派遣社員に確定申告は必要?4つのケースを詳しく解説!

税理士
監修者
税理士 佐藤 憲亮
最終更新日:2024年05月09日
派遣社員に確定申告は必要?4つのケースを詳しく解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 派遣社員に確定申告は必要?
  • 派遣社員が確定申告すべきケースは?
  • 確定申告を忘れるとどのようなデメリットがある?

派遣社員の方は「毎年確定申告が必要なの?」「申告しないと何かペナルティがある?」などの疑問を持つこともあるでしょう。派遣社員の方は基本的に確定申告は不要ですが、ケースによっては申告しなければなりません。

この記事では、派遣社員が確定申告すべきケースと申告しなかった場合のデメリットについて解説します。最後まで読めば、派遣社員の確定申告についての理解が深まるでしょう。

確定申告でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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派遣社員は基本的に確定申告が必要ない

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派遣社員として働いている方は、基本的に確定申告は不要です。派遣社員は、登録している派遣会社が源泉徴収する義務を負っています。納めるべき所得税が給料から天引きされているため、原則として確定申告は不要です。

派遣社員に限らず給与所得者が源泉徴収されている場合、差し引かれた所得税と本来支払うべき所得税に差が出てくるのが一般的です。派遣会社が年末調整によって所得税額を確定させてくれるため、派遣社員が何か行うべき手続きはありません。

確定申告と年末調整の違い

派遣社員は基本的に確定申告不要となり、登録している派遣会社が年末調整を行ってくれます。年末調整は、会社と雇用関係にある給与所得者が対象となる手続きです。源泉徴収により概算の所得税が天引きされていますが、医療費控除や住宅ローン控除は考慮されていません。

年末に改めて給与所得や各種控除を含めて税額計算や還付をしてくれるのが年末調整です。一方、確定申告は納税者本人が行う手続きである点が大きな違いといえます。源泉徴収されている給与所得者とは異なり、個人事業主やフリーランスの方は確定申告により、1年間の所得に基づいて所得税額を確定させなければなりません。

派遣社員で確定申告が必要になる4つのケース

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派遣社員でも確定申告が必要になるケースは主に以下の4つです。

  • 年末調整の段階で派遣会社に所属していないケース
  • 派遣会社が年末調整に対応していないケース
  • 派遣の収入以外に20万円を超える所得があるケース
  • 控除を受けたいケース

給与所得者にとって確定申告は頻繁に行うものではありませんが、これらのケースでは自分で申告しなければならないことを覚えておきましょう。

年末調整の段階で派遣会社に所属していないケース

1年間のうち、何カ月か派遣会社に登録していたものの、年末調整の段階で派遣会社に所属していない場合、自分で確定申告しなければなりません。派遣会社に所属している派遣社員は、その年の社会保険料や医療費などの控除を考慮し、年末調整によって所得税額が決まります。

年末調整時に派遣会社を辞めていると、会社に控除や納めすぎた所得税の還付を依頼することができません。その年に収めた所得税額がいくらなのか、過不足があるのか判断することも難しく、所得税が未納になるおそれもあります。自分で確定申告し、所得税額を確定させる必要があるでしょう。

派遣会社が年末調整に対応していないケース

派遣会社が年末調整に対応してくれない場合、派遣社員本人が確定申告します。派遣会社によりますが、会社が定める基準以下の所得の派遣社員に対しては年末調整をしてくれないケースもあるでしょう。年末調整には多くの時間と労力がかかるため、リソースを節約するために基準を設ける派遣会社もあります。

加えて、年末調整の直前に雇用契約を結んだケースでは、必要な情報がすべてそろっておらず年末調整に対応できないこともあるでしょう。派遣会社に所属していても、その年は自分で確定申告してほしいと依頼される可能性があります。

派遣の収入以外に20万円を超える所得があるケース

派遣会社で得ている給与所得のほかに20万円を超える所得がある場合には、確定申告が必要となります。1カ所から給与の支給を受けており、給与所得・退職所得を除いたほかの所得金額が20万円を超えるケースでは、派遣社員本人が確定申告しなければなりません。

現在、給与所得のほかに副業を持って収入を得ている人が多くいます。FXや仮想通貨、株取引、せどり、動画投稿などの副業で20万円を超える所得があるかどうか確認しましょう。重要な点は収入ではなく、収入から必要経費を差し引いた「所得」が20万円を超えるかどうかです。

控除を受けたいケース

もし何らかの所得控除を受けたいと考えているのであれば、必ず確定申告が必要です。たとえば、医療費が年間10万円を超えたケースやふるさと納税をしたケース、住宅ローン控除の適用を受けたいケースが該当します。

医療費控除やふるさと納税の寄付金控除の適用を受ける場合、毎回確定申告が必要です。一方、住宅ローン控除は初年度のみ確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整されるため確定申告は不要になります。

複数の派遣会社に所属しているケース

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たとえば複数の派遣会社に所属しているのであれば、メインの1社のみで年末調整が可能であり、他の派遣会社からの収入は副業として確定申告する必要があります。

とくにメインの派遣会社以外に、20万円を超える所得があった場合には、確定申告が必須です。登録しているすべての派遣会社から源泉徴収票をもらい、確定申告の準備をしましょう。

その年に複数の派遣会社で働いていたものの、12月の時点で1社のみになっているのであれば、その派遣会社にすべての源泉徴収票を提出して年末調整してもらえる可能性があります。

確定申告を忘れた場合のデメリット2つ

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確定申告を忘れた、不要と思ってしていないなどのケースでは、以下の2つのデメリットがあります。

  • 所得税の還付が受けられない
  • 延滞税・無申告加算税が課せられる

確定申告が必要なケースで申告しないでいると、ペナルティが課せられることもあるため注意しましょう。

所得税の還付が受けられない

確定申告が必要であるのに忘れていると、所得税の還付が受けられないデメリットがあります。派遣会社が年末調整によって所得税額を確定してくれるものの、控除はまったく考慮されていません。

その年に10万円もしくは年間所得の5%を超える医療費を支払った場合、課税所得から医療費が控除され支払いすぎた所得税が還付されます。所得金額によって数千円から数万円の還付が受けられるケースもあるため、適用される控除がある年は必ず確定申告しましょう。

延滞税・無申告加算税が課せられる

派遣会社からの給与所得以外に申告すべき所得があったにもかかわらず申告を忘れていた場合、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課されるおそれがあるでしょう。納税は国民の義務であるため、申告漏れや脱税には厳しいペナルティがあります。

納税額が実際の金額より少なかった場合には過少申告加算税、法定期限内に納税しなかった場合には延滞税が課せられます。申告を忘れると無申告加算税、所得隠しや経費の水増しなど悪質なケースでは重加算税と、税率がどんどん重くなっていくため、必要なケースでは必ず確定申告しましょう。

まとめ

派遣社員は、派遣会社が年末調整をしてくれるため基本的に確定申告は必要ありません。ただし、給与所得以外に20万円を超える所得がある、所得控除を受けたいなどのケースでは確定申告すべきです。確定申告が必要か不安な方は、税務署や税理士に相談してみるといいでしょう。

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監修者のコメント
税理士
佐藤 憲亮

京都市出身。 医療系特化事務所、税理士法人の社員税理士(役員)を経て、気軽に相談できる専門家として税務顧問業務をメインに活動。実務で得た知識や経験を活かし、税務記事や税務論文の執筆、ブログの運営をしている書くことが好きな税理士。大学卒業後、税理士事務所で14年の実務経験を積みながら、大学院で税法を学ぶ。2020年に税理士登録。2023年6月に京都市中京区にて独立。また、顧客企業の利益最大化を実現するため、バックオフィスの効率化や改善に力を入れており、経理代行及びコンサルの事業会社を設立。経理、財務、税務の支援を得意としている。

その年において、1カ所からのみ給与の支給を受け、その他に収入がない方は、その年の最後の給与支給を受けた先で年末調整を行うこととなりますので、通常確定申告をする必要はありません。しかし、給与所得者が下記の条件に該当する場合は確定申告をする必要がありますので、忘れないようご注意ください。

(1) 給与の収入金額が2,000万円を超える場合。
(2) 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える場合。
(3) 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える場合。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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