社宅の費用は経費にできる?条件やメリットを解説!

竹中啓倫税理士事務所
監修者
竹中啓倫税理士事務所 税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
最終更新日:2024年04月16日
社宅の費用は経費にできる?条件やメリットを解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 社宅制度とは?
  • 社宅は経費に計上できる?
  • 社宅を経費にするメリットは?

社宅を持っている企業の経営者であれば「費用は経費にできるの?」「どのようなメリットがあるの?」とさまざまな疑問がわくでしょう。社宅を経費に計上することにより、効果的な節税が行えるだけではなく従業員にとってもメリットがあります。

この記事では、社宅を経費にできる条件やメリットを解説します。最後まで読めば、社宅についての理解が深まるでしょう。

社宅を検討している経営者の方はぜひ参考にしてください。

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社宅制度とは住居負担を減らす福利厚生制度

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社宅制度とは、企業が住宅を用意し、従業員の住居負担を減らす福利厚生制度のことです。会社が住宅を用意し家賃の一部もしくは全部を負担することで、従業員の家賃負担を軽減できます。

加えて、従業員は自分で住居を探す必要がなくなるため、働きやすさにもつながるでしょう。同じ企業に勤務する従業員が同じ建物内に住むことで、従業員同士のつながりができる点もメリットです。

住宅手当との違い

社宅制度とよく似た福利厚生に住宅手当があります。企業が住宅を提供する社宅制度とは異なり、住宅手当は毎月の給料に家賃補助を上乗せするものです。

住宅手当は現金が給料とともに支給されるため、給与所得に含まれるのが重要なポイントです。給与所得が増えることで社会保険料や所得税、住民税の負担が増えます。一方社宅制度では、従業員が家賃の一部を負担することで社会保険料や所得税の負担が軽くなるため、メリットの大きな福利厚生といえるでしょう。

社宅を経費として計上するための条件

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社宅を経費として計上するための条件は、従業員が一定額の家賃を負担することです。どの程度の家賃を負担すべきかは、国税庁が定める賃貸料相当額によって決まります。

加えて、従業員と役員とでは、賃貸料相当額の計算方法が異なる点に注意しましょう。

従業員用社宅の場合

従業員用社宅の場合、算出された賃貸料相当額の50%以上を従業員が負担していれば、社宅の費用を経費に計上できます。

国税庁ホームページによれば、賃貸料相当額とは以下の3つの金額の合計のことです。

  • その年度の建物の固定資産税の課税標準額×0.2%
  • 12円×(その建物の総床面積平方メートル/3.3平方メートル)
  • その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

社宅を経費として計上するには、上記の賃貸料相当額の50%以上を従業員に負担してもらわなければなりません。たとえば、算出された賃貸料相当額が10万円の場合、5万円以上を家賃として徴収していれば社宅の費用を経費にできるでしょう。

一方、従業員が5万円未満の家賃しか支払っていないケースや、無償で社宅を提供しているケースでは、賃貸料相当額との差額は給与所得と見なされ所得税・住民税の課税対象となります。

役員用社宅の場合

役員用社宅の場合、まず社宅が「小規模な住宅」であるかどうかを判断しなければなりません。小規模な住宅とは、以下の2つの条件のどちらかに該当するものです。

  1. 法定耐用年数が30年以下かつ床面積が132平方メートル以下である住宅
  2. 法定耐用年数が30年を超えかつ床面積が99平方メートル以下である住宅

もし役員住宅が小規模住宅に該当した場合は、従業員用の社宅と同じ計算式で賃貸料相当額の算出を行います。

役員用社宅が小規模な住宅に該当しない場合、賃貸料相当額の算出方法が変わります。社宅を会社が所有しているケースでは、以下の2つの金額の合計が賃貸料相当額です。

  • その年度の建物の固定資産税の課税標準額×12%
  • その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×6%

他から借り受けた物件の場合、上記の賃貸料相当額と会社が家主に支払う家賃の50%を比較し高い方を賃貸料相当額と定めます。

社宅を経費にするメリット5つ

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社宅を経費にすると以下の5つのメリットがあります。

  1. 家賃を徴収することで給与として課税されない
  2. 物件の購入にかかる費用も経費として計上できる
  3. 借入金の利息を経費に計上できる
  4. 手取りが減らないため従業員の満足度が上がる
  5. 従業員の入居手続きを簡便化できる

会社にとっても従業員にとっても節税になるポイントであるため、しっかり理解しておくことが重要です。

1. 家賃を徴収することで給与として課税されない

家賃を徴収することで、従業員の給与として課税されない点が大きなメリットです。もし無償で従業員を社宅に住まわせた場合、会社が家賃分を従業員に支給していると見なされて所得税が課税されます。

賃貸料相当額を家賃として徴収することで、従業員はリーズナブルに社宅制度を利用可能になる点も見逃せないメリットです。

2. 物件にかかる費用を経費として計上できる

従業員に社宅を提供することで、物件の家賃や購入費用を経費にできる点もメリットといえます。土地や建物の価格は高額であり、経費に計上できればかなりの節税効果が見込めるでしょう。

物件の購入だけではなく、固定資産税や管理費などの支出も経費にできます。法人税の節税を検討している企業にとって効果的な方法の1つです。

3. 借入金の利息を経費に計上できる

社宅にする物件を購入するために融資を受けた場合、利息を経費に計上できることも忘れてはなりません。元本返済分は経費になりませんが、利息分は経費になります。

物件購入の融資は高額になることが多く、毎月の利息を経費にできれば所得が圧縮され法人税額が下がる可能性があるでしょう。

4. 手取りが減らないため従業員の満足度が上がる

社宅を提供することにより、従業員の手取りが減らないメリットもあります。住宅手当が支給されるケースでは、所得税や住民税の課税対象となるため、手取りが減ることが少なくありません。

社宅であれば、従業員の家賃負担と税負担が両方減るため、満足度の向上につながります。従業員が貯蓄しやすい環境づくりにも役立つでしょう。社宅があることで福利厚生が充実していることをアピールでき、人材を集めやすい点もメリットになります。

5. 従業員の入居手続きを簡便化できる

社宅を用意することにより、従業員の入居手続きを簡便化できるメリットもあります。採用された従業員のなかには、一人暮らしを始める、遠方から引っ越してくる人もいるでしょう。

会社近くの物件を自分で探し、敷金や礼金の手続きを行い、引っ越すのはかなりの時間と労力が必要です。社宅があれば、物件探しの手間もなくすぐに入居手続きが行えます。敷金や礼金も不要であるため、会社の負担が減らせる点も魅力的なポイントです。

まとめ

社宅の費用は、賃貸料相当額の家賃を徴収することで経費にできます。社宅の費用を経費に計上できれば、大幅な節税にもつながるため、ぜひ検討しましょう。賃貸料相当額の計算は複雑であるため、必要に応じて税理士に相談してください。

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監修者のコメント
竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

社宅を制度として持っている会社は、比較的多いと思います。それは、本来個人で負担すべき住宅費用を、会社が負担することによって一部を負担させることができます。

同族会社においても認められていますので、会社の経費をつかって、自宅費用の一部を経費化できることにほかなりません。これは大きなメリットとであるといえます。

会社の負担は費用の50%以上になります。ただし、社長とかが豪華な社宅を建築して社宅として借り受ける場合には、実勢価格が徴収されますので、ご注意下さい。

これは私の考えなのですが、自宅は会社とは無関係で持たれるほうが良いと思います。具体名は差し控えますが、かつて、大きな会社でその敷地内に社長の身内の方に対し社宅として自宅を建設されていました。

近所の人は全員そのことを知っていましたが、その会社が倒産した際、その建物は真っ先に取り壊され、敷地も売られてしまったことを思い出しました。会社が倒産しても、家族の憩いの場である自宅は、無事に確保したいものですね。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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