比較することで求めるものが見えた、百年の歴史を誇る交響楽団のHP刷新

早稲田大学交響楽団様 × 合同会社サンアント様 比較ビズご利用事例
写真左から、合同会社サンアント 代表 神保 泰視様、早稲田大学交響楽団 IT推進係 田中 大雅様
株式会社ワンズマインド 企画制作部 新海 美音

1913年創立、約300人の団員を擁する早稲田大学交響楽団。学生主体でオーケストラを運営するという伝統のもと、演奏活動だけでなく、広報・財務・IT管理に至るまで、あらゆる業務を団員自らが担っています。

そんな同楽団が課題として抱えていたのが、旧ホームページの使い勝手でした。チケット購入までの導線の分かりづらさ、スマートフォン閲覧時の不便さ、表示速度の遅さなど、改善すべき点は明確だったものの、学生だけで対応するには限界がありました。

そこで活用したのが、ビジネスマッチングサービス「比較ビズ」。21社もの制作会社から提案が集まる中、デモページの完成度と提案力が決め手となり、BtoB企業のホームページ制作を専門とする合同会社サンアントとのプロジェクトが始動しました。

今回は、早稲田大学交響楽団 IT推進係チーフの田中様、合同会社サンアントの神保様に、プロジェクトの背景や制作の工夫などについて詳しくお話を伺いました。

発注者
IT推進係 チーフ 田中 大雅様

1913年創立、約300人の団員を擁する全国最大級の学生オーケストラ。NHK交響楽団や海外の著名なオーケストラのトレーナーを招き、高水準の音楽づくりに取り組んでいる。演奏活動から財政管理・広報・IT管理に至るまで、すべての運営を学生自治で行っているのが特徴。

受注者
代表 神保 泰視様

BtoB企業を中心にホームページ制作を専門とする制作会社。3名全員が制作経験者という体制のもと、デザインからプログラミングまで一貫して自社で対応。ヒアリングを重ねながら発注者と一緒にゴールを定め、最後まで伴走するスタイルを強みとしている。

聞き手
株式会社ワンズマインド 比較ビズ
企画制作部 新海 美音

2022年に株式会社ワンズマインドに入社。ビジネスマッチングサービス「比較ビズ」のオウンドメディア「比較ビズまとめ」を担当。ユーザー拡大に向けたマーケティング企画やPR活動など、領域を横断して様々な施策に取り組んでいる。

300人規模の学生交響楽団が直面した、内製運営の限界

新海

今回、ホームページをリニューアルされた背景を教えてください。

発注者田中様

旧ホームページの使い勝手に課題を感じていたのが背景にあります。私たちの楽団は演奏活動だけでなく、演奏会の手配や財政管理、IT管理に至るまであらゆる運営を学生自身が担っていて、ひとつの会社のような組織になっています。ホームページも学生のみで制作・運用してきましたが、時代とともに課題が目立つようになってきたんです。

新海

具体的には、どのような課題があったのでしょうか。

発注者田中様

ひとつは、チケット購入までの導線です。旧ホームページではチケットへのボタンが画面右端に小さく置かれているだけで、スマートフォンでは表示すらされない状態でした。楽団にとってコンサート収入は運営に欠かせない収入源なのですが、購入までに何度もクリックが必要で、使いづらさを感じていました。

ふたつめは表示速度の遅さです。3秒以上かかる状態が続いていましたが、楽団内では原因が特定できず、歴代の担当者も改善できずにいました。

新海

最初は自分たちで改善しようと思っていたんですか?

発注者田中様

はい。楽団には幹事会をはじめ複数の運営チームがあって、私が担当しているIT推進係はホームページの運用やPCの管理などを担う係でして。コーディングが得意な私がメインで改善を進めていたんですが、どうしてもデザイン面で納得のいくものが作れなくて。それで外部の制作会社に依頼することにしました。

新海

どのように発注先を探し始めましたか?

発注者田中様

まずは自分でホームページ制作会社を調べてみたんですが、検索結果画面の上部に表示される会社はどこも大手の制作会社で、費用がかなり高い印象を受けました。情報収集を続けながら比較ビズを見つけ、複数社にまとめて相談できる上に費用もかからないということで、比較ビズ一本に絞って発注先を探すことにしました。

21社との比較で見つけた、本当に求めていたもの

新海

比較ビズに登録してみて、何社くらいから提案が集まりましたか。

発注者田中様

最初は多くても15社くらいから提案を受ければ見つかるかなと思っていたんですが、せっかくならたくさんご提案いただきたいと思って。思い切って上限をなくしてみたら、21社からご提案いただきました。

最終的な意思決定は幹事会が行うので、私は各社の見積金額や制作プロセス、完成までの目安、デモページの印象などを全社分スライドにまとめて幹事会に共有しました。

新海

幹事会の皆様は、どのような観点で検討されたのでしょうか。

発注者田中様

金額とデザインが主な判断基準でした。30万円台の安価な提案もあったので金額面では迷ったんですが、見積書の内訳が曖昧な会社もあって、追加費用が積み上がるリスクを考えると単純な金額比較だけでは決められなくて。最終的にはデザインが決め手になりました。

サンアント様のデモページはかなり印象的で、ページの読み込み中にロゴが動く演出が施されていたんです。以前から楽団内で実装したいと話が挙がっていた演出だったので、幹事会のメンバーに見せたら「ここがいい」と即決に近い反応で。

新海

ほかにも決め手になった提案はありましたか。

発注者田中様

「データで見る早稲田大学交響楽団」というコンテンツの提案も大きかったです。

本プロジェクトで新たに追加された「データで見る早稲田大学交響楽団」

入団を考えている新入生にとって活動実態が一目で分かるコンテンツで、幹事会のメンバーからの評価も非常に高かったです。練習曜日を避けてバイトを入れやすい曜日はどこかとか、団内では出てこなかったようなアイデアをどんどん提案していただいて。出したい項目は全部通っていただいたので、本当にありがたかったです。

新海

サンアント様のご提案はどのような経緯で生まれたのでしょうか。

受注者神保様

比較ビズ上で案件概要を見た時点で、楽団員に関する情報をまとめたコンテンツが刺さると感じていました。気に入っていただけてよかったです。

弊社の場合、本格的なホームページの新規制作やリニューアルにおいては、見積もりとセットでデモページを作ることが多く、現在公開されているトップページの大部分は、ご提案時からすでに作り込んでいた内容です。お客様には早い段階から完成イメージを持っていただけるよう、できる限り具体的にご提案することを意識しています。

新海

多数の制作会社とのやりとりの中で、大変だったことはありましたか。

発注者田中様

一番大きかったのは、意思決定の難しさです。21社から6社まで絞り込むだけでもかなりの時間を要しましたし、自分一人では決められないので、段階ごとに幹事会のメンバーと合意を取りながら進める必要がありました。

新海

それでも最終的にサンアント様に決めた理由は何だったんでしょうか。

発注者田中様

デザインはもちろんなんですが、こちらが言語化しきれていない部分まで汲み取っていただけたことが大きかったです。要望を優しく受け止めてくれる会社にお願いしたいという気持ちがあったので、サンアント様はまさにそういう印象でした。

世界観と更新性を両立させたホームページ設計

新海

貴楽団のホームページを訪れた方に対し、どのようなことを伝えたかったのでしょうか。

発注者田中様

主に2点ありました。1点目は、100年以上の歴史を持つブランドの重み。2点目は、年4〜5回の主催公演や複数の依頼演奏を行う活動の豊かさです。この楽団の魅力を広く知ってもらい、1人でも多くの方に足を運んでいただけるよう、ホームページ全体を通して伝えたいと思っていました。

新海

そのメッセージを、神保様はどのようにデザインへ落とし込んだのでしょうか。

受注者神保様

いわゆる"早稲田カラー"と呼ばれるえんじ色を軸に考え、最終的に「ダークトーンのえんじ色×金色のアクセント」で仕上げました。トップページのキービジュアルには、由緒ある楽団としての品格を表現するため、ステンドグラスをイメージした写真の切り替え演出を取り入れました。

高級感やプロフェッショナル感を保ちつつ、学生オーケストラらしい若々しさも残せるよう意識しました。品格だけに寄りすぎない、ちょうどよいバランスを目指したつもりです。

新海

今回の制作で、特に注力された点を教えていただけますか。

受注者神保様

一番意識したのは更新性です。学生団体が運営するホームページなので、毎年担当者が変わるという前提条件のもと制作する必要がありました。WEBに関する知識がない方でも簡単に扱えつつも、詳しい方はより柔軟にカスタマイズできる設計を目指しました。

新海

技術面ではどのような対応をされたのでしょうか。

受注者神保様

「データで見る早稲田大学交響楽団」は、通常であればコーディング負荷の高いコンテンツですが、今回のプロジェクトではGoogleスプレッドシートを活用しました。在学中の学生のデータを入力するだけで、最新の情報に反映できる仕組みにしています。コンサート情報の更新も、WordPress標準のブロック編集と、自社製プラグインの両方で対応できるようにしました。

新海

神保様から見て、旧ホームページのどのあたりが課題だと感じましたか。

受注者神保様

旧ホームページはたどり着くまでのクリック数が多く、たとえばトレーナー・講師の情報を見るだけでも何度もクリックが必要でした。今回は「できるだけ少ないクリックで情報にたどり着けるようにしたい」というご要望もあり、情報設計自体も整理し直しています。歴史ある楽団なので、長く使えるオンラインアーカイブとしての役割も意識しました。

新海

実際に使う側として、どのように感じられましたか。

発注者田中様

WordPressがここまで柔軟に使えるとは思っていなかったので、正直かなり勉強になりました。知識がない人でも使いやすく、詳しい人はさらに応用できる設計になっていて、次の担当者にも安心して引き継げそうです。

苦労と発見が交差した半年間のプロジェクト

新海

制作を進める中で、大変だったことはありましたか。

発注者田中様

あとから振り返ると、制作中よりも制作会社を決めるときに21社分の情報をスライドにまとめる作業が一番しんどかったですね。情報をまとめながら、自分でも驚くほどの作業量になっていました(笑)。

制作に入ってからも、都度幹事会のメンバーに確認して合意を取ってから返答するという流れで。半年近くのプロジェクトだったので、その繰り返しでした。ただ、団内では出てこなかったようなアイデアをどんどん提案していただいて、それがどんどん形になっていく楽しさもありました。

新海

大変な中にも楽しさがあったんですね。他に印象に残っていることはありますか。

発注者田中様

少し個人的な話なんですが、一段落したタイミングで海外へ語学留学に出発したんです。現地の空港から神保様と修正のやりとりが始まって、時差も考えながらメールでやりとりしたのは、今となってはとても濃い思い出です。

新海

公開後の反響はいかがでしたか。

発注者田中様

かなり好評でした。新入生向けに限定公開していた情報を思い切って全体公開したことで「面白い」「分かりやすい」という声を多くいただきました。デザインについても「高級感がありながら学生オケらしい」と言ってもらえて。

Googleアナリティクスを見ても、入学式の日や新歓イベントの後に少しずつアクセスが伸びていました。ちゃんと新入生に届いている実感があって、それが嬉しかったです。

新海

神保様にとって、今回はどんなプロジェクトでしたか。

受注者神保様

演奏会にもご招待いただきましたし、単なる制作案件ではなく特別な関係性が生まれたプロジェクトだったと感じています。公開して終わりではなく、その後のつながりまで含めて印象深い案件でした。

比較が生んだ出会いと、これからへの思い

新海

田中様は比較ビズをご利用いただいていかがでしたか。

発注者田中様

情報収集がしやすく、使いやすいサービスでした。各社の考え方や提案を比較していく中で、「この会社はこう考えていて、あの会社はこう考えている、でも自分たちが求めているのはこっちかな」という感覚が積み重なって、自分たちが本当に求めているものの輪郭が少しずつ見えてきたんです。「何が分からないのか分からない」という段階でも、比較しながら方向性を定められるのは大きかったですね。

新海

神保様は受注者として継続して比較ビズをご利用いただいていますが、ご感想はいかがでしょうか。

受注者神保様

複数のサービスを使っている中でも比較ビズが一番良心的だと感じています。新規案件のリードとしてメインで活用しているのですが、他サービスだと制作金額に対して一定割合のマージンが発生するケースもあります。比較ビズはその負担がないため、お客様に適正価格でご提案しやすいんです。

新海

最後に、お二方の今後の展望をお聞かせください。まず田中様からいかがでしょうか。

発注者田中様

私はあと2年で卒業しますが、今回制作いただいた新しいホームページをしっかりと活用しながら、次の担当者へ引き継いでいきたいと思っています。「この楽団がこれからも安定して続いていってほしい」という思いに尽きます。演奏する側としても、聴く側としても楽しめる楽団であり続けてほしいですね。

新海

神保様の今後の展望をお聞かせください。

受注者神保様

比較ビズに相談される方の多くは、ホームページ担当になったばかりで「何から始めればよいのか分からない」という状況にいらっしゃいます。今回の田中様もそうだったように、最初は何が課題なのかすら言語化できていない状態からスタートすることも多いんです。

だからこそ、ヒアリングを重ねながら一緒にゴールを定め、最後まで伴走するスタイルをより強化したいと思っています。「作って終わり」ではなく、その後も長く使い続けていただけるホームページを届けていきたいですね。

新海

今回のお話を通して印象的だったのは、比較を重ねる中で「自分たちは何を求めているのか」が少しずつ明確になっていった点でした。

「何が分からないのか分からない」という段階でも、多くの提案を比較することで方向性が見えてくる。そうした気づきが、発注者・受注者の双方にとって少しでもヒントになれば幸いです。改めて、貴重なお話をありがとうございました。

写真:富安 優斗