水道工事の基礎知識|工事別の費用相場・工事業者選びのポイントも紹介!

更新日:2021年02月08日 発注カテゴリ: 設備・管工事
水道工事の基礎知識|工事別の費用相場・工事業者選びのポイントも紹介!

水道管の水漏れ、排水管のつまりなど、水道工事は緊急を要する場合が多く、とにかく早く駆けつけてくれる工事業者を選定しがちです。しかし、意外に対応範囲が幅広いのも水道工事の特徴。「そもそも水道工事って?」「どこからどこまで水道工事?」「水道工事ごとの費用相場は?」「優良な工事業者はどう選べばいい?」などなど。自宅を新築・改築したい個人の方はもちろん、店舗やオフィスの新築・リニューアルで水道工事を依頼したい法人の方なら、さまざまな疑問を抱えていることでしょう。そこで本記事では、意外に知らない水道工事の基本を分かりやすく解説するとともに、水道工事ごとの費用相場、工事業者選びのポイントなどを紹介していきます。

水道工事って上水道?下水道?

水道工事と聞くと、室内の水道管や排水管の補修・改修といったイメージを抱くかもしれません。しかし、生活の重要なライフラインである「水道」は、浄水施設から家庭・オフィスなどを経て下水処理場に流れるまで、街中にくまなく配管が張り巡らされています。大きな意味でいえば、この水道というライフラインに関連する工事は、すべて「水道工事」に分類できます。

もちろん、浄水施設から家庭・オフィスに設置された蛇口までの「上水道」、家庭・オフィスの排水溝から下水処理場までの「下水道」では、工事の内容も必要とされる資格も異なります。つまり水道工事は、さらに「上水道工事」「下水道工事」に分類できるといえるのです。

水道工事の責任分担は?

ここで生じる疑問が「公共ライフラインである水道工事はだれが責任を負うのか?」ではないでしょうか?簡単に解説すると、浄水施設から流される「上水」は、街中に張り巡らされた水道本管を通って各施設の近くまで「給水」されています。各施設へ上水を引き込むには、この水道本管から給水管を分岐させなければなりません。つまり、浄水施設から水道本管までの上水道工事は「自治体」が、水道本管から分岐させた給水管以降の上水道工事は「施設の所有者」が責任を負うことになります。

一方、自治体によっても異なりますが、各施設から排出される「下水」は、施設内に設置される「公共汚水ます」を経て、公共の下水道本管に流され、最終的に下水処理場で処理されます。下水道工事に関しては、排水溝から施設内の公共汚水ますまでが「施設の所有者」、汚水ます以降の下水道本管から下水処理場までが「自治体」の責任範囲です。

水道工事は自分でできる?

それでは、所有者が責任を負担する施設内の水道工事は、自分自身で行うことで「工事費用を節約」できるのでしょうか?残念ながら、ライフラインを担う水道の工事は、一部の例外を除いて「工事に必要な資格」が存在します。参考までに、資格なしでも問題にならない水道工事例を紹介しておきましょう。

  • 水道蛇口の交換
  • 蛇口などのパッキン交換
  • 水道管まわりの断熱材・保護材の交換

基本的に、上水道・下水道の「配管に関わる工事には資格が必要」だと覚えておけば間違いありません。無資格で水道工事すると、施工不良に起因するトラブルが発生しがちなのはもちろん、罰則・罰金が課せられるケースもあります。

水道工事の種類

それでは、施設の所有者が主導で実施する水道工事にはどのような種類があるのか?簡単に解説していきましょう。基本的に施設・敷地内の工事になりますが、一部、公共物である道路などが範囲に含まれる場合もあります。

給水管引き込み工事

上水が道路などに埋め込まれた水道本管で給水されていることは紹介しました。この上水を施設内に引き込むため、水道本管から分岐させた給水管を水道メーターまで配管する工事を「給水管引き込み工事」と呼びます。基本的に建物外の工事になりますが、住宅やオフィス・店舗を新築する場合、あるいは、水圧を高めるために「径の太い給水管に交換する」場合に必要な工事です。

給水管引き込み工事の責任・費用負担は施設の所有者ですが、実際に水道工事を実施する際には自治体の許可が必要。工事自体が大掛かりになること、申請が必要なことから、完成までに比較的長期間を要する水道工事です。水道本管が埋め込まれている位置によっては、道路を掘り返す工事も必要になるでしょう。

室内配管工事

水道メーターを経由し、室内に設置される蛇口までの給水管を配管する工事を「室内配管工事」と呼びます。建物を新築する場合であれば、施工時に室内配管工事も行われますが、キッチンの場所を移動したい、オフィス・店舗として利用するため蛇口の位置を変えたい、などの際に必要な工事です。

もちろん、敷地内の水まわりトラブルに対応するのも水道工事業者です。ただし、上述したように「蛇口・パッキン交換」程度であれば、自分自身で対応しても問題ありません。

下水道排水工事

ここまでの水道工事は「上水道工事」ですが、施設内の排水溝から公共ますまでに関連する下水道工事が「下水道排水工事」です。基本的には公共ますまでの配管工事ですが、リフォームなどで蛇口の位置を変更するなら、当然、排水するための排水溝の位置も変えなければなりません。排水溝の詰まり修理・清掃などであれば、工事は軽微ですが、場合によっては排水溝から公共ますまでの間に「浄化槽」の設置が義務付けられることもあります。給水管引き込み工事同様、比較的大掛かりになりがちな水道工事です。

水道工事に必要な資格

ここまでで主な水道工事の概要を紹介してきましたが、一部の例外を除き、それぞれの工事を施工するには資格が必要です。無資格の工事業者にうっかり発注してしまわないためにも、水道工事を施工するためにどのような資格が必要なのか?簡単に解説しておきましょう。

給水装置工事主任技術者

水道本管から分岐する給水管や、蛇口を含む給水装置の新設・改造・修理・撤去に関連した工事全般を管理するための国家資格が「給水装置工事主任技術者」です。「水道局指定工事店」の認定を受けて上水道工事を施工するには、給水装置工事主任技術者の在籍が必須条件です。

下水道排水設備工事責任技術者

給水装置工事主任技術者とは反対に、下水道・排水管などの排水設備工事の新設・改造・修理・撤去に関連した工事全般を管理するための公的資格が「下水道排水設備工事責任技術者」です。下水道排水工事を施工する工事業者であれば、下水道排水設備工事責任技術者の在籍が必須。ただし、上水道工事のみの工事業者の場合は、資格保有者が在籍していない場合もあります。

管工事施工管理技士

管工事に関連する計画・管理業務を遂行する際に必要な国家資格が「管工事施工管理技士」です。資格保有者であっても給水装置工事の管理はできませんが、大型ビルの空調管工事などの施工時に必要です。一般家屋、小規模集合住宅を対象にする工事業者の場合は、在籍していないことがほとんどです。

水道技術管理者

国家資格などではありませんが、上水道を飲み水として供給するため、工事業者に設置を義務付けているのが「水道技術管理者」です。つまり、上水道工事を施工する工事業者は、少なくとも給水装置工事主任技術者、水道技術管理者の設置が、下水道工事も施工する工事業者は下水道排水設備工事責任技術者を設置しなければなりません。

水道工事の費用相場

それでは、水道工事の施工にはどのくらいの費用がかかるのか?水道工事ごとのおおまかな費用相場を紹介していきましょう。もちろん、水道工事の現場となる施設の条件・状態によっては、費用相場が大きく変動します。

水道工事の種類 費用相場
給水管引き込み工事 300,000〜500,000円
室内配管工事 100,000〜200,000円
水廻りトラブル(水漏れ・詰まり) 5,000〜40,000円
下水道排水工事 200,000〜500,000円
浄化槽設置工事 900,000〜1,000,000円

水道工事以外に必要な費用は?

室内配管や水廻りトラブルに関しては、材料費などを含む工事費のみで済みますが、自治体の管理する水道本管から分岐させる給水管引き込み工事は「給水申込納付金」および「手数料」も支払う必要があります。呼び名は自治体によって異なるものの、給水申込納付金は「給水管の径に応じた費用」がかかるのが一般的。分岐手数料などは合計しても5,000円程度ですが、必要な費用が工事費だけではないことは覚えておきましょう。

給水管の径 申込納付金の費用相場
13mm 20,000〜120,000円
20mm 60,000〜280,000円
25mm 300,000〜650,000円

マンションでは水道工事できない?

マンションなどの集合住宅の場合、水道工事は新築施工時に施主の責任で実施されますが、分譲でマンションを購入、もしくは賃貸でマンションに入居した場合、水道工事はできるものなのでしょうか?

分譲でマンションを購入した場合は「専有している部分にある配管」のみ水道工事が可能です。逆に考えれば、マンションを保有しているからといって、給水管引き込み工事や、他人の占有スペースにある下水配管工事はできません。賃貸なのであれば、オーナー・管理会社に無断で水道工事するのはNGです。分譲であっても、マンションの規約でリフォームが禁止されているケースもあるため、分譲・賃貸を問わず、集合住宅の水道工事を独断で進めるのはNGだということを覚えておくべきです。

水道工事費用が変動する要因

ここまでで、水道工事の基本・工事の種類とともに、水道工事ごとの費用相場を紹介してきました。水道工事の費用に関しては、比較的工事業者による価格差が少ないといわれていますが、それでも工事によっては費用に大きな差があるのがわかります。なせ水道工事費用が変動するのか?その要因をいくつか紹介していきます。

給水管引込み工事の場合

給水管引き込み工事の場合、費用が変動する大きな要因は「水道本管の位置」および「敷地内に設置する水道メーターの位置」です。具体的には、水道本管から水道メーターまでの距離が長ければ、それだけ水道工事費用は高くなります。地面を掘って給水管を埋め込む工事であるため、掘削する距離が長くなれば、その分だけ工事費用が余分にかかるからです。

また、幅の広い幹線道路の反対側に水道本管がある場合、道路の幅の分だけ掘削工事しなければなりません。この場合、掘り返した道路を埋めてアスファルトを貼り直す、道路専有許可を取得する必要があるなど、水道工事が大掛かりになる分、費用も高くなります。

室内配管工事の場合

建物を新築する際は「水道工事が先」になるため、あまり問題が生じることはありませんが、すでに配管されている施設・住宅の室内配管工事であれば「壁・床を壊す・現状復帰する」必要があります。パネルを外す、サービスドアがある、などであれば費用は抑えられますが、コンクリートを掘削する・穴を開けるなどの作業が必要であれな、当然、水道工事費用は高くなってしまいます。

水道工事業者選びのポイント

水道本管の位置や施設の状況によって費用相場は変動するものの、工事業者間での価格変動が比較的少ないことを紹介してきました。では、水道工事業者はどこを選んでも間違いないのか?というわけではないのが難しいところです。優良な水道工事業者を選定するためにも、選び方のポイントを押さえて工事業者の実力をしっかり見極めることが重要です。

水道局の指定工事店か?工事に必要な資格者が在籍しているか?

各自治体のホームページを検索すると、水道局が「給水装置工事事業者として一定以上の技術・設備・資格を有している」と認定した「水道局指定工事店」の一覧を調べられます。まずは、水道局指定工事店のなかから依頼先の候補をピックアップするのがおすすめです。

ただし、それだけでは充分ではありません。水道局指定工事店は、イコール「指定給水装置工事事業者」であるため、上水道工事にしか対応しない場合もあるからです。上下水道どちらにも対応して欲しいなら「下水道排水設備工事責任技術者」が、大型空調の配管が必要なら「管工事施工管理技士」が在籍しているか?目的の水道工事に必要な資格者が在籍しているかも重要な確認ポイントです。

依頼したい工事地域に対応しているか?

水道局指定工事店を認定するのは各自治体の水道局であるため、認定の範囲はそれぞれの市区町村に限られます。各地の認定を取得し、幅広いエリアに対応する水道工事業者も存在しますが、肝心の「自宅・オフィス・店舗のあるエリア」に対応しているのか?必ず確認しておきたいポイントです。

対応エリアを巡回している水道工事業者なら、ちょっとした修繕で「出張費を取られる」といった心配はないかもしれませんが、工事規模が大きくなった場合にどうなるかはわかりません。できる限り、近隣に拠点を持つ水道工事業者を選定するのがおすすめです。

水道工事業者の実績・対応

水道工事業者を選定するうえでは、実績を確認するのも重要なポイントです。水道工事に使われる工具、給水管をはじめとした材料は同じであっても、工事する施設・敷地は現場ごとに異なります。それぞれの現場に適した水道工事を施工するには経験と実績が欠かせません。創業から安定して事業を継続できているのか?施工事例などを紹介しているのか?など、ホームページで確認してみるといいでしょう。

問い合わせ時の受け答えはどうか?水道工事業者の対応を確認するのも重要です。職人が中心になるから寡黙でも仕方ない、などとはいっていられないのが現代の状況です。一般にはわかりにくい水道工事をわかりやすく説明してくれるか?疑問点を丁寧に説明して不安を解消してくれるか?など、見るべきポイントは多岐に渡ります。

見積書の内容

水道工事に限ったことではありませんが、依頼先を選定する際は複数の工事業者から見積もりを取るのが鉄則です。複数社から見積もりを取れば、工事費用を比較できるのはもちろん、工事業者が優良かどうかも見極められるからです。

見積書の内容で優良な工事業者を見極める具体的なポイントは、作業項目ごとに明細が分かれているか?項目ごとの費用が明確に記載されているか?です。まれに「水道工事一式」といった曖昧な見積書を提出する工事業者もいますが、これではどのような作業にいくら費用がかかっているのかわかりません。仮に、他社よりも見積もり金額が安くても、施工後に追加料金を請求されかねません。こうした工事業者は避けた方が賢明でしょう。

アフターケア・保証

自宅・オフィス・店舗など、建物の施工では、完成後に多少の不具合が生じることは珍しくありません。水道工事であってもそれは同じです。工事後のアフターケアまでしっかりと実施してくれる水道工事業者を選定するのが重要です。

たとえば、優良な水道工事業者であれば、不具合が発生することを想定したうえで、ある程度の保証期間を設けているはずです。無償で対応できる範囲、有償対応になってしまうケースなども明快になっているでしょう。工事が開始されてから保証がないことに気付いた、といった失敗をしないように、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

まとめ

意外に知らない水道工事の基本を解説するとともに、水道工事の種類、必要な資格、工事ごとの費用相場、工事業者選びのポイントなども紹介してきました。自宅・オフィス・店舗を新築・改築したい考える個人・法人の方にとっては、水道工事業者を選定する際の参考として、少しは役にたったのではないでしょうか?資格が必要な工事だから、水道工事業者選びは簡単だ、というわけではないこともご理解いただけたでしょう。重要なことは、見積もり金額のみに惑わされることなく、優良な水道工事業者をしっかりと見極めることです。

ただし、腕のいい水道局指定工事店であっても、自社ホームページを持たない場合も少なくなく、自治体のホームページだけで候補先を絞り込むのは簡単なことではありません。「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、優良な水道工事業者をスピーディーに探せます。水道工事業者の選定に迷うようなことがあれば、是非利用してみてください。

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