バリアフリーリフォームの費用相場は?リフォームの種類や活用できる補助金も解説
- バリアフリーリフォームの費用はいくら?
- バリアフリーリフォームの種類を知りたい
- バリアフリーリフォームが安くなる方法は?
バリアフリーリフォームとは、心身機能に障害がある方でも使いやすくするために行うリフォームのことです。段差の解消や手すりの設置など、さまざまな種類があります。
小さな怪我でも大事故につながるおそれがあるため、介護が必要な方がいる住まいにはバリアフリーリフォームが重要です。
この記事では、バリアフリーリフォームにかかる費用相場を解説します。リフォームの種類や活用できる補助金もあわせて解説するため、バリアフリーリフォームを検討している方はぜひ参考にしてください。
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バリアフリーリフォームとは
バリアフリーリフォームは、心身機能に障害がある方でも使いやすくするために行うリフォームのことです。「バリアフリー」とは元々建築用語で、物理的なバリア(障壁)を取り除くことを意味しています。
バリアフリーリフォームの種類は、段差の解消や手すりの設置など、目的によってさまざまです。
バリアフリーリフォームの費用相場
代表的なバリアフリーリフォームの費用相場は、以下のとおりです。
ドアの付け替え | 3万円 |
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壁の撤去 | 5万〜10万円 |
手すりの設置 | 6万円 |
スロープを設置する | 20万〜50万円 |
トイレの交換 | 30万〜50万円 |
代表的なバリアフリーリフォーム4選
代表的なバリアフリーリフォームは、以下の4つです。
1. スロープを使い段差をなくす
家の中や玄関まわりにある段差は、年齢を重ねるとつまずきやすくなり、転倒の原因になります。段差をスロープに変えると、車いすや歩行器でもスムーズに移動できるため、安全性が高まるでしょう。
玄関・勝手口・浴室の出入り口など、普段の生活でよく使う場所から検討することが大切です。
大きな段差の場合、スロープをつけると距離が長くなります。面積を考慮すると、スロープの設置が難しい場合もあるでしょう。踏み台を設置すると、省スペースで移動の負担を軽減できるためおすすめです。
2. 壁を撤去して部屋を広くする
室内の壁を一部取り払うと、移動しやすく開放感のある空間にリフォームできます。車いすや介助が必要な方にとって、広いスペースは非常に重要です。たとえばリビングと廊下を一体化すると、動線がスムーズになるため、家の中でのストレスを軽減できるでしょう。
3. 手すりを設置する
階段・トイレ・浴室・玄関など、体を支える必要がある場所には手すりの設置が効果的です。立ち上がるときや移動するときの補助になるため、安心感が生まれます。転倒の防止にも効果的です。手すりの高さや取り付け位置は、使う方にあわせて調整しましょう。
4. ドアを引き戸や折れ戸にする
開き戸は開閉時にスペースが必要で、体の動きも制限される場合があります。引き戸や折れ戸に変更すると、車いすでもスムーズに出入りできるでしょう。特に引き戸の場合は指も挟みにくいため、安全性も高いです。
【場所別】バリアフリーリフォーム4選
バリアフリーリフォームは、使う場所によって施工内容が変わります。以下4つの事例を場所別に解説するため、参考にしてください。
- 【脱衣所・浴室】ヒートショック対策
- 【トイレ】和式から洋式への交換
- 【玄関】スロープやベンチの設置
- 【洗面所】車椅子でも使える洗面台の設置
1. 【脱衣所・浴室】ヒートショック対策
冬場の脱衣所や浴室は、室温の急激な変化により「ヒートショック」が起こりやすい場所です。暖房機器の設置や断熱リフォームを行うと、室温差を和らげられるため、心臓や血圧への負担を軽減できます。 特に高齢者の方がいるご家庭では、安心して入浴できる環境づくりが重要です。
ヒートショックとは、気温の変化により血圧が急激に上下し、心臓や血管の疾患を起こす症状のことです。脱衣場で服を脱いだときや、浴室に入るときに起こりやすいため注意してください。
高齢者や障害者がいる場合は、ヒートショック対策に加えて以下のリフォームもおすすめです。
- システムバスに変える
- 浴槽の高さや深さを変える
- 浴槽内に段差をつける
- 洗い場の床を滑りにくく転倒しても痛くない柔らかい素材にする
浴室は濡れると滑りやすいため、転倒の危険が高まります。適切なリフォームを施すことで、安全性を高められるでしょう。
2. 【トイレ】和式から洋式への交換
和式トイレはしゃがむ動作が必要となるため、年齢を重ねると使いづらく感じる方が多くなります。洋式トイレへ交換すると、立ち座りが楽になり、毎日のトイレが快適になるでしょう。
手すりの取り付けや扉を引き戸にするリフォームなどもあわせて行うと、トイレへの出入りもしやすくなります。
3. 【玄関】スロープやベンチの設置
玄関の段差をスロープにすると、車いすや歩行器でもスムーズに出入りできるようになります。靴の脱ぎ履きをする際に便利なベンチを設ければ、体の負担を減らすこともできるでしょう。介護者の負担も軽減できるためおすすめです。
4. 【洗面所】車椅子でも使える洗面台の設置
車椅子を利用される方には、足元にスペースがある洗面台へのリフォームがおすすめです。洗面台に高さがあったり奥行きが狭かったりすると、座ったままの車椅子では使いづらくなります。足元に収納スペースがあるタイプの洗面台の場合、車椅子では奥まで入れません。
高さや足元の収納スペースがなく、奥行きがある洗面台であれば、車椅子の方でもスムーズに使いやすいでしょう。
バリアフリーリフォームで使える4つの制度
バリアフリーリフォームで使える制度は、以下の4つです。
- 介護保険の住宅改修助成
- 住宅特定改修特別税額控除
- 固定資産税の減税措置
- 自治体の補助金
1. 介護保険の住宅改修助成
要介護1〜5や要支援の方の住宅にバリアフリーリフォームをした際、介護保険の住宅改修助成を活用できます。補助金の対象工事や助成金額は、以下のとおりです。
対象工事内容 | ・手すりの取り付け ・段差の解消 ・滑り防止や移動の円滑化などを目的とした床または通路面の材料変更 ・引き戸等への扉の取りかえ ・洋式便器などへの便器の取りかえ ・その他、上記5つの住宅改修に付帯して必要な住宅改修 |
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助成限度額 | 18万円 |
助成金の申請に必要な「住宅改修利用書」は、ケアマネージャーに作成をお願いする必要があります。助成金の申請は、ケアマネージャーと相談しながら進めましょう。
2. 住宅特定改修特別税額控除
住宅特定改修特別税額控除とは、マイホームでバリアフリー改修工事を行った場合、一定の金額をその年分の所得税額から控除できる制度です。控除の適用を受ける場合、以下の要件をすべて満たしていなければいけません。
1 | 自己が所有する家屋についてバリアフリー改修工事をして、平成26年4月1日~令和7年12月31日までの間に自己の居住のために使用していること |
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2 | バリアフリー改修工事の日から6カ月以内に居住のために使用していること |
3 | この特別控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下であること |
4 | 工事をした後の住宅の床面積が50平方メートル以上であり、かつ床面積の2分の1以上を専ら自己の居住のために使用していること |
5 | 2軒以上の住宅を所有している場合には、主として居住のために使用していると認められる住宅であること |
6 | バリアフリー改修工事にかかる標準的な費用の額(その工事等の費用に関し補助金等の交付を受ける場合はその額を控除した額)が50万円を超えるものであること |
7 | 工事費用の2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること |
バリアフリー改修は、手すりの設置や通路の拡張などさまざまな種類の工事が対象に指定されています。バリアフリー改修工事の控除対象限度額は200万円です。
3. 固定資産税の減税措置
新築後10年以上経過した住宅で50万円以上のバリアフリーリフォームをした場合、翌年度分の固定資産税の3分の1が減税されます。 適用期限は令和8年3月31日です。
申請する場合、住宅がある市区町村役場へ必要書類を提出する必要があります。自治体により必要書類が異なるため、住宅がある自治体に問い合わせたりHPを確認したりしましょう。バリアフリーリフォームが減税されるための主な要件は以下のとおりです。
- 新築されてから10年以上経過した家屋であること
- 賃貸住宅ではない家屋であること
- バリアフリーリフォーム後の床面積が登記簿表示上で50〜280平方メートルであること
- 店舗等併用住宅の場合、床面積の2分の1以上が居住用であること
- 対象工事の工事費用から補助金等を差し引いた額が税込50万円を超えていること
- 令和8年3月31日までに工事を完了すること
- 以下のいずれかに該当する者が居住する住宅にバリアフリーリフォームを行うこと
(1)65歳以上の者(工事が完了した翌年1月1日時点)
(2)要介護または要支援の認定を受けている者
(3)障がいを持っている者
4. 自治体の補助金
各自治体で定められた条件を満たすバリアフリーリフォームの場合、補助金が給付されます。東京都港区の例を掲載するため、参考にしてください。
工事内容 | 助成限度額合計 |
---|---|
・手すりの取り付け ・段差の解消 ・滑り止めのための床材変更 ・引き戸等への扉の取り替え ・和式から洋式への便器の取り替え |
200,000円 |
浴槽の取り替えおよび付帯して必要な給湯設備等の工事 | 379,000円 |
流し・洗面台の取り替えおよび付帯して必要な給湯設備等の工事 | 156,000円 |
便器の洋式化および付帯して必要な工事 | 106,000円 |
バリアフリーリフォームの注意点3つ
バリアフリーリフォームを行うときの注意点は、以下の3つです。
- 介護者と被介護者の両方が使いやすいようにする
- 被介護者の自立した生活につながるリフォームを行う
- 被介護者の将来的な機能変化も考慮する
1. 介護者と被介護者の両方が使いやすいようにする
バリアフリーリフォームは、被介護者のためだけではなく、介護を行う人の負担も軽減できるように配慮することが大切です。たとえば介護しやすい動線の確保や、シャワーチェアが置ける広めの浴室スペースなどは、双方にとって大きな助けになります。
介護が長期化することも見据え、使いやすさと効率性の両立を意識しましょう。
2. 被介護者の自立した生活につながるリフォームを行う
バリアフリーリフォームの目的は、被介護者の「できること」を増やすことでもあります。手すりの設置や段差解消など、少しの工夫で自分で動ける範囲が広がる場合もあるでしょう。自立した生活は、本人の自尊心を守り、日々の生活への意欲を高めることにもつながります。
3. 被介護者の将来的な機能変化も考慮する
バリアフリーリフォームは「今の困りごと」だけではなく「これから起こりうる変化」にも対応できるように計画することが重要です。今は歩けていても、将来的に車椅子が必要になる可能性もあるでしょう。
さまざまな可能性を考慮し、スペースの確保や設備選びを行うと、将来的な追加工事の削減につなげられます。
まとめ
高齢の家族が安心して生活を送るためには、バリアフリーリフォームを行うことが重要です。自分にとっても家族にとっても、住み慣れた家に暮らすことが安心につながります。
最適なリフォーム業者を選ぶには、複数社から見積もりを取り、比較することが大切です。しかし、どの会社に頼めばいいかわからず不安を感じる場合もあるでしょう。
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京都市出身。同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。2000年「ローバー都市建築事務所」設立。京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。設計実績 約500件。2006〜2018年 毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回〜第274回執筆掲載。京町家再生・古民家再生から、大規模商業施設まで、幅広く多方面にて様々な設計を行う。京都の伝統的な建築と現代的建築を融合させる手法を特徴に、先人が育んできた生活の知恵や幸せに暮らす方法を調和的にアレンジし提供する。
近年では、機能性・デザイン性に優れたバリアフリー商品も、数多く開発されていますので、さまざまな商品を比べながら、お好みの商品を選定するのもいいかもしれません。 また、現在の状態で考えるのではなく、将来的なライフスタイルの変化にも対応できるように、柔軟に計画を考えておくことも肝要です。
ケアマネージャーや税理士等と協力しながら、利用できる補助金や減税の制度をうまく活用していことをお奨めいたします。

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