カフェ開業で必要な資金は?内訳と費用を抑える方法

最終更新日:2023年09月25日
カフェ開業で必要な資金は?内訳と費用を抑える方法
この記事で解決できるお悩み
  • カフェ開業の資金はいくら必要?
  • カフェ開業にはどのような費用がかかる?
  • なるべく費用を抑えるためには?

「これからカフェ経営を始めたい」という方必見! この記事ではカフェを始めるために必要な資金について解説します。 最後まで読むことで、カフェの開業にかかる費用や節約の方法がわかります。

カフェ開業に活用できる補助金や助成金についても紹介するため、制度利用を検討している方もぜひ参考にしてください。

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カフェ経営にかかる開業資金の目安は400〜1,500万円

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カフェの開業を目指す経営者が用意しておくべき資金の目安は、400〜1,500万円です。カフェ経営にかかる費用は、どのようなスタイルで開業するかによって異なります。もっとも費用のかからない「移動型」であっても、400〜500万円は資金を用意しておく必要があります。

カフェ経営の開業資金を算出するためには、具体的な経営計画が大切です。計画があいまいなまま行動に移すと、途中で資金が足りなくなるケースもあります。

【店舗タイプ別】カフェ経営に必要な資金

カフェ経営には、大きく分けて「店舗型」「自宅型」「移動型」の3つのスタイルがあります。各スタイルでカフェの雰囲気や提供できるサービスが大きく異なります。それぞれの営業スタイルにおける必要資金の目安は、次のとおりです。

  • 店舗型カフェ:900〜1,500万円
  • 自宅型カフェ:700〜800万円
  • 移動型カフェ:400〜500万円

店舗型カフェ:900〜1,500万円

店舗型カフェの経営資金は、900〜1,500万円と想定されます。カフェの形態でもっとも一般的なのが、路面店やビル・商業施設などのテナントとして出店する「店舗型カフェ」です。

店舗型カフェの場合、基本的に店舗を出店するための賃料を含む「物件取得費用」が必須です。物件所得費用は家賃11〜12カ月分で、家賃が20万円のテナントの場合200万円以上が必要になります。

カフェとして営業できる環境を整えるためには、内装工事や看板製作、備品の購入が欠かせません。「店舗型カフェ」では、経営開始までの準備に費用や時間もかかります。

店舗型カフェのポイント

店舗型カフェを経営するポイントは、妥協できない点を明確にしておくことです。「自宅型」「移動型」と比べると「店舗型」は費用のかかる経営スタイルであるため、お金をかける部分とかけない部分の線引きが重要です。

店舗型は、経営者のこだわりを反映したカフェを作ることができます。しかし、資金が足りなければ妥協が必要なこともあるでしょう。そのため、カフェ経営における「譲れないポイント」をあらかじめ明確にしておくとスムーズに開業が進みます。

自宅型カフェ:700〜800万円

自宅の一部を改装してカフェに転用する「自宅型カフェ」は、近年人気を集めているカフェ経営のスタイルです。「自宅型カフェ」の経営資金は、700〜800万円です。

自宅をカフェとして利用するため、テナントにまつわる費用が発生しません。都内であれば200万円以上かかる物件取得費用が必要のない点は大きなメリットです。ただし、内装工事や設備にかかる費用は店舗型と変わりません。

自宅型カフェのポイント

自宅にすでにある設備(トイレやキッチンなど)を流用することで内装工事費も抑えられ、資金面ではメリットがたくさんあります。自宅型カフェは立地条件を選べない点がデメリットです。

人通りの少ない住宅街であれば、固定客を獲得するための集客施策が必須です。話題になってわざわざ足を運ぶ人がいる個性的なカフェである必要があります。装飾や設備において「自宅兼用」であることが制限になってしまうケースも想定されます。

移動型カフェ:400〜500万円

移動型カフェの経営資金は400〜500万円です。「移動型」とは、キッチンカーを活用してカフェを経営するスタイルです。「店舗型」や「自宅型」に比べると準備するものが少なく、費用が抑えられる特徴があります。

移動型カフェの開業資金で大きな割合を占めるのは、キッチンカー入手費です。中古であれば改造費込みでも250〜300万円でキッチンカーを準備でき、そのまま営業に使えます。ただし、別途駐車場代、ガソリン代などを考慮する必要があると理解しておきましょう。

移動型カフェのポイント

移動型カフェは費用を抑えて開業でき、土地を転々としながら経営できる点がメリットです。しかし、どこでも営業できるわけでない点に注意しましょう。自治体や商業施設と交渉して場所の一画を使わせてもらうという、営業場所の確保が必要なためです

場所代が必要なケースでは、利益に対する使用料が見合わないこともあります。事前にいくつかカフェができる場所の下見をしておくことが大切です。

カフェ経営に必要な資金の内訳5つ

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カフェ経営に必要な資金は、主に次の5つです。予定しているカフェの経営スタイルによってはかからない費用もあります。

項目 単価
物件取得費用 10万円 / 月 120万円
内装工事費用 40〜50万円 / 坪 400〜500万円
厨房機器費用 120万円 120万円
広告宣伝費用・備品費用 60万円 60万円
運転資金 10万円 / 月 100万円
合計   800〜900万円

1. 物件取得費用

カフェ開業に向けて物件の賃貸契約をする際に必要になるのが「物件取得費用」です。エリア・広さによっても金額は異なりますが、店舗として利用する物件は賃料12カ月分程度の物件取得費用が必要です。

賃料12カ月分の内訳の目安は、以下のとおりです。

  • 賃料10カ月分の保証金
  • 賃料1カ月分の礼金
  • 賃料1カ月分の仲介手数料

前家賃を含めた14カ月分を物件取得費用として想定しておくと安心です。内装工事の期間も賃料が発生するためです。月額賃料が高くなることで、それだけ物件取得費用の総額も高くなります。

2. 内装工事費用

こだわりがある内装を作るためには、設計費用、材料費、家具・インテリアを含んだ1坪当たりの単価は40〜50万円かかります。既製品のテーブルやイスを使うなどの工夫をすることで、もう少し費用を抑えられるでしょう。

腕に自信のある方であればDIYで内装工事費を節約する方法もあります。しかし、うまく進まなければ工事期間が長めになることが難点です。オープンが遅れて余計な賃料がかからないように、スケジュールを調整しつつ内装工事を進めましょう。

3. 厨房機器費用

10坪程度の小規模カフェであれば、厨房機器費用の合計は約120万円になる場合が一般的です。軽食も提供するのであれば、調理器具や食洗機などが追加で必要になるため、総額が200万円近くになるケースもあります。

どのようなカフェにするのかによっても異なりますが、少なくとも冷蔵庫・製氷機・コンロ・エスプレッソマシーンなどの厨房機器は必要です。

4. 広告宣伝費用・備品費用

10坪程度の小規模カフェであれば、広告費や備品費用の目安は以下のとおりです。

  • カップや食器などの備品:20〜30万円
  • 看板やレジ設置費用:20〜30万円
  • ホームページ制作:5〜30万円

ホームページ制作は、自作の場合は5万円程度、ホームページ制作会社に依頼する場合は30万円以上の費用がかかります。

広告費用はカフェ経営の重要な要素ですが、準備する項目が多く管理が難しい特徴があります。開業後に不足を見つけて慌てることがないよう、必要なものを事前にリストアップしておくことが肝心です。

5. 運転資金

一般的には、賃料の10カ月分の運転資金が必要だといわれています。賃料10万円であれば、10カ月分である100万円が、賃料20万円の物件の場合200万円が必要な計算です。

カフェを開業しても、すぐに集客して収益化できるとは限りません。充分な利益が出なくても経営が軌道に乗るまで運営し続けられるように、運転資金を確保しておくことが重要です。

カフェ経営にかかる資金を抑える3つの方法

カフェ経営にかかる資金は、経営のスタイルによって400〜1,500万円と大きく開きがあります。とくに「店舗型」でカフェを経営したい場合の資金は高額なため、上手に節約しながら準備を進めることが大切です。

カフェ経営資金を抑える主な方法は次の3つです。

  1. 居抜き物件を見つける
  2. 中古の家具や備品を探す
  3. なるべく自分で工事をする

1. 居抜き物件を見つける

カフェの開業資金を抑えるもっとも効果的な方法は、カフェの居抜き物件を探すことです。内装、厨房機器、食器類などを流用できれば、最小限の工事のみでカフェを開業できるためです。準備期間が短くすぐに営業開始できるメリットもあります。

高額な費用がかかる内装工事費用を抑えられれば、総額で数百万円節約することも可能です。工事が短期間で完了するため、余計な賃料を支払う必要もありません。

2. 中古の家具や備品を探す

厨房機器や備品を中古品で揃える、またはリースを活用することでカフェの内装工事費用・備品購入費用を抑えられます。スケルトン(内装がなにもない)の物件であっても、中古備品・家具を利用することで開業資金の節約が可能です。

条件に合う備品が見つかれば、総額が100万円以上の費用削減が期待できます。中古品で開業資金を抑えることは、カフェ経営におけるリスクヘッジといえます。経営を撤退せざるを得なくなった場合も、初期投資費用のダメージを最小減に抑えられるためです。

3. なるべく自分で工事をする

可能な限り自分で内装工事を行うことで、業者に依頼する費用が抑えられます。室内の塗装や装飾などは自力で作業できるため、費用の節約が可能です。カフェの開業に必要な設備のなかには、専門的な知識が必要な作業もあるので注意が必要です。

工期は専門業者が実施するよりもかかるため、オープンのスケジュールと調整しながら無理のない範囲で自作しましょう。

カフェ経営に活用できる助成金・補助金

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カフェ経営の資金集めをしている方は、条件に合えば助成金・補助金を受けられます。審査、採択があるため必ず利用できるわけではありませんが、数百万円の補助が得られる可能性もあります。

自治体によって助成金・補助金は異なりますが、とくに注目したいのが次の2つです。

  1. 創業補助金
  2. ものづくり助成金

1. 創業補助金

創業補助金は、創業したばかりの中小企業者が必要な経費の一部を助成してもらえる補助金です。自治体ごとに名称や要件が異なるため、起業予定の自治体に確認してみましょう。

たとえば東京都では「創業助成金」と呼ばれ、主な要件は以下のとおりです。

  • 都内で創業予定(または創業後5年未満)の中小企業者
  • TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者
  • 東京都制度融資(創業)利用者
  • 都内の公的創業支援施設入居者

東京都の創業助成金の助成内容は、次のとおりです。

  • 助成期間:6カ月〜2年間
  • 助成限度額:100〜300万円
  • 助成率:対象経費の3分の2以内
  • 助成対象:賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費

参照:創業助成金(東京都中小企業振興公社)|融資・助成制度

2. ものづくり助成金

ものづくり助成金は、中小企業・小規模事業者などの設備投資やプロセス改善にかかる費用をサポートする補助金です。研究開発、販路開拓、事業再生など幅広い範囲への補助が受けられ、返還の必要がありません。

ものづくり助成金の対象者は、以下の条件を満たす事業者です。

  • 小売業:資本金5,000万円以下または常時使用する従業員の数50人以下
  • 旅館業:資本金5,000万円以下または常時使用する従業員の数200人以下

新型コロナウイルスの感染予防対策費として採用される「低感染リスク型ビジネス枠」もあります。新しく事業を始める場合ぜひチェックしたい助成金です。

まとめ

カフェの経営にかかる費用は、節約や補助金の需給によって数百万円単位で変動します。なるべく費用を抑えるためには、時間に余裕をもって情報収集をしておくことが大切です。

比較ビズでは、複数の業者から無料で一括見積もりが取れます。条件や内容を比較しながら最適な業者を選べるため、費用を抑えてカフェを開業可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

監修者のコメント
Long Lasting Line (ロングラスティングライン)
代表者 福住 和久

実践戦略経営コンサルティングロング ロングラスティングライン代表。同志社大学商学部出身。大手米国系企業“P&Gジャパン”および“リーバイスジャパン”にて営業・マーケティング・戦略構築・組織構築の実務担当・責任者を経てフランスのフレグランスブランド “ディプティック ジャパン”にて日本法人社長。その後日本の企業アルファネット(株)にてCEO。それらの実践経験を基にビジネスコンサルティングファーム“ロング ラスティング ライン”を東京にて起業。経営・マーケティング・営業・評価制度・組織構築などの企業成長の要パートを専門に主に日本全国の中小企業・個人企業を支援。B to B およびB to B to Cモデルの企業を中心に支援。

飲食の場合は提供するものが”美味しい”ことは何の優位点でもありません。当然の事です。特にカフェとなると他店との味での優位性の維持は他の飲食よりも困難であると言えます。となると成功のためには差別化が重要になってきます。

それは味以外の見かけ、材料、器、インテリア、音楽を含めた空間デザイン、ユニークなメニューや接客であったりです。これはロケーション選定よりも重要だとも言えます。そしてその差別化を顧客に認知してもらわなければなりません。

そのため店の業態やコンセプトが、前を歩く人に簡単に容易に伝わる看板や外装デザインを含めた店作りがとても重要です。人は頭の中に何かを留めるのに時間がかかります。店を選定する時には2-3の候補から選ぶものです。その候補に入るか入らないかで決定的に売り上げが変わるのです。

カフェの場合、一般的に顧客は遠方からは来ません。となると一番の得意先は頻繁に店の前を歩く人たちです。 まずはこの方々を確実に取り込むようにしましょう。立地選定の際は、実際にその場所で終日自分の目でカウンター片手に、どっち方向からどんな人達が前を通るのかを調査することは必須です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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