【BtoB向け】カスタマージャーニーマップの作り方は?BtoCとの違いを解説
- BtoB向けカスタマージャーニーマップとは?
- BtoB向けとBtoC向けのカスタマージャーニーマップの違いは?
- BtoB向けカスタマージャーニーマップの作成方法・手順は?
BtoBマーケティングを強化したい方必見!この記事ではBtoB向けカスタマージャーニーマップの概要や作り方を解説します。最後まで読めば、BtoB向けカスタマージャーニーマップへの理解が深まり、作成に向けた行動を起こせます。
BtoB向けのカスタマージャーニーマップは、BtoC向けとは異なる視点を持って作成する必要があります。具体的な作成方法を紹介するため、初めてカスタマージャーニーマップを作る方もぜひ参考にしてください。
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BtoB向けカスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客の商品・サービス認知から購入までの行動や思考をマップ化して分析する手法です。見込み顧客が購入に至るまでの道筋を明確にすることで、販売促進に不足している部分や課題がわかります。
BtoBにおけるカスタマージャーニーマップは、BtoCとは異なるアプローチが必要です。BtoB向けの商材に関するカスタマージャーニーマップでBtoCのルールを適用すると、正確な分析ができない可能性があります。
BtoBとBtoCにおけるカスタマージャーニーマップの違い
BtoBとBtoCのカスタマージャーニーマップの違いは、大きく分類して次の3つのポイントが挙げられます。
- フェーズごとにターゲットが変わる
- 商品購入の意思決定に関わる関係者が多い
- タッチポイントが多い
1. フェーズごとにターゲットが変わる
BtoBでは顧客が「組織」であり、フェーズごとに別部署や上位者との人間関係を構築する必要があります。フェーズにあわせ、ターゲットも変化します。
フェーズとは、顧客が商品の購入に至るまでの流れのなかで、顧客が起こす行動の段階です。具体的には「商品の認知→情報収集→比較検討→社内稟議→購入」を指します。
BtoBビジネスでは、BtoCの単独顧客を想定したシンプルなカスタマージャーニーマップでは不十分です。顧客社内での推進者やその上司・承認者など複数の人物像やニーズを想定したカスタマージャーニーマップを組み立てる必要があります。
2. 商品購入の意思決定に関わる関係者が多い
BtoBの場合、商品購入の意思決定のプロセスを稟議にかけて、複数人の決裁を受ける必要があります。複数人の決定が必要な以上、ペルソナを複数想定しなければいけません。
ペルソナとは「ターゲットとなる顧客像の具体的なイメージ」です。ペルソナを設定することで、顧客イメージを明確化し有効な施策を打ちやすくなります。
とくに大企業では渉外担当者や会計部門など、複数の部門の同意を得ないと購入を決定できない可能性もあります。購入を促すためには、各署のニーズを把握した段階的な提案が必要です。
3. タッチポイントが多い
一般的にBtoCよりもBtoBビジネスの方が、顧客とのタッチポイントが多い傾向にあります。インターネットの発展によりWeb広告・SNS・自社HP・ウェビナーなどがタッチポイントに加わりました。
ウェビナー(Webinar)とは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を組み合わせた言葉です。オンラインで開催する講演会や説明会を指します。
タッチポイントが多様化したため、営業担当者やカスタマーサポートだけではすべての顧客に細かく対応できないケースがあります。
カスタマージャーニーマップを作成することで、フェーズごとの適切なサポートを体系的に管理できます。設定したペルソナごとに、どのタイミングでどのような情報提供をすることで影響を与えやすいかを考えましょう。
BtoB向けカスタマージャーニーマップの作成方法
BtoB向けカスタマージャーニーマップを作成する方法は、作成ツールを活用して自作とコンサルへの依頼の2つがあります。
1. 作成ツールを利用する
自作する場合、BtoB向けカスタマージャーニーマップの作成はツールを用いるとスムーズです。おすすめのツールは、次の4つです。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
Hubspot | カスタマージャーニーマップの無料テンプレートや解説資料が使える |
KARTE | カスタマージャーニーマップの無料資料に加え自社サイトのユーザー行動分析ができる |
miro | テンプレートを使ってオンラインでマップ作成ができる |
Lucidchart | 他部署のメンバーを巻き込んで直感的なマップ作成ができる |
Hubspot
Hubspotは、無料で使えるカスタマージャーニーマップの複数のテンプレートを提供しています。全36ページにおよぶPDFでの解説もついているため、初心者におすすめのツールです。Starterプランは月額5,400円〜です。
KARTE
KARTEは、自社サイトやアプリに流入したユーザーの感情・行動を解析できるサービスです。過去の膨大な行動ログを解析し、顧客の思考や行動を分析できます。
miro
miroは、場所を選ばずに利用できるオンラインコラボレーションサービスです。テンプレートが多く、カスタマージャーニーマップの作成に必要なブレインストーミングや戦略策定・ビデオ会議などに対応しています。
Lucidchart
Lucidchartは、フローチャート図を描画しながら、チームでのビジョンや戦略・カスタマージャーニーマップを作成できるツールです。マップ作成の過程に必要なブレインストーミングから施策実施後のプロジェクト管理まで幅広い用途に対応しています。
2. コンサルに依頼する
BtoB向けカスタマージャーニーマップの作成は、コンサルへの依頼がおすすめです。コンサル視点から、テンプレのフェーズ設定ではなく自社に最適な形でマップを構築できるためです。
とくにBtoB向けのカスタマージャーニーマップはペルソナ設定が複雑で、間違えると施策の方向性が大きくずれてしまいます。プロの視点を取り入れることで、より効果的なカスタマージャーニーマップが作成できます。
BtoB向けカスタマージャーニーマップの作成手順【6ステップ】
BtoB向けのカスタマージャーニーマップの作成手順は、次の6ステップです。
- ターゲット設定
- 購入までのステップの設定
- タッチポイントの整理
- ペルソナ心理の考察
- KPIの設定
1. ターゲット設定
カスタマージャーニーマップ作成に大切な基礎は、ペルソナの設定です。「ペルソナ」とは顧客像を指し、属性を詳しく設定する必要があります。
BtoBの場合、ペルソナは企業です。企業のなかのさまざまな部門の人が購入に携わる場合、フェーズごとに役職や担当者を分け細かいペルソナ設定をします。BtoB向けカスタマージャーニーマップには趣味や性格は不要です。
2. 購入までのステップの設定
認知から購入に至るまでフェーズを整理します。一例として次のステップが挙げられます。
- 商材の認知
- 情報収集
- 比較検討
- 意思決定
- 社内稟議
- 購入
各フェーズにおける顧客の悩みや課題を想定します。BtoB向けのカスタマージャーニーマップではペルソナはフェーズごとに変わるため注意しましょう。
想定される顧客の思想と行動をまとめ、分析します。主観的な願望は含めず、現実的で客観的な行動・思考分析の視点を持つことが大切です。
3. タッチポイントの整理
各フェーズごとのタッチポイントの整理をします。タッチポイントとは、顧客に対して接点を持てるタイミングを指します。
- InstagramやTwitterなどSNS
- YouTube
- ブランドサイト
- ECサイト
- 展示会
- セミナー
商品認知の段階では、SEOや展示会などで商品を知ってもらう機会がタッチポイントです。比較検討の段階では、より詳しい知識を伝えるための資料提供やセミナーがタッチポイントになります。購入までのプロセスのなかで、顧客にアプローチできるタイミングを整理しましょう。
4. ペルソナ心理の考察
ペルソナの行動を整理するためには、感情や意識に目を向ける必要があります。ペルソナ心理を検討するためには、事前に顧客対象のリサーチが必要です。ヒアリングやアンケートを通じて客観的なデータを収集し、正確な心理考察を目指します。
- 費用に対する効果は十分得られるだろうか
- 上申のための詳細資料は準備できるか
- ほかのツールとの違いは何か
- 導入済みの企業の評価はどうか
ペルソナ心理に寄り添った考察ができれば、自然と必要な施策が浮かびます。見込み顧客の離脱が多いフェーズでは、とくに心理考察が重要です。
5. マッピング
分析と整理が完了したら、マップに情報を落とし込みます。カスタマージャーニーマップの作成は、複数人の意見を取り入れることが大切です。1人の意見に頼ると、偏った評価につながるためです。
万が一意見がわかれた際は、全員が納得するまで議論しましょう。詳細を突き詰めるなかで、販売促進に必要な要素が見えてきます。
6. KPIの設定
マッピングと並行して、各ステップにおけるKPIの設定も大切です。「KPI」とは中間目標を指し、最終的なゴールに到達するために必要な段階的な目標にあたります。KPIをフェーズごとに定めることで、具体的な施策が決められます。
BtoB向けカスタマージャーニーマップ作成の5つのポイント
BtoB向けカスタマージャーニーマップ作成における大切なポイントは、次の5つです。
- 企業群を絞り込む
- ペルソナを複数人設定する
- 顧客社内でのやり取りを想定する
- 自社商品・サービス導入の障害を想定する
- 他部署と連携し複数人で作成する
1. 企業群を絞り込む
BtoB向けカスタマージャーニーマップ作成のポイントは、ターゲット企業群の絞り込みです。企業群を絞り込むことで、想定顧客を属性ごとに分類できます。
会社の売り上げ上位を占める企業群をサンプルにして絞り込む方法が効率的です。そこから企業の規模や業種・課題・購買にたずさわる関係者をまとめていきます。
2. ペルソナを複数人設定する
購入の意思決定に関わるペルソナを複数想定して設定しましょう。BtoBの場合、組織相手の取引になるため、さまざまな人間が購入の意思決定にかかわります。
複数人のペルソナを作るために必要なことは、購買関係者の一覧表の作成です。具体的には担当者・担当者の上司・経営陣・利用部門などが想定されます。
一覧を書き終えたところで、購入の意思決定におけるキーパーソンを想定します。キーパーソンが複数人決まった場合は、それぞれにペルソナを設定していきましょう。
3. 顧客社内でのやり取りを想定する
顧客社内でのやり取りの想定は、BtoB向けカスタマージャーニーマップ作成のポイントの1つです。担当者が社内に持ち帰った際、社内の関係者は商品に関する質問をするでしょう。
具体的には「商品の特徴」や「ライバル商品との違い」などを聞かれる可能性があります。コスパ・導入の課題なども聞かれると想定しましょう。顧客内で行われるやりとりを先回りすることで、提案時にあらかじめ適切な回答が用意できます。
4. 自社商品・サービス導入の障害を想定する
BtoBの場合、カスタマージャーニーマップをとおして自社製品やサービス導入の障壁を把握することが大切です。「担当者は前向きだが社内をまとめきれない」「反対意見が多すぎて担当者があきらめてしまう」などが想定されます。
担当者を支えるサポート体制を検討してみましょう。担当者の後方支援として、直接担当者の上司に商品説明をしてアプローチする方法もあります。キーパーソンを巻き込むために、マップ作成時に関心点・不安点を分析しあらかじめ対策を決めておくと対応しやすくなります。
5. 他部署と連携し複数人で作成する
自社商品・サービスに携わる関係部署全体を巻き込んで、複数人でカスタマージャーニーマップを作成しましょう。単一部署では気づけない視点や、特定の部署にしか届いていない顧客の声があるためです。
複数部署を巻き込んで作成することで、他部署と目的意識も共有され施策を実施しやすくなる効果もあります。会社全体のマーケティングの方向性統一にもつながります。
BtoB向けカスタマージャーニーマップの作成を依頼するコツ
BtoB向けカスタマージャーニーマップ作成を依頼する際のコツは次の2点です。
- 目的を明確にする
- 複数社の見積もりを比較して依頼先を決める
1. 目的を明確にする
カスタマージャーニーマップ作成の目的を明確に定めましょう。課題抽出や問題意識の統一など、企業の現状によって目的はさまざまです。
時間とコストを割いてカスタマージャーニーマップを作成するのであれば、効果を最大化できるよう事前準備が大切です。目的や方法を事前に明確に決め、カスタマージャーニーマップ作成後に期待する変化を見据えて作業に取りかかりましょう。
2. 複数社の見積もりを比較して依頼先を決める
コンサルにカスタマージャーニーマップの作成を依頼する場合、複数社への見積もり依頼をとりましょう。BtoB向けのカスタマージャーニーマップはペルソナ設定が多く、正確な分析は簡単ではないためコンサルへの依頼がおすすめです。複数社への見積もりをとると価格やサービス内容が比較でき、最適な業者を選べます。
比較ビズでは、カスタマージャーニーマップ作成を依頼できる複数社のコンサルへの一括見積もりが無料でできます。依頼や調整の手間が省けるため、効率的に自社に適したコンサルが見つかります。コンサルを探す際はお気軽にご利用ください。
まとめ
BtoB向けカスタマージャーニーマップは、BtoC向けに比べて複雑なポイントが多く、作成に手間がかかる特徴があります。想定されるペルソナがフェーズごとに変化したりタッチポイントが多様であったり、慣れないうちはマップ作成にとまどうこともあるでしょう。
品質の高いカスタマージャーニーマップを作成するためには、コンサルへの依頼がおすすめです。見積もり依頼を検討中であれば、ぜひ比較ビズをご利用ください。
マーケティングコンサルティングとして、上場企業から地方中小企業まで延べ100社以上のご支援を経験。戦略設計から実行、人材育成まで会社において事業面を全てご支援範囲としている。WEBマーケティングにおいても、WEB広告及び制作関連も全て対応。過去実績:集客改善PJ(WEBマーケ改善率 110%〜160%)、マーケティング人材育成PJ(人材育成後、集客が2.5倍改善)
1:1つの購買でも複数の人が関わる
2:顧客セグメントを市場全体から絞り込みをかけ、複数パターンに分ける
3:新規購買からリピートユーザーへの転換フォローをより手厚くしていく
大まかな要約では、上記の3点となります。
上記ポイントの中でも、BtoBマーケティングのカスタマージャーニーにおいて最も注目されているのが「カスタマーサクセス」と言われるアフターフォローフェーズです。
近年では、カスタマーサクセスにおいての様々なSaaSツールも生まれてきておりBtoB発信で消費者向けマーケティングへの影響を及ぼし始めているほどです。
これからマーケティングを学ぶ方や、改めて勉強をされるという方。また現在マーケターとして活動している方も本記事をお読みいただきBtoBマーケティングの現在の活動の概要を把握することが、次の一手に大きく関わる知識となりますので、一度足を踏み入れて頂ければと思います。
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
もしも今現在、
- 市場分析のやり方がわからない
- 成果を上げる戦略が立てられない
- 具体的な実行計画が組めない
上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の経営コンサルタントに一括で見積もりができ、相場感や各専門家の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。
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