コンパネと合板の違いは何?それぞれの種類や用途を徹底解説!

 SD住宅相談室
監修者
SD住宅相談室 花沢 雅樹
最終更新日:2023年02月10日
コンパネと合板の違いは何?それぞれの種類や用途を徹底解説!
この記事で解決できるお悩み
  • コンパネと合板の違いは何?
  • 合板ってどんなところで使うの?
  • コンパネはどうやって使われるの?

家を建てたりコンクリート打設の工事をしたりする場合、コンパネや合板を使うことが多くあります。コンパネや合板は似たような素材に思えますが、価格やサイズが異なるため「どの種類を使ったらいいの?」と疑問を持つ方も多いことでしょう。

この記事では、コンパネや合板の違いについて詳しく解説します。

コンパネや合板の種類や特徴、価格についても紹介するので、これから工事を控えている方はぜひ参考にしてみてください。

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コンパネも合板もベニヤ板合板の一種

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コンパネと合板にはいくつか違いがありますが、まず覚えておくべきなのはどちらもベニヤ合板の一種であるということです。コンパネは正式名称を「コンクリート型枠用合板」といい、合板の1つであることがわかります。

ベニヤ合板とは、木の丸太を大根のかつら剥きのように薄くして作った板のことであり、ベニヤ合板を何枚か重ねて接着剤で貼り付けたものが合板となります。コンパネも基本的な作り方は同じです。

ベニヤ、合板、構造用合板、コンパネには以下のような違いがあります。

ベニヤ 木の丸太をかつら剥きのように剥いた単層の板
合板 ベニヤを接着剤で積層にして作った板でさまざまな用途に使用可能
構造用合板 合板の一種で、床下下地・壁下地・屋根下地など、家の構造部分に使用される
コンパネ 合板の一種で、コンクリートの型枠として使用される

コンパネと合板の違い4つ

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コンパネと合板はどちらもベニヤ合板で作りは同じですが、いくつもの違いがあります。主な違いは以下の4つです。

  1. 強度の違い
  2. ホルムアルデヒド放散量の違い
  3. サイズ・価格の違い
  4. 表面の仕上げの違い

1. 強度の違い

コンパネと合板の違いの一つが、強度です。合板はJAS規格によって品質表示されており、コンパネと構造用合板には、定められた「類別」「等級」があります。JAS規格を満たすためには、その基準をクリアしなければなりません。

具体的な表示は以下のとおりです。

  コンパネ 構造用合板
類別 1類 特類、1類
等級 A / B / C/ D 1級、2級

製品によって強度に若干の差はありますが、一般的に特類の構造用合板は1類のコンパネよりも強度が高くなります。構造用合板は建物の構造を担うことに用いられるためです。

2. ホルムアルデヒド放散量の違い

コンパネと合板は、ホルムアルデヒド放散量にも違いがあります。ホルムアルデヒドは、人の粘膜を刺激してシックハウス症候群の原因となる物質です。ホルムアルデヒド放散量はFマークと呼ばれる、Fと「☆」の数によって表示されます。

住宅を建設する際に構造材となる構造用合板は、もっとも厳しい基準である「F☆☆☆☆」が必須。コンクリートを打設する際の型枠となるコンパネは、それほど厳しい基準をクリアする必要はなく、「F☆☆☆」であっても使用可能です。

3. サイズ・価格の違い

コンパネと合板には、サイズや価格の違いがあります。サイズや価格の具体的な違いは以下のとおりです。

  コンパネ 構造用合板
サイズ 900mm × 1800mm
600mm × 1800mm
910mm × 1820mm
厚さ 12mm 12mm
価格 2,000円〜 3,000円〜

サイズに大きな差はないものの、コンパネの方がやや小さめ。価格も等級によって変動しますが、構造用合板の方がコンパネよりも高額になるのが一般的です。コンパネの中でもウレタン樹脂で加工してあるものは、1枚あたり1万円以上するものもあります。

4. 表面の仕上げの違い

コンパネと合板では、表面の仕上げにも差があります。構造用合板の表面が比較的粗めであるのに対し、コンパネは鏡面仕上げに近いのが特徴。

構造用合板は壁・屋根・床などの下地材として使われるため、表面をきれいに仕上げる必要はありません。コンパネはコンクリートの型枠として使用され、コンクリートが固まった後に剥がしやすくするため、表面が滑らかになっています。とくにウレタン樹脂で板面加工してあるコンパネは、コンクリートの表面がきれいに仕上がるのがメリットです。

合板の特徴

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コンパネや構造用合板は、合板の一種で基本的には同じ構造です。丸太を大根のかつら剥きのように薄く剥き、乾燥させて作ったベニヤ板を張り合わせて合板にします。

ベニヤ板の繊維方向が1枚ずつ交差するように、接着剤を使って貼り合わされるのが合板の特徴。繊維方向の影響を受けずに、縦方向・横方向どちらの強度も確保できる合板ができ上がります。

合板の素材・構造・サイズ

合板の素材はベニヤ板ですが、構造やサイズは実に多種多様です。構造用合板の場合、製品によって厚さは5、5.5、7.5、9、12、15、18、24、28、30、35mmなどがあり、重ねるベニヤ板の枚数が異なります。

合板の構造は「中板を中心としたサンドイッチ構造」となっていることがほとんど。一部の例外を除き「3プライ」「5プライ」「7プライ」といった奇数のベニヤ板で作られることが一般的です。

合板のサイズにもいろいろな種類がありますが、よく用いられるのは「サブロク」と呼ばれる、910mm×1820mmのサイズ。ただし、1000mm×2000mmのように使いやすいサイズの製品を見つけることも可能です。

合板のメリット

工事でよく用いられる合板には以下のような6つのメリットがあります。

  • 製品の種類・サイズなどのバリエーションが豊富
  • 温度・湿度による伸び縮み・ソリなどの影響が少ない
  • 切断・加工や釘打ちなどが容易
  • 広い面積が使える、面の強度が高い
  • 横方向・縦方向の強度が高い
  • 強度が高いのに軽量

合板は、素材である木材のメリットを生かしつつ、さらに性能を向上させています。木材は「断熱性」「吸音性」「調湿作用」に優れていますが、合板は強度をさらに高め、伸び縮みや反りの影響を最小限に抑えているのが大きなメリットです。

合板の類別

合板を選ぶ際には類別に注意を払わなければなりません。JAS規格のスタンプに表記されている類別とは、合板を製造する際に使われる「接着剤の種類」と「接着性能」の違いを表す区分のことです。

接着性能は以下の4つに分類されます。特類がもっとも性能が高く、3類がもっとも性能が低い製品です。

  接着剤の種類 接着性能
特類 フェノール樹脂接着剤 もっとも耐水性・接着性能が高い
1類 メラミン樹脂接着剤 特類よりは劣るが耐水性・接着性能が高い
2類 ユリア樹脂接着剤 耐水性はあまり高くない
3類 増量されたユリア樹脂接着剤 耐水性が低く、現在ではあまり使用されていない

合板の等級

JAS規格スタンプに表記される合板の「等級」とは、構造用合板の強度試験結果ならびに合板板面の品質を表す区分表記です。強度試験は「1級」「2級」に分かれており、板面の品質は「A」「B」「C」「D」の4段階で表示されます。

普通合板では板面の品質が表記されており、表板に針葉樹を用いた普通合板では1類、2類とA、B、C、Dの組み合わせ。広葉樹を用いた普通合板では、1等、2等、3等、4等が用いられます。近年ではウレタン樹脂系の表面加工が施されたコンパネが多くなっており、板面評価が記載されないことが一般的です。

合板のホルムアルデヒド放散量

JAS規格スタンプに表記される「ホルムアルデヒド放散量」とは、合板の接着剤から放散されるホルムアルデヒドの放散量を表す区分表記です。ホルムアルデヒド放散量の表記は「F☆☆☆☆」から「F☆」までとなっており、「F☆☆☆☆」がもっとも放散量が少なく、品質が高い合板といえます。

シックハウス症候群の被害を抑えるため、2003年の改正建築法によってホルムアルデヒド放散量に応じた合板の使用制限が義務付けられました。家屋内で使用することの多い構造用合板はもっとも厳しい基準である「F☆☆☆☆」をクリアすることが求められています。

構造用合板は「構造部分」に使用される合板

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合板の中でも、構造用合板は建物の構造部分に使用されることを前提に製造される合板を指します。建物の構造でも重要な壁や床、屋根に用いられ、耐震性・耐風性を向上させることも可能です。

構造用合板には1級と2級という強度等級があります。1級は、曲げ剛性試験、曲げ強度試験、面内せん断試験の3つの試験に合格した高性能の合板。2級は曲げ剛性試験のみ行われています。ただし、2級は価格が安く、住宅で用いられることも多い合板です。

構造用合板の用途

構造用合板の主な用途は、住宅の「壁の下地」「床の下地」「屋根の下地」です。住宅のあらゆる場所で用いることができる合板で、使用する部位に応じた多種多様な製品が生産されていることも構造用合板の特徴。住宅以外にも、テーブルやイスを自作するためのDIY材料として広く活用されています。

構造用合板の厚みによる用途は以下のとおりです。

  使用される場所
9mm 壁の下地材
12mm 壁・床・屋根の下地材
15mm 床の下地材
24mm 高品質な床の下地材
28mm 高品質な床の下地材

構造用合板のサイズ・価格

構造用合板は、利用する部位に応じてさまざまな厚み・サイズの製品が製造されています。一般的に利用される構造用合板のサイズは「厚さ12mm、サイズ910mm × 1820mm」。価格は素材によって変動しますが、通常は1枚あたり3,000円前後です。

よく用いられるサイズ以外にも、厚さが5mm〜35mm、サイズも910mm×2430mm、910mm×2730mm、910mm×3030mmなどバリエーション豊富。サイズが大きくなれば、その分価格も高くなります。

コンパネはコンクリート打設時の型枠合板

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コンパネは、コンクリート打設時の型枠に用いられる合板です。生コンクリートは流動性が高いため、型枠がなければ外に流れ出してしまいます。そこで、コンクリートを打設したい形にコンパネを設置し、型枠にするのです。

板面が加工されていないコンパネだけでなく、ウレタン樹脂系で板面がつるつるに加工されている製品も。板面がウレタン加工されているコンパネは、オレンジ・黄色のものがほとんどでしたが、近年ではグリーンなどでカラフルに板面加工された製品も購入可能です。

コンパネの用途

コンパネの主な用途は「コンクリートの型枠」として使われることです。コンパネを型枠として設置することで、任意の形にコンクリートを打設可能。工事現場でコンクリートを打設する際には、必ずといっていいほどコンパネが用いられています。

コンパネは、工場の床材や鶏舎の床材・壁材、遊戯施設の構造材、イベントのステージの構造材などでも活躍。型枠ではなく、利便性の高いパネルとして利用されることも多くあります。

コンパネのサイズ・価格

コンパネの一般的な大きさは、「厚さ12mm、サイズ900mm × 1800mm」、もしくは「厚さ12mm 、600mm × 1800mm」です。構造用合板よりもコンパネの方が小さめになることが特徴となります。

1枚あたりの価格はおよそ2,000円前後です。工事現場でよく用いられるコンパネは、構造用合板より価格が低く手軽に使えるのがメリット。ただし、板面がウレタン加工されているコンパネは高額で、メーカーによって1枚1万円を超える場合もあります。

コンパネと合板の違いまとめ

コンパネと合板は、どちらもベニヤ合板であるものの、サイズや価格、用途、ホルムアルデヒド放散量などに違いがあります。構造用合板は家の構造材として、コンパネはコンクリート打設時の型枠として用いられるのが一般的です。合板とコンパネの用途の違いを理解して、最適な材料を選びましょう。

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監修者のコメント
 SD住宅相談室
花沢 雅樹

宮城県の一級建築士事務所。建築物について調査・リフォーム設計・コンサルティングを行う。耐震性能、省エネ性能、劣化のしにくさ、維持管理のしやすさの観点にて、計画をされている設計内容を、図面や見積書のチェックなど、第三者視点にて中立な立場でアドバイスを行う。

コンパネと構造用合板には寸法の違いがあります。一般的にコンパネは900mmx1800mmのメーターモジュールになっているのに対して、構造用合板は910mmx1820mmの尺モジュールになります。これは鉄筋コンクリート造の建物の基準寸法がメーターモジュールで設計されることが多いからです。

木造の建物では尺モジュールが基本になりますので、構造用合板のほうが施工時の寸法が合うため使用しやすいと思います。構造上重要な壁・床・屋根には構造用合板を使用します。壁には構造用パネル(オリエンテッド・ストランド・ボード:OSB)を代用することもできます。

一般的に建物の内部には比較的安価な普通合板を使用しますが、水廻りは耐水性の高い特類をおすすめします。押入の内部など仕上げを必要としない場所にはシナ合板を、造作家具などの下地にはパーティクルボードを使うこともできます。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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