就業規則を作成するメリットとは?作成・変更時の手続きと記載内容について解説

OGI社会保険労務士事務所
監修者
OGI社会保険労務士事務所 社会保険労務士 荻島 稔
最終更新日:2023年10月02日
就業規則を作成するメリットとは?作成・変更時の手続きと記載内容について解説
この記事で解決できるお悩み
  • 就業規則を作成するメリットとは?
  • 就業規則には何を記載する?
  • 就業規則の作成方法と変更方法は?

リモートワークや時短出勤など、社員の働き方が多様化している社会に合わせて、就業規則の見直しを検討している会社も多いのではないでしょうか。

本記事では、就業規則をこれから作成しようと思っている経営者や、労務関連の問題に悩みを抱えている人事責任者の方に向けて、就業規則を作成するメリットについて解説します。就業規則を作成する流れも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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就業規則とは?

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就業規則とは、労働時間や賃金、休日や旅費規程など、会社で働く従業員が守るべきルールを定めた規則のことです。就業規則は、従業員が10人以上在籍している場合は必ず作成し、労働基準監督署へ届け出なければなりません。

近年は、ワーケーションやテレワーク、副業といった新しい働き方を取り入れる企業が増えてきました。従業員の働き方に合わせて会社のルールを変更した時には、就業規則の内容を見直す必要があります。

就業規則を作成しないとどうなる?

従業員が10人以上在籍している会社は、労働基準法で就業規則の作成が義務付けられています。就業規則を作成していないと、30万円以下の罰金が科されますので注意してください。

就業規則には、罰則や懲戒について細かく記載します。従業員が会社に損害を与える事例が起こった際に、就業規則がないとルールに則った処分や懲戒解雇ができなくなります。定年退職のルールも就業規則に載せる項目の1つであり、就業規則がなければ、高齢になった社員を雇い続けなければなりません。

就業規則を作成する3つのメリット

就業規則を作成する3つのメリット

就業規則を作成するメリットは、上記の3つが挙げられます。

労務関連のトラブルを防止できる

就業規則を作成することで、従業員との労務関連トラブルを防止できます。労働条件や服務規程を制定しておけば、問題が起こったときに就業規則に沿って対応できます。従業員とのトラブルが訴訟問題に発展しても、就業規則が整っていれば会社を守ることが可能です。

人事業務を効率化できる

従業員が労務関連で迷うようなことがあれば、就業規則を確認して判断ができます。従業員だけで悩みを解決できるため、人事担当者への問い合わせが減り、人事業務の効率化につながります。

新しい働き方を検討する際には、既存の就業規則をベースに検討を進めることができます。法的要件の変更時も就業規則のどの点を変更すればいいかが明確であり、検討時間の短縮になります。

経営者の思いを伝えることができる

就業規則には、経営者の思いが反映されています。就業規則を通して経営者の考え方が従業員に浸透すれば、働き甲斐のある社風を構築できます。従業員が気持ちよく働くためにルールを曖昧にするのではなく、規律ある就業規則の中で、会社にあった働き方を定めていきましょう。

就業規則を作成するデメリット:作成に時間がかかる

就業規則は、労務トラブルを起こさないために、考えられるルールを全て記載する必要があります。情報を網羅するためには、作成に多くの時間を費やします。一度作成すれば終わりではなく、社会情勢に合わせて定期的なメンテナンスをしなければならない点も人事担当者の負担となるでしょう。

就業規則を作成する流れ

就業規則を作成する流れは、以下のとおりです。

  1. 簡単に就業規則を作成する
  2. 素案を作成する
  3. 必要事項事案に漏れがないか確認
  4. 社員への説明
  5. 労働基準監督署への提出
  6. 社員への報告

1. 簡単に就業規則を作成する

最初に、簡単な就業規則を作成します。初めて就業規則を作成する人は、インターネット上にあるテンプレートを活用すると効率的です。1つの情報だけでは内容が偏ってしまうため、複数のテンプレートを組み合わせて作成しましょう。

2.素案を作成する

簡単に作成した就業規則を基に、自社にあった内容に書き換えて素案を作成します。これからの会社の発展をイメージして、経営者の思いを詰め込むことも重要なポイントです。素案は何度も読み返し、抜け漏れがないかをセルフチェックしましょう。

3.必要事項事案に漏れがないか確認

就業規則の素案に対して、必要事項に漏れがないかを確認します。作成者だけでは漏れに気付けないことが多いため、複数人でレビューしましょう。

就業規則の最終チェックは、社労士への依頼をおすすめします。社労士は、多くの就業規則を見ており、労務トラブルの経験も豊富であるため、抜け漏れに気づきやすく的確な指摘をしてくれます。

4.社員への説明

社員がいる場合は、社員へ就業規則の内容を説明します。社員と相談をしたり意見を聞いたりすることで、より会社にあった、働きやすい環境を作るための就業規則が作成できます。

5.労働基準監督署への提出

就業規則のチェックが全て完了したら、労働基準監督署へ提出します。事業所を管轄する署には、就業規則に意見書、届出を添えて提出をしましょう。就業規則以外に規定などがある場合は、合わせて提出してください。

6.社員への報告

就業規則の提出後、社員に報告します。社員に対して、説明会での周知は必須です。周知を怠ると就業規則の効力は発生しないため注意しましょう。

就業規則を変更する際の手続き

就業規則を変更する際には、労働者の過半数を代表する者の意見聴取を行います。代表社員に同意してもらう必要はなく、意見を聴いた事実が必要です。

就業規則変更届を作成した後、労働者代表の意見書と変更後の就業規則をセットにして、各事業所を管轄する労働基準監督署へ届け出ます。就業規則作成時と同じように、社員への周知をしなければ、変更後の就業規則は効力が無い点に注意しましょう。

就業規則を作成する際の注意点

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就業規則を作成する際の注意点は、以下のとおりです。

  • 労働時間と休憩時間について説明する
  • 法律に則った内容にする

労働時間と休憩時間について説明する

従業員の労働時間が6時間を超える場合、休憩時間を設けることが義務付けられています。休日出勤や残業過多は、労務上のトラブルが起こりやすい事案です。作成時、業務上起こりえる様々なパターンをシミュレーションすると安心です。労働時間と休憩時間を就業規則で明文化し、社員が迷わないように正しく伝えましょう。

法律に則った内容にする

就業規則に記載する内容は、法律に則った内容でなければいけません。曖昧な表現で記載された就業規則は、労務上のトラブルになりやすく、社員からの信用も得られません。 労働基準法に違反する内容は、就業規則に記載しても無効として扱われます。労働基準監督署に提出する前には、社労士などの専門家チェックを必ず実施しましょう。

まとめ

就業規則は、社員が働きやすい環境を作り、社会的な信頼を得るための重要な役割があります。労務上のトラブルが起こらないように定期的なメンテナンスも欠かせません。完成した就業規則は社員へ周知徹底し、規律ある経営を進めていきましょう。

「比較ビズ」上では一括で複数の事務所に就業規則の無料相談が行えますので、ぜひ使ってみてください。自身で相談先を見つけるより楽に自社の課題を解決してくれる専門家に出会えるはずです。

監修者のコメント
OGI社会保険労務士事務所
社会保険労務士 荻島 稔

1971年生まれ。埼玉県川口市出身。法政大学理工学部建築学科卒業。大学卒業後は某ビールメーカーの飲食部門を始め、数社の飲食チェーンにて、店長、スーパーバイザー、営業推進、人事総務部門で勤務する。これらの経験を経て、企業における人材の重要性を再確認し社会保険労務士として独立開業する。得意な業界は出身である飲食業界をはじめ、建設業や小売業など。モットーは「満足度重視」「誠実対応」「迅速対応」。

会社が就業規則を作成するメリットは、「従業員が会社とルールを共有して安心して働くことができる」「会社と従業員のトラブルを事前に予防することができる」ということではないでしょうか。

法律に無いことでも、就業規則に規定することで、それが会社のルールとなります。例えば「休職制度」は労働基準法にはないので、会社が任意に定める就業規則の規定がルールになるということです。

また就業規則作成を社労士に依頼した場合の費用は、「作成に掛かる時間数」と「作成する規程の種類(数)」で変わってきます。作成に掛かる時間数については、会社特有の労務管理の問題点、過去のトラブル、服務規律に規定したいこと等について打合せを重ねる程、時間は掛かりますが実態に即した就業規則になるはずです。

作成する規程の種類(数)については、社員だけでなく、嘱託社員やパートタイマーがいれば各々の雇用区分毎に就業規則を作成した方が良いですし、給与規程、育児介護休業規程、マイカー通勤規程なども必要になることもあります。皆さんも再度会社の就業規則を見直してみましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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もしも今現在、

  • 就業規則の内容をどう決めればいいか分からない
  • 法律に抵触しない規則作りが難しい
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