カスタマージャーニーマップの作り方は?7つの作成ステップや注意点を解説

最終更新日:2023年06月15日
カスタマージャーニーマップの作り方は?7つの作成ステップや注意点を解説
この記事で解決できるお悩み
  • カスタマージャーニーマップとは?
  • カスタマージャーニーマップの作り方は?
  • カスタマージャーニーマップ作成で得られるメリットは?

カスタマージャーニーマップを作ることで顧客へのアプローチを体系的に把握でき、適切なマーケティング方法がわかります。

この記事では、マーケティング担当者向けに、カスタマージャーニーマップの作成手順を解説します。記事を読み終わった頃には、作成のメリットや注意点がわかるでしょう。

「顧客の行動を分析して売上を向上させたい」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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カスタマージャーニーマップとは「顧客行動の見える化」

カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客が商品を購入するまでの思考や行動を分析する「顧客行動の見える化」です。顧客が何を考えどのような行動を取るのか、時系列でまとめます。

カスタマージャーニーマップを作ることで顧客へのアプローチを体系的に把握でき、適切なマーケティング方法がわかるメリットがあります。具体的には以下の項目を分析します。

  • 見込み顧客はどのように商品やブランドを認知し関心を持つのか
  • 購入意欲を喚起された見込み顧客はどのような情報収集を行うのか
  • どの商品と比較検討して購入を決めるのか

カスタマージャーニーマップを通して顧客が購買行動を起こす過程を分析し、企業は顧客に対してとるべきアプローチを検討します。顧客の行動・思考・感情を把握することで、広告媒体の選定・提供する情報の精査などへ応用が可能です。

カスタマージャーニーマップの作り方【7ステップ】

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カスタマージャーニーマップの作成は、正しい順序を踏まなければ効果のある分析ができません。目的の明確化やペルソナ設定から、作成方法の流れを把握しましょう。作成手順は、以下の7ステップです。

  1. 目的を明確にする
  2. ペルソナを設定する
  3. 顧客の行動段階(フェーズ)を設定する
  4. 顧客の行動・タッチポイントを洗い出す
  5. 顧客の感情・思考を洗い出す
  6. 課題や施策を洗い出す
  7. マップに記載する

ステップ1. 目的を明確にする

カスタマージャーニーマップ作成の目的を明確にしないと、分析項目やマーケティング施策の意図が呼応しないおそれがあります。目的を明確にすると、作業がスムーズに進み精度の高いマップが仕上がります。

作成目的に絶対的な正解はありませんが、現状の課題や改善したいポイントを主軸に設定することが一般的です。例として「サービスのブラッシュアップをしたい」「マーケティング戦略の基礎にしたい」「コンテンツ制作の指針にしたい」などが挙げられます。

ステップ2. ペルソナを設定する

ペルソナの設定はカスタマージャーニーマップ制作において、初期段階で検討すべき事項です。ペルソナとは、商品やサービスを購入する顧客像を指します。ペルソナを設定する際には、以下の項目を想定しましょう。

  BtoBの場合 BtoCの場合
要素 ・企業名・所在地
・創業年数・業態
・事業内容・売上規模
・従業員数・部署
・役職・企業文化
・氏名・性別・年齢
・居住地域・家族構成
・職業・仕事内容
・役職・年収
・学歴
・将来の目標
・休日の過ごし方
・よく見るメディア

ペルソナを設定する際に重要なのは客観性です。主観的に設定すると、実際の顧客層との間に差が生まれます。主観や思い込みに偏らないよう、アンケートやインタビューで情報を収集しましょう。

収集したデータをもとにしてペルソナを組み立てると、実情に即したターゲット像が浮かび上がります。

以下の記事では、カスタマージャーニーにおけるペルソナを詳しく解説しています。設計方法や注意点を知りたい方におすすめです。

ステップ3. 顧客の行動段階(フェーズ)を設定する

カスタマージャーニーマップの項目で最も重要なポイントの1つは、マップの横軸である「顧客のフェーズ」の設定です。フェーズとは「自社商品・サービスに対しての顧客の行動を分類する軸」です。

各ステップを細かく分類し、商品・サービスに出会う前から購入後までを一連のフェーズとして設定する形式が一般的です。消費者行動のフェーズ分類の例を紹介します。

1. 無関心 商品・サービスを知らない段階
2. 認知 商品・サービスを認知した段階
3. 情報収集 商品・サービスの情報を集めている段階
4. 比較検討 他の商品・サービスと比較検討している段階
5. 購入 商品・サービスを購入した段階
6. 利用 商品・サービスを利用し始めた段階

上記は1つの例であり、詳細な分析のためには、自社商品・サービスの販売方法に即した形式でフェーズを分類する必要があります。自社商品・サービスの実態に即して顧客のフェーズを正しく設定しないと、課題の設定や施策の方向性が定まらないため注意しましょう。

ステップ4. 顧客の行動・タッチポイントを洗い出す

フェーズ設定が完了したら、顧客行動や商品・サービスとのタッチポイントを洗い出します。顧客行動は、顧客が自社商品やサービスに触れた際に起こす行動を指し「YouTubeで動画を見た」「Googleで検索した」などが該当します。

タッチポイントとは、顧客が商品・サービスと接点を持つ媒体を指し、SNSやWebサイト、テレビ・駅内広告・紙媒体の広告などです。

顧客とのタッチポイントや行動を正確に知るためには、できるだけ多くの手段を洗い出すことがポイントです。アンケートやインタビューを通じて顧客情報を集めることで、行動やタッチポイントを網羅的に洗い出せます。

ステップ5. 顧客の感情・思考を洗い出す

顧客が自社商品・サービスに触れた際に抱く感想や考え方を洗い出しましょう。想像や思い込みに頼らず、アンケートやインタビューを通して客観的な事実を収集することが大切です。

簡易的なアンケートの例として、顧客の自社商品・サービスに触れたときの感情を顔文字や天気表現で収集する企業があります。対象者が視覚的に把握しやすい内容にすると、アンケートに答えやすい仕組みができます。

ステップ6. 課題や施策を洗い出す

顧客の動向が整理できたら、現状のカスタマージャーニーの課題を書き出し、必要な施策を決める段階です。顧客の行動やタッチポイント、感情・思考が事実に即して洗い出せていれば、具体的な課題が見つかります。

課題が明確化し、施策が決めやすくない環境を作ることが大切です。たとえば、顧客が自社商品・サービス情報を知る機会が少ない点が課題と仮定します。課題に対して、商品説明のページを作成し特徴を伝える機会を増やす施策を立てると、購買のチャンスが増えます。

ステップ7. マップに記載する

各種情報を整理できたら、マッピング作業を進めます。情報を反映し、カスタマージャーニーマップを仕上げていく段階です。

マップ作成のポイントは、部署横断でカスタマージャーニーマップを作ることです。特定の部署だけでマップを作成すると視点が偏るため、複数の部署から多様な意見を取り入れましょう。

マップは、ビジュアルを意識した作り方も重要なポイントです。グラフやイラストなどを盛り込むことで、より視覚的でわかりやすくなります。

カスタマージャーニーマップを作る4つのメリット

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カスタマージャーニーマップを作成するメリットは、次の4つです。

  1. 顧客に合う商品を提供できる
  2. 顧客との接点を最適化できる
  3. 課題や施策の優先順位を把握できる
  4. 社内全体で情報共有できる

1. 顧客に合う商品を提供できる

カスタマージャーニーマップの作成は顧客目線を見直す機会になるため、顧客に合う商品が提供できます。マップの作成を通して顧客の心理・行動に即した商品やサービスがわかり、最適な施策が講じられるためです。

マーケティングが自社目線の主観的な評価になると、実際の顧客のニーズに対応できません。商品やサービスの長所・短所を理解したり、売上を向上させたりするためには、顧客目線の評価が必要です。カスタマージャーニーマップの作成は顧客主義のマーケティングへの近道です。

2. 顧客との接点を最適化できる

カスタマージャーニーマップを作成することで、自社商品・サービスと顧客の接点や顧客の感想や行動が把握できます。各フェーズで想定している顧客層が自社商品・サービスに対してどのような印象を受けているかを見直す機会となります。

課題となるポイントがわかれば、アンケート調査やインタビューを通して原因を分析し、改善可能です。効果的に購買を促進する仕組みが形成できます。

3. 課題や施策の優先順位を把握できる

カスタマージャーニーマップ作成のメリットは、課題の優先順位が決められる点です。適切な施策を講じるには、商品・サービス認知から購入まで、幅広い課題に対応しなければなりません。

カスタマージャーニーマップの作成を通じて、顧客の心理から一連の行動までを整理し一覧化できます。各フェーズを細分化して分析するため、それぞれに対する課題や効果的な施策の洗い出しに効果的です。必要性の高い施策から取り組むことで、効率的な販売促進につながります。

4. 社内全体で情報共有できる

カスタマージャーニーマップの導入により、部分的な課題ではなく全般的な課題を社内で共有できるメリットがあります。社内全体が現状を正しく把握できるため、改善の方向性を1つにまとめられます。

マーケティング施策を展開する際に重要なのは、部門を横断したプロジェクトチームを作ることです。カスタマージャーニーマップがあればプロジェクトチームで情報を共有できるため、課題のあぶり出しや施策決定の過程が円滑になります。

カスタマージャーニーマップ作成時の5つの注意点

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カスタマージャーニーマップ作成の注意点は、次の5つです。

  1. 客観的な視点を大切にする
  2. マップをシンプルに作成する
  3. まんべんなくリサーチする
  4. 定期的にアップデートする
  5. 効率的に行うためには業者を利用する

1. 客観的な視点を大切にする

カスタマージャーニーマップを作成する際には、客観的な視点を大切にしましょう。マップ作成の際、自分たちの思い込みや願望が入ると正確な分析結果が得られません。

「顧客の要望はきっとこうだ」や「顧客はこう動くだろう」などの主観的な見方や期待はなるべく排除します。思い込みでマップを作成すると、自分たちに都合のいいストーリーになり現状と差が生まれるためです。

カスタマージャーニーマップの作成には、事実をベースにした分析の徹底が重要です。

2. マップをシンプルに作成する

カスタマージャーニーマップを作成する際は、シンプルな構造を大切にしましょう。カスタマージャーニーマップは、複雑すぎると理解しにくく情報共有が難しくなります。マップの作り方で重視しなければならないのは、完璧さではなく使い勝手です。

商品やサービスにより、問題点や課題がたくさん見つかることもあります。問題点や課題のすべてをマップに反映すると、優先順位がわかりにくくなります。フェーズを細かく分解しすぎると、構造が複雑化し作成にかかる時間と手間が膨大になるため注意が必要です。

最初はシンプルなマップで構いません。施策を進めていくなかで、必要な項目が出てきたらブラッシュアップする感覚で作成しましょう。

3. まんべんなくリサーチする

カスタマージャーニーマップ作成で重要なのは偏りのないリサーチです。マップの作成は客観的な情報を収集し、現状に則した分析が基盤となります。調査方法が不十分では、リサーチの結果に偏りが生まれ正しい施策が講じられません。

自社視点のSNS・ホームページアクセス解析だけではなく、商品やサービスに関するアンケートやインタビューを実施しましょう。実情を反映した客観的なデータを作成するためには、なるべく多くの意見を収集する必要があります。

4. 定期的にアップデートする

市場動向や顧客のリアクションは、時代とともに変化するため、カスタマージャーニーマップは定期的にアップデートしましょう。実情にともなう分析と施策を継続が大切です。

データ分析を実施しても、時間の経過により現状と差が生じます。業種や取り扱う商品、サービスにより異なりますが、半年〜1年に1回のペースで見直しましょう。いつでも見直せるよう、新規マップを作成できる体制の整備を進めることも重要です。

5. 効率的に行うためには業者を利用する

精度の高いカスタマージャーニーマップの作成のためには、コンサル会社への依頼がおすすめです。マップ作成は情報収集や分析など手間と時間を要する作業です。慣れないうちはフェーズやペルソナの設定も難しく、正確な結果を導き出せない可能性があります。

効率的に精度の高いカスタマージャーニーマップを作成するためには、マーケティングに知見のある専門家へ依頼しましょう。複数社に見積もりをとり比較することで、サービス内容や価格を比較して条件のいい専門家が見つかります。

まとめ

カスタマージャーニーマップ作成は、自社の現状が正しく把握でき、課題解決の糸口がつかめるきっかけとなります。精度の高いカスタマージャーニーマップを作成するためには、下準備で顧客情報をいかに多く集められるかがポイントです。

客観的な要望や意見を分析し、マップを活用して自社の課題を正確にあぶり出しましょう。

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監修者のコメント
Long Lasting Line (ロングラスティングライン)
代表者 福住 和久

実践戦略経営コンサルティングロング ロングラスティングライン代表。同志社大学商学部出身。大手米国系企業“P&Gジャパン”および“リーバイスジャパン”にて営業・マーケティング・戦略構築・組織構築の実務担当・責任者を経てフランスのフレグランスブランド “ディプティック ジャパン”にて日本法人社長。その後日本の企業アルファネット(株)にてCEO。それらの実践経験を基にビジネスコンサルティングファーム“ロング ラスティング ライン”を東京にて起業。経営・マーケティング・営業・評価制度・組織構築などの企業成長の要パートを専門に主に日本全国の中小企業・個人企業を支援。B to B およびB to B to Cモデルの企業を中心に支援。

”カスタマージャーニー”とは一言で言うと顧客(潜在顧客・顕在顧客・ターゲット顧客等)が自社の商品に行きつくまでの行動のステップのことです。不思議なもので本人も気づかないうちに自然に取っている行動・感情・期待で構成されます。

それを販売側のこちらが把握できればどれだけ売り上げが上がるかは容易に想像できます。それを理解することは、考えるまでもなくビジネスの根本のタスクです。上記の記事に従ってまずは簡単で良いので一度作業をしてみると色々な事が学べ良いと思います。必要であればお金をかけてリサーチをしより精度の高いものにして行けばよいだけです。

そして、重要なことはそのステップの最初の出発点と最後の終点のステップを何処に置くかです。一般的に認知から始めることが多いのですが本当にそうなのか?と言う疑問も自社の商品や・サービスに照らし合わせて考えなければなりません。最初は生活への不満かもわかりません。

また終点についても買って終わりでは決してありません。それを使う・消費すると言う行動、リピートする、、、もっと先もあります。ご本人がその商品のアンバサダーになると言う事です。頼んでもいないの周りに宣伝してくれる。これを最終のゴールとしてアクションプランを作成することも一考です。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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