アニメーションの12種類を徹底紹介!成功した企業事例やポイントも解説
- アニメーションの種類や特徴とは?
- 自社の動画マーケティングに最適なアニメーションは?
- 制作会社に依頼するときのポイントは?
動画マーケティングを展開するにあたって、アニメーションの活用を検討している企業担当者なら、アニメーションの種類の多さには頭を悩ませているでしょう。
本記事ではアニメーションの主な12個の種類と特徴やメリット、動画マーケティングにおすすめのアニメーションの種類などを紹介していきます。
アニメーションを使ってマーケティングをしたいと考えている方にとっては有益な情報になるため、ぜひ参考にしてください。
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アニメーションとは?
アニメーションとは、複数の静止画をコマ撮りして再生することで、仮想的に動きを表現する映像技術のことです。パラパラマンガをイメージすることでアニメーションの基本が理解できますが、近年では技術の進歩によって制作方法も様変わりしています。
コンピューターを活用したデジタルアニメーションをはじめ、さまざまな種類のアニメーションが活用されています。近年、動画マーケティングに使われるケースが急増しているアニメーションは、種類ごとに異なる独特の表現力を持つのが魅力です。
アニメーションの12種類をまとめて紹介
効果的なマーケティングを展開するためにも、どのような種類のアニメーションがあるのかを知っておくことが重要です。以下からは主なアニメーションの種類を12個紹介します。
- セルアニメーション
- キャラクターアニメーション
- 3Dアニメーション
- ホワイトボード・アニメーション
- ストップモーション・アニメーション
- クレイアニメーション
- ピクシレーション
- 切り絵アニメーション
- モーショングラフィクス
- インフォグラフィック動画
- タイポグラフィックアニメーション
- モーショングラフィックス
セルアニメーション
手書きを中心とした2Dアニメーションの中でも、日本でもっとも普及しているのが「セルアニメーション」です。背景の上でキャラクターを動かすために、透明のアセテートシート=セルが使われていたことから付けられた名称です。
基本的な制作方法は大きく変わらないものの、現代ではセルの代わりにソフトウェアを活用する「フルデジタルアニメーション」が一般化しています。
キャラクターアニメーション
セルアニメーションの種類の1つともいえますが、簡易な線でシンプルに描かれたキャラクターを活用した「キャラクターアニメーション」も、動画マーケティングで使われる機会が増えてきました。
一般的なセルアニメーションよりもキャラクターがシンプルなため、動かしやすい・制作費を抑えやすいのが特徴です。親しみやすさを演出できるのもポイントです。
3Dアニメーション
2Dアニメーションが「縦」「横」という2次元空間の表現であるのに対し「奥行き」を含む、3次元空間の動きを表現したアニメーションの種類が「3Dアニメーション」です。キャラクターやオブジェクトを3D空間に配置し、操作して動いているように見せるプロセスのことです。
リアリティのある滑らかな動きが得られ、人が考えられるものであればなんでもアニメーションとして再現できるのも特徴でしょう。キャラクターやオブジェクトを精巧に3Dモデリングする技術・スキルが必要なため、制作費は高額になる傾向があります。
ホワイトボード・アニメーション
近年、徐々に注目の高まっているアニメーションの種類が「ホワイトボード・アニメーション」です。
真白な背景に漫画家、イラストレーターなどのクリエイターが手書きで描画する様子を映像化したもので、あたかもホワイトボードを使って解説しているかのような効果が得られます。
比較的低価格で制作できるのもホワイトボード・アニメーションの魅力です。内容がストレートに伝わりシンプルであることが重要であり、複雑になりがちなストーリーを順序立ててわかりやすく解説したいニーズに最適です。
文章や画像などを駆使することで、メリットや付加価値など伝えるのが難しいサービスの無形商品の紹介映像に向いています。
ストップモーション・アニメーション
ストップモーション・アニメーションとは、止まっている(静止している)物体を1コマ毎に少しずつ動かしてカメラで撮影し、被写体に動きがあるように見せる映像の撮影技術です。
2D・3Dアニメーションほどの滑らかさはありませんが、独特のぎこちない動きが視聴者の印象に残り、インパクトの大きさが魅力です。
対象物を1コマずつ撮影していく根気が必要な制作方法です。60秒のストップモーション・アニメーションであれば、少なくとも1,800枚の静止画を撮影する必要があります。
クレイアニメーション
「クレイアニメーション」は、粘土で制作したキャラクターを少しずつ動かして撮影します。造形の自由な粘土を活用することから、比較的自由度の高いストーリーを組み立てられるのがポイントです。
クレイアニメーションのほかにも、人形やパペットを撮影対象にした「人形アニメーション」があります。
ピクシレーション
ストップモーション・アニメーションには、粘土や人形の代わりに、人間を1コマずつ撮影して制作する「ピクシレーション」と呼ばれるアニメーションの種類もあります。ジャンプした瞬間を何度も撮影することで、人が空中に浮いているように表現できます。
通常の動画撮影では難しい表現が得られることがポイントです。
切り絵アニメーション
切り絵を1コマずつ撮影して制作する「切り絵アニメーション」もあります。クレイアニメーションと同様、制作するには時間と根気が必要です。
モーショングラフィックス
モーショングラフィックスとは、イラストや文字などのグラフィックス要素にソフトウェアを使用し、画面上を縦横無尽に動かす動画のことです。TV番組のオープニングを思い浮かべてもらえればわかりやすいでしょう。
モーショングラフィックスの操作方法は、最初の段階がやや面倒です。しかし、技術者の引き出し次第でクオリティーを上げることができます。現状、モーショングラフィックス案件は非常に多くなってきています。
スキルは必要ですが、ソフトウェアの低価格化もあり、比較的費用を抑えながらスタイリッシュで印象的なアニメーションを制作できるのが特徴です。実写やほかのアニメーションと合成しやすいなど、活用の柔軟性が高いのも魅力です。
インフォグラフィック動画
インフォグラフィックとは、イラストを使った「ダイアグラム」「ピクトグラム」「地図」や、チャート・表・グラフなどのデータを組み合わせ、伝えたい情報を視覚的に表現する手法です。
会社の事業内容や紹介など、概念的な内容になりがちな情報をわかりやすく表現できるのがインフォグラフィック動画の特徴です。インフォグラフィック動画は制作費も比較的安価です。
タイポグラフィックアニメーション
タイポグラフィックアニメーションとは「テキスト」や「ロゴ」を使った文字のアニメーション動画のことです。テキストやロゴを使うことで、視聴者は見やすく、わかりやすい動画を見られます。
タイポグラフィックアニメーションに向いているのは、イベント告知やWebのCM、無形商材などです。インパクトを与えるアニメーションにすることで、印象を与えられ、集客しやすくなるでしょう。
モーショングラフィックス
モーショングラフィックスとは「文字」「イラスト」などに動きや音をつけるアニメーション動画のことです。
動きをつけることでインパクトを与えられ、視聴者の印象に残りやすい動画になるため、テレビのCMや動画広告などによく使われます。比較的に安い値段で制作でき、制作に時間をあまり要しません。
アニメーションで動画制作するメリット
プロモーション、会社紹介、ブランディングなど、企業が動画マーケティングにアニメーションを活用する例が増えています。アニメーションで動画を制作するメリットが大きいからにほかなりません。具体的なメリットは以下の4つです。
- わかりやすく表現できる
- 制作側・依頼側の認識の相違が発生しにくい
- 修正や変更に対応しやすい
- 予算を抑えやすい
わかりやすく表現できる
物理的な制限の生じやすい実写動画と異なり、アニメーションは表現の自由度が高くわかりやすいというメリットがあります。特に2D・3Dアニメーションの場合、どのような表現でも実現可能です。
リアリティ面では実写に劣りますが、表現をマイルドにできるのもアニメーションの特性です。視聴者に親しまれやすいメリットも得られるでしょう。
こうしたアニメーションの特徴は、理念・ミッションを含む会社紹介、複雑な構成のソリューションや、目に見えない商品の裏側、無形サービスをわかりやすく表現するのに最適です。
制作側・依頼側の認識の相違が発生しにくい
実際の動画制作に入る前に、企画・脚本・絵コンテなどを用意するのは実写もアニメーションも同じです。
しかし、実写動画の場合は撮影の段階にならないとイメージが具体化しないこともあります。撮影開始されてから「こんなはずでは」という制作側と依頼側の認識の相違が生じる場合もあります。
アニメーションの場合、動かすためのキャラクターやイラストは、本格的な動画制作の前に制作されている必要があります。しっかりとイメージの擦り合わせができるため、アニメーションは制作側・依頼側の認識の相違が生まれにくいといえるでしょう。
修正や変更に対応しやすい
アニメーションは実写動画に比べて後からの修正や変更に対応しやすいメリットもあります。ロケやキャストを伴う実写動画の場合、まったく同じ条件での撮り直しは非常に困難です。
撮影の伴わないアニメーションであれば、修正・変更が必要な部分だけ作業することも可能です。アニメーターの手が空いていれば、すぐに作業に取りかかることもできるでしょう。
ただし、修正・変更が生じれば追加費用がかかるのは当然です。どのような動画を制作する場合でも、後からの修正・変更が生じないように、しっかり企画・構成を擦り合せておくことが重要です。
予算を抑えやすい
アニメーションはコストを抑えて制作できます。実写の動画を撮影する場合はロケ地の手配やスタッフ、キャストなど多くの人員・場所を用意しなければなりませんが、アニメーションでは手配の必要がありません。
ロケ地の天気に左右されたり、スタッフの急な体調不良などによる人員不足に困ったりすることがないです。追加の費用もかかりにくいのが特徴といえます。
アニメーションを使ってマーケティングに成功した組織事例6選
アニメーションを使い、自社のマーケティングに成功した組織の事例を6つ紹介します。各社の強みがうまく表現された人気の動画を集めているため、ぜひ参考にしてください。
1. 大成建設
参照:大成建設
大成建設のCMは『君の名は。』を制作した新海誠監督によるブランディング動画です。公開から2カ月で4万回再生を突破しており、知名度の向上につながった作品といえます。美しいタッチで描かれたセルアニメーションが注目を集めました。
2. 大和工業グループ
参照:大和工業グループ
大和工業グループのアニメーション動画はインフォグラフィクスを使用しています。堅くなりがちな会社説明をインフォグラフィクスを活用することでカジュアルにし、最後まで見させる工夫がなされています。
3. 友野印刷
参照:友野印刷
モーショングラフィックスをうまく活用しているのが友野印刷です。多種多様に動くアニメーションで視聴者に飽きさせず、自社の扱っている商材を訴求しています。テキストも文字サイズやフォントを工夫することで印象的にみせています。
4. スプリングボード
参照:スプリングボード
クレイアニメーションチーム「スプリングボード」が制作したアニメーション動画にも注目です。人形を使用することで温かみのある雰囲気を出すことができるため、日常に寄り添うようなサービスを訴求したいと考えている企業におすすめです。
5. ゼブラクリエイト株式会社
参照:ゼブラクリエイト株式会社
ホワイトボード・アニメーションで参考になるのは「ゼブラクリエイト株式会社」の事例です。ホワイトボードを使用した白黒のシンプルな構成、かつビジネスライクながらも、伝えたいことをわかりやすく表現できます。
6. 岡山トヨペット
参照:岡山トヨペット
岡山トヨペットの「交通事故ZEROプロジェクト第6弾」の事例も参考にできます。制作された切り絵アニメーション「STOP ROAD RAGE」では、わずか90秒で1,320コマ、535体の切り絵人形が使用されました。
動画マーケティングに最適な種類のアニメーションは?
アニメーションはそれぞれの種類ごとに独自の特徴があるのも事実です。たとえば、ストップモーション・アニメーションはインパクトの高さが魅力ですが、事例を見てもわかるように、あまりマーケティング用途に向いているとはいえません。
それでは、動画マーケティングに最適な種類のアニメーションは何かを、おおまかな制作費用の相場観とともに紹介します。
セルアニメーション
ある程度潤沢な予算のかけられる企業であれば、2Dアニメーションの中でもセルアニメーションがおすすめです。幅広い表現の自由度が得られるのはもちろん、実写との相性もよく、視聴者から親しまれやすい特性を持っているからです。
こだわりによって制作費用が大きく変動する点には注意は必要です。大成建設のショートムービーでは、長澤まさみさんがナレーションを、スキマスイッチが音楽を担当する豪華版のため、わずか30秒でも1,000万円以上の制作費がかかっている可能性があります。
30〜90秒程度の、一般的なアニメーション制作の費用相場は以下のとおりです。
アニメーションの種類 | 制作費用目安 |
---|---|
キャラクターアニメーション | 100万円〜 |
セルアニメーション | 300万円〜 |
3Dアニメーション | 200万円〜 |
3Dアニメーション
セルアニメーションよりも豊富な予算をかけられる場合、3Dアニメーションも視野に入れてみてもよいでしょう。実際に人間が動いているかのようなリアルさがあるため、自社の商材によっては強い訴求ができます。
競合他社が3Dアニメーションを自社マーケティングに使用していない場合は特におすすめです。
モーショングラフィックス
費用を抑えながら自由度の高い動画マーケティングを展開したい企業であれば、モーショングラフィックスがおすすめです。
実写との相性がよく、表現の自由度が高いのは2D・3Dアニメーションと同じですが、モーショングラフィックスは比較的制作費用を抑えられるのがポイントです。
イラストをベクター素材で購入することで、約40万円からの費用でモーショングラフィックスの制作が可能です。オリジナルのイラストを制作するのであれば、その分費用は高額になります。
それでも、200万円あれば納得のいくクオリティのモーショングラフィックスを制作できるでしょう。
制作会社にアニメーションを依頼するときのポイント
ここでは、動画制作を制作会社に依頼するときのポイントを3つ紹介します。
- 制作の目的をはっきりさせる
- 制作会社のイメージとアニメーションのイメージを確認する
- 予算を前もって決める
制作の目的をはっきりさせる
アニメーションの作成を依頼するときには、アニメーションの活用方法や目的をはっきりさせる必要があります。
活用方法や目的が決まっていないと、動画の内容の方向性が決まらず、アニメーションのメリットを十分に発揮できません。制作会社もどのようなアニメーションを作るのかわからず、双方にとってデメリットしかありません。
お互いのメリットが大きくなるように、前もって制作の目的をはっきりさせましょう。
制作会社のイメージとアニメーションのイメージを確認する
制作会社に依頼するときには、依頼する会社が作っているアニメーションのポートフォリオを確認しましょう。
制作会社が作っているアニメーションと依頼したいアニメーションのイメージや雰囲気がまったく違うものでは制作会社も制作することが難しくなります。
そのため、依頼する前に制作会社のポートフォリオを確認し、イメージや雰囲気が一致しているかどうか確認することが大事でしょう。
品質の高いアニメーションを作るために、イメージの確認は必須です。
予算を前もって決める
アニメーション制作の予算を前もって決めることは大切です。予算の相場はだいたい決まっているため、相場にあわせて予算を組みましょう。アニメーションの制作過程で大きな予想外の出費につながる可能性もあります。
アニメーションのどこにお金をかけてもいいのか、費用をかけてもいい部分をあらかじめ考えることも必要でしょう。予想外の出費にならないために予算を考える必要があります。
まとめ
アニメーションを活用した動画マーケティングを検討する企業の方に向け、主なアニメーションの種類12個を解説するとともに、事例、マーケティングに最適なアニメーションなどを紹介してきました。
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動画コンサルティング KM7Production代表 村田 圭輔(むらた けいすけ)。映像・音楽制作会社10数年。ジョン・レノンの奥様オノ・ヨーコ様の弟様、小野啓輔様のご紹介で、株式会社MUSIC POCKET入社。イベント運営・舞台制作・音響設置を担当。株式会社雄進印刷/株式会社雄進プラス入社後は、新規営業プロデューサー・制作・撮影などを担当。現在はフリーランスとして2014年01月から活動。2020年9月にはPR動画制作5430万件中24位を取得。
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3Dアニメーションは手間のかかる作業であることは事実ですが、作業をスムーズにするためのヒントやコツがたくさんあります。3Dアニメーションのソフトウェアは大幅に進歩しており、適切なツールを使用すればより多くのプロジェクトに取り組む時間を節約できます。
3Dアニメーション制作の技術経験が豊富な方に、ご依頼されるのが発注者様にとって一番負荷が少なく済みます。2Dアニメーション制作も同じ事となります。
アニメーションのプロセスに迷い、細部に目が行きがちで、肝心の全体像を見失ってしまいがちです。基本を先に、詳細を後に、というように、優先順位を賢く整理すれば、時間とフラストレーションを大幅に節約できます。
2D・3Dアニメーションは、私たちが想像している以上に、多くの生活の場面で活用されています。映画製作、ゲーム開発、ソーシャルメディア、医療、エンジニアリング、建築などの場面など複数御座います。
2D・3Dアニメーションソフトウェアが着実に進歩するにつれ、2D・3Dアニメーションと現実の生活とのギャップは、無い状態まで来ており制作技術者のパソコンスキルもかなり必要ですので、発注者様がご依頼かける際、制作技術者のトータルスキルのご確認をされたほうがよろしいでしょう。