山口特許事務所

未登録の特許出願を分割して意匠登録出願に変更することで、販売済み・公開済みの製品について意匠権を登録することができます。
図面に記載があれば複数の意匠権を切り出すことも可能です！

お客様が新規な倉庫の構造を発明されました。
もっとも特許出願の時点では当然販売前で市場の反響は未知数、まずは特許出願のみでよいとのご指示。
審査請求も保留しておりました。

ところが販売から１年、倉庫のコンセプトが自治体の政策方針と一致することが分かり、一躍注目されるようになり、あっという間に複数の自治体で採用されることとなりました。
特許出願から２年目の時点では納入実績が多数。
この時点でお客様から「今から特許のほかにも何か権利化できないか？」とのお問い合わせをいただきました。

しかし特許も意匠も権利化のためには「新しさ」の要件が必要です。
設置済みの倉庫の意匠を今から出願しても登録することはできません・・頭を悩ませました。

そこで利用したのが「特許出願の分割」と「意匠登録出願への変更」という制度でした。

現在出願中の特許を
（１）複数の特許出願に分割し、
（２）各出願を意匠登録出願に変更、
することで、原特許出願の新しさを引き継いだまま意匠の審査を受けることができます。

これによって設置済みの倉庫の意匠権を事後的に取得することができるのです！
（＊特許出願の図面に明確に記載されていることが前提）

しかも特許出願には複数の実施例に対応する図面が記載されていたため、複数のデザインを意匠権のバリエーションで保護することも可能となりました。