画像があれば、共有するとより一層イメージどおりのイラストを制作してもらいやすくなります。
「子どもがいる家族に向けて」「あたたかみがある」「癒される」「やわらかい」などイメージを伝えるワードが多ければ多いほど伝わりやすくなります。
カットの数や構図などの細かい部分まで突き詰める
イラストに登場する人数や背景を明確にしましょう。構図や服装など細かい部分も取り決めます。ポーズや表情が違う複数の種類を依頼する場合は、何カット必要なのかも精査しておきましょう。
「片手をあげてガッツポーズをしているもの」と「腕組みをしているもの」の2種類が必要というように具体的に依頼することがポイントです。
修正対応の回数を取り決めておく
イラストは、制作後の修正が難しい分野です。修正はイラストレーターに負荷がかかる行為であると認識しておきましょう。
制作後の修正を、どこまで無償で対応してもらえるかのすり合わせを事前にしておくことでトラブルを減らせます。1回目は無償で、2回目以降は有償で対応を依頼することが一般的です。
著作権や二次利用に関して取り決めておく
取り決めをしない限り、イラストの著作権は制作者側にあります。納品してもらったイラストを許可なく流用することはできません。複数の媒体で使用したい場合は、あらかじめ二次利用に関して協議をしておく必要があります。
イラストの使用期間が長くなる場合や、自由に使いたい場合は著作権を買い取ることを検討しましょう。結果として手間とコストを抑えられる可能性が高くなります。
「納品と同時に著作権を依頼者に譲渡する」「著作権の譲渡はせず、二次利用に関しては協議で決める」など枠組みを決めて交渉しましょう。個人に依頼する場合は特に重要です。
まとめ
本記事では、イラスト制作の費用相場や依頼先を紹介しました。イラストを活用する目的や使用用途、予算を明確にし、依頼すべき相手先の候補をあげましょう。
外注に慣れていない方は、イラスト制作会社の検討をおすすめします。品質が保証されていることはもちろん、ディレクションやさまざまな取り決めに関して先導してくれるため、手間や失敗のリスクを軽減できます。
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きらくにコンサルティング 代表。昭和62年生まれ。千葉県千葉市出身。弁護士ドットコム、キャディなどのITベンチャー、スタートアップにて広告営業や、販促企画、セールスライティング、Web制作、カスタマーサクセス、人材開発など幅広い業務に従事。中小企業診断士登録後は、多摩地域事業者のプロモーション支援に注力するため独立開業。デジタルマーケティングと補助金申請を中心に多数を支援。

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イラストの外注を成功させる上で大切になるポイントがあります。それはイラストを制作することで何を実現したいのか、という目的の把握です。誰をターゲットにして、その閲覧者に何を印象づけたいのか、そしてその方法は本当にイラストが最適なのか、代替案はないのか。
目的の解像度が上がるほどに、必要とすべきイラストのイメージが具体化されていきます。必要となるイラストのイメージを具体的に持てるようになると、クリエイターへの依頼も的確に伝えられ、結果的に当初描いていた目的を達しやすくなります。
「制作会社・クリエイターがセンスで良い感じに仕立ててくれる」と相手任せにすると本来の目的を共有できずイラスト制作が難しくなります。そうならないためにも、ぜひ積極的に目的を共有していきましょう。