テレワークマネジメントの課題と解決策とは?

株式会社C story maker
監修者
株式会社C story maker 代表取締役 萬関 良輔
最終更新日:2022年08月23日
テレワークマネジメントの課題と解決策とは?

毎日に会社のオフィスに通勤して仕事をするというスタイルは、今まで当たり前の働き方として考えられてきました。しかし、新型コロナウイルスの影響によって、在宅ワークを行う企業が多くなり、テレワークというスタイルが一般的になりつつあります。この働き方にはメリットもありますが、課題となる点もいくつもあります。そのため、在宅勤務による効率を上げるためにも、テレワークマネジメントという考え方を重視することは大事です。

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テレワークマネジメントとは?

そもそもテレワークマネジメントとは何を指すのかを知ってこそ、現在そのニーズが急速に伸びている事情を改めて考察することができます。これにより、その重要性についても理解を深めることができます。そこで、テレワークにおける課題とその解決策を探ってみましょう。

テレワークを行う業務と社員の管理

そもそも企業における通常のマネジメントは、二つの分野について行われています。

  • 業務マネジメント
  • 社員マネジメント

業務マネジメントとは、それぞれのプロジェクトがどの程度進行していて、どんな改善点があるかなどを把握することから始まります。その上で、より効率的で質の高い業務となるように、適宜調整を図っていくこと。

社員マネジメントは、部下が高い生産性を維持しながら働けているか、仕事上のストレスや難しさを感じていないかなどを把握すると同時に、社員同士の関係において問題がないかなどもチェックします。その上で、アドバイスや励ましなどを与えて、高いモチベーションを持って仕事ができるように助けたり、チームとしての連帯感を持てるように工夫したりします。

こうした管理を、テレワーク環境の中で行うのがテレワークマネジメント。基本的に、上記の二つの点に注目して業務と部下を管理、調整していきますが、環境の違いゆえに通常のマネジメントとは異なるやり方が求められます。

新型コロナウイルスにより必要性が増大

テレワークというスタイルは、IT系の企業を中心に以前から多くの企業で採用されていましたが、全体で見ると在宅での勤務を通常時から行っている企業の割合は、日本国内ではとても低い状態でした。

しかし、新型コロナウイルスの影響により、オフィスに社員が集まって業務をすることが実質的に難しくなったことで、状況は一変。状況の変化によってオフィスでの勤務に戻っている企業も多く見られますが、全社的とまではいかなくても、テレワークを継続するところもあります。

同じようなリスクに備えるために、こうした形での業務をどんな状況でも続けられるようにシステムを構築すべきだと考えている企業も少なくありません。また、実際にテレワークを始めたところ、効率の良い業務ができる、または社員からの評価が高いことに気付いて継続することに決めたところもあります。

多くの企業が注目している

従来の業務スタイルだけでなく、少なくとも一定の割合でテレワークを導入することを検討している企業が増えています。これは上記のようなリスクに備えるためだけではありません。

在宅ワークを行うことによって、より良い仕事ができる可能性が高まるからです。通勤の時間と苦労が減るなどのメリットがあり、働き方改革の一つの助けとなるというのがその一つの理由です。

また、優秀な人材を登用するのに役立つという点も。高いスキルを持っているとしても、子育てをしているといった理由などで、毎日通勤して仕事をするのが大変な人もいますので、テレワークを推進することで、求人の幅を広げられるのです。

テレワークマネジメントの特徴

テレワークマネジメントを成功させるためには、まずその特徴をしっかりと押さえておく必要があります。従来のマネジメントと同じやり方ではうまく行かないことも多いので、オフィスワークで行う手法との違いを知ることも重要でしょう。

オフィスワークでのマネジメントとの違い

従来のオフィスワークとの違いで最も大きなものは、社員同士、部下と上司が直接顔を合わせることができないという点。直接対面できないと、お互いの感情がうまく伝わらないこともあり、コミュニケーションが取りづらくなってしまいます。

また、社員自身もオフィスに行って仕事をしないということで、いろいろな影響が出てきます。オフィスとまったく同じ職場環境というわけにはいきませんし、デスクで仕事をするのとは異なるため違和感があることもあるでしょう。

こうした事柄は、部下と上司との関係性に影響しますし、社員のモチベーションや生産性にも関係してきます。テレワークマネジメントでは、こうした従来のオフィスワークではあまり見られない要素について特に注意して配慮することが重要になってくるのです。

テレワークマネジメントに注目するメリット

新しい分野に挑戦することには大変さもありますが、その分メリットも多くあります。たとえば、社員がオフィスで働くよりも、少ないストレスで仕事を続けられるという点があります。

通勤による負担が減る分、それだけ仕事に集中しやすくなりますが、マネジメントをしっかりとすることで、その良さをさらに引き出すことができるようになります。上司としても、効率よく部下へのマネジメントができるようになるでしょう。

そうすることで、様々なリスクとなる事態が生じたとしても、大きく作業効率を下げることなく業務を続けることができます。結果的に企業の業績を保てるだけでなく、社員の生活を守ることができるようになるでしょう。それに、顧客に質の高いサービスを変わらず提供し続けられるというメリットも得られるのです。

テレワークマネジメントの課題

いくつものメリットがあるテレワークとそのマネジメントですが、多くの企業にとって新しい試みとなるということもあって、課題もいくつか見えてきています。オフィスでの仕事とは異なる難しさを克服することが求められているのです。その代表的な課題をまずはチェックしてみましょう。

勤怠管理が難しい

社員の業務状況を把握するための一つの指針となるのが勤怠情報です。しかし、オフィスに来ることのない在宅ワークだと勤怠管理が難しいという課題が存在します。

適切なシステムがないと、社員が業務を開始したこと、休憩を取っていること、退勤したことなどをリアルタイムでチェックできないからです。また、現実問題として勤怠報告の不正が可能となることもあります。

もちろん、実際には社員が適正に勤怠報告をしていても、上司の側で不信感を持ってしまうことも起こりえます。

社員のモチベーション維持

多くの社員は、誰かと机を並べて仕事をする、管理者に見られているという意識を持つことで、緊張感を持って働けるものです。そのため、一人で、しかも生活の場である自宅で仕事をするというのは、プライベートとの差を付けづらくなってしまいます。

結果として仕事へのモチベーションを保ち続けるのに困難を覚えるようになり、集中力が途切れたり目標とやりがいを持って働いたりできなくなるケースも考えられます。

コミュニケーションの難しさ

いろいろな課題がありますが、その根本的な原因の一つとも言えるのが、コミュニケーションを取ることが難しいという点です。もちろん、テレビ会議システムによって通話はできますが、同僚や上司とのちょっとした会話などはしづらくなります。

また、顔を合わせて話すのと違って、感情を伝えたり相手の感情を読み取ったりするのが難しいのもデメリットでしょう。単に情報を交換するだけでは、社内のコミュニケーションはうまく行きませんので、テレワークマネジメントを難しくする要因となります。

システムやツールの不足

マネジメントを行う管理者として、様々な課題に気付いているものの、それを解決するためのシステムやツールが足りないと感じることもあります。課題のうちの多くは、単に管理者が工夫や努力をすれば良いというだけでなく、適切なツールを使用して改善していく必要があるものです。

しかし、そもそも利用できるツールが存在しない、もしくは企業側で導入していないとなると、マネジメントが思うようにいかなくなってしまうのです。

社員の職場環境

オフィスには事務用品やパソコン、周辺機器など、仕事を効率よく進めるための環境が十分に整っています。しかし、在宅での仕事となるとそうも行きません。

IT化が進み、多くの業務をオンラインで行えるようになっているとはいえ、それを最大限活用するだけのインターネット環境が自宅にない人もいます。また、ちょっとしたアイテムや見やすいモニターなどがないだけでも、業務効率がぐっと下がることも珍しくありません。

こうした仕事環境の質というのは、社員の業務効率と質、そしてモチベーションにも影響を与えることになります。

評価されている意識の低下

上司の目の前で働くことで、ちょっとした言葉などで評価されていると感じられることもあるものです。また、自分が頑張っている様子を直接見てもらっているという意識もあります。

しかし、テレワークだとこうした意識が低下してしまう傾向が見られます。きちんと自分の仕事が評価されているのかという不安感があると、仕事への意欲が下がる原因となります。

仲間意識の醸成ができない

同僚との何気ないおしゃべり、上司との会話というのは、チームとして働く意識を高めます。テレビ会議システムでは、なかなかこうしたちょっとした会話がしづらくなります。そのため、仲間意識を醸成し、それを維持するのが課題となるのです。

テレワークマネジメントを成功させるために

様々な課題を見つけることができたら、自社においてどのように解決していくかを考える必要があります。その点で、解決策となるいくつかの施策をチェックしてみることができます。

平等かつ高品質な作業環境の提供

テレワークマネジメントの基本として、まず勤怠管理システムや業務に直接関わる備品やネット環境など、オフィスとできるだけ変わらない環境を提供することが求められます。ここで大事なのは、全ての社員に対して平等に行うことです。

仕事環境の優劣はそのまま業務の質につながりますし、社員としても言い訳の材料にしてしまう可能性があります。均等に高品質の作業環境を提供することで、安定的なマネジメントができるのです。

明確な評価基準

テレワークでは、周りの社員の働きぶりが見づらく比較が難しい傾向がありますので、社員と業務についての明確な評価基準を設けることが大事です。そして、その基準を公表して社員も確認できるようにしましょう。

それにより、自分がその基準に達しているかどうかの客観的な把握ができますし、適正に評価されているという意識を持てるからです。

コミュニケーションツールの導入

簡単に連絡が取り合えるコミュニケーションツールの導入は必須。上司と部下だけの連絡だけでなく、横のつながりでも連絡を密に取り合えるシステムが理想的です。そうすることで、評価意識を持てると共に、仲間との関係性を保てるようになるからです。

定期的なカウンセリングプログラム

ちょっとした会話がしづらい、感情表現がしづらいという課題がありますので、定期的に部下へのカウンセリングをするプログラムを持つことは大事です。現在の仕事のやり方で感じていることや問題点、個人的な悩みなどを聞くことができるからです。

定期的なプログラムにすることによって、確実に話し合いの時間が持てますし、社員としても話しやすい状況となるでしょう。

テレワークマネジメント成功の事例

テレワークで生まれる課題を発見し、そのための解決策を講じてきた実際の事例を考えれば、そこから学ぶことができます。

チャットの常時接続とオンライン反省会の実施

システム開発を行うある企業では、社員同士で自由なコミュニケーションを取ることができるように、社内チャットサービスを常時接続することにしています。これにより、必要な業務連絡を行うだけでなく、横のつながりを持ったり、上司が部下の状況把握を行ったりすることができています。

また、毎週オンラインで、その週の業務についての反省会を行い、それぞれがどんな点に気付いたかを話し合えるようにしています。これにより、各自の仕事への評価意識や、チームとしてのまとまりを持てるというメリットが生まれています。

オンラインでのランチ会を実施

大手電機メーカーでも、やはりコミュニケーションを取ることの重要性を意識しています。上司と部下が一対一で話し合いをする場を、普段の業務とは別に設けて、きちんと社員からの意見を吸い上げると共に、相談に乗れる体制を整えています。

同時に、オンラインでのランチ会を実施するなどして、仲間としての楽しい時間を取れるようにもしています。チームとしてのまとまりを作るのに大きな助けとなり、人間関係を構築するだけでなく、社員のストレスを発散する機会とすることができるのがメリットでしょう。

まとめ

テレワークマネジメントでは、上司と部下、そして同僚同士でのコミュニケーションがカギとなりますが、同時に、働きやすい環境とシステムを導入することが基本となります。

直接会って一緒に仕事をするのとは違う課題がありますが、すでに世界中の企業がテレワークを導入して、成功しているところも多くあります。工夫を重ねて、新しいスタイルを定着させられるようにしましょう。

監修者のコメント
株式会社C story maker
代表取締役 萬関 良輔

マーケティングコンサルティングとして、上場企業から地方中小企業まで延べ100社以上のご支援を経験。戦略設計から実行、人材育成まで会社において事業面を全てご支援範囲としている。WEBマーケティングにおいても、WEB広告及び制作関連も全て対応。過去実績:集客改善PJ(WEBマーケ改善率 110%〜160%)、マーケティング人材育成PJ(人材育成後、集客が2.5倍改善)

近年の社会情勢からテレワーク化が一気に進み、多くの企業でテレワークの導入が進みました。最近ではテレワークと出社をフレキシブルに社員が選択できる環境を提供している企業も見受けられますが、まだまだテレワークでのマネジメントには課題が多いのが現状です。

本記事にも記載があるように、遠距離かつ画面上でのやり取りという過去の日本ではなかった新しいコミュニケーション方法だからこそ、今までの正攻法では管理しきれて」いないのが現実でございます。

しかし、多くの優秀な人材と場所関係なく働けるという利点では多くの企業に人材確保の機会でもあり、遠隔マネジメントコントロールすることでより企業活動を加速できる手法として重要であることも事実です。

遠隔マネジメントで重要な点について本記事にもご紹介をしておりますが、私が考える最も重要なことは、「マネジメント人材が仕事を設計できているか」という点です。

今までの日本ではオフィスに部下がいることが普通であり、たまにのぞき込んだり話しかけたりすることで進捗の確認などをすることができましたが、遠隔ではそうはいきません。ではどうするべきか、簡単です。一つの仕事を最初から最後までどういったタスクが発生するのかを設計するだけでいいのです。

仕事を始める前にタスクの目的は何か、ゴールは何か、ゴール達成する為に必要なタスクは何かを細分化さえできてしまえば、週に数回のMTGで進捗確認ができてしまい次の指示に迷うこともありません。

マネジメントの根幹とは、「仕事、人材をコントロールすること」にあります。コントロールする為に必要な線路さえ事前に作ってしまえばいいのです。仕事の設計をし、遠隔からでもマネジメントできる環境を作ることでより多くの企業が躍進できると私は考えております。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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