相続手続きの必要書類一覧!相続に関わる6つのケースごとに詳しく解説

竹中啓倫税理士事務所
監修者
竹中啓倫税理士事務所 税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
最終更新日:2023年09月04日
相続手続きの必要書類一覧!相続に関わる6つのケースごとに詳しく解説
この記事で解決できるお悩み
  • 相続に必要な書類はなに?
  • 手続きに必要な書類はどこで取得できる?
  • 書類はどうやって取得する?

「遺産相続の手続きにおける全体の流れを知りたい」とお悩みの方、必見です。身近な人が亡くなり遺産相続をする場合、さまざまな手続きをしなければいけません。銀行預金や家など相続の対象により、必要書類が異なります。

この記事では、相続のケースごとに必要な書類の種類や取得方法を解説します。最後まで読めば、スムーズに書類の作成や取得、相続手続きを行えるでしょう。相続に必要な書類を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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遺産分割協議書の作成に必要な書類

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遺産分割協議書とは、遺産分割協議で話し合った内容をまとめ、相続人全員が同意したことを証明する書類です。遺産分割協議書を作成する場合、以下の書類をそろえる必要があります。

書類の種類 取得方法
亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡まで) 本籍地のある役所で取得可能
亡くなった方の住民票の除票 住所地のある役所で取得可能
相続人全員の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
相続人全員の印鑑証明書と実印 住所地のある役所で取得可能
財産目録 相続人が作成

亡くなった方が本籍地を何度も変えていた場合、すべての戸籍謄本が必要です。大変な作業となりますが、最終本籍地の役所から原戸籍謄本および除籍謄本をもらい、本籍地の役所をたどって戸籍謄本を集めなければいけません。難しい場合は、司法書士に代行してもらうことが可能です。

遺言書がある場合に必要な書類

遺言書がある場合、遺言書の種類や遺言執行者の有無によって必要な書類が変わります。自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所による検認が必要ですが、公的証書遺言の場合は必要ありません。遺言執行者を選任する場合は、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。

書類の種類 取得方法
亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡まで) 本籍地のある役所で取得可能
相続人全員の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
印鑑証明書と実印(相続人全員と遺言執行者のもの) 住所地のある役所で取得可能
遺言書
家庭裁判所の検認済証明書(自筆主遺言書の場合) 家庭裁判所で取得可能
遺言執行者選任審判書(遺言執行者が選任されている場合) 家庭裁判所で取得可能

相続放棄に必要な書類

相続放棄をする場合、以下の書類が必要です。

書類の種類 取得方法
相続放棄申述書 家庭裁判所または家庭裁判所HPで取得可能
相続放棄する人の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
亡くなった方の住民票の除票 住所地のある役所で取得可能

相続放棄をする場合、家庭裁判所で相続放棄申述書を取得し、手続きを行わなければいけません。相続があることを知ってから3カ月以内に手続きを行う必要があるため、注意しましょう。

金融機関の相続手続きに必要な書類

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金融機関の相続手続きを行う場合、ケースによって必要な書類が変わります。必要な書類は、以下のとおりです。

書類の種類 取得方法
亡くなった方の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
相続人全員の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
相続人全員の印鑑証明書 住所地のある役所で取得可能
通帳やキャッシュカード

他にも、金融機関が独自に用意している相続関係の書類が必要な場合があります。相続手続きをする金融機関に、必要な書類を問い合わせましょう。

遺言書や遺産分割協議書がある場合

遺言書がある場合は、追加で以下の書類が必要です。

書類の種類 取得方法
遺言書
家庭裁判所の検認済証明書(自筆主遺言書の場合) 家庭裁判所で取得可能
遺言執行者選任審判書(遺言執行者が選任されている場合) 家庭裁判所で取得可能

遺産分割協議を行った場合は、協議内容をまとめた遺産分割協議書が必要です。

相続登記に必要な書類

亡くなった方が不動産を持っていた場合、相続登記の手続きをしなければいけません。手続きには以下の書類が必要です。

書類の種類 取得方法
亡くなった方の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
亡くなった方の住民票の除票 住所地のある役所で取得可能
相続人全員の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
相続人全員の住民票 住所地のある役所で取得可能
相続登記申請書 法務局HPから雛型をダウンロード可能
不動産登記事項証明書 法務局で取得可能
固定資産評価証明書 不動産が所在する市区町村の役所で取得可能
相続関係説明図 相続人が作成し、法務局で認証を受けることで取得可能

不動産登記事項証明書は、提出する書類ではありませんが、相続登記申請書の作成に必要です。取得するには不動産の地番が必要であるため、事前に調べましょう。

遺言書や遺産分割協議書がある場合

遺言書がある場合は、他の書類と一緒に必ず用意しましょう。相続は遺言書に沿って行われるため、相続関係説明図は必要ありません。

遺産分割協議を行った場合は、以下の書類も用意しましょう。

書類の種類 取得方法
遺産分割協議書 相続人が作成
相続人全員の印鑑証明書 住所地のある役所で取得可能

相続税申告に必要な書類

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相続税申告に必要な書類は、相続のケースによって異なります。以下の書類は、どのケースでも必要になるため用意しましょう。

書類の種類 取得方法
亡くなった方の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
亡くなった方の住民票の除票 住所地のある役所で取得可能
相続人全員の戸籍謄本 本籍地のある役所で取得可能
相続人全員の住民票 住所地のある役所で取得可能

遺言書や遺産分割協議書がある場合

遺言書がある場合は、他の書類と一緒に必ず用意します。遺産分割協議を行った場合は、以下の書類も必要です。

書類の種類 取得方法
遺産分割協議書 相続人が作成
相続人全員の印鑑証明書 住所地のある役所で取得可能

相続登記を行った場合

相続登記を行った場合は、以下の書類が必要です。

書類の種類 取得方法
登記簿謄本 法務局で取得可能
固定資産評価証明書 不動産が所在する市区町村の役所で取得可能
地積測量図または公図 法務局で取得可能
名寄帳 不動産が所在する市区町村の役所で取得可能

ケースによっては、加えて以下の書類も用意する必要があります。すべて亡くなった方が、手元に持っている書類です。亡くなった方の家に残されている書類を確認しましょう。

  • 賃貸借契約書(貸家がある場合)
  • 売買契約書(家を購入した場合)
  • 見取り図(家を購入した場合)

預金相続を行った場合

預金相続を行った場合、以下の書類が必要です。

書類の種類 取得方法
銀行口座の預金残高証明書 金融機関で取得可能
既経過利息計算書 金融機関で取得可能

取引している金融機関が1カ所だけとは限りません。必ず取引しているすべての金融機関から、書類を取得しましょう。

株式を相続した場合

株式や投資信託をしていた場合、以下の書類が必要です。

書類の種類 取得方法
証券会社の預かり証明書 契約している証券会社から取得可能
登録証明書 保有していた株式の名簿管理人へ問い合わせ
配当金の支払い通知書
亡くなった方の取引明細(直近5〜7年間) 契約している証券会社から取得可能

配当金の支払い通知書は、亡くなった方が手元に持っています。家に残されている書類をすべて確認しましょう。

保険に加入していた場合

保険に加入していた場合、以下の書類が必要です。

書類の種類 取得方法
亡くなった方が加入していた生命保険支払通知書 契約している保険会社から取得可能
生命保険や火災保険などの保険証書(コピー)
解約返戻金がわかる資料 契約している保険会社から取得可能

生命保険や火災保険などの保険証書は、亡くなった方が手元に持っています。家を中心として徹底的に探しましょう。

債務を相続した場合

債務を相続した場合、亡くなった方の借金を証明する書類を用意する必要があります。借金を証明する書類は、借入金残高証明書や金銭消費貸借契約書、返済予定表などです。契約している金融機関や借入先から取得しましょう。

葬儀を行った場合

葬儀を行った場合、かかった費用は相続税の対象になりません。相続財産から控除できる場合があるため、通夜や葬儀などにかかった費用がわかるように、領収書やメモを準備しましょう。

法定相続情報一覧図を取得すると省略できる必要書類もある

相続の手続きには、同じ書類が複数必要になるものがあります。手続きごとに書類を取り寄せると時間も費用も多くかかるでしょう。

法定相続情報一覧図を取得すると、以下の書類を省略することが可能です。1度取得すると、何枚でも無料でもらえるため、費用の節約にもなります。

  • 亡くなった方の戸籍謄本
  • 原戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 亡くなった方の住民票の除票
  • 相続人の住民票

必要書類は手続きをすると返してもらえる

相続の手続きのなかで、同じ書類を求められる場面が多くあります。たとえば戸籍謄本や住民票などは、遺産分割協議書の作成や相続登記、両方の手続きに必要です。

相続の手続きに使用した書類は、以下の手順で原本還付の手続きを行うと、あとから返してもらえます。

  1. 原本のコピーを取る
  2. コピーの末尾に「原本と相違ありません」と記載する
  3. 申請に署名と押印をする

書類が複数枚にわたる場合は契印が必要です。原本還付の手続きを行ったコピーと原本を他の書類と一緒に提出します。原本還付の手続きを行っている書類の原本は、クリップで留めて提出しましょう。

難しい場合はプロに相談する

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相続の手続きは、相続するものやケースによって必要な書類が異なります。自分達だけで準備することが難しい場合もあるでしょう。相続は手続きによってさまざまなプロに相談できます。

たとえば、遺産分割協議や遺言書に関係した手続きは弁護士、相続登記の手続きは司法書士が対応可能です。相続税の申告は税理士、金融機関の相続手続きや株式の名義変更は行政書士が対応できます。

事務所によって得意分野が異なるため、相続関係に強い事務所を調べて相談しましょう。

まとめ

相続の手続きは銀行や不動産、税金などさまざまあります。手続きの種類や相続のケースごとに必要な書類が異なるため、注意しましょう。難しい場合はプロに相談するとスムーズに手続きできます。

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監修者のコメント
竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

皆さんが、突然身内がなくなった場合、一番最初にすべきことは、銀行口座からお金を引き出すことだと思います。預金残高を減らして、相続税を少なくしようということではありませんよ、そんなことをしてもわかってしまいますから。

銀行預金が凍結される前に、葬式費用等の当面の必要資金を用意することにあります。可能であれば、対応できるようにしておいてください。相続の際、相続人全員を特定する必要がありますし、財産のすべてを特定する必要があります。

相続人の特定は、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍をすべて揃えることによって特定できます。実務でも、すごくまじめで物静かな方なのに、離婚の事実や、はたまた、外にお子様が見えたり、びっくりすることはあります。

相続税の申告が必要ない場合、相続登記を行わず被相続人名義のままで放置するケースも多かったと思います。かくいう私も実父の相続の際、名義変更をしなかったという過去があります。

その後、行いましたが、費用面からも飛ばしがちでした。ただし、令和6年4月1日以降、相続登記が義務化され、遺産分割協議成立後3年以内の登記申請をしなければならないとされました。ご注意ください。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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