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土地家屋調査士の独占業務・仕事内容とは?測量士との違いも徹底解説!

公開日:2019年09月09日 最終更新日:2022年04月18日
土地家屋調査士の独占業務・仕事内容とは?測量士との違いも徹底解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 土地家屋調査士の仕事内容とは?
  • 土地家屋調査士にしかできない独占業務とは?
  • 土地家屋調査士と測量士はなにが違う?

数ある士業のなかでも、あまり馴染みのない土地家屋調査士。しかし、土地・建物の売買や住宅新築・改築・増築・取り壊しのときに欠かせない、一般市民にもっとも身近な士業であるのも土地家屋調査士です。本記事では、知っているようで知らない土地家屋調査士の独占業務・仕事内容を紹介するとともに、測量士との違いなどを解説していきます。

土地家屋調査士とは

日本に存在するすべての土地・建物は、不動産登記法によって不動産登記事項証明書への登記(登録)が義務付けられています。

不動産登記事項証明書は、どのような不動産なのか?を登記する「表題部」、不動産を所有しているのはだれなのか?を登記する「権利部」に分かれており、登記が任意である権利部に対し、表題部は必ず登記しなければならない義務です。具体的な登記内容は以下の通り。

登記事項証明書の区分 登記内容
表題部(土地) 所在、地番、地目(土地の目的)、地積(面積)、登記日付など
表題部(建物) 所在、家屋番号、種類(建物の目的)、構造、床面積、登記日付など
権利部(甲区) 所有者の氏名・住所など、共有者が存在すればそれぞれの持分
権利部(乙区) 住宅ローンなどに伴う抵当権

不動産登記事項証明書のうち、表題部の登記を代行できる専門家が、国家資格を保有する土地家屋調査士であり、表題登記は土地家屋調査士のみが代行できる独占業務でもあります。

本来、表題登記は不動産の所有者が行うべき義務ではありますが、専門知識のない一般の方が手続きするには難易度が高く、ときには正確な地積(面積)を登記するための測量も必要。こうした表題登記に関連する仕事を一手に引き受けてくれるのが土地家屋調査士なのです。

もっと詳しく知りたい方は、下記リンクをご覧ください。

土地家屋調査士の業務・仕事内容

もちろん、土地家屋調査士の業務・仕事内容は表題登記の代行だけではありません。以下の5つから簡単に解説していきましょう。

  • 土地・建物を表題登記するための調査・測量
  • 表題登記の申請手続き代行
  • 表題登記に関する審査請求の手続き代理
  • 筆界特定制度の手続き代理
  • 筆界に係る境界紛争の民事紛争解決手続の代理

参照元は下記リンクをご覧ください。

土地・建物を表題登記するための調査・測量

土地の一部を分割して売買する、住宅を新築・増築・取り壊すなどの場合、不動産の境界や面積などが変わるため、表題登記が必要になります。しかし、境界や面積を正確に登記するためには、不動産がどのように変わったのかを調査し、場合によっては測量しなければなりません。こうした表題登記するための不動産の調査・測量は土地家屋調査士の仕事です。

たとえば、土地を分筆(複数に分割する)登記する場合、仕事内容は以下のような手順になります。

  1. 登記所などで資料を収集して不動産を調査する
  2. 隣接する所有者の立ち会いのもと現地調査して筆界(境界)を確認
  3. 調査を経て測量

表題登記の申請手続き代行

上述したように、変更の生じた不動産は表題登記が必要であり、表題登記を代行するのも土地家屋調査士の仕事です。具体的には、調査・測量の結果をもとに、図面・地図を含む申請書類を作成し、依頼主の代行として登記申請手続きを進めていきます。表題登記が必要となる、代表的なパターンは以下の通り。

土地分筆登記 土地を分割した場合に必要な登記。相続・贈与などで土地を分割、土地を分割して一部売却など
土地合筆登記 複数の土地をまとめた場合に必要な登記。隣接する土地を買い増ししたなど
土地地目変更登記 土地の目的を変更した場合に必要な登記。農地を宅地にするなど
土地地積更正登記 登記事項証明書に記載された地積(面積)が実際と異なっていた場合に更正(修正)するための登記
建物表題登記 建物を新築した、建売住宅を購入した場合に、登記事項証明書の表題部に新規で登記する
建物表題変更登記 建物を増築・改築した場合に、登記事項証明書の表題部を変更する登記
建物滅失登記 建物を取り壊した場合に、登記事項証明書の表題に記載されている建物が亡くなったことを記載する登記

建物滅失登記についてもっと詳しく知りたい方は、下記リンクをご覧ください。

表題登記に関する審査請求の手続き代理

表題登記に関する審査請求とは、登記申請した表題部について、登記官が下した判断に不服があった場合に、法務局長に不服申立てする手続きのこと。まれに建物表題登記などで申請が却下されるケースがあるようですが、一般の方にとって審査請求は簡単ではありません。こうした場合は、土地家屋調査士に審査請求の手続き代理を依頼できます。

筆界特定制度の手続き代理

筆界(ひっかい)とは、明治後期に施行された不動産登記法によって、人為的に区画された「公法」上の土地の境界のこと。これとは別に「私法」上の境界として所有権の範囲を決める「所有権界」という、もうひとつの土地の境界があり、この2つがなんらかの理由でズレが生じると、隣接する土地の所有者間で裁判に発展する場合があります。

こうした境界紛争を穏便に解決するため、筆界の専門的な知識を持つ筆界調査委員が、申請のあった土地を調査して意見書を提出し、それを踏まえたうえで、法務局の筆界特定登記官が正しいと認識できる筆界を特定する制度のことを筆界特定制度といいます。

筆界特定制度は、当事者が自ら手続きすることも可能ですが、事前に主張の根拠となる筆界を明確にしておくことが解決のポイント。筆界特定制度を利用するための手続き代行、事前の測量なども土地家屋調査士に依頼できます。立ち会いが必要となる測量に関しても、中立の立場である土地家屋調査士が間に入ることでスムーズに進む可能性が高くなります。

筆界特定制度についてもっと詳しく知りたい方は、下記リンクをご覧ください。

筆界に係る境界紛争の民事紛争解決手続の代理

相手方が結果に納得できないなど、筆界特定制度が不調に終わった場合、裁判に持ち込む前に、境界問題ADRを利用可能。

境界問題ADRとは、所有権界の問題を調停・話し合いによって解決するため、ADR認定土地家屋調査士と弁護士が協力してサポートする制度のこと。全国約50か所に境界問題相談センター(ADRセンター)が設置されており、土地家屋調査士会によって運営されています。

土地家屋調査士と測量士の違いとは

土地家屋調査士と測量士は、測量をするという点では共通していますが、いくつか違いがあります。ここからは両者の違いについて、以下の3つの観点から見ていきます。

  • 業務内容の違い
  • 資格難易度の違い
  • 収入の違い

業務内容の違い

まずは業務内容の違いについて解説します。

土地家屋調査士の業務は主に、登記申請及び筆界特定です。それに対して測量士の業務は測量のみとなり、登記申請を行うことはできません。言い換えると測量士は登記目的の測量はできないわけです。

測量士の具体的な業務は、道路や橋、トンネルやダムなど、公共の建築物を作る際に必要な測量となります。公共の建築物が関わる業務のため、測量士の資格は建築業界で需要が多く、評価されやすい資格と言えます。

反対に土地家屋調査士は、登記が目的以外の測量は行えないため、両者の業務ははっきりと住み分けされています。

資格難易度の違い

土地家屋調査士と測量士の資格難易度の違いについて、実際の数字をもとに解説します。

土地家屋調査士の資格取得状況

土地家屋調査士の資格は受験者数が減少傾向にあるものの、毎年4,000人を超える人が受験しています。

合格率は毎年約8.5%で、合格者の平均年齢は39歳。合格に必要な勉強期間は1〜2年と言われています。 合格率だけを見ると敷居が高い印象がありますが、会社員の方などが仕事の合間に勉強し受験している場合が多いようです。

測量士の資格取得状況

測量士の資格は、受験者数に毎年多少ばらつきがありますが、毎年3000人前後の方が受験しています。

合格率は毎年約10%のため土地家屋調査士より若干高いとはいえ難関と言えます。合格に必要な勉強期間は6か月ほどと言われています。また、測量士よりも測量士補の資格取得を目指す方が多く、毎年約10,000〜15,000人の方が受験しています。測量士補の合格率は30%を超えています。

測量士補を取得すると、文部科学大臣や国土交通大臣認定の学校で必要な専門知識や技能を修得し、2〜3年の実務経験を経ることで測量士の試験は免除されます。

収入の違い

土地家屋調査士と測量士の収入の違いについて、実際に数字を紹介します。

土地家屋調査士の収入

土地家屋調査士の年収は平均で400万円〜800万円です。もちろん実績や経験、会社により変わりますが、比較的高収入と言えるでしょう。

初任給が高いのも魅力で、平均で350万円と新卒の平均年収が280万円と比較しても高い年収です。さらに、40代、50代のベテラン土地家屋調査士の中には年収で1,000万を超える人も多く存在します。


測量士の収入

一方、測量士の年収は平均で約450万円です。

土木会社、建築会社、開発業者、官公庁と様々な業種で活躍できる測量士ですが、どの分野においても大きな違いは見られませんが、建築会社がやや低い傾向にあります。

最大年収でも700万円には届かないため、平均的なサラリーマンの年収と同程度と言えるでしょう。

まとめ

土地家屋調査士の仕事がなくなることはありません

新しく建物を建てたり増築したり、土地をまとめたり分けたりする場合、不動産の表題登記が義務付けられています。また、国民の権利意識の高まりにより、境界に関する業務が増えています。これらは土地家屋調査士の独占業務です。

たとえば昭和40年代の測量は、まだ巻尺を引っぱって目測で測量し、ノートに手書きしていました。その頃の測量図は精度が高いとは到底言えませんよね。 都市部においても、このような境界のはっきりしていない土地もまだまだ多く、土地家屋調査士はますます活躍の場が増えていくことが予想されます。

資格取得は難易度が高いものの、やりがいのある魅力的な職業と言えます。

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