株式会社田中光工務店

金剛能楽堂の移築、解体がきっかけで、ある能楽師の稽古舞台棟を新築することになりました。 まさかあのK.I師から私宛にメールが…しかも直接…ご自宅営繕には伺っていたが、直接お会いしたのは数えるほど。感激。「稽古用とはいえ3間四方に後座、脇座のスペースも取る。桧で3間通しの四方無地は大変なので貼りでもいいよ」と言われたが、絶対無垢でやるという思いはゆるがない。さんざん探したあげく何のことはない、師が数年前に能の公演がきっかけで知り合ったという桐村製材さんのご協力で調達できました。何より極めつけは門塀工事。RC（鉄筋コンクリート造）打ち放しと木の組み合わせ、しかも車で帰ってくる師が通れる門をご所望。メンテナンスフリーな建具を、というご希望は、せっかく桐村さんという強い味方があるのだからと強く進言、桧を用いる許可を戴きました。RC（鉄筋コンクリート造）に囲まれた幅6.8mの開口中央を引き分けの格子戸、その両側を可動式板塀とすることでガレージの入口らしくないファサードが出来たと思っています。ただ幅2.5mもある引き戸の重量は、ハンガー式戸車の調整を狂わせ、気候天候による変化もあり、いろいろ調整手直しを経てようやく落ち着いてきました。抜本的な手直しの必要性を感じています。