飲食店を開業するために必要な資金は?資金調達方法や資金を抑えるコツも紹介

最終更新日:2024年03月13日
飲食店を開業するために必要な資金は?資金調達方法や資金を抑えるコツも紹介
この記事で解決できるお悩み
  • 飲食店の開業に必要な資金はどれくらい?
  • 飲食店を開業する資金の調達方法は?
  • 飲食店の開業資金を抑える方法は?

「飲食店を開業するための費用はどれくらい?」「開業費用を抑えたい」とお考えの事業担当者や個人事業主の方、必見です。飲食店を開業するときの必要資金は、合計約1,000万円です。

この記事では、飲食店の開業を検討している経営者に向けて開業するために必要な資金や調達方法を解説します。開業資金を抑えるコツも紹介します。

記事を読み終わった頃には、飲食店を開業する資金をイメージできるでしょう。

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飲食店の開業に必要な資金

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飲食店の開業に必要な資金は、以下のとおりです。飲食店を開業する資金は、トータルで約1,000万円が必要になります。

  • 物件取得資金|約300万円
  • 内装資金や什器資金|約500万円
  • 厨房機器・設備費|約100万円
  • 広告費・ホームページ制作費|約50万円
  • 運転資金|約200万円
  • 生活資金|約300万円

物件取得資金|約300万円

飲食店を開業するときに賃貸する物件を取得するための資金です。

家賃の10カ月分が保証金や仲介手数料になるケースが多いため、仮に家賃が30万円としたら300万円の資金が必要になるでしょう。物件取得資金は、物件を取得する際の交渉内容によって変わります。想定していた金額よりも高い条件になっていた場合は、減額の交渉をするか、別の物件を探しましょう。

内装資金や什器資金|約500万円

飲食店のコンセプトにあわせて内装を工事する資金は、工事内容によって大きく変わりますが、相場は約500万円です。内装工事費用を抑えるためには、居抜き物件を探してできるだけ工事範囲を削減しましょう。

居抜き物件とは?

前に営業していた飲食店をそのまま引き継ぐ形で新たな事業を始める物件のことです。

什器を新しく揃えるために資金も必要ですが、こちらも居抜き物件の活用でコストを削減できます。事前に用意した資金と照らしあわせて、工事の設計をしましょう。

厨房機器・設備費|約100万円

厨房機器や食器類・設備にかかる費用は100万円程度です。

新しく揃える什器とあわせて、用意した資金の20%以内に収まるように調整しましょう。厨房機器・設備費が資金の20%を超えると、運転資金や生活資金のために準備した資金を圧迫するリスクがあります。

厨房機器は中古商品が多く出回っており、衛生面で問題ない場合は中古商品をうまく活用して費用を抑えましょう。

広告費・ホームページ制作費|約50万円

開業した飲食店を知ってもらうための広告費・ホームページ制作費の相場は約50万円です。ホームページを自分たちで作成したりブログを活用したりすると、費用を抑えられるでしょう。

広告費はオープンする場所と目的によっても変わります。駅前の繁華街にオープンさせる場合は、周りの競合と同じようにポータルサイトを活用して集客しましょう。地元密着で開業する場合は、SNSやポスティングの方が効果的です。

運転資金|約200万円

運転資金は、店舗を運営するために必要なランニングコストで、家賃・光熱費・人件費などで約6カ月分を用意します。運転資金には、食材や調味料などの仕入れに必要な費用も含まれます。運転資金が6カ月分準備できていれば、店舗の収益が悪いときも安心して経営できるでしょう。

運転資金で特に注意しなければならないのが人件費です。人件費は減額調整が難しく、採用したスタッフの生活も考慮してあげなければなりません。

運転資金を抑えられれば、売上が伸びないときでも収益を上げることができるため、定期的な見直しが重要です。

生活資金|約300万円

飲食店を開業したばかりのときは、飲食店の収入だけで生活を支えられないため、3カ月〜半年間の生活資金を用意します。生活水準にもよりますが、約300万円あると安心でしょう。

開業した飲食店で早期に収益を上げることができれば、用意していた資金は新しい投資や貯金に回すことができます。

開業資金を調達する3つの方法

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開業資金を調達する方法は、以下の3つです。

  1. 自己資金
  2. 銀行融資
  3. 投資家からの融資

固有の調達方法に偏るのではなく、バランスよく資金を調達しましょう。

1. 自己資金

自分で貯めた資金を飲食店の開業に利用する方法です。

飲食店の開業には、最低でも300万円ほどの開業資金が必要とされており、自己資金だけで開業する難易度は高いです。自己資金と融資を組み合わせた計画を立てましょう。

自己資金は返済の義務がないため、リスクが少ない開業資金です。店舗の開業費用における自己資金の割合を多くすると、銀行への返済額が減少して収支が出やすくなるでしょう。

2. 銀行融資

飲食店の開業資金を銀行に融資してもらう方法です。飲食店を成功させるビジネスプランや資金の返済計画を提出し、信用力や返済能力を認めてもらう必要があります。

融資の相場は、小規模なカフェであれば50万円〜300万円、居酒屋やレストランであれば200万円〜1,000万円です。多額の資金を集めやすいですが、融資時に決めた計画どおりに返済をする必要があり、毎月の収支を圧迫する点がデメリットです。

3. 投資家からの融資

投資家やビジネスパートナーから資金を集める方法です。

株式の譲渡や利益還元などの条件はありますが、飲食店で独立する際にスモールスタートがしやすい方法といえます。投資家からは出資形態になることが多いため、毎月の返済リスクは少ない場合が多いです。

投資家から出資された飲食店の場合、オーナーが投資家になるため、自由な店舗運営ができない点に注意しましょう。出資を受けた分、飲食店で利益が出たときはリターンを払い続ける必要があります。

飲食店の開業資金を抑える3つの方法

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飲食店の開業資金を抑える方法は、以下の3つです。

  1. 小さい飲食店から始める
  2. 居抜き物件や中古什器を利用する
  3. シンプルなメニュー構成を考える

飲食店の開業に向けて計画していた資金の中から、妥協しなければならない事項も出てきます。目的や目標を見失わないように、資金を利用する優先順位を決めましょう。

1. 小さい飲食店から始める

小さい飲食店から始めることで家賃や光熱費などの初期投資の資金を抑えられます。顧客の増加や需要の拡大があったときに、店舗の拡大や新規店舗の出店を計画を進めましょう。

小さい飲食店から始めると、開業した店舗の運用がうまくいかない場合もリスクを最小限に抑えられます。

2. 居抜き物件や中古什器を利用する

店舗の工事費用を抑えるために、居抜き物件を活用しましょう。什器は新品ではなく、中古の什器を利用すると購入費用を抑えられます。

飲食店同士のネットワークを広げることで、いい居抜き物件や良質の中古什器を紹介されやすくなるでしょう。

3. シンプルなメニュー構成を考える

複雑な調理が必要なものや、メニューの種類が多いと店舗の回転率は落ちてしまいます。開業した店舗が軌道に乗るまでは、効率的に調理できる範囲でシンプルなメニュー設計をするといいでしょう。

メニューをシンプルにすると仕入れ先を絞れるため、効率的に開業準備を進められます。

飲食店の開業に利用できる補助金・助成金

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飲食店の開業に利用できる補助金・助成金は、以下のとおりです。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • 外食産業事業成長支援補助金
  • 事業再構築補助金
  • 雇用調整助成金

助成金を活用できると、銀行からの融資額を抑えられ、開業後のリスクを低減できる点がメリットでしょう。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、インボイス制度を含むさまざまな制度変更への対応や販路拡大などに関連する経費の一部をサポートする補助金です。地域の雇用や産業を支える小規模事業者の生産性向上と持続的な発展を目的にした補助金です。

飲食店が補助金を申請するためには、従業員が5人以下である必要があります。補助金の限度額は、50万円〜200万円と条件によって幅があるため、申請前に問いあわせて調べましょう。

参照:小規模事業者持続化補助金

外食産業事業成長支援補助金

外食産業成長支援補助金は、外食業界の企業や店舗が課題解決・成長促進を目的に財政的支援を提供する助成金です。飲食店のメニュー開発や人材育成・マーケティング・店舗リニューアルに助成金を活用できるでしょう。

補助金を受けるためには前年売上伸長率が115%以下であることが条件です。補助金の限度額は、100万円〜1,000万円です。

参照:外食産業成長支援補助金

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、中小企業の新たな分野への進出をサポートする助成金です。新型コロナウイルス感染症の影響が継続的で、将来の需要や売上の回復が見通しづらい中小企業を支援します。

事業の方向転換や大胆な事業再構築に挑む企業の支援が、事業再構築補助金の目的です。

補助金を受けるためには売り上げが減少しており、事業再構築に取り組んでいることが条件で補助金の限度額は、8,000万円です。

参照:事業再構築補助金

雇用調整助成金

雇用調整助成金は、経済的な理由により事業活動を縮小せざるを得ない事業主に対して雇用にかかる費用を助成する仕組みです。一時的に従業員を休業させて雇用を維持するために支払った休業手当などの一部を補います。

雇用調整助成金は、従業員に直接支払われるのではなく、飲食店を開業した経営者に支払われるものです。開業後のリスク回避のために、助成金の活用を頭に入れましょう。

補助金を受ける条件は、最近3カ月の売上高が過去3年の同期と比較して30%以上減少していることで、1日1人あたりの上限は、9,000円です。

参照:雇用調整助成金

まとめ

飲食店を開業するときには、物件を借りる費用や什器を揃える費用だけではなく、数カ月の運転資金や生活資金を準備しましょう。居抜き物件や中古の調理器具を活用すると、飲食店開業の資金を抑えられます。さまざまな補助金の活用も検討しながら、計画的な資金調達をしましょう。

「比較ビズ」では、飲食店開業のサポートや資金調達のアドバイスをしてくれる業者を簡単に探すことができ、比較して相談できます。飲食店の開業資金調達に課題がある人は、ぜひ利用してください。

監修者のコメント
プロフェッショナルマネージャーグループ
代表 岩瀬 好史

大学卒業後、信用金庫で融資と営業を経験。リーマンショックの影響で融資先企業の業績が悪化する中、目の前で苦しむ企業を十分に支援できない自らの力不足を痛感。困っている企業の力になりたいと思い投資会社に転職し、中小企業の事業再生業務に従事。多くの再生案件に携わる中で現場の経営に関わりたいという思いが強くなり、副業で経営コンサルティング事業を開始。その後、視野を広げるために信用調査会社に転職し調査業務を行った後に独立。現在は経営者のパートナーとして、戦略立案・計画策定・資金調達・組織作り・人材育成・実行支援などを中心に、経営課題の解決を支援している。

飲食店は典型的な店舗型ビジネスのため、開業するまでにまとまった資金が必要になります。また、一度開業すると簡単に改装したり撤退したりすることができないため、開業前に慎重に検討する必要があります。

近年ではキッチンカーやテイクアウト専門店、間借りなど、いろいろな選択肢が広まってきており、工夫次第で必要な資金を抑えることも可能です。業態次第で経営の難易度も大幅に変わるため、しっかりと開業計画を検討することをお勧めします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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