ストレスチェックの助成金制度とは?助成金が受けられる条件や支給までの流れ

マネーライフワークス
監修者
最終更新日:2023年10月02日
ストレスチェックの助成金制度とは?助成金が受けられる条件や支給までの流れ
この記事で解決できるお悩み
  • ストレスチェック助成金がどういうものか知りたい
  • ストレスチェック助成金制度の変更点が知りたい

ストレスチェック助成金の制度が平成27年度から始まりました。さらに、平成29年度からは従業員が50人未満である事業場において、ストレスチェックの実施が努力義務となっています。それと同時に、助成金の申請がしやすいようにいくつか変更点がありましたので、中小企業の経営者の方はチェックしておきましょう。

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ストレスチェックとは

ストレスチェックとは、労働者にストレスに関する選択解答式の質問票を記入させ、その集計と分析結果から各人がどのようなストレス状態にあるかを把握するための検査のことです。

労働者がどのぐらいのストレス状態にあるのを把握できることで経営者にとって意味のある検査ですが、労働者自身も自分がどの程度のストレスを受けているのかを認知できるメリットがあります。労働者のメンタルヘルスや職場環境の改善に役立てようという検査です。

最初、50人以上の従業員を持つ事業場を対象に、ストレスチェックの実施が義務として定められました。なお、平成30年には労働安全衛生法の一部が改正されて、研修を修了した公認心理師と歯科医師も、この検査の実施者に追加されています。

ストレスチェックで助成金を受けるには

助成金制度は平成27年から始まっていますが、当初は従業員が50人未満の事業場でストレスチェックを実施しようと思っても、他の小規模事業場と一緒に団体を構成して実施しなければならないという条件がありました。そのため、小規模の事業場ではなかなか実施しにくい状況だったのです。

それが、平成29年度から制度の改正によって上記の条件がなくなり、今では規模の小さな事業場でも比較的簡単に実施できるようになっています。

ストレスチェック助成金制度の変更点

制度改正の際、いくつか助成金においても変更点がありましたので、主なものを以下にまとめておきましょう。

  • 従業員が50人未満の事業場でのストレスチェックの実施は努力義務
  • 対象期間が1年度単位
  • 産業医の活動は、検査実施後の面接指導と、事業主に対してその結果の意見陳述の2点

ストレスチェック助成金を受けるための条件

ストレスチェックを実施して助成金を受けるためにも、いくつか条件をクリアしなければなりません。

  • 労働保険が適用される事業場
  • 派遣労働者を含め常時使用している従業員の人数が50人未満
  • ストレスチェック実施者が決定していること
  • 事業者は産業医資格を持つ医師と契約して検査にかかる活動の一部または全部を行わせること
  • ストレスチェック実施者と面接指導者は自社以外の人間であること

ストレスチェックで助成金を受けるには、外部機関に委託することが条件です。また、助成金の対象は従業員数が50人未満の事業場に限ったものであり、それ以上の従業員がいる事業場には適用されません。

ストレスチェック助成金の金額

ストレスチェック助成金は上限が決まっています。従業員一人につき500円、産業医の活動1回あたり21,500円(一事業場あたり、3回が限度)です。これらの金額は上限であり、実費がそれより下回った場合はその実費が支給額になります。

従業員が50人未満の事業場には、産業医を雇用する義務は現在ありません。しかし、産業医を実際に雇用してストレスチェックを実施することで、小規模な事業場も助成金を受けることができるというわけです。ここには、従業員数にかかわらず、産業医を雇用することを推奨していこうという国の狙いがあるのでしょう。

ストレスチェックを実施して助成金がもらえるということは、従来なら費用が負担でなかなかできなかった小規模の事業場でも簡単に検査ができるようになるということです。その結果が職場環境の改善に役立つわけですから、今後は規模にかかわらず、どの企業でも積極的にストレスチェックを実施していけるでしょう。

ストレスチェック助成金の支給申請の流れ

ストレスチェックで助成金をもらうには、そのための申請が必要です。申請してから支給までにいくつか段階があるので、しっかり押さえておきましょう。

ストレスチェックを導入する準備

ストレスチェックの導入にあたって、社内はもちろん、実施者も含めてルールを決めるなど詳細を検討しなければなりません。従業員に対しても、事前にストレスチェックを実施するということを通達しておく必要があります。

なお、以前は助成金を受けるために小規模事業場登録届という書類を提出する必要がありましたが、制度の改正によって提出する必要がなくなっています。

ストレスチェックを実施する

医師や保健師が実施者となって、あらかじめ内容を確認しておいた質問表を従業員に配布するか、ITシステムを使って検査を実施します。その結果を実施事務担当者が集計して、それを実施者が分析、さらにその結果を従業員に対して通知するという流れです。

面接指導を行う

必要があれば、検査の実施者は従業員に面接指導を行います。なお、従業員から面接の希望がある場合は、それに応える義務があります。

助成金を申請する

独立行政法人労働者健康安全機構に対し、検査実施後に助成金の申請を行います。その際に必要な書類は以下のとおりです。

  • ストレスチェック助成金支給申請書
  • ストレスチェック助成金の支給申請チェックリスト兼同意書
  • 産業医と交わした契約書の写し
  • その医師が産業医の要件を備えることを証明する書類の写し
  • 労働保険の概算もしくは確定保険料の申請書の写し
  • 労働保険料の一括納付に関する証明書
  • ストレスチェックの実施者が実施者たる要件を備えることを証明する書類の写し
  • ストレスチェックの実施報告書
  • 産業医や実施者に支払った費用の領収書の写し
  • 切手を貼付した返信用封筒

審査結果の通知と助成金の支給

労働者健康安全機構で申請された内容が審査され、その結果が通知されます。助成金の支給が決定した場合はその通知書と同時に、指定の金融機関口座に規定の金額が振り込まれるでしょう。なお、不支給との決定の場合もその通知書が届きます。

まとめ

従業員が50人未満の事業場の場合、今のところストレスチェックは努力義務です。しかし、いずれはすべての企業で義務となる流れでしょう。どの企業にとっても、従業員のメンタルヘルスを適切に管理することは大きな課題です。制度改正で実施しやすくなったわけですから、企業の規模にかかわらず、ストレスチェックを実施するようにしましょう。

監修者のコメント
マネーライフワークス
岡崎 壮史

1980年3月23日生まれ。社会保険労務士・1級FP技能士・CFP認定者。令和3年度 中小企業・小規模事業者等に対する働き方改革推進支援事業(専門家派遣事業) 派遣専門家。大学卒業後、外資系生命保険会社の営業、資格の専門学校の簿記・FPの講師、不動産会社の経営企画を経て現在に至る。

ストレスチェックは、近年の労災事故の案件の中で急激に増えているうつ病発症による過労自殺の対策として平成27年12月よりスタートした制度です。 近年の労働環境は、精神的なストレスが非常に負荷となっていることが多く、従業員のサインに気付きにくくなっているといえます。

そこで、ストレスチェックを行うことで、従業員の隠れたサインに気付くことができることが増え、長時間労働や過労からくる精神疾患をある程度抑制することができるようになりました。

ストレスチェックを実施するにあたっては、「従業員の数が50人未満である」などいくつかの要件をクリアする必要があります。ストレスチェック助成金も他の助成金と同様に準備しなければならない書類が多いため、あらかじめ必要な書類について準備できるものについては準備しておくといいでしょう。
比較ビズ編集部
執筆者

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