内装工事の費用相場は?飲食店やオフィスなど4業種にわけて解説
- 内装工事にかかる費用は?
- 内装工事の坪単価はどのくらい?
- 内装工事費用を抑えるには?
店舗の内装工事にかかる費用相場は物件の状態や業種によって異なります。あらかじめ相場を把握し、それに合わせて予算を準備することが大切です。本記事では物件・業種別の内装工事の費用相場、費用を抑える方法や見積もりに関する注意点を解説します。
この記事で紹介する費用相場は1坪あたりの単価です。物件の広さが坪以外で表記されている場合は「1坪=2畳=3.3平方メートル」を利用して坪換算してください。
内装工事の費用相場は物件の状態によって異なる
内装工事にかかる費用は物件の状態に依存します。物件の状態とは「居抜き」「スケルトン」の2つです。
- 居抜き:前のお店やオフィスの内装や設備が残っている物件
- スケルトン:内装や設備がなくコンクリート打ちっぱなしの物件
居抜き物件とスケルトン物件それぞれの内装工事にかかる費用相場を紹介します。
居抜き物件の内装工事費用:坪単価15〜50万円
居抜き物件の内装工事費用の相場は1坪あたり15〜50万円ほどです。
居抜き物件には前の店舗・オフィスの内装や設備が残っているため、活用すれば工事や設備購入が少なく済みスケルトン物件に比べ費用を抑えられるのです。
ただし前の店舗・オフィスの内装を利用する分、デザインの柔軟性は高くありません。無理にデザインを変更しようとすると、解体工事が必要になり費用も割高になるため注意しましょう。
メリット | ・内装工事費用が安い ・内装工事にかかる時間が短い |
---|---|
デメリット | ・デザインの柔軟性が低い |
スケルトン物件の内装工事費用:坪単価30〜80万円
スケルトン物件の内装工事費用の相場は1坪あたり30〜80万円ほどです。
スケルトン物件では内装や設備を1から用意しなくてはいけません。大掛かりな工事が必要になる場合も多く、居抜き物件に比べて内装工事費用は高くなります。
一方でデザインは居抜き物件よりも自由です。デザインにこだわりたい・内装や備品で世界観を作り上げたいといった方はスケルトン物件がおすすめでしょう。
メリット | ・デザインの柔軟性が高い |
---|---|
デメリット | ・内装工事費用が高い ・内装工事にかかる時間が長い |
【4業種別】内装工事の費用相場・坪単価
内装工事の費用相場は業種によっても大きく違います。適した間取り、電気や水道の配管、必要な設備などが異なるためです。
今回は下記の4業種について、内装工事の費用相場を紹介します。
- カフェ・飲食店
- エステ・美容院
- アパレル・雑貨店
- オフィス
カフェ・飲食店の内装工事費用:坪単価30〜80万円
カフェ・飲食店の内装工事費用の目安は1坪あたり30〜80万円です。居抜き物件なら30〜60万円ほど、スケルトン物件なら50〜80万円ほどでしょう。
一口に飲食業と言ってもカフェ、居酒屋、焼肉店で必要な設備は異なります。カフェやバーには本格的な厨房設備が必要ない場合が多いため、居酒屋やレストランと比較して内装工事費用を抑えることが可能です。
個室を多くする、焼肉店のように1席ずつにコンロと換気扇を設置するといった場合には工事が増え、坪単価が80万円以上になることも考えられます。
エステ・美容院の内装工事費用:坪単価20〜70万円
エステ・美容院の内装工事費用の目安は1坪あたり20〜70万円です。居抜き物件なら20〜50万円ほど、スケルトン物件なら40〜70万円ほどでしょう。
エステや美容院ではコンセントの増設、シャワーのための水道配管、個室の設置などが必要なため内装工事費用は高めです。シンプルなハンドマッサージサロンであれば、シャワーが不要なため費用を抑えられます。
アパレル・雑貨店の内装工事費用:坪単価20〜40万円
アパレル・雑貨店の内装工事費用の目安は1坪あたり20〜40万円です。居抜き物件なら20〜30万円ほど、スケルトン物件なら30〜40万円ほどでしょう。
アパレル・雑貨店には飲食店のような厨房設備も、美容院のような多数のコンセントやシャワーも必要ありません。したがって内装工事費用の坪単価は低めです。
内装工事費用の差は、主にデザインの違いによって生まれています。アパレル・雑貨店はお客様に「おしゃれ」「センスある」と思ってもらえるかどうかが重要です。第一印象をよくするためにデザインにこだわると費用が高くなっていきます。
オフィスの内装工事費用:坪単価10〜40万円
オフィスの内装工事費用の目安は1坪あたり10〜40万円です。居抜き物件なら10〜30万円ほど、スケルトン物件なら20〜40万円ほどでしょう。
オフィスの内装に店舗のような特別な設備は必要ありません。空調や消防設備があれば、居抜き物件をそのまま利用することも可能です。社長室、会議室、応接室などの個室をどれくらい用意するか、デザインにどれだけこだわるかによって費用が上下します。
内装工事で把握しておきたい8つの費用項目
内装工事にはさまざまな費用が発生します。特に重要な下記の8項目の概要を把握したうえで、見積もりが適正かどうか確認しましょう。
費用項目 | 概要 |
---|---|
デザイン・設計費 | 店舗のデザインや設計にかかる費用 |
仮設工事費 | 足場や養生シートの設置といった、トラブルなく工事を行うための作業にかかる費用 |
解体工事費 | 壁や天井の解体、不要な設備の撤去にかかる費用(居抜き物件をそのまま使う場合はかからない) |
廃棄物処理費 | 解体した壁や天井、工事中にでた廃棄物を処理する費用 |
造作工事費 | 壁や天井の設置にかかる費用 |
設備工事費 | 厨房や水回りの設備を設置する費用(配管工事を含む場合もある) |
電気・ガス・水道工事費 | 電気・ガス・水道の配管やコンセントの増設などにかかる費用 |
空調工事費 | 空調の導入にかかる費用 |
見積もりに記載されていない工事は行われません。上記とは異なる項目を利用している場合であっても、必要な工事が記載されていないと感じたらすぐに業者に確認してください。
内装工事の費用を抑える3つの方法
内装工事の費用を抑えるには上記の3つの方法があります。それぞれみていきましょう。
居抜き物件で開業する
居抜き物件で開業することで内装工事費用を抑えられます。内装や設備があらかじめ揃っていて必要な工事が少ないためです。
ただし同じ業種であっても、ジャンルが違えば居抜き物件の意味がありません。焼肉店の後にカフェを始めても、適した内装・デザインや必要な厨房設備が異なるため、結局改装に大きな費用がかかってしまいます。
立地や家賃といった条件を固めたうえで、小規模な改装で済む居抜き物件を探しましょう。
中古設備を利用する
中古設備の利用も内装費用を抑えるには効果的な方法の1つです。
店舗の設備は数十万円を超える物もあり、開業予算に占める割合が小さくありません。中古品であれば使える状態の設備でも新品に比べて安く手に入れることができ、内装費用を削減できます。
保証には注意が必要で、中古品も製品保証の対象になっているとは限りません。必ず購入前に確認してください。
相見積もりを請求する
相見積もりを請求すれば内装工事費用を抑えられる可能性があります。
相見積もりとは同じ工事内容について複数の業者に見積もりを依頼することです。内装工事費用には相場があるとはいえ、どの業者に依頼しても同じ金額ではありません。複数の業者から見積もりを請求し比較することで、安い業者を選んで発注できるのです。
3社以上は見積もりを請求し、適正価格の範囲内で安いと思える会社に内装工事を依頼しましょう。
内装工事の予算は見積もり請求前に決めておく
内装工事にかける予算は、見積もり請求前に決めておいてください。
予算を決めずに見積もりを依頼すると、想定よりも高かった場合に再度の見積もりを依頼してお互いに時間を無駄にしてしまう可能性があります。見積もりを取り直さずに想定よりも高い費用で工事を進めれば、予算が足りなくなり開業できなくなる可能性もあるでしょう。
まず内装工事予算を決め、その次に見積もりを請求してください。
業者には実際の予算から20%ほど減らした金額を伝えましょう。内装工事予算に余裕を持たせておくことで、追加の工事や設備購入が必要になった際にも対応できます。
【まとめ】内装工事の費用は業種や物件次第
この記事では内装工事にかかる費用を解説しました。あらためて表にまとめます。
居抜き(坪単価) | スケルトン(坪単価) | |
---|---|---|
カフェ・飲食店 | 30〜60万円 | 50〜80万円 |
美容院・サロン | 20〜50万円 | 40〜70万円 |
アパレル・雑貨店 | 20〜30万円 | 30〜40万円 |
オフィス | 10〜30万円 | 20〜40万円 |
開業したい業種や目をつけている物件に合わせて、適正な予算を組み立ててください。
信頼できる内装工事業者を探すなら3社以上に相見積もりを請求しましょう。比較ビズを利用すれば、2分程度の入力で簡単に内装業者から見積もりを一括請求できます。
総合住宅設備建材メーカーでの24年の営業経験、2000棟以上の現場に携わった経験を生かして、MY SQUAREを設立。住宅設備建材プランナーという新しい切り口で、家づくり・リフォームに関わるすべての人へ、最適な提案を行う。法人企業へ、住宅設備関連のコンサルティングやアドバイザリー業務、個人の方へは家づくり、リフォーム相談、住宅設備(浴室、キッチンなど)の選び方などのサポートも行う。
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内装工事は業種によって、工事内容や費用が異なります。また業種の得意不得意やデザイン力、提案力のバラつきがありますので、依頼する前に会社のホームページや施工例などを確認しておくとよいでしょう。実際の施工現場(店舗やオフィスなど)を見ることができれば、その会社のデザイン力やセンス、施工業者の施工品質などを判断することができます。
費用について、できるだけ少額の工事で済ませたい場合は、居抜き物件がおススメですが、自社イメージと異なる場合は、壁と床は最低でもリフォームしたいところです。また、内装工事にかける費用を検討する時には、売上・原価・賃料・設備など事業全体の費用も含めた上で上限金額を設定することをおススメします。