相続税申告の税理士報酬は誰が負担する?費用を抑えるポイントを徹底解説!

松井信行公認会計士・税理士事務所
監修者
最終更新日:2024年03月26日
相続税申告の税理士報酬は誰が負担する?費用を抑えるポイントを徹底解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 相続税申告の税理士報酬は誰が負担するの?
  • 税理士報酬以外の費用を負担すべきなのは誰?
  • 税理士報酬を安く抑えるためのポイントは?

「報酬は誰が負担すべきなの?」「何とか安く抑える方法はない?」などの疑問を持つ、相続税申告を税理士に依頼する方、必見です。相続税は申告期限が短く、税理士に業務を依頼すべきケースも多いため、報酬額や負担者は気になるポイントです。

相続人が被相続人と親子関係であるか否かが、税理士報酬の負担者を決めるポイントになります。この記事では、税理士報酬や他の費用を誰が負担すべきかを詳しく解説します。相続税の申告を控えている方はぜひ参考にしてください。

相続・事業承継対策の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 相続・事業承継に詳しい専門家が見つからない
  • 税制度の変更に対応した対策がわからない
  • 税理士・公認会計士の費用相場がわからない

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の税理士・公認会計士に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

相続・事業承継対策に対応できる業者を一覧から探す

税理士報酬の負担者は決まっていない

老後_お金

相続税申告の税理士報酬を支払う負担者は決まっていません。相続人が複数人いるケースでは、相続人同士の話し合いによって負担者を決定します。

税理士は通常相続人の代表者1人に対して請求を行うため、相続人のなかの誰か1人が一時的に報酬を支払うことになるでしょう。その後、相続人の人数で負担を等分する、他の相続人は税理士報酬以外の費用を負担するなどの選択肢があります。

相続人が親子の場合は配偶者が負担する

相続税申告の税理士報酬を支払う負担者は決まっていないものの、相続人が親子の場合には配偶者が負担するのが一般的です。被相続人の配偶者は配偶者控除の対象であり、配偶者の法定相続分もしくは1億6,000万円までは非課税となります。税負担が少ない分、配偶者が税理士報酬を負担することが少なくありません。

加えて、二次相続を考えて配偶者が税理士報酬を負担する側面もあります。被相続人の財産を配偶者が受け継ぎ、その配偶者が亡くなると、一般的に子どもが相続することになるでしょう。子どもにかかる相続税の負担を軽くするため、一次相続時の財産を減らしておくのは効果的な節税方法の1つです。

相続人が親子ではない場合は各相続人が負担する

相続人が親子ではない場合、各相続人が相続分に応じて税理士報酬を負担するのが一般的です。相続分に応じて費用を負担することで不公平感がなくなり、トラブルを防げます。

たとえば、相続人Aが遺産の40%、相続人B・Cがそれぞれ30%ずつを相続したとしましょう。税理士報酬が30万円だったとすると、相続人Aが40%の12万円、BとCがそれぞれ30%の9万円ずつを負担することで納得感のある負担を実現できます。

相続税申告の税理士報酬相場は遺産総額の0.5%〜1.0%

相続税申告の税理士報酬相場は、遺産総額の0.5%〜1.0%です。一般的な税理士報酬の目安は以下の表のとおりです。

  税理士報酬の相場
5000万円以下 20万円〜50万円
1億円以下 25万円〜100万円
5億円以下 60万円〜200万円
10億円以下 150万〜300万円

税理士報酬の具体的な内容は、以下の記事を参考にしてください。

税理士報酬以外に発生する費用は誰が負担すべき?

老人 終活 

相続が発生すると、税理士報酬以外にも相続人が負担しなければならない費用が出てきます。代表的な費用は、以下のとおりです。

  1. 弁護士費用
  2. 司法書士費用
  3. 登記費用
  4. 遺産分割協議書作成費用

相続の手続きでは、さまざまな専門家に業務を依頼しなければならないことを覚えておきましょう。

1. 弁護士費用

「相続財産に債権がある」「相続人同士でトラブルが発生している」などのケースで弁護士を雇った場合、基本的には依頼主が費用を負担します。とくに他の相続人が弁護士の必要性を感じていない場合、費用の負担は依頼人にのみ求められることになります。

もし他の相続人にも費用を負担してほしいのなら、弁護士に依頼する前に相談するのが鉄則です。依頼後に税理士費用を負担してほしいと言った場合、トラブルがさらに複雑化するおそれがあります。

2. 司法書士費用

相続財産に不動産が含まれている場合、司法書士費用を負担する必要性が生じます。このケースでは、司法書士に業務を依頼した相続人が費用を負担するのが一般的です。

司法書士は不動産業務を独占業務としており、所有権移転登記や抵当権設定登記が必要なケースでは業務を依頼する必要があるでしょう。不動産を共有するのであれば、所有者となる複数人の相続人が持分に応じて司法書士費用を負担すると不公平感が少なくなります。

3. 登記費用

不動産を相続すると、登記に多額の費用がかかります。登記費用は該当する不動産を相続した相続人が支払うのが一般的です。

登記費用は、相続した土地の評価額に比例します。加えて、不動産登記には所有者の戸籍謄本や住民票、登記簿謄本などさまざまな書類が必要となり、これらの書類の取得費用も負担しなければなりません。

不動産登記費用については、以下の記事も参考にしてください。

4. 遺産分割協議書作成費用

相続人が複数人いる場合、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成することがあります。遺産分割協議書作成を弁護士や行政書士に依頼した場合、相続人の話し合いによって負担額を決めなければなりません。

相続税申告で税理士報酬を安くおさえるポイント4つ

本を開いているビジネスマン

相続税申告で税理士報酬を安く抑えるポイントは、以下の4つです。

  1. 無料相談を活用する
  2. 依頼内容を最小限に抑える
  3. 相続を専門にしている税理士を選ぶ
  4. 相続する不動産の近くにいる税理士を選ぶ

いずれも簡単に実践できるものであるため、相続税申告が発生した場合にはぜひ参考にしてください。

1. 無料相談を活用する

税理士報酬を抑えるための方法の1つが、無料相談を活用することです。無料相談によって税理士を知り、専門性を評価し、相続税申告の料金を確認できます。

多くの税理士は初回の相談を無料で行っているため、気軽に利用できるでしょう。税理士の専門性や自分との相性を確認するためにも、無料相談をうまく活用し費用を節約することがおすすめです。

2. 依頼内容を最小限に抑える

税理士報酬を抑えるためには、依頼内容を最小限に絞ることも効果的です。税理士に依頼する業務が増えれば、報酬も高くなります。

たとえば、戸籍謄本や登記簿謄本などの必要書類の準備や登記のための調査の多くは自分で行えるでしょう。自分にできる限りのことを済ませておくと、金銭的な負担を抑えられます。

3. 相続を専門にしている税理士を選ぶ

相続を専門にしている税理士を選ぶことで、全体の費用負担を抑える方法もあります。税理士は税法のプロフェッショナルですが、得意とする分野があるのが一般的です。

相続を専門にする税理士は、土地や建物の評価を適正に行えることが重要なポイント。不動産の評価額が高すぎると費用の負担が大きくなります。税理士報酬が多少高くなったとしても、不動産の評価を適正に行える税理士を選ぶと費用を抑えられるでしょう。

4. 相続する不動産の近くにいる税理士を選ぶ

遺産に不動産が含まれている場合、近くに事務所を構える税理士を選ぶのもいい方法です。税理士は不動産を評価するため、何度も現地に赴かなければなりません。

不動産の数や現地調査の回数によって、税理士報酬が高額になることもあり得ます。不動産の近くにいる税理士を選ぶことにより、交通費を節約して費用の負担を軽減できるでしょう。

相続税申告を税理士に依頼した方がいいケース3つ

Business相談

相続税申告は個人でも行えますが、以下の3つのケースでは税理士に依頼するのが賢い方法です。

  1. 遺産総額が高額になるケース
  2. 複数の種類の遺産があるケース
  3. 二次相続が発生する可能性があるケース

相続が複雑になると予想されるケースでは、税理士に業務を依頼するのがいいでしょう。

1. 遺産総額が高額になるケース

遺産総額が高額になるケースでは、税理士に業務を依頼するのが賢い方法といえます。遺産総額が大きい場合、相続税申告後に税務調査が入る確率が高くなるでしょう。

相続税申告に不備があった場合、多額の追徴課税が課せられることも珍しくありません。正確な相続税申告を行うためにも、最初から税理士に業務を依頼するのが賢明です。

2. 複数の種類の遺産があるケース

遺産の種類が多いケースでも、税理士の力を借りる必要があります。遺産が預貯金のみの場合、相続人が確定申告することも可能です。

一方、遺産に不動産や株式、骨とう品、債券などがある場合、遺産を適正に評価するのが難しくなります。遺産の評価額を間違えると、税務調査の際に追徴課税が課せられるおそれがあるため、経験豊富な税理士に業務を依頼するといいでしょう。

3. 二次相続が発生する可能性があるケース

二次相続が発生する可能性がある場合、税理士に相談するのがベストです。二次相続とは、被相続人の配偶者が亡くなることで発生する、子どもにとって2回目の相続のことを指します。二次相続では配偶者控除が受けられず、法定相続人の数が減るため相続税が高額になりがちです。

二次相続で相続人の負担を減らすためには、一次相続の時点で二次相続を見据えた相続を行わなければなりません。「生前贈与を検討する」「保険に加入する」などの方法で相続財産を減らすことが必要です。二次相続の相続税額を減らすためにも、専門家である税理士に相談することは重要といえるでしょう。

まとめ

相続税申告の税理士報酬を誰が負担するのか明確な決まりはありません。被相続人の配偶者が支払う、相続人同士で話し合って決めるなどの方法が考えられます。相続税申告には複雑な手続きが関係することも多いため、税理士の力を借りて正確な申告を心がけましょう。

比較ビズは、相続税申告に強い税理士を探すのにぴったりのWebサイトです。自分が設定した条件で全国各地の税理士を比較できるため、自分にあった人材を探せます。相続が発生している、相続税を少しでも抑えたい方は、ぜひ1度比較ビズを利用してみてください。

監修者のコメント
松井信行公認会計士・税理士事務所
所長 松井信行

大学卒業後、東京の大手ITベンダーや監査法人にて事業企画職や会計士としての実務に長年携わる。その後、自身が相続を経験したことを契機として2014年に相続専門の個人会計事務所を地元で開業。現在は阪神間(主に神戸市・芦屋市・西宮市)で相続税をはじめとする各種税務申告や生前の相続対策相談など、相続に纏わる様々なサービスを数多く手掛けている。

相続税の申告を税理士に依頼した場合、その報酬を誰がどのように負担するのかについては確かに明確な決まりはありません。

しかし、相続税を期限内に申告して納付する義務を負っているのは、相続等によって被相続人から財産を取得し相続税額が生じている相続人等(配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用する場合は相続税額がゼロでも申告は必要)ですから、財産を取得した全ての相続人等が取得した財産の割合等に応じて按分負担するのが最も合理的なのではないかと思います。

尚、相続税を計算する上で債務控除の対象となるのは、相続開始時点で既に存在する被相続人の債務で履行が確実なものに限られていますので、記事にも解説されている通り相続人等が相続税の申告の為に要した税理士報酬は債務控除の対象にはなりません。

また、相続財産が高額になる場合や相続財産に土地や非上場株式等で財産評価が複雑なものが含まれている場合は、申告内容に漏れや誤りがあると後々面倒な事になりかねませんので、やはり税理士に申告を依頼されることをお勧めします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

相続・事業承継対策の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 相続・事業承継に詳しい専門家が見つからない
  • 税制度の変更に対応した対策がわからない
  • 税理士・公認会計士の費用相場がわからない

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の税理士・公認会計士に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

相続・事業承継対策に対応できる業者を一覧から探す

比較ビズでお仕事を受注したい方へ

資料請求はこちら