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個人情報漏洩保険とサイバー保険の違いについて

更新日:2020年12月01日
個人情報漏洩保険とサイバー保険の違いについて

近年、企業に対するサイバー攻撃で個人情報のデータベースが漏洩するといった事件が増加傾向にあり、社会的脅威として問題になっています。サイバー攻撃に対応する保険商品とて「個人情報漏洩保険」がありますが、それとは別に「サイバー保険」と呼ばれるものもあります。2つの保険の違いはどこにあるのか、見ていきましょう。

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個人情報漏洩保険とサイバー保険の違い

「個人情報漏洩保険」と「サイバー保険」の相違点はカバーする範囲が広いことにあります。

IT保険として先行して誕生したのは「個人情報漏洩保険」で、サイバー攻撃や事故により情報漏洩が起きたとき、その漏洩部分に応じて発生する賠償損害や費用損害を補填することが目的です。

サイバー保険はサイバー攻撃を始めとするネットワーク上の事件・事故に対し、包括的で全体的な補償を行うものとなっており、公共機関の指摘を受けて行う調査の費用や対応している間にネットアークを中断することによって生じる損害といった、情報漏洩以外に生じる損害分をもカバーするサービスになっています。

不正アクセスで生じる具体的な被害

企業がサイバー攻撃によって不正アクセスを受けた際、どのような被害が発生しうるか、下記のような具体例が考えられます。

  • 情報漏洩が原因で発生した被害に対しての法的賠償費用
  • 不正アクセスによって被ったシステム損害とデータの復旧にかかる費用
  • 不正アクセスの可能性の調査に必要な第三者機関に支払う調査費用
  • 訴訟費用
  • サービス停止中に生じる費用的損害

個人情報漏洩保険の補償範囲は「情報漏洩」部分だけ

サイバー攻撃によって受ける損害は上述の通り、多岐にわたりますが、一般的な個人情報漏洩保険の補償が適用されるのは「個人情報漏洩」に関する部分だけ、ということに注意が必要です。

補償の適用範囲が「個人情報漏洩」に限定されるということは、「不正アクセスを受けたが情報漏洩はない」場合や「データベース破損の復旧にかかる費用」など、サイバー攻撃で生じる損害の多くが適用範囲外になってしまいます。

特約である程度守備範囲を広げることはできる

ただし、個人情報漏洩保険には特約の追加で補償範囲を広げられる商品もあります。

特約の例としては、個人情報漏洩保険の補償範囲を法人=企業情報まで広げた「企業情報漏洩特約」や、クレジットカード情報の漏洩に備える「クレジットカード番号不正使用賠償責任特約」などがあります。

また、サイバー攻撃により事件対応として生じるコンサルティング料金の上限額を増やす「危機管理コンサルティング費用倍額支払い特約」、危機管理費用の支払い上限額を倍にする「危機管理実行費用倍額支払特約」などもありますが、サイバー攻撃によって生じる個人情報漏洩以外のデータやシステム上の損害に対する補償は原則含まれていません。

サイバー攻撃による損害補償は、サイバー保険の方が適している

個人情報漏洩保険と違い、サイバー保険は一般的に「IT攻撃全般で生じる損害」を包括的にフォローしているので、多くのケースで必要な補償を受けられます。

個人情報漏洩保険では対応できない、データ復旧にかかる費用やネットワーク中断によって生じる損害等、情報漏洩とは違う損害に対しても、サイバー保険では補償が適用されます。商品によっては、再発防止策構築のためのコンサルティング費用なども補償として受けられるものがあるので安心です。

サイバー保険の標準的な料金相場

サイバー保険は、個人情報漏洩保険よりも、サイバー攻撃によって生じる可能性のある損害をより包括的に補償してくれる保険ですが、保証範囲が広い分、当然、料金も個人情報漏洩保険より高くなります。

中小企業のサイバー保険の保険料は年間数十万円程度

サイバー保険の保険料は、補償内容・事業形態・会社規模等、査定項目により大きく違ってきますので、料金はあくまで目安となりますが、中小企業の場合は大まかに言って、年額で「数十万円」程度が相場と言えます。

サイバー保険料金のモデルケース

サイバー保険の保険料に関するモデルケースとしては、次のような事例を挙げることができます。

ECサイトをメインとして、さまざまなITサービスに対し自社製品を展開する、年商1億円程度の中小企業が、賠償支払いの限度額を1億円に設定した場合の保険料の見積額は、年額で約335,000円となります。

BtoBをメインとして国際的ビジネス展開をしている、年商1億円程度のASP事業者の場合、保険料の見積額は年額で518,000円となります。

個人情報漏洩保険の方が保険料は割安

サイバー保険と個人情報漏洩保険の保険料を比較した場合、補償範囲が狭い分、個人情報漏洩保険の方が割安です。

具体例を挙げると、年商30億円ほどの建設請負業務をメインに展開している地場企業の場合、補償の上限額設定を1億円とした保険料の見積もりは139,000円となっています。やはり補償する損害の範囲を原則「個人情報の漏洩」に限定されている分、サイバー保険と比較すればいくらか割安になっていると言えます。

ここで挙げている事例はあくまで例にすぎません。実際にサイバー保険、または個人情報漏洩保険を導入する場合、見積金額がどの程度になるかは、サービスに関するさまざまな要因によって大きく異なってくることもあります。確実な情報を知りたい場合は、資料請求して実際に見積もりを取ってみることをおすすめします

業種や事業形態による影響も大きい

サイバー保険の保険料が、会社の規模や年商額で増減することは上述の通りですが、企業の業種や事業形態が大きく影響することにも注意が必要です。

特に年間保険料が高額になりがちなのが「IT関連企業」です。IT関連の事業を行っている企業はサイバー攻撃の標的にされやすい傾向にあり、リスクが高くなるのがその理由です。

逆に、ITとの関連性が低い不動産業や食品会社などの場合、サイバー攻撃を受けるリスクが低いと判断され、保険料が低額化することがあるようです。

また、企業の過去の経歴も影響します。過去にセキュリティインシデントを経験している企業やセキュリティの体制に不備があると判断された企業の場合、保険料は割高になってしまう傾向があるようです。

まとめ

個人情報漏洩保険とサイバー保険は、補償対象となる範囲や保険料など、多くの相違点があります。自社にどれほどサイバー攻撃のリスクがあるかなど、諸条件を検討の上、好ましい方を選択するのが良いでしょう。

ただし、サイバー攻撃の手口は常に予想もできない方法が生み出されている状況にあります。現在の想定を超える攻撃を受ける可能性がないと断言することができません。より包括的にIT関連の損害リスクへの対応を考えたいのであれば、サイバー保険を選択した方がよいでしょう。

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山近 百花
執筆者

法政大学法学部政治学科卒業後、アパレル系の販売職に勤める。全国の店舗対抗の接客スキルを競う大会にて審査員特別賞を受賞した。現職のワンズマインドでは前職の接客経験を活かし前期の営業成績TOPになるまでに至る。営業業務を行う傍ら、現場で見聞きした意見や見地をもとにメディア運用業務も行う。

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