店舗改装に補助金・助成金は使える?申請時の注意・計画時のポイントを解説!

更新日:2021年10月21日 発注カテゴリ: 店舗内装・設計
店舗改装に補助金・助成金は使える?申請時の注意・計画時のポイントを解説!

店舗改装に活用できる補助金・助成金はあるのだろうか?店舗改装・リニューアルにまとまった資金が必要になった店舗オーナーの方なら考えているはず。原則、返済する必要がない補助金・助成金を活用できれば、より理想的な店舗に改装・リニューアルするための大きな後押しになるからです。しかし、補助金・助成金は申請さえすれば、だれでももらえるというわけではありません。どんな補助金・助成金なら店舗改装に使えるのか?事前の下調べや準備も欠かせません。そこで本記事では、店舗改装・リニューアルに活用できる補助金・助成金を紹介するとともに、申請時に注意しておくべきことを徹底解説!申請前の大前提となる、店舗改装計画のポイントも紹介していきます。

補助金・助成金とは

補助金・助成金は、どちらも小規模事業・中小企業を資金面からサポートするため、国や地方自治体が給付する「返済する必要のない資金」です。補助金・助成金を受給するためには「受給申請が必要」という共通点がありますが、目的や受給資格は補助金・助成金それぞれで違いがあります。

補助金の目的は、産業の育成や事業推進などをサポートするため、小規模事業者や中小企業に必要な資金を給付し、国や地方の経済を活性化させることです。

そのため、補助金を受給するには経済活性化に貢献する事業展開が求められ、申請する事業者の計画が妥当性のあるものだと事務局に認められる必要があります。

一方、助成金の目的は、中小企業に従事する労働者の雇用安定・職場環境の改善や、技術発展に向けた企業の研究開発のために必要な資金を給付することです。

助成金の使い方が著しく制限されるというわけではありませんが、なによりも労働者の待遇・環境改善が優先されるのが特徴。設備投資に助成金を活用するのであれば、その結果が労働者の利益につながるものである必要があります。

店舗改装・リニューアルに活用できる補助金・助成金

それでは、どのような補助金・助成金であれば、店舗改装・リニューアルに活用できるのか?以下から、店舗改装に活用できるおすすめの補助金・助成金を具体的に解説していきます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、働き方改革をはじめとする今度数年の制度変更に対応して持続的に事業展開していくため、小規模事業者・中小企業が取り組む販路開拓をサポートする目的で創設された補助金です。

給付の対象になるのは「地道な販路開拓」あるいは、販路開拓につながる「業務効率化(生産性向上)」事業に取り組む、5名以下の商業・サービス業、あるいは20名以下の製造業・宿泊業の事業者です。

販路開拓の取り組み事例には、商品を陳列する棚の購入(機械装置費等)のほか、店舗改装に伴う外注費などが挙げられており、小売業・飲食業の方でも利用しやすい補助金であることがポイントです。

従来設けられていた「事業再開枠」は廃止され、現在では「一般枠」のみのプログラムとなっていますが、創業者支援することを目的とした補助上限枠の引き上げ措置も実施されています。

第6回受付締切分の例 一般型 特定創業支援等
補助金額 50万円(上限) +50万円(上限)
補助率 経費の2/3(上限) 経費の2/3(上限)
備考 全採択者に適用 適用条件あり

参考元:日本商工会議所

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、2020年以降の市場経済激変によって打撃を受けた中小企業・中堅企業を対象に、ポストコロナ時代を見据えた新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編への取り組みを支援する目的で創設された補助金です。

通常枠のほか、緊急事態宣言枠、最低賃金枠、大規模賃金引上枠が用意されており、ニーズに応じた申請が可能なほか、従業員数51名以上の中堅企業も対象になることがポイントです。

卒業枠・グローバルV字回復枠などの特別枠も用意されており、最大で1億円までの補助額を獲得できるのも特徴。従来型の飲食業が、テイクアウトに力を入れるために店舗改装・リニューアルする、小売業がECサイトでの通信販売業に取り組むといった活用方法が考えられるでしょう。

第3回公募の例 20名以下の
中小企業
21〜50名の
中小企業
51名以上の
中小企業
卒業枠
補助金額 100〜4,000万円 100〜6,000万円 100〜8,000万円 6,000万円〜1億円
補助率 経費の2/3 経費の2/3 経費の2/3(6,000万円以上は1/2) 経費の2/3

参考元:中小企業庁

業務改善助成金

業務改善助成金とは、小規模事業者・中小企業が設備投資などの生産性向上取り組みをサポートし、事業場内でもっとも低い賃金で働く労働者の賃上げにつなげることを目的に創設された助成金です。

ここでいう設備投資には、生産性向上に向けたコンサルタントの起用、人材育成に向けた教育・研修費用、POSレジ導入による業務効率化などが挙げられますが、店舗改装・リニューアルに活用された事例も存在します。

業務改善助成金の申請にあたっては、賃金引上計画の策定が必要となり、実現した場合に経費の一部を助成する仕組み。賃金引上げ対象となる従業員数、引上げ金額に応じて20万円から最大600万円までの助成金を獲得可能です。

参考元:厚生労働省

受動喫煙防止対策助成金

受動喫煙防止対策助成金とは、受動喫煙防止対策を推進することを目的に、一定の要件を満たす専用喫煙室、指定たばこ専用喫煙室の設置・改修に必要な経費の一部を負担する助成金です。

一般的な助成金とは異なり、工事の実施前に申請が必要なことが同助成金の特徴。助成金額は最大で100万円、飲食業の補助率は2/3、それ以外の業種は1/2となることが原則です。

喫煙室の設置・改修に特化した助成金であり、内装のデザインなどには使えないなどの制限があるため、使いにくいことは事実。店舗改装・リニューアルに伴って喫煙室を設置したいニーズのみに活用できます。

参考元:厚生労働省

補助金・助成金を店舗改装に使う場合の注意点

ここまで、店舗改装・リニューアルに活用できるおすすめの補助金・助成金を紹介してきました。意外にも活用できそうなプログラムが多いことに驚いた方も多いでは。しかし、受動喫煙防止対策助成金などのように、やや使いにくい補助金・助成金プログラムがあることも事実です。

適切なプログラムを選択し、店舗改装・リニューアルの目的を達成できるようにするためにも、補助金・助成金の基本や注意するべきポイントを理解する必要があるでしょう。以下から簡単に紹介していきます。

補助金・助成金は頻繁に創設・廃止される

補助金・助成金は、頻繁に創設・廃止が繰り返されるプログラムだということを、大前提として理解しておく必要があります。これは、軽減税率対策補助金がすでに廃止されていることからも明らかでしょう。

なぜなら、国・地方自治体の予算を財源とする補助金は、その時代に応じた最適だと思われる補助金プログラムを事業化するからです。

雇用保険などの社会・労働保険を主な財源とする助成金は、継続的かつ随時実施されるケースが多いとはいえますが、その分、プログラムあたりの助成金額が少なめであることも特徴。補助金同様、永劫的に実施されるわけでもありません。

これらのことから、タイミングによっては店舗改装・リニューアルするために適切な補助金・助成金プログラムが存在しないということもあり得ます。

補助金・助成金は後払いが原則

補助金・助成金は、小規模事業者・中小企業をサポートする目的で創設されるプログラムではありますが、給付は後払いになることが原則です。

つまり、補助金・助成金は「融資を含めた自己資本で事業展開し、後から要件に応じた補助率で経費を負担してくれる」プログラムなのだといえるでしょう。

受動喫煙防止対策助成金のような例外はありますが、原則として「補助金・助成金を店舗改装・リニューアルの原資として活用する」ことはできないと考えておくべきです。

補助金を獲得するには採択される必要がある

補助金の目的は国・地方の経済活性化であり、補助金を受給したい事業者は「目的に見合う事業展開を予定している」ことを事務局から認められる必要があります。

具体的には、事業計画書・経営計画書を作成して受給申請し、審査を経たうえで事務局から「計画が採択」され、はじめて補助金が給付されます。

つまり、補助金を受給するには、自社の事業・経営計画が採択されることが絶対条件であり、申請すれば必ず受給できるというものではありません。

上述したように、頻繁に創設・廃止されるのも補助金の特徴。予算に限りがあるため、公募期間も2週間〜1か月程度と短めに設定される傾向もあります。

助成金を獲得するには条件を満たす必要がある

助成金は、補助金のように審査・採択といったステップを経る必要はないものの、事業者には「ある一定の条件を満たす受給資格」が求められます。

受給資格は補助金プログラムによって異なりますが、大前提として経営者自身が社会保険に加入している事業者でなければ助成金を申請できません。

これは助成金の目的が「労働者の雇用安定・職場環境の改善」であり、雇用保険などを財源とするプログラムだから。助成金が、労働保険に加入する従業員が在籍している事業者を対象にしているのは当たり前なのです。

店舗改装・リニューアル計画のポイント

補助金・助成金の特徴・注意点を見ていくと、店舗改装・リニューアルに助成金は使いにくいこと、そもそも従業員を雇用しない(社会保険に加入していない)個人事業店舗は助成金の受給条件を満たせないことがわかります。そういった意味でも、店舗改装・リニューアルには各種補助金の活用がおすすめです。

ただし、注意点でも紹介した通り、補助金を受給するためには「事務局に採択される事業計画」が必須。それでは、店舗改装・リニューアル計画をどのように立てていけばいいのか?ヒントとなるポイントを紹介していきましょう。

店舗改装・リニューアルの目的を明確にする

まず最初にすべきことは、どのような目的で店舗改装・リニューアルするのか?店舗改装・リニューアルによってどのようなゴールを目指すのか?目的とゴールを明確に設定することです。

ただ単に設備・内装が古くなったからという動機であっても、明確な目的・ゴールを設定し、事業成長につながる意味のある店舗改装・リニューアルにすることが重要です。

なぜなら、補助金の目的が国・地方の経済活性化に向けた小規模事業者・中小企業の支援にあるから。経済活性化につながる目的・ゴールを持った店舗改装・リニューアル計画であれば、採択される可能性が高くなるといえるでしょう。

もちろん、補助金獲得を念頭に置いた計画を立てていたのでは、自店舗事業の成長という本質から外れてしまう可能性もあります。本末転倒な計画にならないよう、自店舗が成長するためになにがベストの方法なのか?しっかりと検討していく必要があります。

補助金・助成金を前提にしない資金計画

店舗改装・リニューアルの目的・ゴールを設定したあとは、補助金・助成金に頼らない資金計画を策定しましょう。

すでに解説したように、原則後払いである補助金・助成金は、店舗改装・リニューアルの原資として活用することは不可能です。あとから資金面での支援が受けられるとはいえ、店舗改装・リニューアルにかかる資金はあらかじめ用意しておく必要があるからです。

小規模事業者でも比較的融資を受けやすい機関としては、日本政策金融公庫などが挙げられますが、補助金の受給申請と同時進行で交渉することがおすすめ。自店舗の事業が補助金として採択されれば、融資を受けやすくなるメリットが得られるでしょう。

予算・実行計画にあった補助金・助成金を探す

資金調達計画とともに開始しておきたいことが、店舗改装・リニューアルに必要な予算・実行計画に適した補助金・助成金を探すこと。

すでに解説したように、補助金・助成金は頻繁に創設・廃止されるプログラムであり、本記事で紹介したプログラムが常に実施されているとは限りません。

補助金・助成金を前提にした店舗改装・リニューアル計画を立てることが危険であるのはこのため。補助金・助成金は、あくまでも「活用できる可能性のある資金」として捉えておく必要があります。

目的達成に向けた店舗デザイン

立案した店舗改装・リニューアル計画に従って、目的・ゴールを達成するため、予算も考慮にいれながら店舗デザインに取りかかります。

たとえば、来店者の興味を惹きたい、従業員の生産性をあげたい小売業などでは、それぞれの導線を意識したレイアウト・デザインを考える、ポストコロナを見据えてテイクアウトに力を入れたい飲食業なら、イートイン・テイクアウトのバランスを考慮したレイアウト・デザインを考えるなどです。

専門家にアドバイスを仰ぐのも方法

事業・経営計画を立てる、目的を達成するための店舗デザインなど、補助金・助成金の受給申請を別にしても、店舗改装・リニューアルにあたってやるべきことは多岐に渡ります。

日々の業務に忙殺されてなかなか計画が進まない、計画に客観的な視点が欠けているなど、オーナーだけでは手が回らなくなることも。そんなときは、専門家のアドバイスを仰ぐのもひとつの方法です。

たとえば、店舗デザイン・コンサルティングを手掛ける会社であれば、自社の立地条件に過去の事例を組み合わせた、集客・事業成長にベストな提案が得られます。しっかりとした事業計画がまとまれば、補助金審査で採択される可能性も高まるでしょう。

まとめ

どんな補助金・助成金なら店舗改装に使えるのか?知りたい店舗オーナーの方に向け、本記事では店舗改装・リニューアルに活用できる補助金・助成金を紹介するとともに、申請時に注意しておくべきポイントも解説してきました。

返済する必要のない補助金・助成金は、是非とも活用したい制度ではありますが、それを前提とした事業計画を立てるのは非常にリスクが高いといわざるを得ません。重要なのは、なによりも自店舗の成長につながる、ベストな店舗改装・リニューアル計画を立てること。結果的に、それが補助金獲得への有力な材料ともなり得ます。

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