来社していただいた相手に対するお礼メールの書き方や注意点

来社についてのお礼メールのマナー

お客様や取引先に来社していただいた際のお礼メールについて、まずは基本的なマナーをチェックしておきましょう。

お礼メールは早めに送信する

来社後のお礼メールはなるべく早めに送信します。お客様であれ、取引先であれ、わざわざ自社まで来社していただいたということは、そのための時間やコストを相手に負担させているということです。まず、そのことをしっかり認識しましょう。

移動するにも時間がかかりますし、徒歩以外で来社されたのであれば、交通費もかかっているはずです。それを考えると、わざわざ来社していただいたことに対するお礼は、なるべく早く伝えることがマナーであることがおわかりいただけるでしょう。

お礼の気持ちを正式に伝えたい場合は、手書きによるお礼状がもちろんふさわしいです。しかし、お礼状を書いてそれを郵送して送るとなると、先方に到着するまでに何日もかかってしまいます。ですので、お礼状を送るにせよ、まずはお礼メールで一足早く、感謝の気持ちを表すのが大切ではないでしょうか。

実際、訪問した相手の会社からお礼メールがいち早く届いたとしたらどう思うでしょうか。感謝の気持ちが伝わると訪問してよかったと思いますし、こういう会社と今後もよい関係を築いていきたいという思いを強くするはずです。

ですので、関係性のある相手であれば、感謝の気持ちのこもったメールを早急に送ることを心がけましょう。

お礼メール内での宣伝は控える

相手の来社に対するお礼のメールは、文字通り、来社してもらったことに対する感謝の気持ちを伝えるのが第一の目的です。ですので、そのメール内で自社の宣伝などはなるべく控えましょう。

今回の来社でよい取引相手となりそうと思った相手の場合、自社の商品やサービスを売り込みたくなる気持ちはわかります。これを機に、良好な関係を築きたいと思うのは当然です。

しかし、来社のお礼であるはずのメールに宣伝文句ばかり散りばめられていたら、その読み手はどう思うでしょうか。「お礼というのは建前で、結局、自社の宣伝ばかりなんだな」と悪い印象を与えることにもなります。来社のお礼メールは、あくまで感謝の気持ちを伝えることだけに焦点を絞りましょう。

なお、どうしても早急に連絡しておくべきことがあり、それをお礼メールで一緒に伝えたい場合は、それと把握できるような件名にして、文面を簡潔にまとめるとよいでしょう。

会談の内容を踏まえた内容にする

お礼メールはあくまで感謝の気持ちを伝えるもので、宣伝は控え、文面は簡潔にまとめるのが基本です。

しかし、簡潔にまとめるといっても、テンプレートのような定型的な文章のみでは、相手に気持ちが十分に伝わりません。
「テンプレをコピペして使っているだけではないだろうか」と思われては、感謝の気持ちを示すはずのメールが相手に不快感を与えることになってしまいます。

ですので、簡潔にまとめるといっても、相手方の来社の際に話した内容などを盛り込みつつ、また、相手の人柄などについても可能であれば触れて、「わざわざご足労いただいたあなたに対して感謝している」という真心が伝わるように文面を工夫しましょう。

簡潔なお礼メールのなかにこういう姿勢が見られたら、相手は自社に対して信頼を感じます。今後のよい関係を築くためのチャンスです。

お礼メールで使うのは来社と来訪どっち？

先ほどから来社に対するお礼メールと述べてきましたが、「来社」とよく似た言葉に「来訪」という言葉もあります。どちらも先方に来ていただくという意味では同じですが、具体的にはどのように使い分ければよいのでしょうか。

自分の会社に来ていただくことが来社

「来社」とは、先方が自分の会社に来ていただくことを示す言葉です。お礼メールでの使い方としては、「ご来社いただき、ありがとうございました」などとします。

注意したいのが、「ご来社になられて」などと二重敬語にならないようにすることです。「ご来社くださりまして」は問題ありませんが、「ご来社になられて」などと使わないように気をつけましょう。

場所に限らず、相手に来ていただくことが来訪

「来訪」と「来社」との最も大きな違いは、相手に来ていただく場所です。

「来社」とは、「社」とあるように、文字通り会社に足を運んでもらうことですが、「来訪」の「訪」は「訪ねる」や「訪問する」という意味で、場所の指定はありません。

つまり、「来訪」をお礼メールで使うならば、先方に自社以外の場所に来ていただいたケースが適切です。自社ではなく、社外で待ち合わせした時などに使えます。

会社に対するお礼メールの書き方例

具体的に例文を挙げて、来社していただいた先方に対するお礼メールの書き方を見ていきましょう。

挨拶で来社された相手へのお礼メール

いつもお世話になっております〇〇社の鈴木です。

本日は足元の悪いなか、弊社まで足を運んでいただき大変ありがとうございました。
貴社の取り組みを伺い大変興味深く感じました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

相手の来社意図は挨拶ですので、それに対するお礼もごくシンプルで構いません。

初めて来社された相手へのお礼メール

いつもお世話になっております〇〇社の鈴木です。

本日は足元の悪いなか、弊社まで足を運んでいただき大変ありがとうございました。
〇〇様とこのたびご縁ができましたことを深く感謝いたします。
これを機に、今後末永くお付き合いいただけることを願っております。
本日はまことにありがとうございました。

初めて会った相手の来社に対するお礼メールです。今回限りではなく、今後とも関係を続けていきたいのであれば、その意をしっかり盛り込みましょう。

訪問営業に対するお礼メール

いつもお世話になっております〇〇社の鈴木です。

本日は足元の悪いなか、弊社まで足を運んでいただき大変ありがとうございました。
ご提案いただいた取引について、社内で検討した結果、喜んでお受けすることになりました。
貴社のご期待に応えられるよう精進して参りますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

相手は営業で来社し、そこでされた提案を承諾する場合のお礼メールの例です。来社していただいたことに対する感謝の気持ちと、今後の関係に向けての気持ちを盛り込むとよいでしょう。

まとめ

来社していただいた相手へのお礼メールは、相手に感謝の気持ちを伝えるのが第一の目的ですので簡潔を旨とします。伝えたいことは短くまとめ、結びの言葉もシンプルでかまいません。内容は簡潔でよいですが、お礼メールのスピードは迅速であることを心がけましょう。

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