【事例8社】カスタマーサクセスを読み解く!失敗しないポイントも紹介!

最終更新日:2023年02月14日
【事例8社】カスタマーサクセスを読み解く!失敗しないポイントも紹介!
この記事で解決できるお悩み
  • そもそもカスタマーサクセスって何?
  • カスタマーサクセスの成功事例はある?
  • カスタマーサクセスに取り組んで失敗しない?

「カスタマーサクセスをよく耳にするけど、実際効果があるのかわからない...」という方必見!
この記事では実業務への活用方法がわからない方に向けて、カスタマーサクセスの事例を解説。最後まで読めば、カスタマーサクセスで失敗しないポイントについてもわかります。

8社の事例を解説しているので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。

カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスとは、商品やサービスを利用する顧客の満足度を向上させ、顧客との関係性を強くする取り組みのことです。カスタマーサクセスに取り組むことで「顧客管理の簡素化」や「顧客と企業の交流の活発化」を期待できます。

カスタマーサクセスが注目を浴びる背景には、ビジネスモデルの変化が関係しており、サブスクリプションサービスが普及している影響が大きいです。ビジネスモデルの変化に対応するための施策として、カスタマーサクセスがあります。

サブスクリプションサービスとは?

サブスクリプションサービスとは、商品を購入して「所有」するのではなく、定期的に料金を支払い、コンテンツやサービスを一定期間「利用」する新たなビジネスモデルです。

【BtoB編】カスタマーサクセスの事例

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「BtoB」とは、一般的に企業が企業に対して行う商取引のことを指します。
企業に対してカスタマーサクセスを取り組んだ事例を、2つ紹介します。

  • 顧客管理を一元化できたケース
  • 顧客数が増えても対応できたケース

収集した顧客データを業績に反映できていない方は参考になるでしょう。いずれの事例もカスタマーサクセスにより、集めたデータの活用に成功しています。

顧客管理を一元化できたケース

カスタマーサクセスに取り組み、顧客管理を集約できた企業を2社紹介します。

  • 株式会社シェアウィズ
  • 株式会社Sapeet

2社とも顧客情報を集約できておらず、顧客へタイムリーな対応ができていなかった事例です。カスタマーサクセスによる変化がわかりやすいため、情報管理の一元化に悩んでいる方は参考になるでしょう。

株式会社シェアウィズ

株式会社シェアウィズは、オンライン試験の作成や研修、動画コンテンツの販売事業を行う会社です。設立から10周年を迎え取引先が増えるなかで、次の課題がありました。

  • 複数のツールに顧客情報を管理しているため、顧客情報を探す作業に時間がかかる
  • 顧客との連絡履歴や研修の進捗など活動状況が不透明になっている

カスタマーサクセスに注力した結果、顧客への情報発信を簡素化でき、大幅な作業効率化を実現できています。

株式会社Sapeet

株式会社Sapeetは、撮影した写真から「身体の歪み」「ずれ」「将来身体が抱えるリスク」「改善案」を可視化するサービスを提供している会社です。カスタマーサクセスに関わる組織や情報管理に関して、次の課題がありました。

  • 収集したデータをスプレッドシートや多種の業務効率化ツールに保管している
  • データ管理がバラバラなため、顧客への対応が後手に回る

カスタマーサクセスに取り組んだ結果、バラバラに管理していた情報の一元管理が可能になり、顧客の状況をリアルタイムで把握しやすくなっています。

顧客数が増えても対応できたケース

カスタマーサクセスに取り組んだことで、顧客数の増加に対応できた企業を2社紹介します。

顧客が抱える課題に対して先回りする、カスタマーサクセスの大切さを学べる事例です。

  • Slack
  • 株式会社SmartHR

Slack

Slack社は、社内のコミュニケーションやファイル管理、ビデオ機能などを兼ね備えたビジネスツール『Slack』を運営している会社です。今では、世界150カ国以上、1日のアクティブユーザー数が1,200万人を超えるほど、世界で人気を集めているツールです。

世界中でユーザー数が増え続けた背景に、カスタマーサクセスの取り組みが関係しています。Slack社は、常にユーザーからツールを使用した感想や利用状況などの情報を収集し、ユーザーが求める必要最低限の機能だけを追加していきました。

顧客理解と先回りの施策を繰り返し、世界中に愛されるツールへと発展してきました。
常にユーザーの課題は何かを先回りして考える姿勢により、顧客の増加に対応できた企業といえるでしょう。

株式会社SmartHR

株式会社SmartHR社は、人事評価システムやWeb版給与明細など、主に人事や労務管理のクラウドサービスを提供している会社です。登録者数は50,000社以上に達し、取引先には、東京海上ホールディングス、三菱重工など各業界の大手企業が連なっています。

労務・人事クラウド業界を牽引する株式会社SmartHR社ですが、実は2度の失敗を経験しました。代表取締役CEOの宮田氏は、成功の背景には「ユーザーヒアリングを徹底した」と発言しています。

取引先が増えるなかでも徹底したユーザーヒアリングによって、さまざまなニーズに対応できた企業といえるでしょう。

【BtoC編】カスタマーサクセスの事例

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「BtoC」とは、企業に消費者が代金を払って商品やサービスを受け取る商取引のことを指します。ECサイトでの購買や店頭での商品の売買もBtoCにあたります。
企業が顧客に対してカスタマーサクセスに取り組んだ事例を、2つ紹介します。

  • 顧客と企業の交流が活発化したケース
  • 顧客同士の交流が活発化したケース

いずれの事例もカスタマーサクセスにより、コミュニケーションの課題を改善できています。
「顧客のリアルな声の収集」や「顧客からの問い合わせ」にお悩みの方は、参考になるでしょう。

顧客と企業の交流が活発化したケース

カスタマーサクセスへの取り組みの結果、顧客との交流が活発化した企業を2社紹介します。

  • 株式会社ビームス
  • ベースフード株式会社

顧客とのコミュニケーションを改善したい方は、参考になる事例でしょう。

株式会社ビームス

株式会社ビームスは、紳士服、婦人服などを販売するアパレル会社です。コロナの影響により、次の課題に直面していました。

  • 来店者数の激減により、顧客とのコミュニケーションが取りづらい
  • 顧客と双方向でつながる方法を持ちたい

コミュニケーションの構築を得意とするカスタマーサクセスツールを導入した結果、オンラインで顧客と接する機会が増えました。オンラインでコミュニケーションをとれることで、顧客を担当したスタッフ以外の従業員と顧客情報を共有できます。

顧客情報の共有により、担当スタッフが不在時でも他の従業員が対応できる体制のため、顧客との関係性が強くなりました。

ベースフード株式会社

ベースフード株式会社は「BASE BREAD」や「BASE PASTA」など自社ブランドの食品を販売している会社です。顧客との接点を増やすなかで、次の課題に直面していました。

  • SNSでコミュニティ運営に取り組むが活用できない
  • 顧客が気軽に発言できる環境を整備できていない

カスタマーサクセスツールを使用し、コミュニケーションの構築を試みたところ、顧客のリアルな声の収集に成功して顧客との関係性を強化できました。

顧客が抵抗感なく情報発信できる環境を整えたことで、企業と顧客のつながりが太くできた事例といえます。

顧客同士の交流が活発化したケース

顧客同士の交流が活発化した企業を2社紹介します。

  • 株式会社SHARP COCORO LIFE
  • オーエス・シネブラザーズ株式会社

顧客からの問い合わせ対応にお悩みの方は、参考になる事例でしょう。

株式会社SHARP COCORO LIFE

株式会社SHARP COCORO LIFE社は、キッチン家電をクラウドの人工知能と連携させるクラウドサービスを提供しています。顧客層の違いにより、次の課題を抱えていました。

  • チャネルを顧客層別に分けたアプローチ方法が非効率的
  • 自社でカスタマーサクセスツールの開発や運用をできる人材の確保が困難

カスタマーサクセスツールを活用することで、顧客同士でレシピや活用方法などの情報を交換するようになり、顧客間の交流が活発になりました。顧客同士のやり取りが増えた結果、問い合わせ件数が減り、カスタマーサポートの負担を軽減できています。

すでに商品を使っている顧客のリアルな声を聞けるため、新規顧客の獲得にもよい影響を与えているようです。

オーエス・シネブラザーズ株式会社

オーエス・シネブラザーズ社は、地方で映画館の運営・経営を手がけています。コロナの影響を受け、次の課題を抱えていました。

  • 顧客とコミュニケーションを交わす機会が激減
  • 上映延期が相次ぎ、SNS上での顧客との交流頻度も大幅に減少

交流の場を増やすことを目的としコミュニティ構築に取り組んだ結果、顧客からの情報発信が増え、コンテンツが充実するようになりました。

情報交換が活発化したことで顧客同士の交流が強くなるだけではなく、社員間のコミュニケーションの促進にもつながりました。

カスタマーサクセスで失敗しないポイント4つ

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次の4つのポイントを踏まえると、カスタマーサクセスで失敗する確率を低くできます。

  1. 課題を明確にする
  2. 目的をはっきりさせる
  3. カスタマーサクセスツールを活用する
  4. KPI(目標)設計をする

カスタマーサクセスによる効果を味わうためにも、ポイントを押さえていきましょう。

1. 課題を明確にする

カスタマーサクセスを成功させるためには、抱える課題を明確にします。カスタマーサクセスに取り組む方法は数多くあり、課題に適した施策を行わないと意味がないためです。

顧客情報の管理に問題を抱えているのにもかかわらず、コミュニティの構築に取り組んでもカスタマーサクセスの恩恵を享受できないでしょう。

カスタマーサクセスの効果を十分に発揮するために、課題を洗い出すことが重要です。
課題を明確にできるかが、カスタマーサクセスの成功の分岐点といえるでしょう。

2. 目的をはっきりさせる

目的を明確にすることは、カスタマーサクセスに取り組むうえで大切です。
「顧客の何を改善するのか?」が不透明の場合、適した施策を選択できません。

カスタマーサクセスに取り組む目的がないと、施策の効果がぼやけてしまいます。会社に経営理念があるように目的を明確にし、取り組む社員のモチベーションや顧客の満足度を向上させることが重要です。

3. カスタマーサクセスツールを活用する

カスタマーサクセスとは、顧客満足度を向上させ長期的な関係性を構築する取り組みを表した言葉で、施策すべきことは多岐にわたります。取り組む施策をしぼるために、カスタマーサクセスツールの活用が効果的です。

ツールを活用することで、次の内容を集約できます。

  • 顧客情報
  • 担当者の業務量
  • 社内および顧客との連絡手段
  • 収集したデータの可視化

初めてカスタマーサクセスに取り組む場合は、ツールを活用すると成功確率を高められるでしょう。

4. KPI(目標)設計をする

カスタマーサクセスツールを導入する際は、KPI(目標)を決めることが重要です。手当たり次第でカスタマーサクセスに取り組むと、成功と失敗の要員を把握できないためです。

KPI(目標)の設定には、次の項目を掲げるとよいでしょう。

  • 解約率の低下
  • オンボーディングの完了率
  • アップセル率

KPI(目標)を設定することで、取り組んだ施策の振り返りに役立ちます。成功と失敗の要因の探究にも役立つため、KPI(目標)の設計は欠かせないでしょう。

まとめ

本記事では、カスタマーサクセスの事例を中心とし、失敗しないポイントにも触れました。改めて、重要なポイントを振り返りましょう。

  • カスタマーサクセスは顧客との関係性を強固にする取り組みを指す
  • カスタマーサクセスに成功している会社は多数存在する
  • カスタマーサクセスはBtoBやBtoCにも応用できる
  • 失敗しないために「課題や目的の明確化」「KPIの設定」「ツールを活用する」

カスタマーサクセスに取り組むことで、顧客との距離感を縮められ、より企業のファンを増やせる機会が訪れます。長期的なビジネス成長を実現させたい方は、カスタマーサクセスに取り組むとよいでしょう。

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監修者の一言

B to B においても B to C (B to B to C)においても、カスタマーサクセスの根本のアクションの考え方は、購入する際だけでなく全てのオケージョン(その商品を認知したり、触れたり、使用して体験する機会)で最高の満足度を高めると言う事です。

記事の全ての例でそれが見て取れると思います。自社の商品の改良で品質を高めることはとても重要ですがカスタマーサクセスとはそれだけでは呼ばないと言う事です。

その品質の改良は様々なオケージョンでの顧客の満足度を高めるための(カスタマーサクセス)一つのパートであると言う事です。品質だけが全てではなくなっていると言う認識を持つ必要があると言う事です。

”自社の商品は品質が良いのだから売れるんだ!”と声高々に叫ぶだけのリーダーの下では企業成長は望めなくなっていると言う事です。

自社の商品サービスを顧客はどの様に知り、どの様に買い、どの様に使用しているかを理解するところから全て始まります。 AIの発展で自動で効率的にそれらの情報が入手できるようになりましたが、AIが無くとも観察と仮定に基づくリサーチで対応可能な部分がまだまだあります。

Long Lasting Line (ロングラスティングライン)
代表者 福住 和久
監修者

実践戦略経営コンサルティングロング ロングラスティングライン代表。同志社大学商学部出身。大手米国系企業“P&Gジャパン”および“リーバイスジャパン”にて営業・マーケティング・戦略構築・組織構築の実務担当・責任者を経てフランスのフレグランスブランド “ディプティック ジャパン”にて日本法人社長。その後日本の企業アルファネット(株)にてCEO。それらの実践経験を基にビジネスコンサルティングファーム“ロング ラスティング ライン”を東京にて起業。経営・マーケティング・営業・評価制度・組織構築などの企業成長の要パートを専門に主に日本全国の中小企業・個人企業を支援。B to B およびB to B to Cモデルの企業を中心に支援。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。