システム開発は外注すべき?内製との違いや外注する3つのメリットを解説

株式会社アンドソリューション
監修者
株式会社アンドソリューション 代表取締役 太田 寛
最終更新日:2024年02月14日
システム開発は外注すべき?内製との違いや外注する3つのメリットを解説
この記事で解決できるお悩み
  • システム開発の内製と外注の違いは?
  • システム開発を外注するメリットは?
  • システム開発を外注する際の注意点は?

「システム開発は内製と外注のどちらがいい?」「システム開発を外注するメリットは?」とお悩みの開発担当者、必見です。システム開発の外注は、スケジュールが調整しやすく最新技術のノウハウを吸収できる点がメリットでしょう。

この記事では、システム開発の内製と外注の違いや外注するメリットを解説します。システム開発を外注する際の注意点も解説するため、参考にしてください。

記事を読み終わった頃には、システム開発案件の効率的な体制構築がイメージできるようになるでしょう。

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システム開発の内製と外注の違い

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システム開発の内製と外注の違いを解説します。内製とは、自社メンバーでシステム開発する体制を指します。外注とは、自社以外のメンバーに全体や一部作業を委託するシステム開発の体制です。

  • システム開発の内製|自社で開発する
  • システム開発の外注|他社に開発を委託する

システム開発の内製|自社で開発する

システム開発の内製とは、自社の組織に所属するメンバーで体制を構築することです。

プロジェクトのスケジュール管理や仕様作成など、成果物を完成させるまでのプロセスすべてを自社でコントロールします。経験を活かして開発を行い、プロジェクトをとおして新しい技術やスキルがノウハウとして蓄積されます。

システム開発の外注|他社に開発を委託する

システム開発の外注とは、外部企業にシステム開発案件を委託する方法です。

すべての開発プロジェクトを外注するケースやプロジェクト管理のみ社内で実施するケースなど契約内容によってさまざまです。システム開発の外注はスケジュール管理がしやすく、社内のエンジニアリソースを効率的に活用できるでしょう。

システム開発を外注する3つのメリット

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システム開発を外注するメリットは、以下の3つです。

  1. 社内リソースを最適化できる
  2. 開発責任者を社内に準備しなくていい
  3. 運用後の保守サポートも依頼できる

エンジニア不足が続いている現状において、社外のエンジニアを活用できるとプロジェクト体制が構築しやすいでしょう。

1. 社内リソースを最適化できる

システム開発の外注は、社内のリソースを効率的に活用でき、コスト削減につながります。たとえば、システム開発の案件スケジュールにあわせて人材が空いていないときに外部企業に委託して体制構築できます。

システム開発に必要なスキルを持った人材が社内にいない場合は、専門技術を持っている外部企業を活用して品質維持できる点もメリットでしょう。

2. 開発責任者を社内に準備しなくていい

システム開発案件をすべて外注すると、開発責任者を社内に配置する必要がありません。

エンジニアが不足しており、開発責任者の雇用が難しいときに、外注先にすべて委託できるメリットは大きいでしょう。若手エンジニアやプログラマの教育を社内で実施する必要がなく、外注先の責任者に一任できる点もメリットです。

3. 運用後の保守サポートも依頼できる

外部企業にシステム開発を依頼すると、運用開始後のエラー対応や仕様変更に柔軟に対応してもらえます。

システムの改善点が発生した際に迅速な対応が可能であり、システム全体の品質向上につながるでしょう。システム保守の契約は開発段階で調整し、開発予算の見通しを立てるとスムーズに運用を開始できます。

システム開発を外注する3つのデメリット

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システム開発を外注するデメリットは、以下の3つです。

  1. スキルやノウハウが社内に蓄積しない
  2. コミュニケーションに課題がある
  3. 費用が割高になる場合がある

外注先との関係性がよくないとコミュニケーションが取りにくくなり、正しくシステム開発要件が伝えにくくなります。

1. スキルやノウハウが社内に蓄積しない

システム開発を外注すると、社内にスキルやノウハウが蓄積しない点がデメリットです。

運用保守を委託しない場合、トラブルが起きたときに社内で対応できないリスクがあります。システム開発を外注する部分を選定して、社内メンバーをプロジェクトに加える対策を取る方法も効果的でしょう。

2. コミュニケーションに課題がある

システム開発を委託したプロジェクトチームが物理的に離れた場所で開発する場合、コミュニケーションが課題になりやすいです。

十分なコミュニケーションが取れないと、要件の認識違いやスケジュール遅延などが起こりやすくなります。プロジェクトの進捗は定期的に確認する場を作り、コミュニケーションを取る機会を増やしましょう。

3. 費用が割高になる場合がある

システム開発を外注すると、費用が割高になる場合があります。外部企業は、要件にあわせて見積もりの検討をしますが、見積もりには要件変更やトラブルを見越したリスクが少なからず計算されています。

費用を抑えるためには、要件を正しく伝えて不明点がないことを確認し、リスクがどこにあるのかを把握しておく必要があるでしょう。

外注でシステム開発すべき3つのケース

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外注でシステム開発すべきケースは、以下の3つです。

  1. 自社にシステム開発の知見・人材・設備が不足している
  2. 大規模なシステム開発を目指している
  3. システム開発を効率よく行いたい

経験豊富な外注先は、自社では気づかない経験から学んだアイデアや注意点を提案してくれるため、品質のいいシステム開発を期待できるでしょう。

1. 自社にシステム開発の知見・人材・設備が不足している

自社にシステム開発できる人材がいない場合は、外注が前提です。開発したいシステムを実現するために十分な知見をもった人材や設備が不足している場合も、外注の方が効率的にプロジェクトを進められるでしょう。

システム開発の内製体制を整えるためには膨大な時間を要します。システム開発を企画する段階で体制構築に取りかかると、人材の採用・育成に時間がかかります。システム開発の適切な時期を逃さないためには、外注した方が合理的でしょう。

2. 大規模なシステム開発を目指している

大規模なシステム開発を計画している場合は、外注がおすすめです。大規模な開発に社内の人材を使うと、プロジェクトに時間を取られ、通常業務に支障がでる可能性があるためです。

一般的にシステム開発は1カ月以上が必要であり、従業員の通常業務をストップすると作業効率が落ちると想定されます。大規模な開発では、数カ月単位で人材を確保する必要があり、内製は効率的ではありません。

継続的にシステム開発する予定があり、スキルを学ばせたい人材を確保できる場合は内製の方が適していることもあります。

3. システム開発を効率よく行いたい

システム開発は、自社で実施するよりも外注する方が効率的に進められるケースがあります。システム開発をメイン業務としている制作会社は、開発に関するノウハウや経験が豊富なため具体的で有効な提案が受けられるでしょう。

初めてシステム開発を検討している場合は、外注して制作会社に相談しながら進めるのがおすすめです。わからないことを確認できるうえ、プロの目線を取り入れたシステムの完成が期待できます。

システム開発を外注する費用の内訳・相場

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システム開発を外注する費用の内訳・相場は、以下のとおりです。

  1. 費用内訳の8割が人件費
  2. 費用相場は466万円〜1,671万円

システム開発に従事するエンジニアの人件費が、費用内訳の8割を占めます。優秀なエンジニアに依頼すると品質は高くなりますが、人件費が割高になる点に注意しましょう。

1. 費用内訳の8割が人件費

成果物に形のないシステム開発の外注費用は、約8割が人件費です。システム開発に携わる人ごとに月単価(人月単価)が定められており、プロジェクトの参加人数・期間に応じて開発コストが変わります。

人月単価とは、1人のエンジニアが1カ月稼働したときの費用です。経験や立場に応じた人月単価の目安は、次のとおりです。

エンジニアのレベル人月単価
PG(下請・フリーランス)40〜80万円
PG(大手システム開発会社)60〜100万円
SE(初級)80〜100万円
SE(中級)100〜120万円
SE(上級)120〜200万円
平均80〜120万円

平均人月単価100万円のエンジニア1名・プログラマ2名が参加するシステム開発プロジェクトを依頼したとしましょう。2カ月間で完了するのであれば「100万円×3名×2カ月=600万円」の人件費がかかる計算です。

2. 費用相場は466万円〜1,671万円

人件費がシステム開発費のメインであることをふまえ、一般的な業務システムを開発した場合の平均費用を紹介します。

業務システムの種類外注費用の平均
顧客管理システム972万円
販売管理システム847万円
営業管理システム942万円
生産管理システム1,377万円
物流管理システム1,671万円
受発注管理システム1,322万円
グループウェア466万円

費用はシステムの規模や連動するシステム数により大きく変動するため、上記の表はあくまで目安としてください。システム開発が大規模で複雑であるほど、制作にかかる時間が長くなり人件費が発生します。

システム開発の外注先を選ぶ際の5つのポイント

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システム開発の外注先を選ぶ際のポイントは、以下の5つです。

  1. 複数社に見積もりを依頼する
  2. 開発したいシステムの実績があるか確認する
  3. 自社開発がメインかどうか確認する
  4. 提案力・コミュニケーション力が十分か確認する
  5. 運用・保守体制が充実しているか確認する

外注するシステム開発会社は、見積価格だけで判断せずに、開発の実績や提案力も加味して総合的に判断しましょう。

1. 複数社に見積もりを依頼する

システム開発の提案や見積もりは、候補となる複数の外注先に依頼しましょう。見積もり依頼時の対応や提案内容を見極めたうえで外注先を選定すると、よりいい条件でプロジェクトが進められます。

複数社に見積もり依頼する際は、事前準備でRFP(提案依頼書)の作成がおすすめです。同一内容のRFPへの対応を見ることで、各社からの提案内容や見積もり金額の比較がしやすくなるでしょう。

RFP(提案依頼書)とは?

業務委託の際に、発注先に提示する文書を指します。依頼内容・要件・納期などが記されています。

2. 開発したいシステムの実績があるか確認する

システム開発会社を選ぶ際は、開発を検討しているシステムの実績があるかチェックしましょう。

システムの種類は多岐にわたるため、すべてのシステム開発会社が要求に応えられるとは限りません。得意な業界・分野を踏まえて最適な外注先を選ぶことが大切です。

3. 自社開発がメインかどうか確認する

外注先のシステム開発会社が自社開発をメインにしているかどうかは、選定の際に考慮に入れたいポイントです。役割の異なるエンジニアがチームで開発にあたるシステム開発プロジェクトは、リソース不足を下請け企業に頼るケースがあります。

下請け企業の活用に問題はありませんが、構造が多段階になるとプログラムの品質に影響するスタッフが増える点がデメリットです。契約書の中に再委託に関する条項を盛り込むと安心でしょう。

4. 提案力・コミュニケーション力が十分か確認する

システム開発会社を選定する際は、見積もり金額だけではなく提案力・コミュニケーション力も重視しましょう。システム開発にかかるコストをできる限り抑えたくても、価格のみで外注先を判断してはいけません。

RFP(提案依頼書)に対する提案内容や、見積もり依頼時に担当者の対応をよく確認しましょう。たとえば、提案内容に関する不明点にすぐ応えてくれるシステム開発会社は、信頼度が増します。

5. 運用・保守体制が充実しているか確認する

納品後の運用や保守も任せられる体制がシステム開発会社にあるか確認します。システム開発は納品したら終わりではなく、開発したシステムを維持・活用していくためには、適切な運用・保守が必要です。

システム運用や保守代行を専門とする「マネージド・サービスプロバイダ」もあります。開発会社に保守を依頼する必要はありませんが、最初からサポートの充実したシステム開発会社を選定すると安心感を得られるでしょう。

システム開発を外注する際の3つの注意点

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システム開発を外注する際の注意点は、以下の3つです。

  1. ゴールが曖昧なまま依頼しない
  2. 現状の課題を明確にする
  3. 要求は文字や図で伝える

言葉だけで伝えると認識誤りが起こりやすいため、文字や図を用いたコミュニケーションを取りましょう。

1. ゴールが曖昧なまま依頼しない

システム開発を外注する際は、システム開発の目的とゴールの明確化が重要です。目的とゴールの共有によって、外注先企業は新たなアイデアや提案を検討しやすくなります。

目的やゴールが不透明なままプロジェクトを開始すると、品質が低いシステムが完成する可能性が高まるため注意が必要です。

2. 現状の課題を明確にする

システム開発を外注するときは、社内にある現状の課題を具体的に把握しなければなりません。課題が明確になっていないままシステム開発を進めると、業務で活用できないシステムになる可能性があります。

システム担当者だけではなく、実務担当者の意見をヒアリングして社内にある課題を可視化しましょう。可視化する際は、業務フローや課題一覧を作成して、関係者間で共有できると認識誤りを起こしにくくなります。

3. 要求は文字や図で伝える

システムに関する要求は文字や図で起こしましょう。打ち合わせやミーティングなどで口頭で伝えた内容は、正しく伝わっていない可能性があります。

文字や図を使うことで、外注企業が迷ったときにも可視化された資料で再確認ができるでしょう。システム開発の目的・ゴール・要求をまとめたRFP(提案依頼書)の作成も効果的です。

まとめ

システム開発を外注すると、社内のエンジニアリソースを最適化でき、運用後の保守サポートも依頼できます。スキルやノウハウが社内に蓄積されないでメリットを理解したうえで、信頼できる外注先を選びましょう。

「比較ビズ」では、さまざまな技術や経験があるシステム開発会社を簡単に検索でき、比較して相談できます。システム開発の外注を検討している担当者は、ぜひ検討してください。

監修者のコメント
株式会社アンドソリューション
代表取締役 太田 寛

2015年に中野区でシステム開発会社として会社を設立。「ユーザは何を求めているか?」「本当は何をしたいのか?」などユーザビリティ・マーケティング両面から御社のサービス開発をサポート。「開発&大きな付加価値」を追加できるような企画・提案を行う。

記事中にも書いてある通り、システム開発には「開発してみたらちょっと違った」はつきものです。これにはいくつか原因がありますが、よくある原因としてあげられるのは「システム開発会社側でのヒアリング力・理解力が足りていない」「発注会社側で本当に必要な内容がちゃんと整理されていない」「実際に使ってみたら実務とシステムが少しかみ合っていない」等があげられるかと思います。

このようなトラブルを避けるためには、やはり文中にもある通りシステム開発会社は「あなたの事業のエキスパートではない」ので発注会社様側でも最大限「伝える努力」をすべきである、という点と「システムは育てるもの」と考え、保守体制などが充実している開発会社を仕事をすることで、最終的に一番使いやすいシステムへと育てることが出来ます。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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