資金調達ではクラウドファンディングが有効?成功するための4つのポイントを解説!
- クラウドファンディングとは何?
- クラウドファンディングのメリット・デメリットは?
- クラウドファンディングで資金調達するためのポイントは?
「クラウドファンディングを成功させるポイントは?」とお悩みの方、必見です。クラウドファンディングは種類が多く始めやすい資金調達方法の1つです。
この記事では、クラウドファンディングを利用するメリット・デメリットを実行者と出資者両方の観点から解説します。
クラウドファンディングを成功させるポイントも紹介するため、利用を検討しているはぜひ参考にしてください。
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クラウドファンディングは不特定多数から資金調達する仕組み
クラウドファンディングは、クラウド(群衆)とファンディング(資金調達)を合わせた造語であり、不特定多数から資金調達する仕組みを指します。インターネット上で新しい商品やサービスの構想を発表し、魅力を感じた個人が出資する形が一般的です。
金融機関からの融資とは異なり、手軽に始められ拡散性が高いため、スタートアップ企業や個人が利用するケースが増加しています。
クラウドファンディング6つの種類
クラウドファンディングには以下の6つの種類があります。
- 購入型
- 寄付型
- 融資型
- 株式投資型
- ファンド型
- ふるさと納税型
クラウドファンディングは、目標金額を達成しなければ支援金を受け取れない「All-or-Nothing型」と、目標金額に達しなくても支援金を受け取れる「All-In型」があります。自分のプロジェクトに合ったタイプのクラウドファンディング方式を選びましょう。
1. 購入型
購入型クラウドファンディングは、クラウドファンディング実行者を通じて個人が商品やサービスを購入するタイプです。
実行者側は、購入型クラウドファンディングによって資金が得られ、完成した製品やサービスを提供することで出資者にリターンできるため、ローリスクでの開発が可能です。支援者に確実にリターンを届けられるか慎重に検討しましょう。
出資者はリターンとして完成した商品やサービスを受け取ることができます。金銭的なリターンは得られません。
2. 寄付型
寄付型クラウドファンディングは、出資者が寄付の形で出資を行うタイプです。出資金は寄付であるため、何らかのリターンが発生することはありません。
被災地や発展途上国への支援、町おこしのための寄付など社会貢献を目的としたプロジェクトによく見られます。プロジェクト実行者は、製品やサービスを提供する必要はありませんが、支援金がどのように使われたか報告することが求められるでしょう。
3. 融資型
融資型クラウドファンディングは、クラウドファンディング実行者が個人の出資者から小口の投資を募り、プロジェクトに貸し付けるタイプです。
プロジェクト実行者のメリットは金融機関をはじめとする厳しい審査を受けなくていいことで、デメリットは出資者に金銭的リターンである利息を支払う必要があることです。
注意点として、貸金業法や金融商品取引法の規制を受ける可能性があること、リスクを伴うため融資が受けられるテーマが限られていることが挙げられます。
少額からの出資が行えるため、出資者は気軽に参加できるでしょう。
4. 株式投資型
株式投資型クラウドファンディングは、株式会社が未公開株を個人投資家に提供して資金を募るタイプです。上場していない企業の未公開株は、上場企業以上のリターンが得られる可能性があります。
クラウドファンディング実行者は、第一種少額電子募集取扱業の資格が必要なためハードルの高い方法です。
出資者のメリットは、クラウドファンディング実行者を通じて出資するため、詐欺のリスクが抑えられることです。デメリットは不確実性が高くハイリスクであることでしょう。投資できる金額に上限があることにも注意が必要です。
5. ファンド型
ファンド型クラウドファンディングは、企業がクラウドファンディング実行者を通じて出資を募るタイプです。株式型と似ていますが大きな違いは、利益に応じた分配金が得られる点です。
プロジェクト実行者のメリットは、分配金だけではなく商品やサービス、割引券などをリターンとして提供でき、自社の知名度を高められることです。分配金は利益に応じているため、会社の経営を圧迫することがありません。
出資者は、出資した分だけ支援が受けられるメリットがあります。注意点は、ファンド型に対応しているクラウドファンディング実行者が少なく、利用しづらいことです。
6. ふるさと納税型
ふるさと納税型クラウドファンディングは自治体が行うもので、プロジェクトに賛同した個人からのふるさと納税によって資金を調達するタイプです。
ふるさと納税により個人投資家が寄付金の控除を受けられるため、相続税・所得税対策を考えている人から支援を受けやすいでしょう。
個人投資家へ上手にアピールできれば、世界中から支援を受けられます。
クラウドファンディングで資金調達するメリット5つ
クラウドファンディングで資金調達する際、次の5つのメリットがあります。
- 審査基準のハードルが低い
- 返済の負担が少ない
- 目標以上の資金が集まる可能性がある
- マーケティング効果を見込める
- 自己資金がなくても起業できる可能性がある
1. 審査基準のハードルが低い
クラウドファンディングによる資金調達は、審査基準のハードルが低い点がメリットです。金融機関は融資の際、厳しい審査を行います。スタートアップ企業や個人が立ち上げたプロジェクトは多額の融資を受けるのは難しいでしょう。
クラウドファンディングの場合、審査はあるものの金融機関ほど厳しくありません。審査基準はクラウドファンディング実行者によって異なりますが、必要書類を不備なく揃えてプロジェクトが実現可能であることを示すことで、審査に通ることは難しくないでしょう。
2. 返済の負担が少ない
クラウドファンディングで資金調達する場合、返済の負担が少ない点もメリットです。
寄付型であれば返済の必要はなく、購入型や株式投資型でも製品や株式を譲渡することで義務を果たしたことになります。ファンド型の場合、分配金を支払う必要がありますが、利益に応じて分配金が決まるため金融機関への返済ほどの負担ではありません。
金融機関からの融資やファクタリングでは、金利や返済の負担が大きくなります。キャッシュフローが悪い企業・個人でも、積極的に活用できる資金調達方法です。
3. 目標以上の資金が集まる可能性がある
クラウドファンディングによる資金調達は、目標以上の資金が集まる可能性があります。短期間で設定金額を上回る支援が得られた場合、金融機関が融資してくれる金額を上回る支援が集まることもあります。
資金が集まれば高品質な製品を作れるでしょう。プロジェクト内容を多くの人に訴えかけるアイデアも必要です。
4. マーケティング効果も見込める
クラウドファンディングでの資金調達は、マーケティング効果を見込めます。クラウドファンディン実行者を通じてプロジェクトを紹介することで、より多くの人に内容を知ってもらえるでしょう。
プロジェクトの認知度や興味の高さ、どの属性の人にニーズがあるのかを分析できます。SNSと連動させることで、プロジェクト内容を拡散できるでしょう。
5. 自己資金がなくても起業できる可能性がある
クラウドファンディングで資金調達することで、自己資金がなくても起業できる可能性があります。金融機関の審査では、自己資金の有無が厳しくチェックされ、起業資金全体の10%程度の自己資金がなければ、融資を受けるのは難しいです。
スタートアップ企業の場合、金融機関の融資が受けられないことが大きな障害となることがあるでしょう。多くの出資金を集められれば、自己資金の有無に関係なくプロジェクトをスタートできます。
クラウドファンディングで資金調達するデメリット5つ
クラウドファンディングで資金調達するデメリットも把握し、利用するかどうかの判断材料にしましょう。
- 目標金額に達しないおそれがある
- アイデアが盗まれるおそれがある
- プロジェクトの中止・変更ができない
- 事務作業の手間が増える
- 短期間で成果を出さなければならない
1. 目標金額に達しないおそれがある
クラウドファンディングによる資金調達のデメリットは、目標金額に達しないおそれがある点です。設定した目標金額が得られなかった場合クラウドファンディングのタイプによりその後の対応が異なります。
「All-or-Nothing型」は資金を返金しプロジェクトを諦めるか、自己資金で続行することができます。「All-In型」は目標金額に達しなくても支援金を受け取り、リターンを提供するという流れとなります。足りない分は自己資金で補わなければならず、金銭的な負担が発生します。
2. アイデアが盗まれるおそれがある
クラウドファンディングは不特定多数の人にアイデアを公表するため、資金調達の間に競合他社がプロジェクトを横取りするおそれがあります。
アイデアをすべて盗まれなくても、似たような商品やサービスが開発された場合、大きな利益を上げるのは難しいでしょう。
3. プロジェクトの中止・変更ができない
クラウドファンディングでは、プロジェクトの中止や変更は控えましょう。プロジェクト内容を変更すると変更前後で支援者間の不公平が生じるためです。期間限定、人数限定の商品・サービスを提供していた場合、内容の変更で支援者の信頼を失うでしょう。
クラウドファンディング実行者のなかには、プロジェクトの中止や変更を原則禁止しているところもあります。規約によって内容の変更や中止が可能であっても、支援者の信頼を失わないためにプロジェクトを続行する方法を模索しましょう。
4. 事務作業の手間が増える
クラウドファンディングを実施すると、事務作業の手間が増える点もデメリットといえます。ファンド型や融資型の場合、資金がいくら提供されたのか、資金提供者にいくら利息や分配金を支払わなければならないのか管理することが必須です。
クラウドファンディングによる資金調達は、支援者の人数が数十人から数千人になることもあります。支援者の人数が増えれば増えるほど、事務作業の時間や労力が増えるでしょう。
5. 短期間で成果を出さなければならない
融資型やファンド型のクラウドファンディングでは、支援者に対して利息や分配金を支払うため短期間で成果を出さなければならないデメリットがあります。
寄付型や購入型は、プロジェクト実施や製品開発のための時間的余裕がありますが、毎月支払いが発生するクラウドファンディングではすぐに利益を出すことが求められます。
プロジェクトの成功確率や利益を出せる時期を慎重に見極めることが大切です。
クラウドファンディングで資金調達する流れ
クラウドファンディングで資金調達する際の流れは以下のとおりです。
- クラウドファンディングサイトの選定
- プロジェクトページの作成
- プロジェクトページの公開
- 資金調達後にプロジェクトを実施
1. クラウドファンディングサイトの選定
クラウドファンディングで資金調達する際、はじめに利用するサイトの選定を行いましょう。現在では多くのクラウドファンディング実行者がサイトを運営しています。
プロジェクトやサービスの種類、資金調達の方法、手数料などを考慮し最適なサイトを選びましょう。集まる支援者の属性は、クラウドファンディング実行者やサイトにより変化します。
利用するサイトにより審査内容が異なるため利用規約をよく読み、プロジェクトがサイトの審査に通過できるか判断しましょう。
2. プロジェクトページの作成
利用するクラウドファンディングサイトが決まったら、プロジェクトページの作成を始めましょう。プロジェクトページを最後まで読んでもらうためには、出資者のペルソナ設定と紹介文冒頭の500字前後が重要です。
どのような人が支援してくれる可能性があるか、支援してもらいたい人物像を細かく設定し、プロジェクトの紹介文を考えましょう。
3. プロジェクトページの公開
プロジェクトページの完成後、サイトにページが公開されます。クラウドファンディングサイトには多くのプロジェクトページがあるため、人々の目に留まるようにプロモーション活動を行うことが大切です。
クラウドファンディングの募集期間中は、SNSをはじめとするさまざま媒体でプロモーションを行いましょう。
4. 資金調達後にプロジェクトを実施
資金が集まったら、プロジェクトを始動させましょう。プロジェクトの進捗状況は、SNSや他の媒体を使い公開することで出資者へ信頼と安心を与えることができます。
さらに支援が必要となった場合、クラウドファンディングをもう1度行う選択肢もあります。
クラウドファンディングを成功させるポイント4つ
クラウドファンディングを成功させるためには、以下のポイントを意識しましょう。
- プロジェクト内容をわかりやすいものにする
- 魅力的なリターンを用意する
- プロジェクトの進捗を公開する
- SNSを駆使して拡散する
1. プロジェクト内容をわかりやすいものにする
クラウドファンディングを成功させるポイントの1つは、プロジェクト内容をわかりやすいものにすることです。支援者はプロジェクト内容に魅力を感じて投資するため、目標やリターンがわかりにくいクラウドファンディングは資金を集めにくいでしょう。
プロジェクトの目的や将来性、製品・サービスの説明に加え、返金対応の時期や方法なども記載すると、支援者の不安を解消し信頼されやすくなるでしょう。
2. 魅力的なリターンを用意する
クラウドファンディングの支援者にとって重要なのは、魅力的なリターンを用意することです。プロジェクトが良質なものでも、リターンが魅力的でなければ支援を受けることは難しいでしょう。
重要なのは、用意したリターンが実行者にとって大きな負担にならないことです。無理なリターンを提供すると事業継続が難しくなり、プロジェクトがとん挫するおそれもあります。
支援者が魅力を感じ実行者が持続可能であるバランスの取れたリターンを検討しましょう。
3. プロジェクトの進捗を公開する
クラウドファンディングでの資金調達を成功させる別のポイントは、進捗状況を公開することです。プロジェクトページでは、支援の状況報告や宣伝などを逐一更新しましょう。
とくに支援数の途中経過を報告することは重要です。プロジェクトがどれくらい支持されているかを公表することで、個人投資家に自分も参加したい気持ちを持ってもらえる可能性があります。
4. SNSを駆使して拡散する
クラウドファンディングを成功させたいのであれば、SNSを駆使しましょう。SNSは不特定多数の人に効率よく情報を伝えるために欠かせないツールです。とくに公開直後と終了直前は重要な期間です。
公開から5日間はスタートダッシュ期間と呼ばれ、支援者がもっとも集まりやすい時期です。スタートダッシュ期間で目標金額の20%を達成すると、クラウドファンディングの成功率が飛躍的に高まることが知られています。
まとめ
クラウドファンディングは資金調達する仕組みであり、返済の負担が少ない、自己資金がなくてもプロジェクトを進められるなどのメリットがあります。
プロジェクトに魅力を感じてもらえるようなプロジェクトページ作りや宣伝が必要になるため、専門家の力を借りながらクラウドファンディングを成功させましょう。
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東京都生まれ。大学卒業後、金融機関勤務を経て、税理士業界へ転職。長崎の税理士業界で16年の実務経験。その中で、のべ1,000社以上の決算業務に従事し、相続税申告も経験。顧客から事業承継やM&Aに関する相談及び業務が増加してきたことに合わせて、2015年に税理士法人から独立し、株式会社経営支援センターを設立、代表取締役に就任。事業承継支援・M&A支援を中心に経営コンサルタント業務を行っている。
また、クラウドファンディングでの資金調達の結果を基に、金融機関へさらなる融資を申し込むことも可能です。実際の市場調査の結果を基に資金需要と返済計画を作成できるので、実行可能性の高い事業計画を作成することができます。
新しい価値判断で商品開発を行う場合や、サービス展開を検討する際は、クラウドファンディングを活用すると、飛躍的に事業を推進できるようになります。
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