業務用エアコンの設置工事費用は4万円〜21万円｜追加料金がかかるケースも解説

【総額早見表】本体・工事込みの業務用エアコン設置費用相場

追加費用が発生しない場合の、業務用エアコンの本体＋設置工事費用の目安は次のとおりです。

業務用エアコン設置工事の費用相場は40,000円〜210,000円です。本体価格は、設置工事費用ほど種類による差が大きくありません。どのタイプでも15万円〜90万円の範囲に収まります。

本体と設置工事の総額費用は20万円〜100万円が相場といえるでしょう。

業務用エアコンの設置工事費用【種類別】

エアコンの種類により相場が変動するため、4種類に分けて設置工事費用を解説します。

設置する業務用エアコンの種類が決まっている場合は、重点的に確認しましょう。

壁掛け型業務用エアコン設置工事の費用相場

引用：DAIKIN

壁掛け型業務用エアコンは、一般的な家庭用エアコンと同じく室内機を壁に掛ける形で利用する業務用エアコンです。工事手順は家庭用エアコンと大差がないことが多く、業務用エアコンのなかで設置費用をもっとも安価に抑えやすいタイプです。

壁で支えられる小型・軽量の製品が中心で馬力が小さいため、広い事務所・店舗には向かないことがデメリットです。広い部屋で壁掛け型業務用エアコンを利用する場合はツインタイプを選びましょう。本体価格は約15万円〜です。

床置き型業務用エアコン設置工事の費用相場

引用：DAIKIN

床置き型業務用エアコンは、縦長の室内機をフロアに設置するタイプの業務用エアコンです。エアコン設置のために壁や天井などの加工ができない場合にも利用できます。

壁掛け型よりも馬力の大きな機種が多いにもかかわらず、設置工事費用がさほど上がらない点が魅力です。本体が重いため壁掛け型よりは設置費用がかかりますが、シングルタイプは高くても15万円ほどです。

比較的大型で設置にスペースを取る、デザインを重視したい店舗・事務所には適していないなどのデメリットもあります。広い事務所や工場、倉庫などで、馬力の大きな業務用エアコンを費用を抑えて設置したい場合に活用されます。本体価格は約25万円〜です。

天井吊型業務用エアコン設置工事の費用相場

引用：DAIKIN

天井吊型業務用エアコンは、室内機を天井から吊り下げる形で設置するタイプの業務用エアコンです。天井裏のエアコン設置スペース（天井懐）が必要ないため設置の自由度が高く「天板がない」「天井に穴をあけたくない」などのケースに最適でしょう。

壁掛け型・床置き型と比較すると設置費用が高くなります。

エアコンの厚みの分だけ天井から出っ張りが生じるため、デザイン性を重視したいニーズには向かないこともあります。デザインよりも冷暖房効率を優先して、遠くまでまんべんなく空調を効かせたい広い事務所・店舗などで活用されます。本体価格は約20万円〜です。

天井埋め込み型業務用エアコン（天カセエアコン）設置工事の費用相場

引用：DAIKIN

天井埋め込み型業務用エアコンは、室内機が天井とほぼフラットになるように天井に埋め込んで設置するタイプの業務用エアコンです。天井カセット型とも呼ばれ、スタイリッシュかつ省エネ効果が高いため業務用エアコンのなかでもっとも採用されている種類です。

天井埋め込み型業務用エアコンは設置の際に天井に大きな穴を開ける必要があり、工事費用がもっとも高額です。シングルタイプは6馬力程度までであり、8馬力以上では必然的にマルチタイプになる点も工事費用が高い一因といえます。

天井懐が狭いと設置ができないため、本体の購入前に業者に確認しましょう。本体価格は約22万円〜です。

業務用エアコン設置工事で追加費用がかかる4つのケース

業務用エアコンの設置工事で追加費用がかかるケースは上記のとおりです。業務用エアコンの設置にあたり、基本工事で対応できない作業が発生する場合に追加費用がかかります。

1. 室内機と室外機の距離が遠い

ほとんどの場合で配管作業は基本工事費用に含まれていますが、設定された配管の長さを超えた場合は追加料金がかかります。

たとえばシングルタイプの天井埋め込み型業務用エアコンでは、一般的に基本工事料金に含まれる配管は8mまでです。配管が8mを超えると1mあたり下記の追加費用がかかります。

一般家庭と異なり、事務所や店舗では室内機の近くに室外機を置けるよう設計されているとは限りません。業務用エアコン設置時には、室内機と室外機の距離がどのくらい離れているのかチェックしましょう。

2. 室外機を高所に設置する

業務用エアコンの室外機を2階以上の高所に設置する場合も、設置工事費用に追加料金が加算されます。家庭用よりも出力の大きい業務用エアコンは、室外機が大きく重いです。

引っ越しでも人力で荷上げが必要な場合には追加料金がかかるように、重い室外機を高所に設置する場合も費用が上乗せされます。設置場所の条件にもよりますが、5,000円〜10,000円の追加費用がかかると把握しましょう。

3. 業務用エアコンに適した電源がない

業務用エアコンは出力が大きいため、家庭用と同じ容量の電源やブレーカーでは対応できない場合があります。業務用エアコンに使える適切な電源がなければ、エアコン設置工事にあわせて電気工事を行わなくてはなりません。

電気工事には約5,000円〜の費用がかかります。容量変更のために電気契約プランをアップグレードすることになると、工事費用だけではなく電気代も高くなるため注意が必要です。

4. 既存の業務用エアコンとの入れ替えが必要

既存の業務用エアコンとの入れ替えを検討している場合、新しいエアコンの設置工事費用に加えて古いエアコンの撤去・廃棄費用がかかります。

設置されていた業務用エアコンの種類によりますが、撤去・廃棄にかかる費用は4万円〜20万円です。具体的にはシングルタイプの壁掛け型エアコンで約4万円、マルチタイプの天井埋め込み型エアコンで約20万円の撤去・廃棄費用が発生するでしょう。

既存の業務用エアコンとの入れ替えが必要であれば、合計で新しいエアコンの設置工事費用の約2倍の費用がかかります。

業務用エアコン設置工事の具体的な料金体系例

業用エアコンの具体的な料金体系例を、2社ピックアップしました。

株式会社タカラサービスの料金体系例

参照：株式会社タカラサービス

※壁掛け型（シングル）の場合

※壁掛け型（ダブル）の場合

エアコン工房の料金体系例

参照：エアコン工房

※天井埋込形（シングル：室内機1台・室外機1台・標準配管8ｍ）の場合

※天井埋込形（ダブル：室内機2台・室外機1台・標準配管15ｍ）の場合

業務用エアコン設置工事の費用が幅広い2つの要因

業務用エアコンの設置工事費用が40,000円〜210,000円と幅広い理由は、次の2つです。

費用に影響する要因を把握しておくことで、見積もりが適正価格かどうかを判断しやすくなります。

1. エアコンの種類により必要な工事が異なる

業務用エアコン設置工事の費用が幅広い要因の1つ目は、エアコンの種類により必要な工事が異なることです。

たとえば木造物件に壁掛け型業務用エアコンを設置する場合、穴あけを行ったとしても難しい工事ではありません。天井埋め込み型のように、空ける穴が大きい・配管を天井裏に通すなどの理由から複雑になる設置工事は費用が高額です。

室内機を複数設置するマルチタイプは、室内機の数に応じて配管が増えるため作業量も多くなります。種類が同じエアコンでも、シングルタイプかマルチタイプかにより設置工事費用が異なります。

2. エアコンの馬力により本体サイズが異なる

業務用エアコンの馬力も設置工事費用に影響するポイントです。馬力が大きくなるほどエアコン本体のサイズも大きくなります。下記の理由から、サイズが大きくなると本体価格だけではなく工事費用も高くなる傾向になります。

エアコンの「種類」と「馬力」の2つが、設置工事費用に影響する主な要因です。

業務用エアコンの設置工事の流れ

業務用エアコン設置工事の流れは、下記のとおりです。

設置工事がどのような流れで行われているか、念のため把握しておきましょう。

搬入・搬出経路の養生

設備の破損や汚れを防止するために、設置場所を中心に搬入・搬出経路をビニールテープや養生テープで保護します。

工事で発生する塵も防いでくれるため、吸い込むリスクも減るでしょう。

既存機器を撤去

既存のエアコンを撤去します。このとき注意するべき要点は、フロンの回収です。

フロンガスの回収を取り扱う業者に依頼すると、安全です。

新機器の設置

新しいエアコンを設置します。エアコンの種類によって工程が変わるため、作業時間も変わってくるでしょう。

冷媒配管やドレン管を接続

室内機を設置後に冷媒配管やドレン管を接続します。配管を接続した際に真空試験を行い、真空状態であるかチェックが必要です。

既存の配管を利用する場合は、ガス漏れをしないか耐圧試験をしましょう。

耐圧試験や試運転を実施

設置が完了したら、耐圧試験や試運転を行い、正常に稼働するか動作確認しましょう。ガス漏れや水漏れ、電源の出力等に問題がなければ設置工事が完了です。

業務用エアコンの設置・取り付け業者を選ぶ5つのポイント

業務用エアコン設置業者を選ぶポイントは上記の5つです。

業務用エアコンの設置には家庭用よりも高い専門性が求められます。設置費用を抑えたいためと、金額のみで業者を判断することは避けましょう。

1. 管工事の資格・免許を取得している業者を選ぶ

業務用エアコン設置業者を選定する際の1つ目のポイントは、管工事の資格・免許を取得しているかどうかです。

家庭用エアコンの軽微な工事の実施に資格・免許は必要とされません。業務用エアコンは配管が太く、複数本の管工事が必要な場合もあります。

冷暖房設備工事の資格・免許を取得している業者は、天井埋め込み型のように複雑な配管を必要な業務用エアコンの設置も安心して依頼できます。

2. アフターサポートの体制がある業者を選ぶ

業務用エアコンの設置工事は、アフターサポートの体制がある業者に依頼しましょう。業務用エアコンは、調理時に煙が出る飲食店や粉塵が発生する可能性の大きい工場でも活用されるため、定期的なメンテナンス・クリーニングが必要です。

家庭用よりも構造が入り組んでいることの多い業務用エアコンでは、メンテナンスやクリーニングも専門家に頼みます。設置後のアフターサポート体制が整っている業務用エアコン取り付け業者を選びましょう。

3. 工事前に現地調査してくれる業者を選ぶ

業務用エアコン設置業者を選定するポイントの3つ目は、事前にしっかりと現地調査してくれるかどうかです。

どれほど似た物件でも、業務用エアコンを取り付ける環境・条件は1つとして同じものはありません。ミスや遅れがなくエアコン設置工事を実施するためは、事前の調査が必要になります。

事前にしっかり現地調査してくれる事業者は、後から思わぬ追加料金を請求される心配もありません。より効果的に空調環境を整えられるよう、適切な提案・アドバイスをしてくれることも期待できます。

4. フロンガスの回収・廃棄に対応している業者を選ぶ

既存業務エアコンの撤去・破棄を伴う設置工事を検討している場合は、フロンガスの回収・廃棄に対応してくれる業者を選ばなくてはなりません。

見落としがちなポイントですが、フロンガスの回収・廃棄は「業務用エアコンの撤去を依頼する側」の責任です。誤ってフロンガスを外気に放出させた場合、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されます。

参照：環境省

業務用エアコンの付け替え工事を行う方は、設置だけではなく撤去・廃棄も考えた業者選定がポイントです。

5. 発注前に複数の業者から見積書を受け取る

業務用エアコン設置・取り付け業者を選ぶ5つ目のポイントは、複数の候補先から見積もりを取ることです。

業務用エアコン設置工事にかかる費用は幅広く、基本パッケージに含まれる対応内容も業者により異なります。適正価格を判断したうえで発注先を決めるには、複数の見積書を比較しなくてはなりません。具体的には下記のポイントを確認しましょう。

不明点があれば担当者に質問して、ていねいに答えてくれるか・回答に不審な点がないかなどを確かめておくことも重要です。

まとめ｜業務用エアコンの設置工事費用は4万円〜21万円が相場

業務用エアコンの設置工事にかかる費用はおおむね4万円〜21万円が相場です。本体価格とあわせると100万円近くなることもあるため、慎重に機種や業者を見極めましょう。

適正な料金でミスなく業務用エアコン設置工事を施工してもらうためには、優良な業務用エアコン取付事業者を選定することがポイントになります。

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執筆者

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