意匠登録の出願料・登録料とは?料金の仕組み・弁理士報酬の費用相場を解説!

更新日:2021年02月16日 発注カテゴリ: 意匠登録
意匠登録の出願料・登録料とは?料金の仕組み・弁理士報酬の費用相場を解説!

重要な知的財産ともいえる意匠(デザイン)。しかし情報化社会の進展した現代では、あっという間に模倣・登用されてしまうのも意匠の特徴です。それが商業デザインという意匠であればなおさら。斬新な商業デザインを生み出した企業の方であれば「意匠登録」して自社の権利を守りたいと考えているかもしれません。そんなときに気になるのが「意匠登録料」ではないでしょうか?権利を守るのにコストを掛けても、自社の利益にならなければ本末転倒だからです。そこで本記事では、意匠登録料の仕組みや、審査手順を含む意匠の基本を紹介するとともに、知的財産のスペシャリスト「弁理士」に手続き代行を依頼した場合の費用相場も紹介していきます。

意匠登録の料金は出願料と登録料

意匠登録するには、特許庁に「意匠の登録を出願」することが大前提。その後、特許庁の審査を経たうえで登録するのに問題がないと判断された意匠のみに「意匠登録」が認められます。原則として、この意匠登録出願時に必要な「出願料」と、意匠登録時に必要な「登録料」の合計が「意匠登録料」だといえるでしょう。具体的な金額は以下の通りです。

項 目 費 用
意匠登録出願料 16,000円
登録料(1〜3年目 8,500円
登録料(4〜25年目) 16,900円

登録料は、登録時に支払う必要があるのはもちろん、意匠登録を維持するため、登録が必要な年数の分だけ、毎年決められた金額を支払い続ける必要があります。意匠登録料が維持年金とも呼ばれるのはこのため。登録料の支払いにはいくつかの方法があるものの、出願料を含め、基本は「特許印紙」で費用を支払うのも特徴です。

また、登録料は登録時に複数年分をまとめて先払いすることも可能。たとえば、登録初年度に5年分を支払いたいなら、登録料は(8,500 × 3)+(16,900 × 2)= 59,300円という計算式が成り立ちます。つまり、5年分の登録料を支払っても、出願料を含む意匠登録費用はトータルで「75,300円」のみです。

意匠権の取得・保護が意匠登録制度の目的

意匠は、特許・実用新案などとともに「産業財産権」のひとつとして特許庁で管理されています。その目的は、意匠を考案した人の権利を守るための「意匠権」の設定、そして保護です。ただし、著作物を創作した時点で「著作者に自動的に与えられる」著作権と異なり、意匠権を取得するためには「出願・審査・登録」というプロセスが必要。キチンと審査をクリアできるように、意匠登録に関する基本を知っておくことが重要です。

意匠とは?

意匠とは、本来、美術品・工芸品の外観を美しくするための「趣向を凝らしたデザイン」や「工夫」などを意味します。ただし、特許庁で管理される意匠は「産業財産権」であるのが特徴。すべてのデザイン・工夫が意匠として登録できるわけではありません。それでは、登録が可能な意匠とはなにか?

特許庁の定義によれば「物品・建築物・画像」と「カタチ・模様(+ 色)」という、2つの要素からなるデザイン、かつ「量産が可能なもの」が登録できる意匠です。つまり意匠登録制度は、大前提として商業デザインを対象にしていることがわかるでしょう。また、物品全体を意匠登録できるのはもちろん、物品の一部分だけ「部分登録」できるのも特徴。たとえば、マグカップの持ち手に採用された「斬新なデザイン」だけを意匠登録することも可能です。

意匠権を取得・登録するメリットは?

意匠登録する = 意匠権が認められれば、対象となる意匠の生産・販売・使用などに関する「デザインの実施を独占」できます。もちろん、意匠権を侵害された場合は、権利侵害者に対する差し止め請求や損害賠償請求を申し立てるのも可能。独占的かつ排他的にデザインを活用でき、他者の模倣・盗用を防ぐ抑止力としても使えることが、意匠登録 = 意匠権を取得する最大のメリットです。

また、自社で生産・販売しなくても、意匠登録しておけば「他社からのリクエストに応じて生産・販売を許諾するライセンスビジネス」を展開することも可能です。年金を支払い続ければ「出願された日から最長で25年間」という長期間に渡り、強大な権利を保持できることも意匠権の特徴でしょう。

意匠登録に求められる条件

意匠権には強大な権利が与えられているため、権利を与えるのに正当であるかを「客観的」に判断・審査するため、意匠登録要件ともいえる3つの条件が設けられています。

  • 新規性:公表・発表されていない新しい意匠(デザイン)であること
  • 創作非容易性:簡単に創作できない斬新な意匠(デザイン)であること
  • 先願性:類似の意匠(デザイン)よりも先に出願されていること

つまり、意匠登録されるためには、これまでにだれも見たことがなく、斬新で簡単に真似のできない意匠(デザイン)を、だれよりも早く出願しなければなりません。たとえば、斬新かつだれも出願していない意匠であっても、出願前に公表・発表してしまうと、通常の手続きでは意匠登録が認められなくなってしまいます。

意匠登録が有効なケース

ここまでの解説で、意匠の定義、登録することで得られるメリット、登録できる意匠の条件など、意匠登録の概要が理解できたのではないでしょうか?それでは、具体的にどのような方が意匠登録出願すべきなのでしょうか?よくあるケーススタディを紹介しておきましょう。

  • 製品全体あるいは部品のデザインで他社と差別化したい
  • 他社に模倣品を販売されたくない
  • 自社独自の部品を独占的に供給したい

日用品、衣類、機械、ソフトウェアのユーザーインターフェース、ネジ・容器などの部品など、対象となる意匠はさまざまですが、大きくは「独占的に販売したい」「ブランド保護のため模倣品を排除したい」「部品の発注先を変更されたくない」という企業の方が意匠登録する場合が多いようです。

意匠登録出願・登録は自分で手続きできる?

意匠登録が認められるまでには「出願・審査・登録」というステップを踏む必要があることは解説しました。では、意匠登録出願・登録時に必要な手続きは、出願者自らできるものなのでしょうか?

特許庁に意匠登録を出願する際には、意匠登録願書と意匠の図面が必要ですが、願書はインターネットでダウンロードでき、書き方のPDFも公開されています。場合によっては写真も必要になる図面に関しても、自社で考案した意匠なら準備できないということはないでしょう。登録時の手続きも同様です。つまり、手続きの手間と時間を惜しまなければ、出願者自らが意匠登録の手続きを進めるのは可能です。

意匠登録は弁理士に依頼するのがおすすめ

ただし、専門知識を持たない出願者が、独断で手続きすることはおすすめできません。意匠登録は、出願された意匠が登録するのに正当なのか?決められた条件のもと、第三者の客観的な視点で「審査」されるからです。しっかりとした事前準備をしないまま曖昧な内容で手続きを進めれば、意匠登録を拒否される場合もあります。こうしたケースでの対応は専門家でなければ困難です。

知的財産のスペシャリストである弁理士であれば、意匠登録を拒否された場合も適切に対応してくれます。しっかりとした事前準備を整えてくれるのはもちろん、スムーズに意匠登録が認可されるよう、戦略的な登録方法も提案してくれます。意匠登録の手続きは、スペシャリストである弁理士に代行依頼するのがおすすめなのです。

意匠登録の手順・ステップ

それでは、気になる弁理士報酬の費用相場を紹介する前に、意匠登録の出願から登録まで、手順をステップごとに紹介していきましょう。意匠登録では出願時、登録時それぞれで費用が掛かることからわかるように、弁理士報酬もステップごとに費用相場が分かれているからです。意匠登録の手順を知っておくことは重要です。

先行意匠の調査

意匠登録を検討する際に、まずすべきことは、類似の意匠が先に登録されていないか?確認するための「先行意匠調査」です。類似の意匠が先に登録されていれば、そもそも登録は不可能です。類似意匠があるにもかかわらず、自社でも利用してしまえば「意匠権を侵害」してしまう可能性もあるでしょう。

特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」を活用すれば、出願人名、キーワード、出願時期などを駆使しながら先行意匠を調査できます。

意匠登録願書・図面の作成

先行意匠調査の結果、自社の意匠を登録できると判断できた場合は、意匠登録に必要な書類を収集・作成します。意匠登録に必要な書類は「意匠登録願書」および「登録する意匠の図面・写真」です。

  • 意匠登録願書:出願人・物品名などを記載
  • 図面・写真:正面図・裏面図を含む意匠の6面図、写真、サンプルを添付する場合もあり

特許庁へ意匠登録出願書類を提出

準備した必要書類(意匠登録願書と図面)を、意匠出願料を添えて特許庁に提出します。特許庁の受付窓口に直接提出する、郵送する、インターネット経由で提出する、という3つの方法から選択できますが、インターネットで提出するには電子署名の取得を含めた環境構築が必要。出願者自ら手続きする場合は、窓口・郵送のどちらかになるでしょう。

意匠出願料が16,000円であることはすでに紹介しましたが、窓口・郵送に書面で提出する場合は、別途「書類の電子化手数料」が必要。基本料金1,200円にプラスして、700円 × 提出する書面のページ数を追加で支払う必要があります。

方式審査・実体審査

提出された書類を元に、特許庁で意匠登録の審査が行われます。行われる審査は、方式審査(様式のチェック)および、意匠審査官による実体審査の2種類。審査過程を経て、意匠登録するのに問題がないと判断された出願意匠に対して「登録査定」という合格通知が送られます。一般的に出願から登録までは、約8〜12ケ月が必要。早くても半年は掛かるといわれています。

拒絶理由通知を受け取ったら?

意匠登録審査の過程で「登録できない理由が発見」された場合、出願された意匠を登録できない理由が記載された「拒否理由通知」が送られます。このまま放置すれば、意匠登録は却下され、支払った意匠出願料も返却されません。

ただし、出願人には、拒否理由通知に対する「反論・意見を述べる」または「願書・図面を補正する」などの対応が認められています。具体的には「意見書」を作成・提出する、または「補正書」を作成・提出し、審査官がその内容に納得できれば意匠登録が認められる場合があります。

登録査定・登録料納付

意匠登録が認められた場合、合格通知ともいえる「登録査定」が通知されることは上述したとおりですが、これで終わりではありません。通知を受け取ってから30日以内に登録料を納付しなければ、通知された登録査定は無効になり、改めて出願することもできなくなります。速やかな手続きが必須です。

意匠登録代行を弁理士に依頼する費用相場

出願・審査・登録という意匠登録の手順・ステップを理解できたところで、弁理士事務所・特許事務所がそれぞれのステップでどのように携わるのか?どのようなサポートを提供してくれるのか?弁理士報酬の費用相場とともに紹介していきましょう。

先行意匠調査の費用相場

出願したい意匠が登録可能なのか?もっとも重要な最初のステップが「先行意匠調査」です。このフェーズを依頼した場合、弁理士報酬の費用相場は、約30,000〜60,000円程度の範囲であるのが一般的だといえるでしょう。

一方、類似の意匠が存在するかどうか、弁理士がしっかり把握していなければ、意匠登録に最適な戦略も立てられません。このステップだけを出願者自身が実行し、弁理士報酬を節約したいと考えても、現実的には困難です。また、手続き代行依頼を前提に、先行意匠調査を無料で提供する特許事務所も存在します。

意匠登録出願時の費用相場

意匠登録出願時の手続き代行を依頼した場合、弁理士報酬の費用相場は、約50,000〜100,000円の範囲であることが多いようです。先行調査と合わせて80,000円、先行調査30,000円と意匠登録出願50,000円など、特許事務所によって料金体系が異なるのも特徴です。

また、出願する意匠の図面制作を弁理士に依頼するのも可能です。図面制作の弁理士報酬の費用相場は、約40,000〜80,000円程度。作成する図面の数によっても報酬は変動します。

拒絶理由通知対応時の費用相場

弁理士がもっとも頼りになる場面だといえるのが、出願した意匠に対する拒絶理由が通知されたケースです。意見書を提出するのか?補正書を提出するのかで報酬額も異なりますが、一般的な弁理士報酬の費用相場は、意見書の場合で約40,000〜80,000円程度、補正書の場合で約50,000〜90,000円程度とされています。

意匠登録の手続き代行を弁理士に依頼する最大のメリットでもありますが、優秀な弁理士を選定できれば、そもそも「拒絶理由通知」されないくらい完璧な手続きを進めてくれるでしょう。

意匠登録料納付時の費用相場

登録査定を経て意匠登録料を納付する際にも弁理士報酬が掛かります。特許事務所によって対応は異なりますが、登録料納付に関する手数料に、成功報酬が追加されるのが一般的。この場合の弁理士報酬の費用相場は、約40,000〜80,000円程度に設定される場合が多いようです。

意匠登録料の納付時に成功報酬が必要な特許事務所であれば、先行意匠調査から登録まで一貫して請負うのが前提。ただし、出願した意匠登録が却下されれば、登録時の手数料・成功報酬は発生しないため、ある程度のリスクマネジメントは可能でしょう。ステップごとに必要になる弁理士報酬、意匠登録料は以下の通りです。

意匠登録のステップ 弁理士報酬の相場 意匠登録料
先行意匠調査 30,000〜60,000円  
意匠登録出願 50,000〜100,000円 16,000円
意匠図面制作 40,000〜80,000円  
意匠登録料納付 40,000〜80,000円 8,500円(1〜3年)、16,900円(4〜25年)
意見書作成 40,000〜80,000円  
補正書作成 50,000〜90,000円  

模倣・盗用を防ぐ秘密意匠とは?

本題からは少しそれますが、意匠登録出願に伴って知っておきたい「秘密意匠」についても触れておきましょう。登録査定を受けて登録料を支払うと、出願した意匠は直ちに公開・公表されます。意匠公開時に自社製品が販売・流通されていれば問題ありませんが、販売・流通前に意匠公開されると他社に模倣・盗用される可能性があります。これを防ぐため、意匠登録から一定期間、意匠を公開しないようにリクエストできる制度が「秘密意匠」です。

秘密意匠をリクエストするには、意匠登録出願時、もしくは登録料支払い時に、追加の手数料「5,100円」とともに「納付書に特記事項を追加」するだけ。最長3年間までであれば、秘密にしておきたい期間を指定できます。

複数の特許事務所を比較検討するのが重要

複雑でわかりにくい意匠登録料の仕組み・基本とともに、手続代行を依頼した場合の弁理士報酬相場なども紹介してきました。出願者が自分自身で手続きすれば、安価に意匠登録できることに驚いた方も多いかもしれません。しかし、乏しい知識で自分自身で手続きを進めてしまえば、登録を却下されてしまう、反論できない、再度の出願ができなくなるなど、数多くのリスクが生じてしまいます。自社の利益を確保するためという、意匠権獲得を最重視するなら、専門家である弁理士・特許事務所の協力が欠かせないのです。

まとめ

もちろん、本記事でも紹介してきたように、特許事務所によって費用は大きく異なります。ニーズに応じたプランが用意されている場合もあるでしょう。重要なのは、複数の特許事務所を比較検討し、対応面・費用面で納得できる最適な事務所を見極めることです。

しかし、普段馴染みのない特許事務所を選定するのは簡単ではありません。候補先を絞り込むことさえ難しいと感じる方も少なくないでしょう。「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、優良な特許事務所をスピーディーに探せます。特許事務所の選定に迷うようなことがあれば、是非利用してみてください。

意匠登録を一括見積もりで発注先を楽に探す
比較ビズへ掲載しませんか?

意匠登録の案件一覧

意匠登録のお見積り案件の一覧です。このような案件に対応したい場合は「資料請求フォーム」よりお問い合わせください。

  • 東京都

    意匠の相談・提案依頼

    【対象となる申請種類】 出願 【出願する件数】 1件 【事業の場合選択】 その他 【相談内容】 当社バンコクの業者になります宝石研磨工場を.営んでおり、当社のオリジナルカット …

    総額予算予算上限なし
  • 東京都

    意匠の相談・提案依頼

    【対象となる申請種類】 出願 【出願する件数】 1件 【事業の場合選択】 その他 【対応スピード】 近いうち 【相談内容】 両面のまな板ですが、片面の図面を意匠登録したいです。

    総額予算予算上限なし
  • 神奈川県

    意匠の相談・提案依頼

    【対象となる申請種類】 先行調査 【出願する件数】 1件 【事業の場合選択】 サービス業 【対応スピード】 近いうち 【相談内容】 弊社は結婚式のアルバムを制作している会社です。この度ユニークな …

    総額予算30万円まで

一括見積もりで発注業務がラクラク!

  • 無料一括見積もりで募集開始
  • 複数の業者・専門家から提案が入る
  • ピッタリの一社を見つけよう

不透明な見積もりを可視化できる「比較ビズ」

比較ビズは「お仕事を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ」ビジネスマッチングサービスです。
日本最大級の掲載企業・発注会員数を誇り、今年で運営15年目となります。
比較ビズでは失敗できない発注業務を全力で支援します。

日々の営業活動で
こんなお悩みはありませんか?

営業活動でよくある悩み

そのお悩み比較ビズが解決します!

詳しくはこちら
お電話での見積もりはこちら