人材紹介会社を起業するためにはどんな条件をクリアすれば良いのか

そもそもどんな人材紹介会社を目指すのか

人材に関する会社を起業しようと考える際に重要なのが、しっかりとしたビジョンを持つことです。具体的な手続きやお金の話をする前に、会社が目指すべき姿を明確にしてください。この部分がしっかりしていないと、着地点を見失ってしまいます。

ここでは人材紹介会社について説明していきます。人材派遣会社と勘違いしている人も少なからず居るので、まずはその違いを明確にしていきましょう。

人材紹介会社と人材派遣会社の違い

人材紹介会社は、人材を情報として扱います。自社で雇用するのではなく、労働者を求めている企業に適した人材を紹介するのです。人材派遣会社は、自社が労働者の雇用主になって、就業先へ派遣する形を取っています。

人材派遣会社としてスタートするためにはある程度のしっかりとした土台が必要になりますが、人材紹介会社は自社で働く人たちの雇用だけで済むため、スタートしやすいという大きなメリットがあるのです。

起業のしやすさで考えるなら人材紹介会社

これから起業しようと考えているなら、人材紹介会社の方が圧倒的に始めやすいです。派遣会社の方が市場規模や利益率は高いのですが、企業時に必要な資本金要件や免許の取得はハードルが高く、ある程度の土台がなければなかなか実現できません。

1からのスタートを考えているなら、まずは人材紹介会社から始め、そこから成長させていくと良いでしょう。

人材紹介会社を起業するために必要なこと

人材紹介会社を起業する場合は、何が必要になるのでしょうか。しっかりとした会社を作るためにはクリアしなければならないことは多くありますが、人材紹介事業は国からの認可が必要な許認可事業なので、普通に会社を起業するよりはハードルが高いです。

まずは会社としての形を作るために必要なもの、そして人材紹介業をしていく上で必要になるものをチェックしていきましょう。

人材紹介会社の資本金

業態によっては資本金が最低限のレベルでも起業できますが、人材紹介会社の場合は条件が厳しくなっています。創業時には資本金が500万円必要で、その中で現金が150万円以上を占めている必要があるのです。まずこれだけのお金を用意しなければ、最低限の要件をクリアできません。

起業する際のオフィスはどうするのか

人材紹介会社を立ち上げるなら、会社として活動していくためのオフィスが必要です。ひとまず最低限の事務所環境さえ整えれば良いと考えている人もいますが、ここでもクリアしなければならない条件が出てきます。

以前は面積が20平米以上である条件も定められていましたが、これにより事務所探しに苦労する事例が多発したため、法改正によって撤廃されました。それ以外にも条件はありますが、改めて見てみると当たり前のことばかりです。

職業紹介会社として適切な場所にあって、他の公的機関と誤認しないこと、求人者や求職者の個人的な秘密を守れる構造、オフィスの名義が人材紹介業を始める人の名義と同一であることです。

ここでの条件は最低限のものなので、その上で人材紹介会社として成功するための場所探しをする必要があります。交通のアクセスなど、利用しやすい環境でなければ起業してもなかなか成功できないでしょう。

人材紹介会社を起業する上で必要な法律の知識

人材紹介会社として活動をする際には、法律の知識が必要です。様々なケースに対応できるようになる必要もあり、まずは職業安定法についてしっかりと勉強する必要があるでしょう。

厚生労働省から認可を受けて、初めて人材紹介会社は成り立ちます。その認可を受けるためには、責任者がしっかりとした法律の知識を持っている必要があるからです。

職業斡旋は様々な法律によって規制されており、それを逸脱すると違法行為になってしまいます。そうならないためにも、職業安定法や雇用・労働に関する法律知識はしっかりと身につけるようにしましょう。

人材紹介会社として許認可を得る

会社を設立するためには登記作業が必要です。そして、人材紹介会社として営業していくためには、許認可申請をして免許を取得しなければいけません。

ここで重要なのは、職業紹介責任者としての条件を満たせているのかどうかです。財産、個人情報保護、オフィスに関してはクリアしている前提での話になりますが、職業紹介責任者になるためには、2つの条件を満たしている必要があります。

ひとつは「職業紹介責任者講習会」を受講していることです。これに関しては実際に講習を受ければ良いだけの話なので、それほど難しいことではありません。全国各地で4事業者が講習を開催しているので、予約して受けるようにしてください。

もうひとつは成年になってから3年以上の職務経験があることです。これは正規・非正規を問わず、企業に雇われて仕事をしていた実績があれば大丈夫です。成年になってからなので、最低でも23歳以上でなければ職業紹介責任者にはなれないと言うことにもなります。

これらの条件を満たした上で、許認可申請をして免許が得られれば、人材紹介会社を起業するための準備は整ったも同然です。ただし、起業はできてもそこから成功させられるのかは、ここから先の作業にかかっています。

起業後の戦略設計を決める

人材紹介会社を起業する準備は整っても、それはスタートラインに立った状態であって、ゴールではありません。実際に人材紹介会社として活動をする中で、どのような事業プランを持って活動するのかが重要になります。

自社の強みは何を目指すのか、紹介事業者としてどういうポジションを目指すのか、集客をどうするのかなど考えなければならないことはたくさんあります。実際に会社として動き出してから修正が必要になることもありますが、しっかりと土台を作れるようにしましょう。

まとめ

人材紹介会社を人材派遣会社と混同する人もいますが、事業としては別なものになります。そして起業する際も、様々な条件をクリアする必要があるのです。

就職難・人手不足で困っている人や企業は数多くあります。その間に立って雇用問題を解決するためにも、人材紹介会社が持つ役割は重要です。

ここで紹介した内容は最低限必要なものなので、ビジネスとして成功するために知っておかなければならないことはさらに多くあります。多くの経験をして知識を身につけてこそ成功するのが会社起業です。自分には何が必要なのかを調べて、人材紹介会社として成功できるようにしましょう。

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