任意整理は弁護士と司法書士どちらに依頼すべき?それぞれの違いを徹底解説!
- 任意整理は弁護士と司法書士のどちらに頼むといい?
- 弁護士と司法書士の違いはなに?
- 任意整理を弁護士や司法書士に頼んだときの費用はいくら?
「任意整理をしたい」「弁護士か司法書士、どちらに依頼するのがいいのか知りたい」とお考えの方、必見。
任意整理は、自己破産や個人再生を行う可能性がある場合は弁護士へ、債務額140万円以下の場合は司法書士へ依頼するとよいでしょう。
この記事では、任意整理を士業に依頼したいと考えている方へ向けて、弁護士と司法書士に依頼したときの業務や費用相場を解説します。
記事を読み終わったころには、自分に合った依頼先をイメージできるでしょう。
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弁護士と司法書士の業務の違い
弁護士と司法書士の業務の違いがわからず、どちらに任意整理を依頼すべきか悩んでいる方も多いでしょう。最初に、弁護士と司法書士が行う業務の違いを解説します。
弁護士の業務
弁護士資格は、司法試験に合格し司法修習生になるか、諸条件を満たし法務大臣に申請することで付与されます。借金問題や離婚問題など日常生活で起きるさまざまな法律問題に対応可能です。
弁護士法3条で定められた主な業務は、次の4つです。訴訟や調停などで、依頼者の代理人となります。
- 訴訟事件
- 非訟事件及び審査請求
- 再調査の請求
- 再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為
裁判関係だけではなく、犯罪やご近所トラブルなどさまざまな問題解決に向けたサポートを行うことも、弁護士業務のひとつです。
司法書士の業務
司法書士は、司法書士試験に合格したのち、司法書士法3条に定められた次の業務を行います。
- 登記又は供託に関する手続、審査請求の手続の代理
- 法務局又は地方法務局に提出する書類作成
- 筆界特定の手続、書類作成
- 上記3業務に関する相談
- 簡易裁判所での140万円を超えない訴訟、和解、調停の手続
司法書士の主な業務は、代理での書類作成です。任意整理はもちろん、自己破産や個人再生で依頼者本人の代わりに書類を作成することが可能です。
司法書士には、遺言書の作成や相続に関する悩みをサポートする業務もあります。 近年では、成年後見制度における後見人となるケースも増えてきました。最高裁判所が出している令和3年分の「成年後見関係事件の概況」によると、司法書士の成年後見人選任数は11,965件で、弁護士よりも依頼数は多くなっています。
司法書士は、弁護士法に定められた法律業務はできません。弁護士法72条では、次のように規定されています。
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止) 第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
簡易裁判所での140万円を超えない訴訟、和解、調停の手続以外は法律業務となるため、司法書士には依頼できません。
任意整理における弁護士と司法書士の違い
次に、任意整理における弁護士と司法書士の違いは下記の表のとおりです。債務額や過払金額などに違いがあります。
弁護士 | 司法書士 | |
---|---|---|
1件あたりの債務額上限 | 無制限 | 140万円以下 |
1件あたりの過払金額上限 | 無制限 | 140万円以下 |
与えられる訴訟代理権 | 無制限 | 家庭裁判所のみ |
費用 | 5万円〜15万円 | ・5万円〜15万円 ・成功報酬や着手金がなく安い場合もある |
任意整理以外の債務整理の扱い | すべて対応可能 | 自己破産や民事再生は対応不可 |
司法書士は1件につき140万を超える任意整理ができない
司法書士が任意整理で対応できる上限額は、1社あたり元金140万円までです。1社あたりの元金が140万円を超える場合は、司法書士に依頼できません。元金140万円を超える場合は、最初から弁護士への相談をおすすめします。
司法書士に任意整理を依頼する場合は、1社あたりの債権の元金が140万円以下かがポイントです。140万円以下の債権者が複数いる場合、元金合計が140万円以上となっても依頼できます。
債権者が1社 元金が130万円以下 |
債権者が1社 元金が150万円 |
債権者が1社 元金130万円+利息30万円 |
債権者が2社 元金が両方とも140万円以下 |
債権者が2社 元金が120万円と130万円 |
債権者が2社 元金が120万円と150万円 |
債権者A社の元金100万円、利息50万円 B社の元金が100万円 |
---|---|---|---|---|---|---|
○ | × | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
司法書士は1件につき140万を超える過払金請求ができない
司法書士に任意整理を依頼する場合の過払金返還請求も、140万円以下と定められています。過払金の請求額が140万円を超える場合は、司法書士には依頼できません。
司法書士に与えられる代理権は「簡易裁判所」まで
司法書士ができる法律行為は「簡易裁判所において取り扱うことができる民事事件」です。司法書士が対応できるのは簡易裁判所での任意整理のみです。和解が成立せず、地方裁判所や高等裁判所など控訴審に進んだ場合は、司法書士に代理人を依頼できなくなります。
地方裁判所に申立てする自己破産や民事再生でも、司法書士は代理人になれません。本人が申立てをして裁判官とのやり取りをする必要があります。
【費用相場】弁護士と司法書士の依頼費用の違い
弁護士と司法書士の依頼費用には、大きな差はありません。相談料や着手金、成功報酬を取っていない司法書士事務所では、若干司法書士の方が安くなる場合もあります。いくつかの弁護士事務所・司法書士事務所を見比べて、依頼先を決めるのがいいでしょう。
弁護士と司法書士それぞれに依頼した場合の費用相場は次のとおりです。
相談料 | 着手金 | 基本報酬 | 減額報酬 | 過払い金報酬 | |
---|---|---|---|---|---|
弁護士 | 30分5,000円〜1万円 | 2万円〜5万円 | 原則1社あたり2万円以下 | 減額分の10%以下 | 回収額の20%以下 |
司法書士 | 30分5,000円〜1万円 | 2万円〜5万円 | 1社につき上限5万円 | 減額分の10%以下 | 回収額の20%以下 |
任意整理の費用は、以下の記事で詳しく解説しています。
弁護士に依頼したほうがいいケース
司法書士は、自己破産や個人再生での立ち会いができません。任意整理から自己破産や個人再生を行う可能性がある場合は、弁護士への依頼がおすすめです。
任意整理での和解が成立しない場合も、地方裁判所や高等裁判所での裁判に進む可能性があります。
簡易裁判所での業務しか担当できない司法書士に対し、弁護士はすべての裁判所での訴訟に対応可能です。任意整理のあと裁判に進む可能性が少しでもある場合は、弁護士へ依頼すると安心といえます。
司法書士に依頼したほうがいいケース
司法書士は、1社あたりの元金が140万円以下の任意整理が可能です。なかには、着手金や成功報酬を取らない司法書士事務所もあるため、若干費用が安くなる場合もあります。
債務額140万円以下の場合は、司法書士に依頼するといいでしょう。
個人再生・自己破産は書類作成のみ依頼可能
司法書士が許されているのは、簡易裁判所での手続きのみです。地方裁判所に申立てをする個人再生や自己破産では、司法書士は代理人となれません。
個人再生や自己破産の場合、司法書士に依頼できるのは書類作成のみです。申立ては、本人が行うことになります。
まとめ
任意整理を司法書士に依頼する際は、上限額や対応できる事項に制限があります。任意整理における弁護士と司法書士との違いを理解したうえで、各事務所を比較して依頼しましょう。
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1984年京都市生まれ。不動産・相続・会社の「登記」に必要な手続きを代理する専門家であり、若手ならではのフットワークの軽さと様々な職業経験で培った対応力を持つ法務大臣認定司法書士。自身が法律知識ゼロで資格学習を開始した経験から法律の適用や用語の難しさを理解しており、平易でわかりやすい説明を心がけており評価を得ている。
・借入額等が高額な場合は弁護士に頼むべきです。司法書士では140万円以下の手続きしか代行することはできません。
・できるだけ費用を抑えたい場合は司法書士がおすすめです。事務所によって額は変わってきますが、任意整理における平均的な金額は司法書士のほうがリーズナブルでしょう。
・既に債権者等の関係者と紛争が発生している場合は弁護士に依頼するべきです。他の債務整理手続きに切り替えたり訴訟問題に発展した場合でも弁護士であれば問題なく引き続き代理人として依頼を処理してくれます。
といったように、ご自身の状況や考え方によって判断は変わってくることになります。
しかし、結局のところ弁護士であれ司法書士であれ担当する専門家の能力次第であったり、依頼者との相性や信頼関係が重要な要素になってきますので、まずは一度無料相談や法テラスといった制度を活用し実際にご自身の状況について専門家と話をしてみることをお勧めいたします。
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