日本企業のCMS導入率は?CMSのシェア率や選び方のポイントを解説

株式会社キネクト
監修者
株式会社キネクト 代表 小林 謙介
最終更新日:2024年01月22日
日本企業のCMS導入率は?CMSのシェア率や選び方のポイントを解説
この記事で解決できるお悩み
  • 日本企業のCMS導入率は?
  • シェア率が高いCMSは?
  • 自社に合ったCMSを選ぶポイントとは?

コーポレートサイトにCMSを導入している比率は、国内の上場企業の約4割です。ベンチャー企業やスタートアップ企業などを含めると、より割合が高まります。

この記事では国内企業のCMS導入率やシェア率が高いCMS、CMSの選び方などについてまとめました。CMSの新規導入や乗り換えを検討している方は、参考にしてください。

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CMSの導入率は上場企業では約4割

引用

引用:王道DX|コーポレートサイトのCMSシェアと導入率

webサイト構築を手がける株式会社あとらす二十一が、上場企業を対象にしたCMSの導入率調査を実施した2022年2月時点で、コーポレートサイトにCMSを導入している企業は約40%でした。

2019年〜2021年にコーポレートサイトのリニューアルをきっかけにCMSを導入した上場企業を含めると、導入率は全体の約50%です。

この結果から、ここ数年でCMSを導入している上場企業が増えていることがわかります。成長著しいベンチャー企業で構成されるグロース市場では、約60%の企業がコーポレートサイトにCMSを導入しています。

CMSを導入している企業の7割以上がオープンソース型を使用

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引用:王道DX|コーポレートサイトのCMSシェアと導入率

あとらす二十一社は、コーポレートサイトに使用されているCMSのシェア率に関して調査を実施した2022年2月時点で、オープンソース型が76%、パッケージ型CMSが24%でした。

オープンソース型はライセンス費用がかからないため、個人事業主にも多く利用されているタイプのCMSです。オープンソース型はパッケージ型よりもシェア率が52%も多く、上場企業からも高い支持を集めていることがわかりました。

CMSは大きく3種類ある

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CMSには、シェア率の高いオープンソース型のほかにパッケージ型とクラウド型があります。以下では3種類のCMSを解説します。

オープンソース型CMSとは

オープンソース型CMSは、ソースコードがインターネット上に公開されているタイプのCMSです。ソースコードを編集することで、機能追加やデザイン変更など、カスタマイズも自由におこなえます。ライセンス費用やCMSの基本使用料は発生しません。

アップデートも頻繁におこなわれており、手間をかけずに常に最新の機能を利用できます。反面、サーバーやドメインの準備など、インフラ環境の構築は自社で対応しなければなりません。

外部からのサポートも望めないため、専門知識を持つ人材の確保が不可欠です。セキュリティやプラグイン、プログラミングに精通した人材が社内にいない限り、安定運用は難しいでしょう。

パッケージ型CMSとは

パッケージ型CMSは、ベンダーが開発したCMSを自社サーバーにインストールして利用するタイプのCMSです。コンテンツ編集やマーケティング機能など、webサイトの運用に必要な機能はひととおり搭載されています。

アップデートや操作方法の指導、不具合対応など、ベンダーから手厚いサポートが望める点が魅力です。はじめてCMSを導入する方も安心して利用できるでしょう。

開発力に優れたベンダーであればカスタマイズも依頼できますが、改修箇所が多い場合は追加費用が高騰します。導入にはサーバーの調達やライセンス取得が必要となるため、多額の初期費用がかかります。

クラウド型CMSとは

クラウド型CMSとは、インターネット経由で利用するタイプのCMSです。ベンダーが提供するCMSをサービスとして利用するため、インフラ環境の構築やソフトウェアのインストールは必要ありません。

メンテナンスやアップデートもベンダーが対応するため、ランニングコストも大幅に削減できます。webサイトの運営に必要な機能やテンプレートは標準搭載されており、導入後すぐに運用が可能です。

反面、専門知識がなくてもすぐに運用できるようシステム全体が設計されているため、カスタマイズには向いていません。ベンダーによってセキュリティレベルが大きく変動するため、慎重な見極めが求められます。

CMSのシェア率【日本国内】

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引用:マニュオン|【2023調査】CMS人気シェアランキング/WordPressシェア【日本/海外】

CMSに関する情報発信や解析ツール販売などを手掛けるマニュオン社は、2023年1月に国内のCMSシェア率に関する調査を実施しました。国内でのCMSシェア率は、Wordpressが圧倒的な高さを誇っており、ほかCMSとの差は歴然です。

順位は以下のとおりです。

  1. Wordpress
  2. Adobe Experience Manager Sites
  3. Shopify
  4. EC-CUBE
  5. ホームページ・ビルダー22

1位:Wordpress

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参照:Wordpress

Wordpressは、全世界のwebサイトのうち43%で利用されているオープンソース型のCMSです。個人事業主〜大企業まで、企業規模を問わず利用できる汎用性の高さが魅力です。ユーザーインタフェースに優れ、記事の作成やブログ更新などの各種作業をスムーズに進められます。

無料テーマが1万種類以上用意されており、ブランドイメージに合ったサイト構築が可能です。無料で利用できるプラグインは55,000種類以上も用意されており、費用をかけずにサイトのユーザビリティを高められます。

Wordpressはユーザー数が多く、プラグインやセキュリティなどに関する情報を集めやすい点も魅力です。

2位:Adobe Experience Manager Sites

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参照:Adobe Experience Manager Sites

Adobe Experience Manager Sitesは、クラウド型のCMSです。webサイトの構築や運用を効率化する機能を多数搭載しています。デザインテンプレートが豊富に提供されており、テキストや画像を用意しておけば、すぐにコンテンツ配信が可能です。

コアコンポーネントを活用することで検索フォームやナビゲーション、パンくずリストなどを簡単に設置できます。ドラッグ&ドロップで作業を進められるため、特別なスキルは必要ありません。

既存記事のリライトや校正、要約など、工数のかかる作業をAIに一任できるため、従業員は別の作業に労力を割けます。

3位:Shopify

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参照:Shopify

ShopifyはECサイト向けのクラウド型CMSです。導入地域は170カ国以上あり、雑貨店やアパレルショップなど実店舗を運営する企業に適したCMSです。

オムニチャネル販売により実店舗やECサイト・SNSストアなど、複数の販売データをCMSで一元管理できます。顧客情報や在庫数は自動で同期されるため、個々でのデータ編集が必要ありません。

FacebookやInstagramに店舗情報を掲載することで効率的に情報を発信できます。SNSは拡散力に優れており、商品の宣伝に多額の広告費を割く必要もないでしょう。

ギフトカードの作成や受け取り場所の選択など、ユーザーに良質な顧客体験を提供できます。

4位:EC-CUBE

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参照:EC-CUBE

EC-CUBEは、ECサイト向けのオープンソース型CMSです。導入店舗数は35,000店を突破しました。すぐにECサイトを運用できるよう、豊富な機能を搭載している点が特徴です。

商品管理や店舗管理、顧客管理など、サイト運営に必要な機能が標準搭載されています。クーポンの発行やSNSとの連携など、サイト運用後に必要となる機能を随時プラグインで追加することも可能です。

自動脆弱性検査の実施や不正アクセス対策強化など、セキュリティ対策も充実しています。はじめてECサイトを運営する方も個人情報漏えいの不安を抱えずに利用できるでしょう。

5位:ホームページ・ビルダー22

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参照:ホームページ・ビルダー22

ホームページ・ビルダー22は、ホームページ制作向けのパッケージ型CMSです。デザイナーが作成したテンプレートが352種類用意されており、コーポレートサイトや店舗サイトなど、さまざまな用途に利用できます。

テンプレートはビジネスモデルや目的に応じて自由にカスタマイズが可能です。画像やボタン、バナーなど、ホームページを構成する各種パーツも豊富に搭載されています。

ドラッグ&ドロップで各パーツの配置場所を変えられるため、作業に特別なスキルは必要ありません。レスポンシブデザインにも対応しており、スマートフォンやパソコンなど、端末別にページを用意する手間が省けます。

自社に合ったCMSを選ぶうえでの6つのポイント

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CMSの選定を始める前に、以下6点に関して明確化しておきましょう。

  • 導入目的に合っているか
  • 外部からのサポートは必要か
  • 専門知識が豊富な人材が社内にいるか
  • 運用体制を整備できるか
  • カスタマイズは必要か
  • セキュリティ対策は万全か

導入目的に合っているか

どのようなwebサイトを構築したいのか、明確化しておきましょう。webサイトの種類に応じて選択すべきCMSは異なります。

たとえば、新たにECサイトの構築を検討している場合、ShopifyやEC-CUBEが候補に挙がるでしょう。Shopifyは導入や運用の手間がかからない点が魅力です。EC-CUBEは、ショッピングカートや商品画像登録など、多くの機能が標準搭載されています。

ホームページの新規作成を検討している場合は、無料で利用できるプラグインが多いWordpressがおすすめです。

導入目的を固めることで、自社が求めているCMSを見つけることができます。

外部からのサポートは必要か

ベンダーからの手厚いサポートが必要な場合、クラウド型かパッケージ型CMSを選択しましょう。どちらを選択した場合でも、不具合対応や初期設定の作業代行など、充実したサポートが得られます。

クラウド型は、CMS導入時にインフラ環境の構築が必要ないため、全体的に費用を抑えられる点が魅力です。メンテナンスやアップデートもベンダーへ一任できます。

パッケージ型はカスタマイズ性に優れており、ユーザビリティやデザイン性を高められる点が魅力です。初期費用と開発費用が発生するため、豊富な資金力が求められます。

自社でどこまでのカスタマイズ性を求めるのか、予算内で導入が可能かを検討して選定しましょう。

専門知識が豊富な人材が社内にいるか

オープンソース型CMSを導入する場合、専門知識が豊富な人材の確保が前提となります。ソースコードを編集するには、プログラミングの知識が必要です。ベンダーからのサポートも得られないため、不具合対応や復旧作業も自社での対応が求められます。

人材の確保が難しい場合、ホームページ制作会社に依頼するのも1つの方法です。

運用代行サービスを提供するホームページ制作会社に依頼することで、CMSの選定〜ホームページの運用まで、一連の作業を任せられます。

運用体制を整備できるか

どのようなタイプのCMSでも、ホームページやECサイトの運用を自動化できるわけではありません。新規記事の作成や問い合わせへの対応など、有人対応が必要な場面も多数発生します。良質な顧客体験を提供するため、サイト運営に携わる人員を一定数確保する必要があります。

リソースの確保が困難な場合、サイト運営代行サービスを提供するホームページ制作会社やECサイト制作会社に相談するのがおすすめです。

外注することで営業や商品開発など、売上に直結するコア業務にリソースを集中して割けます。SEO対策に関するノウハウも豊富で、検索エンジンでの上位表示が期待できる点も魅力です。

カスタマイズは必要か

SEO関連の機能やマーケティング機能の拡充など、大幅なカスタマイズを望んでいる場合は、システム開発会社に相談しましょう。

既存のテンプレートやフレームワークを活用しないフルスクラッチ開発の場合、1からCMSを構築できます。自社の要望を反映したサイトに仕上がり、ユーザビリティやデザイン性を最大限追求できる点が魅力です。

その分、多くの作業が発生するため開発期間が長期化します。既製品を使わないため、多額の初期費用も必要です。

カスタマイズの範囲が明確に決まっている場合は、スクラッチ開発を選択しましょう。パッケージ型CMSをカスタマイズするため、開発費用と期間を共に削減できます。

セキュリティ対策は万全か

セキュリティレベルが低いCMSを選択した場合、情報漏えいを招く可能性が高まります。機密情報が漏えいした場合、社会的信用低下やイメージダウンは避けられないでしょう。多額の利益損失を避けるためにも、セキュリティ対策が万全なCMSを選択することが重要です。

SSL暗号化やWAFの搭載、リアルタイムのモニタリング監視など、さまざまな対策を講じていると安心して利用できます。

データの自動バックアップを実施していると、サイバー攻撃や自然災害の被害を受けても、最短でデータを復元できます。

まとめ

日本国内ではWordpressが圧倒的なシェア率を誇っています。Wordpressを筆頭にオープンソース型は、ライセンス費用がかからずカスタマイズもできますが、プログラミングの知識が必要です。

プログラミングに精通した人材確保に悩んでいる場合は外注を検討しましょう。CMSの選定〜webサイトの運用まで、一連の作業を外注先に任せられます。

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監修者のコメント
株式会社キネクト
代表 小林 謙介

1979年東京生まれ。東北芸術工科大学芸術学部を卒業後、美大進学の予備校に2年間勤めたのちフリーのデザイナーとして活動。飲食店のメニューや酒造メーカーのカタログなど、食に関連するクリエイティブ業務を開始。その後、インハウスデザイナーとして商品デザインの企画・制作を経験し、現在は株式会社キネクトを設立。グラフィックやWEBなどのデザイン制作をはじめ、広告事業や講演会など幅広い分野で活動している。

CMSを導入することで、ウェブサイトの管理が効率的になり拡張性も向上します。特に、頻繁な更新が必要なコンテンツやブログを運営する場合には、CMSの導入が非常に有益です。ホームページの目的や必要な機能、管理するコンテンツの種類によってCMSの選定が行われます。

全てを外注してお任せするのではなく、自分が何をしたいのかを明確にしてから決めると良いでしょう。CMSは使い方や特長が目的によって異なるため、自分のニーズに適したものを選ぶことが大切です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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