縦型動画の作り方とは？動画を作成する流れや作り方のコツを徹底解説

縦型動画とは？

縦型動画とは、スマートフォンを縦に持ったままフルスクリーンで視聴できる動画のことで、画面比率が9：16の動画です。

スマートフォンの普及率が増え、特に若者の間では動画視聴によって情報収集する行動が一般的になりました。縦型動画は片手で気軽に見れるため、通勤や通学中のちょっとした空き時間に動画を視聴する人が増え、ニーズが高まりました。

TikTok・Instagramリール・YouTubeショート動画など、縦型動画を投稿できるメディアが増えていることも影響が大きいです。

縦型動画を作成する3つのメリットは？

縦型動画を作成するメリットは、以下の3つです。

縦型動画を投稿するプラットフォームは、アップロードできる動画を短時間に制限しているため、視聴完了率が高くなるでしょう。

1. 視聴完了率が高い

YouTubeショート動画やTikTokなどのプラットフォームでは、縦動画の尺が15秒から数分に制限されています。短時間で完結する縦動画は、視聴者が最後まで気軽に見られるため、普段の画面方向を変えずに再生できます。

縦動画の利点の1つは、ユーザーが片手で持ちやすく、向きを変えずに視聴できる点です。両手でスマートフォンを持つ横型動画と比べて、視聴者はストレスや負担を感じにくくなり、視聴者の動画離脱率低下にもつながるでしょう。

2. 若いユーザーは縦型動画に慣れている

スマートフォンの動画視聴実態調査によると、縦向きのみで動画を視聴する人の割合は20代が1番多く、39.2%です。

縦動画の先駆けであるTikTokでは、10代の利用者割合が62.4%、20代の利用者割合が46.5%で他の年代と比べて高い傾向があります。10代・20代にとってはスマートフォンで隙間時間に視聴できる縦動画は視聴ハードルが低いといえるでしょう。

3. 横型と比較して画面サイズが300％大きくなる

スマートフォンで縦動画を視聴する際、画面は横動画に比べて300％拡大されると言われています。画面を横から縦に向けることで、スマートフォンの画面がフルスクリーン表示され、動画以外の情報は非表示になります。

余分な情報が目に入らないため視聴者はコンテンツにより没入しやすくなり、動画に集中できるでしょう。

縦型動画の作り方5ステップ

縦型動画は、以下の5つのステップで作ります。

縦型動画を作成するためには動画編集ソフトやアプリが必要で、動画ファイルや素材をインポートして編集します。

1. 縦画面（9：16）の新規プロジェクトを作成する

縦動画を作成するためには動画編集ソフトやアプリが必要です。ソフトを立ち上げ、画面サイズを選択する場面で動画の縦横比を9：16に選択し新規プロジェクトを作成します。

2. 動画や静止画をインポートする

編集画面を開いたら、作成するための動画素材や音源をインポートします。インポートとは別の場所にあるファイルを、ソフトで利用できる形に変換して取り込むことです。

動画編集ソフトによっては、素材をドラッグ＆ドロップのみでインポートできる機能もあります。

3. 動画を編集する

編集画面では動画のトリミングや音楽・テキストの挿入をおこない、動画をトランジションで効果的につないで視覚的な効果を高めます。トランジションとは、動画のカットとカットをつなぐ効果のことです。トランジションの事例には、動画の映像を白くフェードアウトし、画面が真っ白になった時点で次の映像に切り替えるホワイトアウトがあります。

動画同士を自然につなげて、移り変わりを印象的に表現する場合はトランジションが効果的です。

4. 動画ファイルを書き出して出力する

動画の編集が完了した後は、編集した動画ファイルを視聴可能なファイルに書き出します。動画をファイルに書き出す作業はエンコードとも呼ばれ「mp4」や「MOV」 など出力したいファイル形式に変換します。

画面の大きさや画質の設定をする必要があるため、投稿するプラットフォームや視聴デバイスを考慮して動画を書き出しましょう。

5. YouTubeへ投稿する

動画の加工と編集が完了したらYouTubeやInstagramなどのプラットフォームにアップロードしてください。

YouTubeショート動画の場合、YouTube公式アプリからの投稿が可能です。アプリにログインして、動画タイトルや説明、タグや公開範囲に関する設定をしてから公開します。

動画のタイトルには、動画の内容に関連したキーワードを織り込むことでSEO対策にもつながります。TikTokやInstagramリールでも縦動画の投稿方法は同じ要領です。

縦型動画を投稿できるSNS3選

縦型動画を投稿できる代表的なSNSは、以下の3つです。

それぞれのSNSで特徴が違うため、動画の種類とターゲットによって切り替えて投稿しましょう。

1. YouTubeショート動画｜最長1分まで投稿可能

YouTubeショート動画は、最大1分の動画を投稿できるYouTubeの新機能です。従来のYouTube動画とは異なり、ショートタブから再生され、動画の切り替えは上下にスワイプして行われます。

YouTubeショート動画の投稿は主にスマートフォンで行われ、60秒以内の動画を投稿できます。チャンネルに登録していないユーザーでも視聴できるため、自身のチャンネルの露出を高められるでしょう。

2. Instagram｜2つの機能を使い分けられる

Instagramには、縦型動画を投稿できる機能が2つあります。

• ストーリーズ
• リール

ストーリーズは、Instagram画面上部に表示されるユーザーのアイコンをタップして視聴します。24時間で消える仕様であり、その日の出来事をフォロワーと共有し、リアルタイムにコミュニケーションを取れる点が特徴です。

リールは、リールタブに移動すると縦型動画が連続して再生され、ユーザーは興味を持った動画に対していいねのアクションを行います。Instagramはシェア機能が限られていますが、リールの利用でフォロワー以外の人にも簡単に情報を共有できるでしょう。

3. TikTok｜10代の利用率62.4%

TikTokは、中国のBytedance社が提供する縦型動画専用のアプリで、アプリを起動すると動画がフルスクリーンで再生されます。内容が重視される傾向があり、フォロワーが少なくても面白い動画であれば再生回数やフォロワー数が増えやすい特徴があります。

10代の利用率は62.4%であり、他のアプリやプラットフォームよりも利用率が高いです。主なユーザー層は若年層ですが、20代の利用率は46.5%、30代も23.5%と、幅広い年齢層が利用しています。

縦型動画の作り方3つのコツ

縦型動画の作り方のコツは、以下の3つです。

短い時間でユーザーが興味を引く動画制作が重要です。内容を詰め込みすぎず、わかりやすい内容の動画を心がけましょう。

1. 常に縦型で撮影する

縦型動画を制作する際には、常に縦型で撮影すると編集が容易になり品質の向上や編集時間の効率化につながります。

水平に撮影したあとにトリミングして編集すると、解像度の低下による画質の悪化が起こりやすくなります。縦型動画の見え方をイメージできる点も、常に縦型で撮影するメリットです。

2. 最初の2秒でユーザーの心をつかむ

Instagramのリール・TikTok・YouTubeショート動画では、スワイプで簡単に次の動画に移動できるため、最初にユーザーを引きつけられるかが重要です。縦型動画を視聴するユーザーは、最初の2秒でその動画が自分の興味を引くか、役立つ情報を提供しているかを判断すると言われています。

最近は時間を効率的に使い、結果として満足度を高めることを目指すタイパ（タイムパフォーマンス）と呼ばれる概念に注目が集まっています。タイパ志向の若いユーザーや忙しいビジネスマンは短時間で情報を得たいと考えるため、動画の冒頭で注意を引くように作りましょう。

3. 1分以内でわかりやすく伝える

TikTok・YouTubeショート・Instagramリールは、1分以内に収めることが重要です。結論までの時間が長い動画の場合、ユーザーはスキップして次の動画の視聴に移りやすくなります。

ユーザーは通勤中や休憩時間に手軽に楽しめる動画を求めているため、短くても興味を引く内容であれば視聴が期待できます。ユーザーに伝えたい内容を絞って、1分以内の動画を心がけましょう。

縦型動画編集向けおすすめアプリ3選

縦型動画編集向けのおすすめアプリは、以下のとおりです。

初心者でも使いやすい動画編集アプリが多いですが、編集時間を短縮できるように編集作業を何度か繰り返して操作方法に慣れましょう。

PowerDirector｜プロ並みの映像が作れる

Power Directorは多機能な動画編集ソフトの代名詞的存在です。PC版ではWindowsとMacに対応し、モバイルアプリもリリースされています。国内シェアが高くアプリはiOSとAndroidに対応しているため、誰でも使える動画編集ツールといえるでしょう。

モバイルアプリは、使いやすいインターフェースとドラッグ＆ドロップで直感的に操作ができるため動画初心者にもおすすめです。

VLLO｜動画編集初心者におすすめ

VLLOは、Instagramのユーザーに愛用されている動画編集アプリです。多機能でありながら無料で利用でき、書き出した動画にはウォーターマークがつかないため人気があります。ウォーターマークとは動画のはしに半透明で編集したソフトを記すロゴマークのことです。

iOSとAndroidの両方に対応しているため、誰でも気軽にスマートフォンで縦動画を作成可能です。テンプレートも豊富に用意されており、初心者でも簡単におしゃれな動画を作れます。

GoProQuik｜テンプレートで簡単に作れる

GoPro Quikは、アクションカメラで人気のあるGoPro, Inc. がリリースした動画編集ソフトです。動画はどの形式のファイルでも編集でき、多くのスタイルが用意されています。

動画のテーマにあったスタイルを選ぶだけで、手軽に編集できて初心者にも安心です。以前は無料で利用できましたが、現在はアプリ内課金が必要な機能もあります。

まとめ

縦型動画はスマホの普及によって需要が高まり、YouTubeやTikTokなどで人気を博しています。縦型動画を効率的に編集するためには、使いやすい動画編集アプリを利用しましょう。YouTubeショート・Instagramリール・TikTokなど、それぞれのSNSで異なる特性があるため、適切な活用がポイントです。

「比較ビズ」では、縦型動画の制作や編集ができる制作会社を簡単に探せるため、比較して相談できます。縦型動画の作り方に悩みがある担当者は、ぜひ検討してください。

監修者のコメント

株式会社フォーズン

代表取締役　松隆 祐也

2021年に動画制作・映像制作会社である株式会社フォーズンを設立。BtoB、BtoCの動画を中心に幅広い業種・用途の動画制作にワンストップで対応。予算内で効果を最大化する企画力に定評を持つ。動画制作事業だけでなく制作フローを効率化するためのSaaSの開発も行っており、動画制作における包括的なサポートシステムの構築を目指している。

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近年、気軽に視聴できる縦動画の視聴数が伸びており、マーケティングにおいても無視できない存在になりつつあります。

縦動画はクオリティの高さよりも、情報の新しさやアップロードする頻度によって成果を上げやすいコンテンツであることから、まずは自分で制作をして、動画マーケティングを行いたいと考えている方に最適なコンテンツです。

どういったコンテンツの内容が好まれるかは、伝えたい情報の内容やアップロードするSNSによっても異なるため、様々なパターンの縦動画を制作し、視聴データを分析して、より効果の高いコンテンツ作りに繋げていきましょう。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。