雇用契約書の書き方(作成)と記載事項【正社員・パート別の注意点】

更新日:2020年04月02日 発注カテゴリ: 契約書・書類作成
雇用契約書の書き方(作成)と記載事項【正社員・パート別の注意点】

雇用契約書の書き方と絶対的記載事項を雇用形態(正社員・パート・アルバイト)ごとにまとめました。また、雇用契約書がなぜ必要なのか、トラブルを回避するポイントと注意点はあるのかといった点もご紹介します。雇用契約書は従業員と経営者のトラブルを回避するためのルールといっても過言ではなく、労働基準法第15条では、従業員を採用するときには、賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければならないとされています。では、雇用契約書の正しい書き方、どのようなものか知っていますか?その内容と正しい理解の上に作成するようにしましょう。

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雇用契約書とは

雇用契約書とは、雇用側(会社)と労働者の間で取り交わす書類のことで、労働条件を明確化するという目的があります。具体的には、就業時間や就業場所、給与や休日休暇、残業の有無、退職のルールなどが記載されています。

会社が雇用条件を決定したあと、労働者に確認・同意してもらった内容を書類として残すことで、後々のトラブル防止やルールの再確認に繋がります。雇用契約書は、次のような目的で作られているものと覚えておきましょう。

  • 雇用主にとって将来の紛争予防
  • 紛争が発生した場合の紛争解決の基準
  • 労働条件を明示することで、従業員の安心感を図る
  • 雇用契約書と労働条件通知書の違い

    雇用契約書と合わせて労働条件通知書等で労働条件等を伝えることもあります。

    両者の違いはというと、雇用契約書が双方納得した上で取り交わされるものであるのに対し、労働条件通知書は会社からの一方的な通知を目的に作成されるという点が挙げられます。

    労働条件通知書は、その名の通り単に「労働条件を通知する」だけのものなので、お互いが合意したかどうかが分かりません。

    このため、後々のトラブルを避けるためにも双方が合意したことが一目で分かる雇用契約書を取り交わしておくことをおすすめします。

    雇用契約書はなぜ必要か?

    法律上、雇用契約書の義務ない

    雇用契約書は法律上作成義務がわるわけではありません。確かに、「労働契約の期間」や「就業場所」、「就業する業務」などは、書面で明示する必要があることになっています。

    しかし、必ずしも双方が合意したうえで署名捺印する雇用契約書の形でなくとも、会社側が一方的に労働条件を通知する「労働条件通知書」や「雇用通知書」のみでも問題ないのです。

    雇用契約書の作成目的は「トラブル防止」

    それでも、多くの企業で雇用契約書が取り交わされているのは、将来的な労働トラブルを避けるためということになります。もちろん従業員に安心して働いてもらうための一環でもありますが、多くはトラブル回避の意味が強いです。

    従業員数10名未満の会社は「就業規則」の作成義務が発生しませんので、雇用契約書や労働契約書がその代わりになることも忘れてはいけません。

    雇用側は労働者に労働条件を書面提示する義務があり、雇用契約書や労働条件通知書なしで雇用すると労働基準法違反になるので、労働者からいつでも労働契約を解除することができます。

    うちは小規模だからいらないよね?や、パートやアルバイトだけなのでいいんじゃないの?という方がいますが、どのような雇用形態であろうと労働条件をしっかり明示せずに雇用すると、何の基準もないままに労働トラブルに発展することもあります。

    実はベンチャー企業などで、雇用契約書は意外と省かれていることも多いようです。「会社の決まりや雇用契約内容を聞かれなかったから説明しなかった」というようなあいまいさでいると、後々「思っていたことと違う」という事にもなりやすいです。

    正社員であろうと、パートタイムであろうと雇用契約書を作成し、お互いに納得してから業務をスタートすることで、将来の労働トラブルを防止することにつながります。

    雇用契約書の書き方(作成)と絶対的記載事項

    書面の交付が必須なものが絶対的記載事項

    雇用契約書の書き方に具体的なルールがあるわけではありません。しかし、雇用条件等の明示については労働条件に定められた内容を遵守する必要があります。

    具体的には、書面の交付を必須とする「絶対的明示事項」と、口頭での明示でもよい「相対的明示事項」があり、特に雇用契約書では前者の絶対的明示事項については必ず記載しておくべきだといえるでしょう。

    絶対的明示事項には以下のようなものがあります。

    • 労働契約の期間
    • 就業の場所、従事する業務の内容
    • 始業、終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無等に関する事項
    • 賃金の決定や計算、支払の方法等に関する事項
    • 退職に関する事項

    口頭の明示でもよい事項は「相対的明示事項」

    一方、「相対的明示事項」は口頭の明示でもよいとされていますが、雇用契約書に記載しておくと万全です。

    相対的明示事項には以下のようなものがあります。

    • 昇給に関する事項
    • 退職手当に関する事項
    • 臨時に支払われる賃金や賞与等に関する事項
    • 労働者の負担する食費や作業用品等に関する事項
    • 安全衛生に関する事項
    • 職業訓練に関する事項
    • 災害補償や業務外の疾病扶助に関する事項
    • 表彰、制裁に関する事項
    • 休職に関する事項

    正社員雇用における絶対的記載事項

    絶対的記載事項についてご紹介しましたが、正社員を雇用する場合は特に以下のような絶対的記載事項を記載するようにしましょう。

    • 雇用契約の期間(無ければ「期間の定めなし」と記載する)や雇用形態
    • 就業場所
    • 従事する業務
    • 賃金の決定、支払い日、締切り日、計算方法、支払い方法
    • 始業及び終業の時刻
    • 所定労働時間外の労働(残業)の有無
    • 交替制勤務をさせる場合は交替期日あるいは交替順序等に関する事項
    • 休憩時間、休日、休暇に関する事項
    • 退職に関する事項

    トラブルになりやすい残業の有無や、賃金に関連する事項は特に重要です。

    アルバイトやパートにおける絶対的記載事項

    続いて、アルバイトやパートの雇用契約書に記載すべき記載事項をまとめました。アルバイトやパートは、場合によって個人個人で労働時間や勤務日数などが異なるので、注意してください。

    • 雇用契約の期間(無ければ「期間の定めなし」と記載する)や雇用形態
    • 契約更新の有無や更新するかどうかの判断基準(有期雇用契約の場合)
    • 就業時間
    • 休日、有給の有無

    アルバイトやパートは正社員ほどきっちりとした雇用契約書は必要ありませんが、有給や賞与などの制度は適応されるのか等細かい取り決めをする必要があります。

    雇用契約書の作成で盛り込むべきポイント

    昇給や退職手当などの相対的明示事項も乗せるのがベター

    雇用契約書では相対的明示事項は必ず記載しなければならないというわけではありません。しかし、昇給や退職手当などの事項を中心に、記載しておくのがベターだといえるでしょう。

    具体的には、以下のような項目を記載しておくことをおすすめします。

    • 昇給に関する事項
    • 退職手当に関する事項
    • 賞与等に関する事項
    • 異動に関する事項
    • 賠償義務に関する事項

    昇給や退職手当は多くの労働者が気にかける部分でもありますし、契約の内容と支給額が異なると大きなトラブルに発展しやすい箇所になります。

    また、契約社員・パートタイマー・アルバイト等に対して賞与、退職金、慶弔見舞金などを支給しないことが多いです。そのため、雇用契約書に「支給しない」と明記するようにしましょう。

    そのほか、勤務場所等が変更する可能性がある、異動があるような職場の場合には、会社に従うなどの細かい部分も、雇用契約書に明記しておかないと異動には応じないなどのトラブルになります。

    さらに、雇用契約書には、就業中に発生した損害に対する賠償義務を定めた条項も入れておくことをおすすめします。

    なお、雇用契約を更新するときは自動更新ではなく、都度必ず雇用契約書を取り付けるようにして下さい。次回の雇用契約を更新しない可能性があれば、その理由や条件を事前に説明する必要があります。契約終了の間際になってからでは、トラブルになりますので気を付けましょう。

    会社の機密事項を漏らさないとか、会社に不利益なことをしないなどの事項もきちんと入れておく必要があります。これは会社の信用問題にも関わりますのできちんと押さえておきましょう

    未記載でも労働基準法通りに内容が適用されるものもある

    労働基準法により書面に記載すべき絶対的明示事項と、口頭のみの説明でもよい相対的事項がありますが、これらのうち、雇用契約書に未記載の内容があったとしても、労働基準方通りの内容が適用されることがあります。

    例えば、有給の規定の記載がなくても、労働基準法に基づいて6ヶ月経過(8割以上出勤)すれば、有給休暇を取る権利は自動的に発生します。残業に関しても、残業手当を払わなければならないことが法律で決まっています。

    とはいえ、労働者としてもあらかじめ書面で通知された方が安心しやすく、無用のトラブルを避けることにもつながるため、こうした事項についても雇用契約書で記載しておくようにしましょう。

    雇用契約書を作った後守るべき保管方法

    ここでは、作成した雇用契約書の保管方法について解説しましょう。まず、雇用契約書は2部作成し、従業員が承諾した旨の印鑑とともに1部は会社で保管しておきます。これは、相手方が勝手に条項等を改ざんしたときにすぐに分かるようにするためです。

    なお、契約書が2枚以上になる場合にはページの差し替えを防ぐためにそれぞれのページのつなぎ目に契印を押すか、袋とじにして保管します。

    雇用契約書に関するトラブルを防ぐための注意点

    雇用契約書は双方が労働条件に納得しトラブルを回避するためのものですが、最低限の記載だけでは事足りないこともあります。たとえば、試用期間や出向・転勤の有無、休職の規定などもしものケースについても、記載がないとトラブルに発展することがあります。

    以下にごく一部ですが、雇用契約書に関連するトラブル事例をまとめました。しっかりしたルールが決まっていなかったために、雇用者、労働者、双方でトラブルを招く可能性があるので、可能性のあることについてはなるべく細かく記載しておきたいものです。

    雇用契約書のトラブル事例

    • 記載されていない試用期間があり、賃金などの条件が異なった
    • 残業代について明記されておらず残業をしても支払われなかった
    • 休日出勤をしたが代休に関する規定がなかった
    • パートの退職金に関する記載がなかったため、労働者と揉めてしまった
    • 解雇条件が記載されておらず従業員の解雇が出来ない

    トラブルを防ぐためのポイント

    続いて、雇用契約書や労働条件通知書に書いてある内容について、トラブルを防ぐためのポイントを押さえておきましょう。

    • 雇用開始日や勤務期間など、期間の定めの有無を記載
    • 雇用形態についてきちんと記載、確認
    • 勤務時間、休憩時間、休日休暇を定めて記載
    • 基本賃金、時間外や、通勤手当についても確認
    • 自己都合で退職する場合の届け出期日、弁償等の就業を確認

    期間の定めがある雇用条件の場合、日本では原則3年(一部5年)を超える期間について労働契約を締結できません。(パート、アルバイト、派遣、契約社員等正社員以外の場合で)また休憩時間を除き、週40時間を超えて労働させることはできません。

    午後10時から午前5時までの深夜早朝時間の労働については、通常の労働時間の賃金125%以上の賃金となります。

    働く時間が法律で決められている範囲内であるかどうか、賃金に募集内容と違いが無いか、従業員に不利な条件が書いていないかなどを見ておく必要があります。

    また会社側としても、きちんと会社の不利益やトラブルにならないような形で作っておかねばなりません。

    まとめ

    なお、相談先となる専門家を探す際は、比較した上で判断することが大切です。というのも、同じ社会保険労務士であっても、中小企業を得意とするのか大企業を得意とするのか等、実際には個別に得意分野が異なるからです。

    また、専門家の先生本人との相性の問題もあります。相性が合わない場合、先生とのやり取りでストレスを感じてしまう可能性はゼロではありません。専門家に相談する際は、比較して自社にあった先生に依頼するようにしましょう。

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