防音工事にかかる費用相場は？工事の種類や活用できる補助金も解説

6畳部屋の防音工事の費用相場：10万円〜

6畳部屋の防音工事にかかる費用相場は、10万〜300万円です。費用を抑えたい場合は、カーテンを遮音タイプに変えたり、換気口を防音仕様に取り換えたりします。

こだわった防音対策をするためには、窓・床・壁の全面的な改修が必要です。周りを気にせずに楽器演奏や映画鑑賞を楽しめる部屋にしたい場合は、300万円程度の工事費用がかかります。

防音工事の種類と費用相場一覧

防音工事にかかる費用は、種類によって異なります。それぞれにかかる費用を以下の表にまとめました。

部屋の広さや防音素材によっても、防音工事の費用は変わります。十分な部屋の広さがあれば、防音室を設置した方が効果的な場合もあるでしょう。

外の騒音が気になる場合：窓・壁の工事がおすすめ

窓の防音工事には、二重窓を取り付ける方法やガラスを防音タイプに変える方法があります。マンションに住んでいる場合は、今の窓に内窓を設置する工事が注目されており、手軽さもあって人気です。

壁の防音工事を行う方法には、壁の中に防音素材を入れる方法や防音シートを貼る方法などがあります。換気口を防音仕様に取り替える工事は、低予算で実現しやすく、コストパフォーマンスが高い防音対策です。

二重窓を取り付ける：5万〜12万円

二重窓の防音工事は、既存の窓をそのままにして窓の内側に「内窓」を取り付けます。二重窓の工事にかかる費用相場は、5万〜12万円です。

窓が二重になると、窓と窓の間にある空気の層が音を吸収するため、防音効果が働くようになります。二重窓にすると断熱もできるため、費用対効果が高いです。

防音ガラスに変える：5万〜15万円

窓ガラスを防音タイプの特殊なガラスに変える工事にかかる費用相場は、5万〜15万円です。二重窓を取り付けるほどの効果は期待できませんが、二重窓と組み合わせて対策をするとより防音効果が働くようになります。同時に工事を依頼すると、コストを落とす交渉も行いやすいです。

壁の内側に防音材をいれる：20万〜25万円

壁の内側に吸音材と遮音シートを入れる工事は、壁そのものの防音性能を高めます。部屋の大きさや数によって費用が変わるため、事前に見積もりを取りましょう。1面の壁に防音対策をする場合、費用相場は20万〜25万円です。

隣の部屋の音が気になる場合、対象の部屋に対してのみ策を講じることが一般的です。

換気口を防音仕様に取り替える：2万〜5万円

外の騒音を防ぐためには、換気口を防音仕様のタイプに取り替えることも効果的です。換気口の防音工事には、屋外のカバーだけ替える工事と屋内のカバーも替える工事の2種類があります。工事にかかる費用相場は、2万～5万円です。

換気口を防音仕様に取り替えることで、換気口から入り込む騒音を軽減できます。

生活音が気になる場合：床の工事がおすすめ

子どもが小さい家庭の場合、遊ぶ音や足音などが隣の部屋まで響く場合があります。自宅でテレワークをしている方は、生活音が気になって仕事に集中できないこともあるでしょう。

上下の騒音が気になる場合は、床に防音対策を施します。床材の下に遮音材を入れる工事や、防音タイプのフローリング・カーペットへの張替え工事などがおすすめです。

床材を張り替える：5万円〜25万円

床材の張り替えは、既存の床材を防音フローリングや防音カーペットに張り替える工事です。床を張り替える防音工事には、5万～25万円の費用がかかります。床材の種類や対応面積によっても費用が変動するため注意してください。

床材の下に遮音材を入れる：30万〜80万円

床材の下に遮音材を入れる防音工事の費用相場は、30万〜80万円です。家の構造から手を付ける工事となるため、既存の構造によっても価格に差が出ます。

床材を張り替える工事よりも大がかりなため費用は高いです。遮音性・吸音性の高い素材を挟むように敷き詰めることで、より高い防音効果が望めます。

楽器演奏に集中したい場合：防音室の設置がおすすめ

防音室の工事には、今の部屋を防音タイプにリフォームする工事や、組み立てタイプの防音室を設置する工事があります。防音室の設置は高額となるため、用途とコストのバランスを考えて検討することが重要です。

部屋を防音室にリフォームする：230万〜400万円

防音室にリフォームする工事は、部屋の壁・床・天井を防音性の高い素材で造り変えます。構造から造り変える工事となるため、費用は230万〜400万円かかるでしょう。 部屋全体に防音工事を行うことで、外部に音が漏れない効果が高くなります。

組み立て式の防音室を設置する：50万〜250万円

防音室のサイズによって値段は変わりますが、相場は50万〜250万円です。部屋全体を防音リフォームするよりも費用を抑えられます。部屋のサイズより小さいスペースに防音室を設置することになるため、利用シーンを想定する必要があるでしょう。

防音工事で気を付けるポイント4つ

防音工事で気を付けるポイントは、以下の4つです。

1. 賃貸住宅の場合は契約内容に注意する

賃貸物件で防音工事を行う場合、まずは賃貸契約書の内容をよく確認しましょう。原状回復義務があるため、大きな改修や構造に関わる工事は原則NGのケースもあります。工事の内容によっては管理会社やオーナーの許可が必要になるため、事前にしっかり相談しておくことが大切です。

2. 近隣住民には事前告知をする

防音工事では、種類によっては大きな工事音が出るため、周囲に迷惑がかかる場合があります。特にマンションや集合住宅では、近隣住民の生活にも影響を与えるでしょう。事前に工事の日程や時間帯を告知し、了承を得ることが重要です。

マンションに住んでいる場合は、両隣と上下の階に住んでいる方、マンションの管理会社に工事スケジュールを伝えます。防音工事の業者とマンションの管理会社で、工事内容や材料運搬で調整する場合もあるため、連絡先を業者に伝えることを忘れないようにしましょう。

3. 信頼できる業者を選ぶ

防音工事は専門知識と経験が求められるため、信頼できる業者選びが重要です。依頼する業者を選ぶときには、以下4つのポイントを意識しましょう。

• 見積もりが適正かどうか
• 追加料金が発生しないか
• 提案に幅があるか
• 口コミや評判がいいか

必要に応じて複数の業者から相見積もりを取ることもおすすめです。それぞれの見積もりを比較すると、適正価格やサービス内容を把握できるため、より適切な業者を選べるでしょう。

4. ハウスメーカーの紹介は費用が高くなる場合がある

ハウスメーカーや大手リフォーム会社に業者を紹介してもらうと、中間マージンが発生し、費用が割高になる場合があります。信頼性は高いものの、コスト重視であれば直接専門業者に依頼する方法も検討してみましょう。価格と品質のバランスを見極めることが大切です。

防音工事で補助金が利用できる場合もある

防音工事では、条件によって補助金が利用できるケースがあります。防音工事は高額になる場合が多いため、補助金が活用できるか事前に調べておきましょう。

補助金制度は時期によって内容が変わります。国や自治体のホームページを参照したり、問い合わせをしたりして、最新の情報を仕入れるようにしてください。

住宅が空港や幹線道路周辺にあれば受給できる可能性あり

騒音が激しい地域に住んでいると補助金が出るケースがあります。空港・自衛隊基地・幹線道路などに近い場合が、補助金の対象となることが多いです。

防音工事の内容によって補助金の金額が変わるため、状況に応じて自治体に問い合わせしましょう。対象の地域で対応している施工業者が詳しい場合もあるため、あわせて確認してみてください。

別のリフォームとあわせて行うと対象になる場合もある

自治体では、リフォームの際に補助金を出す制度があります。補助金の対象となるリフォームは、環境改善・耐震化リフォーム・バリアフリーなどです。対象となるリフォームと一緒に防音工事をすることが認められれば、補助金を活用できるでしょう。

まとめ

防音工事は、二重窓の取り付けや床材の張り替えなど、目的によってさまざまな種類があります。それぞれにかかる費用は異なるため、目的と費用を考慮しながら適切な対策を講じましょう。状況によっては、補助金の活用も可能です。

防音工事を考えていても、どこの業者に依頼すればいいかわからず悩まれる方もいるでしょう。比較ビズには、防音工事の実績豊富な業者が数多く在籍しています。

2分程度の入力で、全国から費用効果の高い業者を比較可能です。防音工事を行うことで、生活音や外の騒音を軽減し、安定した生活を送りたい方はぜひご利用ください。

監修者のコメント

ローバー都市建築事務所

一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士 野村正樹

京都市出身。同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。2000年「ローバー都市建築事務所」設立。京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。設計実績 約500件。2006〜2018年　毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回〜第274回執筆掲載。京町家再生・古民家再生から、大規模商業施設まで、幅広く多方面にて様々な設計を行う。京都の伝統的な建築と現代的建築を融合させる手法を特徴に、先人が育んできた生活の知恵や幸せに暮らす方法を調和的にアレンジし提供する。

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一口に「防音」といっても、その種類はさまざまであり、例えば「上階の足音が気になる」といったものから「道路の車の通行音が気になる」といったものまで幅広く「音」の問題は存在します。

近年では、さまざまな防音材料・工法が開発されており、その目的に応じた適切な防音設計を行うことにより、最適な効果を得ることができます。逆に言うと、しっかりとした検討を行わないと、効果の無い工事となってしまいます。

また、音の感じ方は、年齢等により人それぞれに感じ方が違います。自分にとっては大きく感じない音でも、他人にとっては大きく聞こえていることもあります。そのような場合は、機械による音響測定で、客観的な音のレベルを測定することが可能ですので、参考にされてもいいかもしれません。

ともあれ、建物の使用用途・防音したい音の種類・居住（使用）される方の属性・防音の時間帯等を明確にしながら、専門家によるアドバイス・防音設計を受けながら工事を進めることが、効果のある防音工事への近道だと思います。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。