ブランデッドムービーとは?作り方や動画制作の注意点・事例5選を解説!

株式会社クラスターワン
監修者
株式会社クラスターワン 代表取締役 尾形隆幸
最終更新日:2023年06月19日
ブランデッドムービーとは?作り方や動画制作の注意点・事例5選を解説!
この記事で解決できるお悩み
  • ブランデッドムービーのメリット・デメリットは?
  • ブランデッドムービーの制作方法は?
  • ブランデッドムービーの成功例を観たい

「ブランデッドムービーを取り入れたい」「他社のブランデッドムービーを参考にしたい」とお悩みの方必見。

ブランデッドムービーとは、企業や商品のブランディングを目的とした動画です。

この記事では、企業のPR担当者向けに、ブランデッドムービーを制作するメリット・デメリットを解説します。記事を読み終わった頃には、自社の魅力をアピールできるブランデッドムービーをイメージできるでしょう。

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ブランデッドムービーとは

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ブランデッドムービーとは、企業や商品のブランディングを目的とした動画です。企業が視聴者へ伝えたいメッセージをストーリー性のある内容で発信する仕組みが特徴です。

企業理念への共感を誘うことで、視聴者の記憶にブランドイメージを残す狙いがあります。ストーリー性があるため、ドラマを観る感覚でメッセージを伝えられる点がポイントです。

商品を宣伝する目的の動画には、ブランデッドムービーのほかに「商品紹介動画」や「動画広告」があります。主な違いは、次のとおりです。

  目的 商品の紹介 視聴者の注目度
ブランデッドムービー ブランドPR なし あり
商品紹介動画 商品PR あり あり
動画広告 商品PR あり なし

商品紹介動画との違い

ブランデッドムービーと商品紹介動画の違いは、商品PRが含まれない点です。商品紹介動画は主に商品の特徴やPRポイントの紹介に時間を割きます。ブランデッドムービーは、直接的な商品紹介はせずブランドコンセプトやメッセージの伝達だけを目的とします。

ブランデッドムービーの役割は、企業が伝えたいメッセージに視聴者が共感するよう、ポジティブなイメージを与えることです。視聴者が企業のファンとなり、売上・リピーター増加につながることを狙います。

動画広告との違い

ブランデッドムービーと動画広告の違いは、視聴の能動性です。動画広告は、YouTubeやSNSを見ているときに突然差し込まれる形式をとります。視聴者に動画広告を見るかどうかの選択肢がなく、受動的に視聴される点が動画広告の特徴です。

動画広告は商品PRを通じて、消費者の購入を促すことが目的で制作されます。視聴者は必ずしも商品に興味があるとは限らないため、キャッチーで目を引く構成が大切です。ブランデッドムービーは関心を持った人の視聴を想定しており、深い内容をじっくり伝えられます。

ブランデッドムービー制作の4つのメリット

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ブランデッドムービーを制作する4つのメリットは、次のとおりです。

1. ブランド認知を広げやすい

ブランデッドムービーはSNSとの相性が非常によく、ブランドの認知拡大に有効です。商品紹介ムービーに比べるとブランデッドムービーにはストーリー性があり、話題になりやすい傾向があります。

視聴者が動画に共感しSNSで発信・シェアした場合、多くの人に拡散されるチャンスがある点がメリットです。SNSで拡散されれば、広告費用を抑えながら広く視聴してもらえる動画になります。

2. ポジティブな印象を与えやすい

自社ブランドへのポジティブな印象を視聴者に与えやすい点は、ブランデッドムービー制作のメリットの1つです。ブランデッドムービーはストーリー性を重視し、共感をメインに動画を構成するため、ブランドへの思い入れを強める効果があります。

3. 自社ブランドのファンを作りやすい

ブランデッドムービーに共感してもらえば、自社ブランドのファンが増えます。理念や会社のビジョンをブランデッドムービーとして伝え共感を生めば、企業やブランドのファンが増え商品全体の売上増加が期待できます。

ブランデッドムービーを通じて共感を呼び起こすためには、自社アピールは必要ありません。視聴者の悩みやニーズに寄り添い、解決策を提示する構造が大切です。リピーターが増えれば新商品やサービスを発売した際に、安定した購買行動につながります。

4. SNSで動画が拡散されやすい

ブランデッドムービー制作のメリットは、SNSで拡散されやすい点です。SNSは他のユーザーへのシェア・拡散がしやすく、話題性を生み出しやすい構造です。ブランデッドムービーのターゲット層に的確にアプローチできれば、効率的にブランド認知が広がります。

ブランデッドムービー制作の3つのデメリット

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ブランデッドムービー制作の主なデメリットは、次の3つです。

  1. 制作コストがかかる
  2. 効果測定がしにくい
  3. ネガティブな印象を与えるリスクがある

1. 制作コストがかかる

ブランデッドムービーの制作には、製作費・広告費がかかります。制作会社や脚本、実写の有無などに左右されますが、15〜30秒の動画で100〜500万円が費用相場です。ハイクオリティなものを目指す場合、500万円以上が必要です。

テレビCMや有料広告で発信する場合、制作費に加えて広告費が発生します。制作物を自社メディアやSNS、テレビCMなどに多角的に配信できるため、動画の活用方法は広く想定しましょう。

2. 効果測定がしにくい

ブランデッドムービーは動画広告と比べると、効果測定が難しいデメリットがあります。他のPR施策では、施策経由で商品の売れ行きが効果の指標になります。商品の購入数を追う方法は確立されており、効果測定は容易です。

ブランデッドムービーは商品を直接的に売るための動画ではありません。効果測定のためには、次の定量・定性基準を設けると目安がわかります。

定量調査

  • 動画再生回数
  • 「いいね」やシェアなどのエンゲージメント数
  • HPへの訪問数
  • 問い合わせ件数
  • キーワードの検索数

定性調査

  • 視聴者へのアンケートで動画の評価をヒアリングする
  • 想定ターゲットに動画を試聴してもらい感想を集める

3. ネガティブな印象を与えるリスクがある

ブランデッドムービーを制作しても、多くの人から共感を得られるとは限りません。拡散するほど多くの人に届くことになり、ネガティブな意見が増える可能性があります。視聴した人によっては反感を覚え、ブランドイメージを毀損されるおそれがあるでしょう。

ブランデッドムービーは、企業イメージを左右する重要な動画です。構成段階で差別的な内容や不快感を覚える内容がないか、入念に精査しましょう。

ブランデッドムービーの作り方【5ステップ】

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ブランデッドムービーの作り方は、次の5ステップです。

  1. ムービー制作の目的を明確にする
  2. ムービーのコンセプトを決める
  3. 脚本を作成する
  4. 撮影を行う
  5. 公開する

1. ムービー制作の目的を明確にする

ブランデッドムービーを作る目的を明確にしましょう。目的が明確でないと、ピント外れの動画となり、期待する効果が出ない可能性があります。

動画配信後の効果測定の方法は、目的を設定する段階で決めておくとスムーズです。どのような結果を目指して動画を制作するのか、定量的に明確になるためです。

想定する予算枠も定めておく必要があります。ブランデッドムービーの外注を検討する場合、概算見積もりを早めに行い予算のイメージを掴みましょう。

2. ムービーのコンセプトを決める

目的を明確にしたら、メインに据えるコンセプトを検討します。コンセプト(動画の方向性や1番大切なメッセージ)が決まれば作品の動画の構成が明確になります。コンセプトをもとに脚本や作風、動画のテイストの方向性などを決める段階です。

決めるべきポイントは、視聴者に1番伝えたいメッセージです。テーマは自社のイメージにあわせて、視聴者に身近な内容が適しています。メッセージには自社の理念やサービスへの想いなどを盛り込み、視聴者に寄り添う姿勢を大切にしましょう。

3. 脚本を作成する

制作目的やコンセプトにあわせて脚本を作成します。動画の目的やコンセプトに基づき「プロット」と呼ばれるストーリーの展開の大枠を決定します。プロットの流れに基づき、具体的に脚本を作る工程です。

プロットが決まれば動画制作全体にかかる費用が決定します。そのため、最初の段階で概算していた予算に見合うプロットが必要です。

4. 撮影を行う

脚本が出来上がったら、撮影を始めます。撮影には機材や道具が必要になるため、機材準備の目処を確認したうえで、スケジュールを組みます。

ブランデッドムービーに出演者が必要であれば、依頼と日程調整が必要です。出演者のスケジュールも早めに押さえ、準備ができたら撮影工程に進みます。

撮影がすべて終わったら、次は編集作業です。プロットや脚本をベースにして、ストーリー性のあるコンテンツにまとめます。編集の段階で必要ないと感じたシーンがあればカットし、ストーリーの統一感を大切にしましょう。

5. 公開する

動画が完成したら公開します。公開先の選択肢は広いため、戦略的に露出場所を選びましょう。

最初の後悔先の候補は、自社ホームページやYouTubeの自社公式チャンネル、自社公式のSNSが挙げられます。自社ブランドの発信と相性がよく、広告費用がかからないためです。さらなる告知効果を目指すには、有償広告への公開を検討します。

ブランデッドムービーの5つの活用事例

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ブランデッドムービーはブランドを伝えるためのメッセージが大切です。参考になるよう、5つのブランデッドムービーの活用事例を紹介します。

1. ベネフィットを間接的に伝える【早稲田アカデミー】

早稲田アカデミーでは「へんな生き物」と呼ばれるブランデッドムービーを公開しています。サービス紹介や塾で学習する様子さえ一切描写されず、子どもの夢を叶える手段として塾サービスを紹介します。

夢を目指す子供と、子供を不思議に思いながらも応援している母親との心温まるストーリーが共感を呼びます。本作はギャラクシー賞の優秀賞や広告電通賞最優秀賞を受賞しました。

2. 漫画やアニメが人々に与える影響を体感できる【講談社】

講談社では「Taking Flight」というブランデッドムービーを公開しています。自社のサービス・商品がどう影響を与えるか、洗練された表現で伝えている点が魅力です。

動画では、漫画やアニメなどの作品が鳥のように羽ばたいて、制作者から世界中の読者に届く様子を描いています。本が、老若男女問わず世界中の人に届き、多くの人の心を動かし楽しませている様子が鮮明に想像できる物語です。

視聴者が漫画やアニメ作品を作る企業の影響力や、やりがいを理解できる構造です。BRANDED SHORTS ナショナル部門を受賞しており、多くの支持を得ています。

3. 自社の理念への共感を生む【明治安田アセットマネジメント】

明治安田アセットマネジメントのブランデッドムービーは、企業ブランドの訴求を目的として制作されました。広告色を排除し、理念をメインに据えて視聴者の共感を誘う作品です。中長期的には自社の販売する投資信託への流入につなげることが狙いです。

ひとりの女性に焦点を当て、幼少期から社会人までの過程を描写し、視聴者の共感を引きます。「成長の支えになる」という明治安田アセットマネジメントのメッセージを伝え、視聴者にブランドを印象づけています。

4. 心暖まる雰囲気で共感を呼ぶ【アーツアンドクラフツ株式会社】

アーツアンドクラフツ株式会社のブランデッドムービーは、暖かい雰囲気や音楽に乗せて結婚指輪・婚約指輪の役割を伝えています。アーツアンドクラフツ株式会社は、「ith」というオーダーメイドの婚約指輪のブランドを運営しています。

カップルが人生のライフステージにあわせて指輪を大切にしている姿が、字幕メッセージとともに流れます。結婚前、結婚式、妊娠・出産とそれぞれのシーンで結婚指輪・婚約指輪が光り輝くシーンが印象的です。動画を通して指輪に付加価値を与え、ブランドの魅力を伝えます。

5. 自社サービスの意義を伝える【サイボウズ】

サイボウズでは「アリキリ」と呼ばれるシリーズのブランデッドムービーを展開しています。現代の社会問題を反映したストーリーを通して、問題解決のためにサイボウズの必要性が伝わる動画です。

サイボウズのブランデッドムービーの特徴は、アニメーション動画を導入している点です。ブランデッドムービーの中では珍しいパターンといえます。

キャラクター設定が明確で、セリフも考え抜かれています。アニメは一般的に没入が難しい傾向がありますが、他社との差別化になりインパクトのある作品に仕上がりました。

ブランデッドムービー制作を成功させるポイント

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ブランデッドムービー制作を成功させるポイントは、次の3つです。

  1. コンセプトを理解してくれる制作会社を見つける
  2. 納期に余裕をもたせて制作を始める
  3. 複数の制作会社に見積もりを比較する

1. コンセプトを理解してくれる制作会社を見つける

ブランデッドムービー制作を成功させるためには、コンセプトを理解し正しく表現できる制作会社を見つける必要があります。ブランデッドムービーは商品訴求ではなくブランド力を強める目的の動画です。品質の高い動画でなければ、視聴者の共感は誘えません。

制作会社はコンセプトを理解しているだけではなく、表現物に落とし込む力量も求められます。クオリティの高いブランデッドムービーを制作するためには、相性のいい制作会社を見つける必要があります。

2. 納期に余裕をもたせて制作を始める

ブランデッドムービーの制作は、時間がかかる作業です。目的決め、コンセプト決め、プロット決めだけでも数カ月かかる可能性があり、撮影や編集を含めると半年程度かかるケースもあります。

展示会や新作発表会など、ブランデッドムービーを公開する日程がすでに決まっている場合、早めに取りかかりましょう。おおまかな納期は見積もり依頼の段階で示しておくとスムーズです。

3. 複数の制作会社に見積もりをとって比較する

依頼する制作会社を選ぶ際は、複数社に見積もりをりましょう。最初から1社に決めると、提示された費用やサービス内容の比較対象がなくわかりにくいためです。

まとめ

ブランデッドムービーは視聴者の共感を誘い、長期的にブランドのファンを作るための動画です。ストーリー性やメッセージ性が重視される分、内容や構造が複雑になりやすく納期や費用がかかります。

効果の大きいブランデッドムービーを制作するためには、自社のニーズに適した制作会社を見つけることが大切です。

複数の制作会社に見積もりをとる場合、比較ビズの利用がおすすめです。数の制作会社に一括で無料見積もりをとれるため、1社ずつ依頼・交渉する手間が省けます。効率的に最適な制作会社を見つけたい方は、お気軽にご利用ください。

監修者のコメント
株式会社クラスターワン
代表取締役 尾形隆幸

埼玉県さいたま市出身。動画・グラフィック・デザイン制作、WEBマーケティングをワンストップで行う。「UNCHAINS(アンチェインズ)」を運営する株式会社クラスターワン代表取締役。ホームページ制作会社、広告代理店、IT業界での営業・人材教育を経験。その後、東京の動画・映像制作会社に入社。ディレクション・撮影・編集等を学び、静岡にて起業。動画制作はこれまで県内・県外の企業を中心に商品紹介、サービス紹介、会社紹介、リクルート、イベント・展示会、テレビCM等、実写からアニメーションに至るまで企画・撮影・編集をワンストップにて対応。クライアントのビジネスでの目的・目標達成のために動画を中心としたクリエイティブとWEBマーケティングの力で成果を出すための取り組みに注力している。趣味はサッカー、映画鑑賞。

今の時代のブランディングにおいて「共感」「ファン」というキーワードは欠かせないものとなっています。テクノロジーの進歩によって生み出される革新的なもの以外商品やサービスで革命的といえるものは少なくなってきており、差別化などを主とした消費者志向のマーケティングから価値主導のマーケティングへと変わってきた証拠とも言えます。

自動車のCMがわかりやすい例かもしれませんが、一昔前まではその車の性能などが前面に押し出されていたCMが多かったですが、今ではそうした機能的価値に加え「その車と一緒に作る家族の思い出」など情緒的価値を打ち出したCMもよく見かけるようになったのではないでしょうか。

そういった「心に届くブランディング」が重要な時代だからこそブランデットムービーも多くなってきているのだと思います。ブランデットムービーのメリットの一つに、企業規模の大小は関係なく成果を出せるという点があります。

企業の理念・ビジョン・想いを主観的になり過ぎず、見る人の心に響くブランデットムービーにする事ができれば、その価値に共感したファンを作り出し長期的な関係を築くきっかけとなってくれるでしょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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