TikTok広告の出し方は？｜効果的な運用テクニックも解説

TikTok広告の出し方

TikTokとは、60秒程度の短時間動画に特化したソーシャルネットワーキングサービス（SNS）です。現在は月間アクティブユーザーが多く、国内でも多くのユーザーが利用しているため、広告を出すには適したツールといえます。

TikTok広告を出すには、10の手順に沿って設定を進めていきます。大まかな手順は以下のとおりです。

以下でくわしく解説します。

1. TikTok for Businessからアカウントの登録する

TikTok広告を配信するために、まずは広告アカウントの開設が必要です。

TikTok for Businessへアクセスし「今すぐ広告アカウントを作成する」をクリックします。電話番号またはメールアドレスを入力し、検証コードで本人確認完了後「国／地域」「登録タイムゾーン」「アカウントの通貨」を選択し、アカウント名と電話番号を入力します。

今後「国／地域」「登録タイムゾーン」「アカウントの通貨」は変更ができないため、間違えないよう注意しましょう。

2. 広告主審査を受けるためビジネス情報を入力する

次に広告審査を受けるためビジネス情報を入力します。アカウントの作成で「ビジネス情報」を選択し、広告情報の入力画面に切り替えます。

プロモーションするサービスのURLと業界を登録します。このURLは広告の遷移先ページにはならないため、注意が必要です。あくまでもTikTok側が「どのようなサービスを配信するのか」を把握するための情報となります。

3. 請求情報の設定をする

請求情報の設定をします。入力の必要がない箇所や変更ができない箇所があるため、よく確認して入力を進めましょう。

3-1. 請求書情報を入力する

自社の住所を請求書情報に登録します。今後請求書や領収書に印字される住所となるため、誤字脱字がないよう確認しましょう。

広告代理店の有無では、記載した住所が広告代理店なのかを選択します。TikTok広告の運用を広告代理店に依頼している場合、代理店と配信しているサービス先との区別をつけるために必要な欄になっています。

下部に「課税情報」の欄がありますが、日本企業の場合は記載の必要がないため入力の必要はありません。

3-2. 支払いタイプを入力する

選択できる決済タイプには「手動決済」と「自動決済」があります。

「手動決済」とは、指定の金額を広告配信前に入金をし、前もって決済をする方法です。前払いをすることで、配信料の増額を防ぐことができます。

「自動決済」とは、一定金額分配信されると、登録しているカードから自動的に決済される方法です。後払いのため、どれくらい広告が配信されたのかがわかりやすくなります。

決済の違いは、以下のとおりです。今後決済タイプの変更は出来ないため、管理が容易な方法を選択しましょう。

ここまでがアカウントの開設となります。

4. 広告マネージャーモードを選択する

広告マネージャーとは、有料広告キャンペーンの配信や管理を行うツールです。広告マネージャーモードには、簡易モードとカスタムモードの2種類があります。

簡易モードとは、デザインが簡易化された状態のモードです。キャンペーン作成や管理にかける時間が少なくなります。

カスタムモードは、企業の特色にあわせて広告をカスタマイズできます。広告目的にあわせて変更可能のため、より効果的な広告を出したい場合は、カスタムモードがおすすめです。

後からカスタムモードに切り替えることも可能のため、まずは簡易モードでスタートし、様子を見てカスタムモードへ切り替えることをおすすめします。

5. 配信目的の設定をする

広告を出すための配信目的を設定します。選択できる広告の目的は以下の3種類があります。

「この3種類に当てはまらない」方でも、比較的近いものを選択しましょう。

6. オーディエンスの設定をする

オーディエンス設定は、カスタムオーディエンスか自動オーディエンスの2種類から選択できます。

カスタムオーディエンスでは、より細かいターゲティングが可能です。年齢や性別だけではなく、地域も16カ国から選択可能、言語も英語や日本語、中国語など多様な言語から選択できます。

自動オーディエンスでは、オーディエンスをシステムが見つけて提供するため、ターゲティングを調節する手間が省けます。

オーディエンス設定をすることでより細かいターゲティングが可能ですが、細かく絞りすぎてしまうと広告が表示されるユーザー層が狭くなるため注意しましょう。

7. 予算の設定をする

予算設定を日予算か通算予算の2種類から選択し、入力します。

自社が出す広告の目的や、広告を出すターゲットにあわせて配信面を選ぶ必要があり、配信面によって広告にかかる費用が異なります。配信面によっては低予算でも配信できるものがあるため、最初のうちは予算にあわせて配信面を選ぶとよいでしょう。

8. 広告を作成する

実際に広告を作成する段階です。目的を明確化するため広告キャンペーンの目的を「ブランド認知」「購買意欲の向上」「コンバージョン」の3種類から選択しましょう。

自社のブランドを知ってもらう目的なら「ブランド認知」を選択します。キャンペーンの選択ができたらキャンペーンの名前を入力しましょう。

キャンペーンの作成ができたら広告セットを作成します。広告の配信先は「TikTok」「BuzzVideo」「Pangle」の3つから選択可能です。自社の宣伝するものにあわせて、選んでいくようにしましょう。

9. 広告の審査を受ける

必要事項を入力し広告の作成が完了後、審査が始まります。審査にかかる時間は通常は24時間以内です。入力ミスや誤字脱字などがあると審査に落ちてしまうこともあるため、必要事項の入力は正確に行いましょう。

広告を入稿するまでの一連の動作を事前に把握しておくことで、 審査もスムーズに通過できます。前もって広告を出すための手順を理解し、何が必要なのか用意しておくとよいでしょう。

10. 広告運用開始

すべての情報入力が完了し広告の審査を通過することで、いよいよ広告の運用がスタートされます。広告運用のポイントは、顧客の反応を見て柔軟に変更を加えていくことです。

TikTok広告では、後から細かい設定の変更が出来るため、ユーザーの反応にあわせて運用方法を変更できます。

実際に広告の反応やサイトのアクセス状況にあわせて、自社のWebサイトに製品の利用方法や利用例を掲載する工夫も可能です。広告の運用方法の変更も必要ですが、誘導先の変更も加えることでより多くの広告効果を得られます。

TikTok広告のメリットを最大限に活かし、多くのユーザーに自社の製品やサービスを届けるようにしましょう。

TikTok広告が審査に通らなかった場合の対応

情報を正確に入力し、広告の形式もTikTok広告に適したものにしたにも関わらず、審査に落ちてしまうことがあります。承認されなかった理由は提示されるため、以下の3ステップで対応していきましょう。

1. TikTok広告の不承認の理由を確認する

TikTok広告には出稿できない業種があります。自社の商品が該当しないか確認しましょう。TikTok広告で営業できない業種は、以下の9種類です。

TikTok内で広告が出せないジャンルは、基本的に年齢制限が必要となるコンテンツです。広告を提供する場合、自社のコンテンツ内容がTikTokに向いているかどうかも確認するようにしましょう。

2. TikTok広告を再作成または修正する

TikTok広告には「動画広告は5秒〜15秒以内、容量500MB以下」「静止画広告は98px × 98pxサイズ」と規定があります。テキストは12文字〜80文字以内と決まっているため、 条件に合う広告の作成が必要です。

不承認の理由が禁止されているジャンルでない場合、広告サイズやテキストの容量が合わなかった可能性が高いです。広告のサイズを見直し、場合によっては作り直しが必要となります。

3. 修正内容を保存する

承認されなかった理由を確認し、TikTokの広告ポリシーに沿った広告の作成が完成したら、修正内容を保存します。修正内容を保存し再度広告の出稿を行えば、再び審査が実施され、通れば広告が公開されます。

広告のサイズも適切で、ポリシーに抵触していないのに審査に落ちてしまった場合は、審査内容に異議申し立てをすることも可能です。

TikTok広告を効果的に運用する4つの方法

よりTikTok広告の効果を高めた状態で運用するには、TikTokを使っているユーザーのことを考えて、広告を出稿すると効果的です。

TikTok広告を効果的に運用する方法は以下の4つが挙げられます。

TikTok広告を活用する上で、より効果的にアプローチできる方法を参考にし、広告を運用してみてください。

スマホユーザーをターゲットに縦型クリエイティブにする

TikTokを利用しているユーザーのほとんどが、スマートフォンを用いて利用しています。広告のターゲットであるスマホユーザーに対して、見やすくクリエイティブな広告にすることで広告のクリック率も上昇します。

そのため、スマートフォンで見ることに特化した縦型のクリエイティブにするとよいでしょう。縦型のコンテンツは自然な動きでスクロールできるため、ユーザーはストレスなく広告を見られます。

インフルエンサーを起用する

TikTok広告は、インフルエンサーの効果がとても高いです。TikTokにはTikTokerと呼ばれるインフルエンサーが存在し、自分のフォロワーに対して多くの情報を発信しています。

インフルエンサーのフォロワーが求めているものや、インフルエンサーが人気な理由を把握したうえで依頼すると効果的です。依頼する場合は当然費用もかかりますが、信頼しているインフルエンサーが発信したコンテンツは、通常の広告よりも効果が高くなります。

予算をかけてある程度高い広告効果を出したい場合は、インフルエンサーの起用を考えてみましょう。

ユーザーに広告と思わせないコンテンツ作りをする

広告らしい広告は、ユーザーが視聴する前に興味をなくしてしまいます。TikTokは広告と一般投稿に大きな差がなく、広告を出したとしてもユーザー側が広告と認識しづらいのが大きなポイントです。

出てきたおすすめ動画はそのまま視聴しやすい環境のため、広告らしさを無くすことでユーザーが視聴しやすくなります。広告らしさを削った状態で自社の商品やサービス、ブランドイメージをユーザーに伝えられるようになれば、他の広告よりも強く印象に残ります。

ユーザーの投稿に近い広告を作れば、TikTokの強みを最大限に活かせるでしょう。

10代〜30代の若年層をターゲットにする

TikTokを利用している年齢層は、主に10代〜30代の若年層です。広告として提供するサービスや商品も、利用者と同じく10代〜30代向けの商品やサービスであると、広告の効果が大きく得られます。

年齢制限のかかるようなコンテンツは広告として配信ができないため、自然と若者向けのサービスの広告が増えるプラットフォームでもあります。

10代〜30代に人気のあるコンテンツや、ファッションブランドなど、自社が想定している若年層のターゲットに向けて配信してみてください。

TikiTok広告の種類

TikTok広告は以下の4種類です。

広告を出す目的によっても、広告配信面は変わってくるため目的にあわせて検討しましょう。

起動画面広告

起動画面広告とは、TikTokのアプリを起動した際にすべてのユーザーに配信される広告です。画面起動時に配信される広告のため、強いインパクトがあります。起動画面広告は1日1社限定で、広告枠を確保するのが非常に難しくなっています。

広告枠を得るのが難しい分、広告効果も大きいのが魅力的です。獲得できた場合は有効活用できるように、ユーザーに訴求できるクリエイティブを作成するようにしましょう。

起動画面広告の課金形態はインプレッション方式で、表示回数によって費用が変動します。1,000回の表示につき770円の課金となるため、起動画面の枠を得られれば、相場は500万円程度となります。

ハッシュタグチャレンジ広告

ハッシュタグチャレンジ広告とはユーザーが指定のハッシュタグをつけ広告を作成し、投稿する配信方法です。ハッシュタグチャレンジは多くのユーザーに届けやすく、インフルエンサーが積極的に導入する方法のため使用効果が高いのが魅力です。

ハッシュタグチャレンジ広告の場合、安いプランでも1,000万円程度発生するため、他広告と比べて高額なのがデメリットといえます。

ユーザーが自社の商品やサービスをよく理解した上で、自社の意思に沿った広告を作成・投稿するため、配信する側にも広告効果が期待できます。発生する費用は高くなりますが、投稿する側と観る側両方にアプローチできる部分においては優秀です。

インフィード広告

インフィード広告とは一般ユーザーの投稿に紛れて表示される広告です。広告表示はあるものの、広告らしさが少ないため、ユーザーの興味関心を惹きつけやすいのが特徴です。

興味を持ったユーザーが、最後まで広告動画を視聴してくれる可能性も高く、逆に興味がないユーザーからは飛ばされます。一般投稿に近い形の広告作成はセンスが必要となりますが、興味を引くことで多くの人に見てもらいやすい広告です。

運用型広告

運用型広告とは、広告の運用中にクリエイティブやターゲティングの変更ができる広告です。広告の効果を観察しながらクリエイティブを少しずつ変え、反応の多いユーザーに対してターゲティングを変更することが可能です。

低予算から運用が可能なため、少ない予算でより効果的な広告を出したいと考えている企業におすすめの方法といえます。

運用型広告は認知度を高めるよりも、より多くの人に反応してもらうために広告を出すことで効果を多く得られます。課金方法は「クリック課金」「インプレッション課金」「再生課金」の3つから選択が可能となっており、より無駄のない予算設定が可能です。

TikTok広告の課金形態

運用型のTikTok広告の課金形態には「インプレッション課金」「クリック課金」「動画再生課金」の3種類があります。

自社の予算とすりあわせて、自社商品の広告に合っている課金方法を選ぶことで無駄な広告運用を削減できます。事前に課金方法をチェックして予算オーバーせず、より効果的に広告効果が得られる方法を取るようにしましょう。

インプレッション課金

インプレッション課金型は広告の表示回数によって課金がされる形態です。新しいサービスや商品をより多くのユーザーに知ってもらいたいときに認知度を高めつつ、広告効果を得たい場合に適切です。

広告を表示すると料金が発生するため、広告からクリックして自社に誘導されたユーザー数は見づらくなります。とにかく多くのユーザーに情報を届けたい場合に利用するとよいでしょう。

クリック課金

クリック課金は、広告をクリックした段階で料金が発生する課金形態です。広告に興味がなく、流し見しているユーザーを除外でき、無駄な費用を抑えられます。クリック課金の場合はコンバージョン数を見て費用効果を分析しやすいため、効果分析をしたい場合にも有効です。

誤ってクリックされてしまった場合はコンバージョンにつながらないため、適切な費用効果が得られない場合もあります。クリック広告を選択した場合、定期的に運用データをチェックした上で費用対効果を計算しましょう。

動画再生課金

動画再生課金は、広告動画を一定時間再生した場合に課金が発生する形態です。自社の広告動画に興味があって、一定時間見たユーザーに対して課金が発生するため、こちらも無駄な料金が発生しないのが特徴です。

興味のないユーザーからは除外され、興味があるユーザーが見続ける事によって多くの情報を届けられます。

純粋に広告動画に興味があっただけで、製品の良さが伝わらなければ、コンバージョンにつながらないことがあります。クオリティの高い動画広告を作ることは重要ですが、コンバージョンにつなげることも意識して広告動画を制作しましょう。

TikTok広告の出し方でよくある質問

TikTok広告を出すにあたり、質問が多い項目をピックアップしました。疑問に思っている部分が該当する方は、参考にして運用してみましょう。

TikTokの特徴は？

TikTok広告の大きな特徴は、10代〜20代の男女の利用が多く、若年層へのアプローチの効果が高いプラットフォームであることです。自社の提供している商品やサービスが、10代〜20代の男女に向けたものの場合、より高い効果が期待できます。

広告の種類も豊富で、予算にあわせて運用ができます。最短1日で広告が出稿できるのも、TikTok広告の特徴といえるでしょう。

TikTok広告のキャンセルはできる？

TikTok広告は申し込みをするとキャンセルができません。TikTok側が先着順で広告枠を割り当て、手続きを進める形式をとっているためキャンセルができない仕組みがとられています。

最短1日で出稿が可能とはいえ、広告の申し込みキャンセルができない以上、ある程度余裕を持った申請をこころがけましょう。

TikTok広告の途中修正はできる？

TikTok広告は不具合の修正は原則的にできません。広告の内容を途中で変更できる運用型広告は変更を加えることが可能です。しかし広告とユーザーの出会いは一期一会です。誤った情報をユーザーに認識させないためにも、原則的にできないと考えましょう。

TikTokはユーザーが簡単に共有し拡散できるため、表記ゆれや価格の間違いが致命的なものの場合炎上することがあります。出稿前に必ず内容を確認するようにしましょう。

不安が残り、途中で修正しながら広告運用をする場合、運用型広告の導入がおすすめです。

TikTok広告の出し方｜まとめ

TikTok広告は、アカウントを取得してから広告を出すまでに24時間で対応が可能です。手軽に出せる分、途中で広告の申請キャンセルができない、一部の運用形式を除いて広告を後から変更できないため注意が必要です。

TikTok広告をうまく活用しブランドの認知度向上などに、ぜひ役立ててみてください。

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執筆者

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