営業戦略とは?営業戦略の立案方法や注意点を解説!
- 営業戦略とは何?
- 営業戦略を立てるためにはどうすればいい?
- 営業戦略を成功させた具体例は?
「営業戦略はどのように立てればいいの?」とお悩みの経営者や営業担当者の方、必見です。営業戦略とは特定の営業目的を達成するための計画のことです。
この記事では、営業戦略の立案方法と役立つフレームワークを解説します。記事を読み終わる頃には、自社の営業戦略をイメージできるでしょう。
営業戦略の成功事例も紹介するため、自社の営業を見直したい方、新規事業を始める方はぜひ参考にしてください。
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営業戦略とは特定の営業目標を達成するための計画
営業戦略とは特定の営業目的を達成するための計画を指します。一般的に、企業は独自の営業目標を掲げています。売上を伸ばす、市場のシェアを拡大する、新規事業を立ち上げる、リピート率を上げるなどの目標が考えられるでしょう。
営業戦略では、会社の経営者やリーダーが中心となり、設定した目標を達成するためにどのような調査を行うのか、商品・サービスをどのように販売するかを考えます。
戦略と戦術の違い
営業戦略が営業目標を達成するための計画であるのに対し、戦術は営業目標を達成するための具体的な手段を指します。たとえば、売上を伸ばすために営業エリアを拡大する、新規事業を立ち上げるためにチームを作ってプロジェクトを進める、M&Aを検討・実施するなどが考えられるでしょう。
戦略と戦術は互いに組み合わさり、補完し合いながら企業活動の拡大に貢献します。
営業戦略の立案方法3ステップ
営業戦略の立案は、以下の3ステップに沿って行います。
- 中長期的な目標を設定する
- 現状を分析し課題を見つける
- より小さな目標を設定する
営業戦略は感覚的なものではなく、会社の現状をデータを基に把握し現実的な目標を立てます。着実に目標に近づくため、経営者だけではなく従業員も納得できる営業戦略を立てることがポイントです。
1. 中長期的な目標を設定する
営業戦略の第一歩は、中長期的な目標を設定することです。営業戦略は目標達成の計画を意味しているため、目標がなければ戦略は立てられません。長期的な目標だけではなく、通過点となる中期的な目標を立てることも重要です。
目標設定で欠かせないのは、現実的に達成可能であることです。高すぎる目標は、従業員のモチベーションを低下させます。数値で測定できる目標にすることで達成度をわかりやすく共有できます。
2. 現状を分析し課題を見つける
営業戦略を立てるうえで、現状の分析は必須です。成長を続けるために、現在の課題を把握しなければなりません。目標を達成するために自社の強みをさらに伸ばすのか、弱点を克服するのかを決定し、具体的な戦術に落とし込む必要があります。
現状の分析が不十分である場合、営業戦略を立ててもうまくいかないでしょう。自社の強みも弱点もわからないまま事業を進めることがないよう注意するべきです。
3. より小さな目標を設定する
営業戦略は長期的な目標ですが、もっと小さな目標を設定することも重要です。小さな目標を設定することにより、現状で営業戦略が順調に進んでいるのか、改善するべき点があるか把握できます。
特定の期間と目標となる数値を決めることが重要です。たとえば、5年後に売り上げを倍増させることを目標とする場合、1年後に30%アップ、2年後に20%アップさせる目標を立てられます。
営業戦略を戦術につなげる3ステップ
営業戦略を戦術につなげるためには、以下の3ステップを実行しましょう。
- 設定した目標をプランに落とし込む
- KPIを設定し戦術の効果を測定する
- PDCAを回して戦略を効果的にする
営業戦略と戦術は互いに密接に関係するため、どちらかがうまくいかない場合はプランの見直しが必要になります。営業戦略を効果的に戦術につなげることで、目標達成に近づきます。
1. 設定した目標をプランに落とし込む
営業戦略で設定した目標を具体的なプランに落とし込み、戦術を決定します。ゴールとなる目標は1つでも、プロセスや戦術は複数あるでしょう。どの戦術が自社に適しているのか、スピーディーに目標を達成できるのか検討します。
目標をプランに落とし込むうえで、事前の調査は非常に重要です。たとえば、ペルソナ設定により顧客のニーズを具体的に想定しなければなりません。顧客の行動調査を行い、なぜ特定の商品・サービスを購入したのか、もしくは購入しなかったのかを把握し、具体的なプランに反映します。
2. KPIを設定し戦術の効果を測定する
営業戦略を戦術につなげるため、KPIを設定する必要があります。KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標のことです。目標の達成度合いを示すものであり、戦術の効果を測定するのに役立ちます。
小さな目標を達成できているかを確認することで、大きな目標の達成度合いを測ります。KPIが低ければ打開策を講じ、KPIが高ければ現状を維持する必要があります。複数のKPIを設定することによりプロジェクトの進捗をより多角的に判断できるでしょう。
3. PDCAを回して戦略を効果的にする
営業戦略を戦術につなげるため、PDCAを回して改善点を発見する必要があります。PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)のプロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めるためのフレームワークです。
PDCAを活用することで、営業戦略を順調に達成できるか、変更が必要かを検討する際に役立ちます。定期的な効果測定、戦術の変更により、最終目標である営業戦略を最短距離で達成できるでしょう。
営業戦略を立てる際の注意点4つ
営業戦略を立てる際は、以下の4つの点に注意するべきです。
- 新規顧客の獲得は難易度が高いことを理解する
- 実現可能な営業戦略・戦術を立てる
- 他社の成功事例を参考にする
- マーケティング部門と連携する
理想的ではなく現実的な目標設定が大切です。経営資源、売上、社会状況などさまざまな面から自社の現状を把握しましょう。
1. 新規顧客の獲得は難易度が高いことを理解する
営業戦略を立てる際、新規顧客の獲得の難易度が非常に高いことを理解しなければなりません。既存顧客とは異なり、新規顧客には商品・サービスを紹介するだけではなく、信頼を勝ち取る必要があります。
売上や顧客数を伸ばそうとする場合、安易に新規顧客の開拓を目標に設定しないよう注意するべきです。新規顧客の獲得を目指すのであれば、かなり長期的なプロジェクトになることを理解したうえで戦略を立てる必要があるでしょう。
2. 実現可能な営業戦略・戦術を立てる
営業戦略を立てる場合、会社や部門が実現可能な目標・計画を立てなければなりません。実現が不可能な目標は従業員のモチベーションを低下させるおそれがあります。
営業戦略では、柔軟な対応も必要です。営業戦略を立てた時点では達成可能な目標も、経済・社会情勢の変化に伴い現実的ではなくなるケースもあります。継続的に市場を観察し、必要に応じて営業戦略や戦術を変えましょう。
3. 他社の成功事例を参考にする
営業戦略では、他社の成功事例を参考にすることもいい方法です。他社が特定の方法で成功を収めたことがわかった場合、自社にも取り入れられないか検討するといいでしょう。
自社と他社の環境の違いを考慮することも重要です。業種や業界、会社の規模、従業員数、経営資源の豊富さなどにより、他社の成功事例が実践できないこともあります。
4. マーケティング部門と連携する
営業戦略を立てる際、マーケティング部門と連携して目標や計画を設定することが不可欠です。営業戦略とマーケティングは非常に密接に関連し、戦術を立てるために協力し合わなければなりません。
マーケティング部門と営業部門のターゲット像が異なると、効果的な営業活動は行えません。密なコミュニケーションにより、2つの部門の戦略・戦術をすりあわせることで、設定した目標をより早く達成できるでしょう。
営業戦略に役立つフレームワーク4つ
営業戦略を立てるのに役立つフレームワークとして、以下の4つが挙げられます。
- 3C分析
- SWOT分析
- VRIO
- 4P分析
4つのほかにも非常に多くのフレームワークが存在します。それぞれ特徴が異なり、分析できる分野も違うため、自社の営業戦略・戦術に適したフレームワークを利用しましょう。
1. 3C分析
3C分析は、営業戦略を立てるうえで多くの企業が用いるフレームワークの1つです。下記の3項目を用いて、市場や自社の強みを分析します。
- Customer(顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合他社)
3C分析のメリットは、市場の情報を全体的に把握・分析できることです。自社の現状や課題を把握するのに役立つでしょう。デメリットは、顧客や競合他社の情報を集めるのに時間がかかることです。
2. SWOT分析
SWOT分析も、営業戦略を立てるために用いられるフレームワークの1つです。SWOT分析は以下の4つの項目を用いて、自社の現状を分析します。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
メリットは、会社や従業員がコントロール可能な内部環境と、コントロールできない外部環境を両方分析できることです。客観的な情報を使うため主観が入りにくい点も利点です。デメリットは、さまざまな要素を強みか弱みで分類するため、細かな分析が難しいことです。
3. VRIO
VRIO分析では、次の4つの項目を用います。
- Value(価値)
- Rareness(希少性)
- Imitability(模倣可能性)
- Organization(組織)
VRIO分析により、自社が保有する経営資源と他社を比較し、どれだけ優位性があるかを判断できます。メリットは、商品・サービスだけではなく、無形の資産や組織力なども評価できることです。自社の経営資源を正確に把握するために時間がかかるため、スケジュールに余裕を持って分析を始めましょう。
4. 4P分析
4P分析とは、営業戦略やマーケティング施策を考える際に用いられるフレームワークです。4P分析では、次の4つの項目が用いられます。
- Product(製品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(販促活動)
それぞれの視点で、考慮するべきポイントがあるため非常に細かい分析が可能となります。たとえば、どのような商品・サービスを提供するか、利益をどの程度確保するか、競合とどのように差をつけるか、取引先を限定するのかなどを検討可能です。
営業戦略が成功した具体例3つ
営業戦略を成功させた例として、以下の3社が挙げられます。
- ロイヤルホスト
- 丸亀製麺
- パイオニア株式会社
中小企業でも参考になる施策が多いため、大手企業の戦略から学ぶことは重要です。
1. ロイヤルホスト
「ロイヤルホスト」は、チェーンのファミリーレストランで、時代に応じた営業戦略を立案・実施したことで有名です。
ファミリーレストランは本来、メニューの多さや価格の安さが売りでした。ロイヤルホストは、少子高齢化や健康志向の高まりにあわせて安全性に徹底的にこだわったメニューを提供しています。天然の材料を使用する、日本の食材にこだわる、低糖質のパンを提供するなど次々と施策を実施し、売上を伸ばしました。
2. 丸亀製麺
「丸亀製麺」は、効果的な営業戦略とマーケティング戦略の組み合わせにより成功を収めた例です。うどんは外食として人気が高いわけではありませんが、PR手法をよく検討することにより売り上げを大幅に伸ばしました。
うどんに国産小麦を使用し、店内で製麺・調理していることを徹底的にアピールすることで、顧客を獲得しました。低コストにもこだわり、多くの顧客から支持を得ています。
3. パイオニア株式会社
「パイオニア株式会社」は老舗の電機メーカーであり、カーナビやドライブレコーダーなどを生産・販売しています。顧客から支持を集める企業であるものの、インサイドセールスが弱点であり見込み客への対応が難しい状況でした。
その後立案された営業戦略に基づき、インサイドセールスの再構築を行い、インサイドセールスに必要なリソースを確保し、見込み客の増加に応じてリソースを増やす施策を行いました。結果的に前年度に比べて約3倍の商談化数を実現しました。
まとめ
営業戦略とは営業目標を達成するための計画であり、戦略を基にして戦術を考えます。現状分析と課題の把握、フレームワークの利用により効果的な営業戦略を立てられるでしょう。戦術を実践している間も、必要に応じて戦略を見直し、市場のニーズや環境に適したプランを立てることが重要です。
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2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業部署・企画部署にて責任者を務める。(在籍中は、MVPやマネジメント賞など、多数受賞。)
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者、事業企画を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。新規事業の立上げ〜収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、採用〜組織の構築、Webマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、業務システムの導入・運用、融資を中心とした資金調達〜財務のコンサルティングを得意としている。
また、個人でも中小企業の融資を支援するサービス「中小企業の融資代行プロ.com」を運営するなど、一貫して中小企業を支援することを生業にしている。
しかし実際の現場では、市場分析もせず、顧客ニーズの解像度が低いまた、競合他社との差別化もされずに短期的な売上目標だけ立てて現場に下ろしているケースが多いのが事実です。
そのため、営業戦略を立てる際には必ず主要顧客へのヒアリングや市場調査などの、現場の情報を拾うことから始めましょう。
長期的に有効な営業戦略を構築するのであれば、長期的な顧客関係の構築を目指し、マーケティングや営業チームの構築やトレーニングにも投資を惜しまず、新しい技術の活用も積極的におこないましょう。
常に市場の変化に対応しつつ、顧客中心のアプローチを取り、営業チームのスキル向上とモチベーションの維持に努めることが、長期的な成功と企業の成長を確実にするために重要です。
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
もしも今現在、
- 市場分析のやり方がわからない
- 成果を上げる戦略が立てられない
- 具体的な実行計画が組めない
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