物流abcで分析できることは?計算方法の手順と活用法3選をご紹介!

最終更新日:2025年09月29日
物流abcで分析できることは?計算方法の手順と活用法3選をご紹介!
この記事で解決できるお悩み
  • 物流abcが何かわからない
  • 物流abcの計算方法は?
  • 物流abcの業務への活かし方を知りたい

「物流abcとは何か知りたい」「物流abcを業務に活かしたい」とお悩みの方必見。物流abcとは物流の各作業にかかるコストを割り出す方法で、コスト削減や業務効率化に活かせます。

この記事では、物流abcの活用方法や具体的な計算方法について解説します。最後まで読み終わる頃には、物流abcの算出方法がわかり、分析結果を業務に活かせるようになるでしょう。

「物流abc」とは?

物流

物流abcとは、物流における各作業の単価を算出する方法です。ABCとは「Activity Based Costing」の略で「活動基準原価計算」と訳されます。活動ごとの原価を計算するという意味です。

物流abcでは、物流の各作業にかかる原価を作業の処理量で割り、作業内容の単価を算出します。たとえば梱包資材に50,000円のコストをかけ、完成した梱包が1,000個だった場合、梱包資材費における作業単価は以下のとおりです。

コスト項目原価(円)処理量(梱包数)単価(円/1梱包)
梱包資材費50,000円1,000個50,000÷1,000=50円

梱包作業での人件費や施設費における作業単価を求める場合も、同様の計算式で算出することができます。

物流abcでわかること

物流abcを活用することで、作業ごとにかかっているコストの現状と作業別に可能な処理量の把握ができます。目標の処理量のためにいくらコストがかかるか予測できるため、物流コストの削減や見直しなどのコスト管理に役立つでしょう。

物流abcの算出手順

計算

物流abcの算出は、以下の5つの手順で進めます。

  1. 分析の理由や目的を明確化する
  2. 分析に用いる作業を決める
  3. 作業別にかかっている原価を算出する
  4. 作業ごとに適した処理量を設定する
  5. 作業内容ごとの原価を割り出す

1. 分析の理由や目的を明確化する

まず、なんのために物流abcで作業単価を導き出すかを明確にしましょう。目的によって適した分析精度や、計算で用いるコスト項目、処理量として設定する作業が変化するためです。

たとえば「どの商品の売上が高く、どの商品が赤字かを知りたい」場合は、伝票作成、梱包、配送など作業の細かな設定が必要です。利益の増減を左右する調査になるため、高い精度が求められます。

一方「物流全体のコストを大まかに把握したい」場合は、コスト構造をつかめればいいため粗い粒度の分析で構いません。作業設定も入荷、出荷となどのざっくりした分類でいいでしょう。的確な設定を行うためにも、分析する理由を明らかにする必要があります。

2. 分析に用いる作業を決める

分析の動機や目的が明らかになると分析に必要な作業がわかるため、計算に使う作業をリストアップします。物流施設内で行う作業の例として、出荷、入荷、棚入れ、ピッキング、梱包、配送、伝票作成などがあります。関連のある作業を洗い出してみましょう。

3. 作業別にかかっている原価を算出する

作業を設定し終えた後は、作業ごとにかかる原価を算出します。まず人件費、資材費、設備費など、今回の物流abcの分析に関わるすべてのコストを出します。経理データや算出のために集計した計測データなどを元に明らかにしていきましょう。

次に、算出した投入リソースがそれぞれ「どの作業に」「どれだけ使われているか」を考え、振り分けます。「伝票作成にかかる人件費はこれくらい」「梱包作業の資材費はこのくらい」といった具合です。最後にすべての投入リソース分を合計し、1つの作業の原価を導きます。

4. 作業ごとに適した処理量を設定する

次に、作業ごとに適した単位での処理量を設定します。作業の性質によってどう処理量を設定するかが変化するため、注意が必要です。

たとえば、梱包作業では「梱包数」や「出荷件数」が適した処理量です。一方、在庫のストックをはじめとした保管においては、面積と保管日数によりコストが増えると仮定すると「面積×保管日数」が適した処理量といえます。

5. 作業内容ごとの原価を割り出す

作業別の原価と処理量が把握できたら、作業ごとの単価を計算によって割り出すことができます。作業の単価がわかると、作業ごとに必要な目的別コストを算出することも可能です。それぞれ、以下の計算式で求めることができます。

  • 作業の単価=作業の原価÷処理量
  • 目的別コスト=作業の単価×目的別の処理量

物流abcの活用法3選

3ポイント

最後に、物流abcの3つの活用法をご紹介します。

  1. 作業の効率化をはかる
  2. コスト削減につなげる
  3. 定期的な分析で改善活動の効果がわかる

1. 作業の効率化をはかる

作業ごとにかかるコストが可視化されるため、業務効率化をはかることができます。たとえば「梱包1件あたりのコストが高い」という結果から、同一商品でも保管場所が遠く移動時間が長いことが判明するかもしれません。無駄の多い作業を特定し、優先的に改善できます。

2. コスト削減につなげる

値上げ交渉の材料や料金体系の見直しなどに活用し、コスト削減につなげることができます。物流abcによって「この作業にいくらかかっている」と明確に伝えられるため、価格設定に説得力をもたせることができます。

3. 定期的な分析で改善活動の効果がわかる

物流abcによって定期的に分析を行うことで、改善活動の効果を測定することができます。原価と処理量の変動が数値化されるため、効果があったかどうかがわかりやすく、施策の見直しに役立ちます。

まとめ

物流abcによる分析は一見複雑ですが、一つ一つの計算手順はシンプルです。業務効率化やコストカットにつながるため、ぜひご活用ください。経験がなく自社での計算が難しい場合は、作業単価を簡単に算出できるシステムをシステム開発会社に依頼する方法もあります。

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比較ビズ編集部
執筆者

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