アニメーションの作り方とは?パソコン・スマホ別おすすめツール7選を解説
- アニメーションは初心者でも作れる?
- 無料で使える編集ツールはある?
- 自作キャラクターの本格的な動かし方は?
商品のPRやキャンペーンの告知などで、視聴者の目を惹くアニメーションを制作したい方は必見!アニメーションと聞くと、1人では作れないものと考えがちですが、編集ツールを用いることで特別な技術がなくても作ることができます。
この記事ではアニメーションの制作手順や制作時のポイント、初心者におすすめの編集ツールを解説します。記事を読み終える頃には、視聴者の心を動かす魅力的なアニメーションが制作可能です。
印象に残るオリジナルなアニメーションを作りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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アニメーションとは?
「アニメーション」とは、複数の静止画像を1枚ずつ撮影して動きのある映像にする手法のことです。少しずつ異なる複数の絵を連続して表示することで動作を演出します。 「パラパラ漫画」と同じく、なめらかな動きを表現するためには多くの枚数が必要です。
近年はCG(コンピュータグラフィックス)を用いて、制作時間やコストを必要最小限に抑えている傾向があります。
アニメーション動画の活用シーン3選
アニメーション動画を用いることで、自社独自のキャラクターやイラストをとおして情報を的確に伝えることができます。撮影スタジオや出演者・カメラマンなどの手配も不要であり、情報の更新も簡単に行えるため、実写と比べるとコストを抑えることが可能です。
多くのメリットがあることから、以下の用途に用いられています。
1. サービス・商品のPR
アニメーション動画は、特定のサービスや商品に関するPRを行う場合に効果的です。
感覚的に強く印象に残る「音」や「動き」との相乗効果により、商品やサービスの具体的な効果をわかりやすく伝えることができます。
自社のブランドカラーやブランドサイトとコンセプトをあわせることで、企業イメージのアピールも可能です。
2. 求人募集
アニメーション動画は、自社への入社意欲を高めるためにも活用できます。
自社の強みや入社後のルーティンワークを伝えることで、求職者に自社の魅力を発信することが可能です。会社の歴史や将来性もコミカルにアピールでき、求人応募のハードルを下げる効果が見込めます。
3. イベント・キャンペーン情報の告知
アニメーション動画は、自社が開催するイベントやサービスのキャンペーン情報を告知する目的にも活用可能です。自社ホームページやSNSでは周知しきれない詳細情報を伝えることで、ターゲットユーザーに行動を起こすよう誘導できます。
アニメーション動画の主な種類4選
一括りに「アニメーション動画」といってもさまざまな種類があります。伝えたいテーマや最終的な目標に応じて、最も訴求力の高い表現方法を選択することが大切です。
個人・ビジネスに共通して採用されることが多い表現方法は、以下のとおりです。
- キャラクターアニメーション
- モーショングラフィックス
- ホワイトボードアニメーション
- インフォグラフィック動画
1. キャラクターアニメーション
「キャラクターアニメーション」とは、登場キャラクターに動きをつけたアニメーションのことです。視聴者に親近感を与え、感情移入を促しやすい特徴から、多くの商品やサービスのPRに用いられています。
自社のイメージキャラクターを起用することもできるため、 キャラクターを通じた認知度アップにも効果的です。
2. モーショングラフィックス
「モーショングラフィックス」は、写真や図形、文字などの静止画に動きや音を加えた手法を指します。効果音やBGM、ナレーションと動きを連動させ、企業のロゴやイメージキャラクターを強く印象づけることが可能です。
短時間で特定の情報を伝える場合に有効的であり、飛行機の機内映像やタクシー、電車などのディスプレイ広告で活用されています。
3. ホワイトボードアニメーション
「ホワイトボードアニメーション」は、ホワイトボードにイラストを描いている過程を映像にするアニメーション動画です。実写で説明することが難しい商品やサービスの概要などを簡潔にわかりやすく伝えられる特徴があります。
高い画力や制作スキルを必要としないため、動画サイトのショートムービーや取引先へのプレゼンテーション動画、結婚式でのムービーなどさまざまな用途で使われています。
4. インフォグラフィック動画
「インフォグラフィック動画」は口頭では伝わりにくい文字や数値を図表やイラスト、写真を用いて説明した手法です。 データに関する情報が視覚的にわかりやすく、文字を加えて補足説明もできるため、主にビジネスで使用されています。
曖昧で説明しづらい事柄を表現することに特化しており、自社サービスの紹介に活用可能です。取引先との会議資料として、数値やデータ情報を伝えるためにも用いられています。
アニメーションの作り方【5つのステップで解説】
アニメーション動画を制作する前に、編集時に使用するデバイスと編集ツールを用意しましょう。
アニメーション動画の編集にはパソコンやスマートフォン、iPadなどのデバイスが必要です。スマートフォンを用いれば編集作業を手軽に行うことが可能ですが、容量に余裕があり、操作がしやすいパソコンが適しているでしょう。
用意した静止画を動かすためには編集ツールも必要不可欠です。パソコンの編集ソフト、スマホ・iPad用のアプリそれぞれのスペックを考慮して目的に合うソフトやアプリを使用しましょう。
アニメーションにするイラストや使用する素材を用意したら、以下のステップで制作を進めます。
- アニメーションの構想を練る
- 絵コンテを作る
- 原画を作成する
- 中割りを入れる
- 編集ツールで動画にする
1. アニメーションの構想を練る
アニメーション動画の制作にあたって、まずは作品の構想を計画します。アニメーション全体の流れや意図が定まらなければ、コンセプトに一貫性がなく意図が伝わりにくい作品になります。
動画の長さやテーマ、世界観、登場人物やアイテムを細かく設定することで、制作途中での行き詰まりを防げます。
とくに作品をシリーズ化する場合は、ストーリー展開にこだわることが大切です。時間をかけて納得のいく構成に仕上げることで、訴求力の高い作品が完成するでしょう。
2. 絵コンテを作る
アニメーション動画の方向性が定まった後は、作品の流れを絵や文字で表した「絵コンテ」を作ります。「絵コンテ」は、アニメーションの動かし方を選定するために必要不可欠です。
主にシーンごとの構図やカメラワーク、セリフや効果音、カットの秒数などの制作に必要な情報を描き込みます。実際の制作時における視認性を考慮して、必要最低限の情報を簡潔に描くことを意識しましょう。
3. 原画を作成する
絵コンテの完成後、アニメーション動画のベースである「原画」を作成します。
「原画」はアニメーション動画のポイント部分に配置するものであり、表現したい動作によって必要枚数を考えることが大切です。細かい動きを演出する場合は、多くの原画枚数が必要といえます。
原画は手書きでも作成できるものの、パソコンの描画ソフトを利用すると効率的に作業することが可能です。PhotoshopやIllustratorを使用することで、静止画のパーツごとにレイヤーを分けられるため、修正や中割りの作成が簡単に行えます。
4. 中割りを入れる
原画の作成を終えたら、原画と原画の間をつなぐ「中割り」を作成します。「中割り」の作成は、アニメーション動画特有のなめらかな動きを表現するために必要不可欠な作業です。
原画と同様に、表現したい動きによって必要な枚数が変化するため、違和感のない動きに仕上がるまで根気強く調整を加える必要があります。
5. 編集ツールで動画にする
静止画が完成した後は、アニメーション用の編集ソフトで動画にします。コマの秒数を決めて、構成に沿って絵を順番に配置しましょう。効果音の挿入や色彩の調整、不要な箇所の修正を入れ、音声を入れる場合は収録作業も行います。
全体が仕上がったら、最終確認として試写を行い、問題がなければ完成です。
アニメーション制作で意識するべき4つのポイント
アニメーションは「動き」によって視聴者の感情を動かすことができます。魅力的なアニメーション動画に仕上げるためには、違和感のない動きを演出しなければなりません。
アニメーション動画を制作するために意識するべきポイントは、以下のとおりです。
- フレームレートを調整する
- 動きの法則を理解する
- 中割りにこだわる
- 基本の表現技法を意識する
1. フレームレートを調整する
アニメを制作するとき、重要なポイントが「フレームレート」の調整です。
フレームレートは、1秒間の動画に使われるフレーム(静止画の数)を表します。単位には「FPS」が用いられ、FPSが多いほど作品の動きが細かくスムーズに見えます。
目安として、30分尺のアニメーション動画には1秒間に24枚のコマ数が必要です。最低限必要な枚数は定められていないため、作品で演出したい動きを優先的に考えて調整しましょう。
2. 動きの法則を理解する
アニメーション動画の制作には、キャラクターや背景の動きの法則性を理解しておくことが重要です。キャラクターや背景の動きが不自然もしくは現実的ではない場合、視聴者に違和感を与えてしまいます。
人物の歩行や瞬きなどの動作にも原則が存在するため、実写の映像を参考に、さまざまな動きの法則を押さえておきましょう。
3. 中割りにこだわる
アニメーション動画は「動き」の工夫が作品の品質を左右するため、原画をつなぐ役割の「中割り」にこだわって制作しましょう。キャラクターやストーリーに力を入れた場合でも「中割り」で手を抜くと、魅力が十分に引き出せません。
原画の人物やアイテムなどのモチーフに意味を持たせるには、中割りの描写が大切です。
4. 基本の表現技法を意識する
作品の品質を向上させるには、場面にあった表現技法を的確に取り入れる必要があります。以下の7つの表現技法は、実際のアニメーション動画の制作現場に用いられている基本的な技術です。
アピール | 視聴者の視認性を高めるためにキャラクターの身体的な特徴を強調して描く手法 |
---|---|
フォロースルー | キャラクターの動作が停止した後、髪や服を動かし続ける技法 |
スローイン・スローアウト | キャラクターの動き始めと終わりの速度に緩急をつける技法 |
スクワッシュ&ストレッチ(潰しと伸ばし) | キャラクターの顔や身体を大きく伸び縮みさせる技法 |
アンティシペイション(予備動作) | キャラクターのメイン動作に付随する準備動作を描く技法 |
アーク(運動曲線) | キャラクターや物体の動きに含まれる曲線的な軌道を強調させる技法 |
ステージング | 画面内で目立たせたいキャラクターの動作や配置を意図的に変更する技法 |
上記の表現技法を取り入れることで、キャラクターに現実的な動きを再現させつつ、視聴者の視線を狙いどおりに誘導させることが可能です。
スマホ・iPadで手軽にアニメーションが作れるアプリ3選
スマートフォンやiPadを用いることで、簡易的なアニメーション動画を制作することが可能です。パソコン用編集ソフトに比べて場所を選ばず利用することができ、初期費用もかかりにくい特徴があります。
スマートフォンやiPadでアニメーション動画が作れるアプリは以下のとおりです。
主な特徴 | 対応デバイス | 基本料金 | |
---|---|---|---|
FlipaClip | ・操作がシンプルで覚えやすい ・処理速度が速い ・無料機能の制限が多い |
iOS/Android/Windows | 無料(App内課金あり) |
AnimationDesk | ・前後の絵が透過する ・エクスポート形式が多い ・キャンバス操作に慣れが必要 |
iOS/Android/Windows | 無料(App内課金あり) |
Folioscope | ・GIFアニメの作成が簡単にできる ・アプリ内やSNSでシェアできる ・色の展開が少ない |
iOS/Android/Windows | 無料(App内課金あり) |
それぞれの特徴を比較しながら、最適なツールを選定しましょう。
1. シンプルな操作性の『FlipaClip』
参照: FlipaClip:プロ & 初心者向けのアニメ制作
『FlipaClip』はiOS・Android両方の端末で使える簡易アニメーション動画に特化したアプリです。
画像や動画、音楽の挿入など、アニメーション動画の制作に必要な基本機能が備わっています。操作画面がシンプルでわかりやすく、日本語のチュートリアル動画も公開されているため、誰でも導入しやすいです。
アニメーション動画制作の初心者や、スマホやタブレットで試しに絵を動かしてみたい方におすすめです。
2. 多くのデバイスに対応する『Animation Desk』
参照:Animation Desk:パラパラアニメの、2Dアニメーション制作ソフト
『Animation Desk』は、フレーム階層を分けたアニメーション動画を直感的な操作で作成できるアプリです。自動で前後の絵が透過して表示されるため、動きの表現に自信のない方でも簡単に自然な動きを加えることができます。
制作したアニメーション動画は、PhotoshopでPDF、GIFなどのさまざまなファイル形式に出力することが可能です。AndoroidやiOS、Windows 10などあらゆるデバイスで編集できるため、初心者からプロまで幅広く支持されています。
他ソフトと併用してアニメーション動画を制作したい方にも最適なアプリです。
3. パラパラ漫画の制作に特化した『Folioscope』
参照:Folioscope: 専門家や初心者のためのスタジオ
『Folioscope』は、パラパラ漫画やGIFアニメの作成が簡単にできる無料アプリです。機能を絞ったシンプルな描画ツールによって、指先1つで手描きアニメーション動画を作成することができます。
制作した作品をコミュニティでシェアする機能も搭載されており、コメント機能を通じて他のユーザーと交流することも可能です。
シンプルでわかりやすい操作性を求めるiPhoneユーザーや、パラパラ漫画からアニメーション動画の制作に挑戦したい方向けといえます。
パソコンで本格的なアニメーションが作れるソフト4選
パソコン用編集ソフトを用いると、本格的な加工機能を駆使したアニメーション動画の制作が可能です。初期費用がかかるものの、大画面で編集しやすく効率的な編集作業ができます。パソコンでアニメーション動画が作れるソフトは以下のとおりです。
パソコン用ソフトは、無料体験プランで実際の機能を試しながら比較することをおすすめします。
4. プロ仕様の映像加工が可能な『AfterEffects』
『AfterEffects』は、プロのアニメーターが使用している本格的なアニメーション動画制作ソフトです。アニメーションの制作はもちろんのこと、3D映像やモーショングラフィックスなどの映像作品を1から作ることができます。
多彩なエフェクトや音楽を追加できるうえに、料金も年間で28,776円(税込み)とコストパフォーマンスにも優れています。アニメーション動画の制作にとどまらず、さまざまな映像作品を制作したい方向きのソフトです。
5. コスパの良さが特徴的な『AnimeEffects』
参照:AnimeEffects
『AnimeEffects』は、充実した機能と直感的な操作性で人気の2Dキーフレームアニメーション動画用制作ツールです。
手や頭などのキャラクターのパーツごとに始点と終点を設定し、細やかな挙動を加えることが可能です。2Dアニメーション動画の制作に特化しており「JPEG」「PNG」「GIF」などの画像ファイルを読み込むこともできます。
無料で使用できるため、コストをかけずに2Dアニメーション動画を制作したい方におすすめです。
6. キーフレーム保管機能がある『9VAe(きゅうべえ)』
『9VAe(きゅうべえ)』は、描いたイラストにアニメーションを自動的につけることができる編集ソフトです。動きの変化に必要な絵を自動で生成するため、何枚も絵を描く必要がありません。
15万点以上のフリー素材が掲載されているイラストサイト「オープンクリップアート」から画像データを読み込むことも可能です。1から自力で絵を描く必要なく、GIFアニメやLINEスタンプ用のアニメーションが作成できます。
無料で利用できるため、画力に自信がない方でもアニメーション動画の制作が可能です。プレゼン資料のアクセントとしてアニメーションを加えたい場合にも活用できます。
7. 初心者でも高品質なアニメーションが作成できる『VYOND』
『VYOND』は、全世界で1,600万人が登録しているクラウドサービス型アニメーション動画ソフトです。
「コンテンポラリー」「ビジネスフレンドリー」「ホワイトボードアニメーション」の3種類から、用途にあうフォーマットを選べます。キャラクターやオブジェクト、サウンドなどの素材も数百種類用意されており、簡単にアニメーション動画の制作ができます。
料金はProfessionalプランで年間187,000円(税込み)と高額なものの、スキルや外部への委託を必要とせず動画制作が可能です。長期的もしくは継続的なプロモーション戦略を行う場合に向いています。
アニメーション制作ツールの選定ポイント3選
アニメーション動画の制作ツールは、独自の特徴を持ち、機能や操作性が大きく異なります。選定に迷った際には、以下のポイントを重点的に考慮して最適な制作ツールを導入しましょう。
1. 費用対効果が見合っている
アニメーション動画の制作ツールは、個人からビジネス利用までさまざまな料金形態が存在します。制作、公開期間や自社の人材などを考慮して、費用対効果が見合う編集ツールを選定しましょう。
有料ツールは高品質な作品に仕上げるための編集機能が搭載されており、無料ツールは必要最低限の機能で手軽に作業できる特徴があります。
基本的な機能は無料であっても、アプリ内課金で機能が解放されるツールも存在するため、追加費用を支払わずに使用できる範囲を必ず確認しましょう。
2. テンプレートや素材が豊富である
キャラクターやパーツのテンプレート、エフェクトの種類が豊富であるほど、アニメーション動画の制作が効率的に行えます。編集ツールに搭載されている素材が少ない場合、1から作画を行う必要があるため、制作に大幅な時間がかかり非効率的です。
アニメーション動画の制作ツールには音声や音楽、背景など独自の素材が揃っています。候補が絞り込めない場合は、使用できる素材を比較することで最適なツールの選定が可能です。
3. マニュアルが充実している
はじめてアニメーション動画を制作する場合は、公式サイトやウェブ上にわかりやすいマニュアルが存在するかを確認しましょう。
使用する編集ツールによっては、英語表記のマニュアルしかない場合や情報量が少ない場合があります。マニュアルに不備がなければ、問題が発生した際に迅速に解決することが可能です。
まとめ
アニメーション技術を活用することで、コストを抑えつつ印象的な宣伝を行うことが可能です。目的に応じた編集ツールを選定しましょう。
簡単なアニメーション動画は1人でも制作できるものの、強い宣伝効果を求める場合は専門知識や制作技術を必要とします。自社でリソースが割けない場合は代行業者への依頼も視野に入れましょう。
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