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360度評価の失敗を防ぐには?失敗例とその要因・成功へのポイントを解説!

最終更新日:2022年08月05日
360度評価の失敗を防ぐには?失敗例とその要因・成功へのポイントを解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 360度評価制度はうまく運用しないと失敗するというのは本当?
  • 具体的な360度評価の失敗例・失敗する要因を知りたい
  • 360度評価に失敗しないために気をつけておくべきポイントは?

人事担当者の中には、360度評価制度の導入にあたって「360度評価は失敗することが多いと聞いた」「360度評価の運用がうまくいかなくて悩んでいる」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、360度評価の具体的な失敗例やその要因、失敗しないためのヒントとなる360度評価のポイントを徹底解説!360度評価を運用していくヒントとなる成功事例も紹介していきます。

360度評価で起こりがちな失敗例

360度評価とは、関係性の異なる複数の評価者が、対象となるひとりの従業員(被評価者)を評価する人事評価手法のこと。上司・同僚・部下・他部署の従業員などが評価者となることで、一方向から見るだけでは気付けない、被評価者の人間性・組織への貢献度・課題をあぶり出すことが可能です。

人事評価で課題になりがちな「公平性の担保」に非常に有効に見える360度評価ですが、すべての企業・組織に有効で完璧な評価手法は存在しません。以下の5つから、360度評価の具体的な失敗例を紹介していきましょう。

  • 上司・部下に遠慮した無難な評価になってしまう
  • 社内コミュニケーションに支障が出る
  • 評価がバラバラで納得感が得られない
  • 従業員のモチベーションが下がってしまう
  • 成果を感じられないまま自然消滅してしまう

上司・部下に遠慮した無難な評価になってしまう

まず挙げられるのは、上司は部下に、部下は上司に対して遠慮が生じてしまい、結果的に「評価が中央値に固まってしまう」無難な評価となりがちなことです。これでは、被評価者を多面的に評価し、人間性や見えない貢献度・課題をあぶり出すという、本来の意味を失ってしまいます。

なぜ多面的な評価が機能しなかったのか?それは「部下を厳しく評価すれば、部下からも厳しい評価をされるのはないか?」「上司を厳しく評価すれば、上司からも厳しい評価をされるのではないか?」というそれぞれの逆インセンティブ意識が働きがちだからです。

社内コミュニケーションに支障が出る

上司・部下がお互いに遠慮してしまうことによって、社内コミュニケーションに支障が生じる失敗例につながります。具体的には、部下が上司に意見をいいにくい雰囲気が醸成されてしまう、また、上司が部下を厳しく指導しにくい心理状態になっているなど、社内の風通しが悪く円滑なコミュニケーションが困難な状況になることが考えられます。

評価を気にして社内コミュニケーションに支障が生じる状況になれば、当然、ビジネスの遂行・成長を阻害する重大な要因となり得ます。評価制度によって会社の成長が阻害されるようであれば、明らかに失敗だといわざるを得ません。

評価がバラバラで納得感が得られない

無難な評価になってしまうという失敗例とは逆に、「評価のバラツキが大きく、被評価者からの納得感を得られない」という失敗例もあります。これは、被評価者の勤務態度や行動を評価する「情意評価」が360度評価の基本となるからです。

たとえば「好き」「嫌い」「合う」「合わない」といった評価者の主観が、360度評価には大きく影響する可能性があります。優秀であることを自負する上司が嫌われているという理由だけで低評価されれば、当人にとって納得できないのは当然。逆に部下から慕われてはいるが、能力的には疑問符の付く上司の評価が高い、といったパターンもあり得るでしょう。

従業員のモチベーションが下がってしまう

評価のバラツキが大きく納得感が得られないという失敗例にも関連しますが、評価項目・設問によっては「被評価者である従業員のモチベーションを下げてしまう」という失敗例もあります。360度評価の場合評価者の主観が大きくなりがちなので、被評価者が良かれと思って起こしたアクションが思わぬ低評価につながることも。

改善や成長につながるアドバイスであればともかく、なかには感情だけでコメントされてしまう場合も少なくありません。まともに批判を受け止めてしまう従業員であれば大きくモチベーションを損ない、最悪の場合は会社を辞めてしまうことも考えられます。当然、社内コミュニケーションの悪化、ビジネスへの阻害となることも避けられません。

成果を感じられないまま自然消滅してしまう

360度評価のもっとも大きな失敗例としては、導入してはみたものの成果を感じられず、継続することなくやめてしまう、あるいは自然消滅してしまうことが挙げられます。

360度評価制度は評価して終わりではなく、評価の結果をフィードバックして被評価者の行動を改善し、業務に活かすことによってはじめて成果が現れるもの。「360度フィードバック」とも呼ばれるのはこのためであり、中長期的な観点で継続していかなければ成果を感じられないのは当然なのです。

360度評価が失敗してしまう要因

ここまでで、360度評価の具体的な失敗例を紹介してきましたが、なぜこのような失敗が起ってしまうのでしょうか?以下から、360度評価が失敗してしまうよくある要因を5つ紹介していきましょう。

  • 360度評価を実施する目的・評価基準が曖昧
  • 360度評価が業績・能力評価と結びついている
  • 360度評価の目的が対象者に周知徹底されていない
  • 評価項目・設問が適切ではない
  • 360度評価後のフォロー・フィードバックが適切ではない

360度評価を実施する目的・評価基準が曖昧

360度評価が失敗するもっとも大きな要因として考えられるのは、360度評価を導入・実施する目的、目的に即して決められるべき評価基準が曖昧だということです。一般的に、360度評価の目的は、大きく以下の2つがあるといわれています。

  • 人材評価の客観性・公平性を担保する
  • 結果を被評価者にフィードバックして成長を促す

しかし、単純に360度評価を導入すれば目的が達成されるわけではありません。「だれ」を育成・活用していくのか?評価結果を「どのように」活かしていくのか?企業としての方針に応じて、対象者(被評価者)や評価基準を調整していかなければなりません。

客観性・公平性を担保できるからと360度評価を導入しても、明確な目的・評価基準がなければ失敗するのは当然であり、成果を感じられないのも当然のことなのです。

360度評価が業績・能力評価と結びついている

無難な評価に落ち着いてしまう、それによって社内コミュニケーションに支障が生じるといった360度評価の失敗は、本来「情意評価」である360度評価が、業績評価・能力評価と連動している場合に起こりがちです。これらが定量的に評価できるのに対し、360度評価は定性的な評価が主体となります。

  • 業績評価・・・課せられた目標に対する達成度を評価する手法
  • 能力評価・・・スキル・知識・資格などの能力を評価する手法

定量的に評価できる業績・能力評価が、給与・賞与・等級などに反映されるのは納得しやすい一方、定性的な360度評価が反映されるのには抵抗感を覚える方も少なくないでしょう。特に、被評価者が評価者にもなる360度評価では従業員間に遠慮が生じてしまうことになり、最悪の場合はお互いの評価を調整し合うといった不正の温床になりかねません。

360度評価の目的が対象者に周知徹底されていない

仮に、360度評価を導入・実施する目的が明確であっても、それが被評価者・評価者に周知徹底されていなければ評価制度を機能させることは困難でしょう。「なんのために評価するのか?」「どのように評価するのが適切なのか?」被評価者・評価者が理解できていなければ、評価にバラツキが生じるのは当たり前であり、納得感を得ることも困難です。

定性的な評価が主体となる360度評価は、評価を得点化する場合でも補足する意味合いでコメントを付与することが一般的。しかし、360度評価の結果をどう活かしていくのか?理解しないまま評価を進めていけば、目的から外れた意味のないコメントが続出してしまう可能性もあるでしょう。

評価項目・設問が適切ではない

被評価者である従業員のモチベーションを下げてしまう360度評価の失敗は、評価項目・設問が適切ではないことが要因であるケースも少なくありません。

評価者としての経験がある方ならご存知のように、他者をフェアに評価するのは非常に骨の折れる作業です。ましてや、360度評価では「評価者としての経験が薄い」従業員が多数存在します。評価項目や設問が適切でなければ、主観的になってしまうのは当然のことだといえるでしょう。

評価項目・設問数が多すぎるのも360度評価が失敗してしまう理由のひとつです。上司・同僚・部下・他部署の従業員など、ひとりの評価者に対する被評価者が多くなる360度評価では、評価項目・設問数の多さは作業負担につながり、結果として一人ひとりの評価がいい加減なものになってしまうからです。

360度評価後のフォロー・フィードバックが適切ではない

従業員のモチベーションを下げてしまう、成果が感じられずに自然消滅してしまうなどの失敗は、評価後のフォロー・フィードバックが適切ではないことも要因として挙げられます。目的・評価項目や設問が適切で正当な360度評価を実現できていても、適切なフォロー・フィードバックで改善に役立てていなければ360度評価を実施する意味がないからです。

たとえば、低評価のコメントを直接受け止めてしまう従業員がいた場合でも、それを改善に向けたアドバイスに転換できるフォロー・フィードバックができれば、モチベーションを維持することも可能です。そのためには、フォロー・フィードバックを担当する人事担当者の育成・教育も重要なポイントになるでしょう。

360度評価を失敗させないためのポイント

ここまでで、360度評価の失敗例とその要因について解説してきました。では、360度評価を失敗させずに運用していくには、どのようなことに注意しておけばいいのか?以下から、ヒントとなるポイントを5つ紹介していきます。

  • 360度評価のメリットを意識する
  • 360度評価の目的・評価基準の明確化
  • 360度評価の目的・評価基準に合わせた項目設計
  • ガイドラインの策定・研修の実施
  • フォロー・フィードバックを含めたスケジュール管理

360度評価のメリットを意識する

360度評価の導入・実施を効果的なものとするためには、360度評価にどのようなメリットがあるのかを把握し、メリットを活かせるように制度設計・運用していく必要があります。以下の4つは、360度評価を導入・実施する代表的なメリットです。

  • 被評価者の人物像をより具体化できる
  • 被評価者本人も自覚していなかった気付きを得られる
  • 多面的な評価のため納得感を得やすい
  • 責任感や当事者意識を高められる

360度評価の目的・評価基準の明確化

360度評価失敗の要因でも触れたように、360度評価の目的・評価基準を明確化することが成功への重要なポイント。具体的には「だれを」を「どのように」評価するのか、結果をどのように活かしていくのかを明確にすることです。情意評価である360度評価を給与・等級に反映させるか否かも決めておく必要があります。

情意評価が給与・賞与・等級に反映される例は珍しくなく、360度評価を等級に連動させている企業も存在します。評価結果が何にも反映されないのでは、360度評価制度を継続していくインセンティブになりません。

重要なのは、失敗例や特徴を踏まえ、結果を何に反映させるのかを明確にすること。たとえば、給与ではなく賞与に360度評価を反映させるなどが考えられます。

360度評価の目的・評価基準に合わせた項目設計

明確化した360度評価の目的・評価基準にしたがい、適切な評価項目・設問を設計していきましょう。

特に、勤務態度や行動などを定性評価する360度評価では、できる限り私情の挟めない評価項目を設計することが重要です。自社で設計するのが難しいようなら、人事制度コンサルタントに相談してみるのもひとつの方法。数々の事例をもとに、評価項目を作成するための効果的なアドバイスが得られます。

ガイドラインの策定・研修の実施

360度評価を効果的に運営していくためには、参加する従業員が責任感・当事者意識を持つ必要があります。そのためには、360度評価の目的・狙う効果・反映させる制度などを含む会社の意図をガイドラインとしてまとめ、従業員に周知徹底させることがポイント。

評価エラーのリスクを最小化するためにも、360度評価に関する「トレーニング・研修」を実施して、従業員の評価スキルを高めていく努力も必要でしょう。同時に、評価結果をまとめてフォロー・フィードバックする人事担当者の育成・教育も怠ってはいけません。

フォロー・フィードバックを含めたスケジュール管理

360度評価の運用で意外に失敗してしまいがちなのが「フォロー・フィードバック」です。評価作業の実施に気を取られてしまうのがその理由ですが、被評価者に適切なフォロー・フィードバックを与えて改善につなげられなければ、360度評価を実施する意味がありません。

一人ひとりの被評価者に丁寧なフォロー・フィードバックを与えることを前提に、360度評価のスケジュールを逆算しながら管理していくことがポイントです。

参考にしたい360度評価の運用方法

人事評価制度には一定のセオリーがあることは事実ですが、効果的に活用していくためには制度面・運用面を自社の実情に合わせてアレンジすることもポイントです。それでは、どのようにアレンジ・工夫していけばいいのか?以下から参考になる360度評価の運用例を紹介していきます。

評価対象を管理職に限定した株式会社ディー・エヌ・エー

参照元:株式会社ディー・エヌ・エー

AI・ゲーム・オートモーティブなどの事業を幅広く展開する株式会社ディー・エヌ・エーが採用する「360度フィードバック」制度は、被評価者をマネージャーに限定して運用されています。

無記名制が多い360度評価にあって記名制が採用されている、評価結果は給与・等級とは切り離されているなど、導入目的があくまでもマネージャーの成長を促すことに特化していることが特徴。評価結果を「部下からの贈り物」として受け止めるマネージャーが多いなど、しっかりと機能している様子が伺われます。

等級と完全に連動させたGMOインターネット株式会社

参照元:GMOインターネット株式会社

インターネット関連事業を幅広く展開するGMOインターネット株式会社では、役職・役割などの等級と完全に連動した360度評価を導入しています。6段階の役割等級が全社的に公開され、役職ごとの報酬も全従業員が認識しているためです。

明確な評価基準が存在し、被評価者がその条件を満たしているのかをチェックするのに360度評価が最適だったというわけです。従業員の責任感が高まっただけでなく、公平に評価されているという実感も得られる人事評価制度になったと好評です。

まとめ

本記事では、360度評価の具体的な失敗例やその要因、失敗しないためのポイントや成功事例も紹介してきました。

大手企業の約半数が導入しているともいわれる360度評価制度ですが、どんな手法であっても必要なのは制度設計と運用です。近年では優秀なタレントマネジメントツールが登場してはいますが、大前提となる制度設計には一定以上の知識・スキルが必要。自社設計が難しければ、専門家のアドバイスを仰ぐのもひとつです。

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